これがわいせつ行為だとすると、強制わいせつ罪(176条後段)になりますので、青少年条例は適用されません。動画を見せただけで強制わいせつ罪(176条後段)だとするのもちょっとどうですかね。
熊本県条例では青少年に対するわいせつ行為は懲役2年、わいせつな行為を見せるのは懲役1年としていますが、わいせつ行為を見せるのもわいせつ行為なので、こういう区分は疑問です。
そもそも熊本県の解説H27には、13条2項の解説が記載されていません。
熊本県少年保護育成条例の解説h27
(みだらな性行為及びわいせつ行為の禁止)
第13条
1何人も、少年に対し、みだらな性行為又はわいせつ行為をしてはならない。
2何人も、少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。(罰則)
第21条
1次の各号の一に該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第13条第1項の規定に違反した者
2次の各号の一に該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(2) 第13条第2項の規定に違反した者3) 「わいせつ行為」とは、いたずらに性欲を刺激、興奮させたり、その露骨な表現によって正常な普通一般社会人に、性的しゆうち嫌悪の情をおこさせ善良な性的道義感に反するものをいう。
しかし、現にしゆうち嫌悪の情をおこさせたことを必要としない。このような情をおこさせる性質の行為であればこれに当たる。
例えば、単に陰部に触れる行為、乳房を撫でる行為、接吻行為等がこれに当たる。
http://digital.asahi.com/articles/ASJ5J3PHSJ5JTLVB003.html
熊本の避難所で女児にわいせつ動画見せた疑い 男を逮捕
2016年5月16日13時05分
熊本市内の避難所で女児にわいせつな動画を見せたとして、熊本県警は16日、熊本市の会社員の男(19)を県少年保護育成条例違反(わいせつ行為の禁止)の容疑で逮捕し、発表した。「わいせつな動画を見せた記憶はない」と、容疑を否認しているという。
発表によると、男は1日午後10時ごろ、熊本市内の同じ避難所にいる小学6年の女児(11)に、スマートフォンを使ってわいせつな動画を見せた疑いがある。
県警の調べでは、女児のもとを離れていた母親が、スマートフォンの画面を女児に見せている男に気づいて近づくと、男は立ち去ったという。12日、母親が県警に被害届を出した。
熊本県/避難所で女子児童にわいせつ動画見せる 熊本南署、容疑で男逮捕
2016.05.17 西日本新聞社
避難所で女子児童にわいせつ動画を見せたとして、熊本南署は16日、県少年保護育成条例違反の疑いで、熊本市の会社員の男(19)を逮捕した。男は「見せた記憶はない」と容疑を否認しているという。逮捕容疑は1日午後10時ごろ、熊本市内の避難所で、避難している小学6年の女子児童(11)にスマートフォンでわいせつな動画を再生し見せた疑い。署によると、男も同じ避難所の避難者。消灯後、児童の母親が一時離れた際、横になっていた児童に近づき、動画を見せた。児童は「嫌だと拒否したけど、怖かった」と話しているという。
参考までに群馬県ではこういう解説です
群馬県青少年健全育成条例の解説h19
2 第2項は、みだらな性行為又はわいせつな行為を教えたり、見せることを禁止したものである。
(I) 「教えj とは、みだらな性行為又はわいせつな行為の相手とならず、当該行為の方法を具体的に教示することであり、言葉、動作で教える場合はもちろん、写真やビデオテープ等を用いて教える場合も含まれる。
なお、教示の方法によっては第l項に該当する場合もあり得る。
(2) 「見せ」とは、みだらな性行為又はわいせつな行為を口の前で行って見せ、又は自己の性行為又はわいせつな行為を撮影した写真やビデオテープ等を見せることであり、代償の有無を問わない。
したがって、市販されている写真やビデオテープ等を単に見せるだけでは本項に該当しない(ただし、図書類販売業者等については、第14条第4項違反となる。)。