児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

日本法では交際中・婚姻中に撮影されたものでなくても、嫌がらせや復讐目的がなくても「リベンジポルノ」になるのに「リベンジポルノとは、元交際相手や元配偶者に対する嫌がらせや復讐(ふくしゅう)(リベンジ)の目的で、交際中や婚姻中に撮影した相手方の裸の写真などを、インターネットに投稿するなどして不特定多数者に公開する行為を言います」(弁護士・東田正平)

 日本法上のリベンジポルノは「私事性的画像記録」といって

私事性的画像記録」とは、次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像(撮影の対象とされた者において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。)に係る電磁的記録その他の記録をいう。

と定義されていて、交際中・婚姻中に撮影されたものでなくても、嫌がらせや復讐目的がなくても成立します。
 公表予定がない個人モデルのヌード画像の公表とかも含まれる点で、立法目的からは広すぎると考えています。

私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律
(平成二六年一一月二七日/法律第一二六号)
第一条(目的)
 この法律は、私事性的画像記録の提供等により私生活の平穏を侵害する行為を処罰するとともに、私事性的画像記録に係る情報の流通によって名誉又は私生活の平穏の侵害があった場合における特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)の特例及び当該提供等による被害者に対する支援体制の整備等について定めることにより、個人の名誉及び私生活の平穏の侵害による被害の発生又はその拡大を防止することを目的とする。
第二条(定義)
 この法律において「私事性的画像記録」とは、次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像(撮影の対象とされた者(以下「撮影対象者」という。)において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者(次条第一項において「第三者」という。)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。次項において同じ。)に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。同項において同じ。)その他の記録をいう。
一 性交又は性交類似行為に係る人の姿態
二 他人が人の性器等(性器、肛こう門又は乳首をいう。以下この号及び次号において同じ。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
2この法律において「私事性的画像記録物」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、前項各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像を記録したものをいう。

暮らしの法律相談/リベンジポルノ/ネット上の画像 削除可能/
2018.03.22 河北新報
 -リベンジポルノって、少し前からよく聞くようになりましたけど、具体的にはどのような行為を言うのですか。

 「リベンジポルノとは、元交際相手や元配偶者に対する嫌がらせや復讐(ふくしゅう)(リベンジ)の目的で、交際中や婚姻中に撮影した相手方の裸の写真などを、インターネットに投稿するなどして不特定多数者に公開する行為を言います」

 -不特定多数の人に見られるなんて、考えるだけで怖いです。リベンジポルノを規制する法律はないのでしょうか。

 「2013年10月、被害女性が復縁を迫る元交際相手に殺害された上、交際中に撮影された性的画像をインターネットに拡散されたという、三鷹ストーカー殺人事件が起きました。この痛ましい事件を機に、14年11月19日、『私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律』、いわゆるリベンジポルノ防止法が国会で可決・成立しました」

 -どのような内容の法律なのですか。

 「リベンジポルノ防止法は、(1)リベンジポルノに対する罰則(懲役や罰金)の定め(2)インターネット上に流布された画像などの削除を実現するための特例の定め(3)被害者に対する支援体制の整備充実を図ること-を主な内容とした法律です」

 -もしインターネット上に画像が公開されてしまった場合、削除するにはどうすればよいのですか。

 「インターネット上の画像や情報について削除を求める場合は、いわゆるプロバイダーに対し削除の申し出をする方法を取ります。『プロバイダ責任制限法』という法律があり、権利が不当に侵害されていると信ずるに足りる相当の理由がある場合には、プロバイダーなどは即時に削除などを行うことができます。また、プロバイダーなどから発信者に対し照会をかけ、7日以内(リベンジポルノについては2日以内)に発信者から不同意の申し出がなかったときにも、削除などを行うことができます」(弁護士・東田正平)

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