児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

胸のしこりを取る手術を終えたばかりで執刀医が手術後の診察と称して30代の女性患者の胸を触る行為を強制わいせつ容疑で逮捕した事例

 これを医療行為かわいせつ行為かを分けるのは行為者の意図しかないですよね。性欲充たす目的であれば、強制わいせつ罪ということで。
 非傾向犯説だと、診察行為でも強制わいせつ罪の構成要件に該当するというのでしょうか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160825-00000533-san-soci
逮捕容疑は、5月10日午後3時ごろ、足立区の病院で、手術後の診察と称して30代の女性患者の胸を触るなどわいせつな行為をしたとしている。
 同署によると、容疑者は外科医で、同病院には非常勤で勤務。女性は当時、全身麻酔で胸のしこりを取る手術を終えたばかりで、意識はあるが身動きがとれない状態だった。女性から連絡を受けた会社の上司が110番し、その後、女性が被害届を出していた。
 執刀したのは容疑者で、傷口の確認のためなどとして女性の服をはだけるなどしていたという。


追記2016/08/26

警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する
PROTEST ABOUT THE UNFAIRNESS OF THE ARREST
み な さ ま へ
 8月25日の一部報道につきまして、患者はじめ関係者のみなさまには大変ご心配をおかけ致しております。こちらに当院の見解を発表致しました。引き続きみなさまのご期待にお応えできるよう、いっそう力を尽くす所存でございますので、ご支援ご協力をお願い申し上げます。
http://yanagihara.kenwa.or.jp/statement.html
関係者各位
2016年8月25日15時45分
医療法人財団健和会
柳原病院
1. 当院非常勤医師逮捕について
  2016年8月25日、警視庁により当院非常勤医師が逮捕されたとの報道がされ、その後当院はその事実を確認した。この逮捕は全身麻酔手術後患者の訴えのみを根拠とする警視庁による不当な逮捕である。

2. 経過
  2016年5月10日、16時頃、当院1泊入院予定で右乳腺腫瘍摘出手術を実施したA氏が、手術終了直後に4人部屋の病床にて、術後診察に訪れたB非常勤医師からわいせつな行為をされたとして、友人を通じて警察通報した。なお、A氏はB医師が勤務するCクリニックのB医師が担当する外来患者で、手術のために当院に入院した。同日、通報により千住警察署員が来院し、当院は患者本人や他の入院患者の症状に配慮しながら、求めに応じてA氏との面談のために場所を提供し、当該病床にも案内をした。
  当院は直ちにA氏に関係した職員より手術前から通報に至る間の状況について聞き取りや病室とベッドの位置、ベッド高さ等現場検証を行った。また、6月9日には、A氏申請に基づいて全診療記録を警察署へ持参した。7月7日には、当院内部調査による時系列事象や現場検証実施の記録及びそれらの検討からわいせつな行為はなく、捜査を速やかに終了するよう求める申入書を当院顧問弁護士名で提出した。その際警察は、A氏身体からの採取物から物証があったと明言することはなく、当院にこれ以上の捜査協力を要請する根拠も理由も示せなかった。7月7日以降千住警察からは一切の問合せもないまま、8月25日突然の逮捕となった。

3. 当院の見解
  当院は詳しく院内調査を実施し、顧問弁護士と相談しながら院内調査の概要を示すとともに、警察の要請に対して対応してきた。また、A氏自身は5月11日、27日の術後診察を当院外来で受診し、半年後の経過観察の診療予約も行っている。
  当院の調査でA氏の術後の供述は、全身麻酔による手術後35分以内のことであり、その内容は、手術前の恐怖や不安と全身麻酔で行った手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったものと確信する。さらにA氏は満床在室の4人部屋におり、術後の経過観察に看護師が頻回に訪床する病床にいた。多くの目がある環境の中でA氏の供述の様な事が誰にも知られず行われたとは考えられない。この様に当院として医学的、客観的に状況や経緯を検討し、その調査結果を警察に提示したにもかかわらず、警察は「A氏の証言に信憑性がある」と判断して非常勤医師の逮捕にまで踏み込んだのである。この様なことが許されれば、今後、施術医師が術後診察に病室を訪れることを躊躇う要因ともなり、正当な医療行為に制約を付すことになりかねない。
  当院は、今回の不当逮捕に強く抗議する。警察は、手術後せん妄状態時の患者証言に信憑性があるとして明確な証拠も示さず、準強制わいせつによる逮捕にまで踏み込んだものである。しかし、逮捕の要件であるところの、逃亡のおそれ、証拠隠しのおそれなどの事由は、B医師にはない。多数の患者の健康をあずかる医師を逮捕し勾留することは、自白強要を目的とするものと言わざるを得ない。この警察のやり方は不当であり、この間の冤罪事件での捜査手法や人権蹂躙に対してなんら反省もない態度だと考える。さらに警察のこうした横暴が、医療現場に混乱を与え、患者、利用者、職員やその家族に不安を招いた事を、当院は厳しく糾弾するとともに、警察当局に謝罪を求め、この様な強引で不当な捜査を直ちに止め、B医師を速やかに釈放するよう求めるものである。

以上