児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

<ライブチャット>少女の脱衣映像配信で男逮捕 名古屋

 女子高生見学クラブとかと類似の業態
 画像が媒体に固定されていないと児童ポルノ罪にならない。

 適用法条はで検討しました。
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20110518#1305697778
 ノーパン喫茶の通達の「接客」に当たるという判断のようですが、場所も離れているので疑問です。

労働基準法
第62条(危険有害業務の就業制限)
1 使用者は、満十八才に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。
2 使用者は、満十八才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、若しくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない。
?前項に規定する業務の範囲は、厚生労働省令で定める。
〔昭四七法五七第一項改正、昭六〇法四五本条改正・条数繰上、平一一法一六〇第一項・三項改正〕
第119条
次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29F04101000013.html
年少者労働基準規則
(昭和二十九年六月十九日労働省令第十三号)
第八条  法第六十二条第一項の厚生労働省令で定める危険な業務及び同条第二項の規定により満十八歳に満たない者を就かせてはならない業務は、次の各号に掲げるものとする。ただし、第四十一号に掲げる業務は、保健師助産師看護師法 (昭和二十三年法律第二百三号)により免許を受けた者及び同法 による保健師助産師、看護師又は准看護師の養成中の者については、この限りでない。
四十四  酒席に侍する業務
四十五  特殊の遊興的接客業における業務
四十六  前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が別に定める業務

シリーズ捜査実務全書13 少年・福祉犯罪
P301
(イ) 特殊の遊芸的接客業における業務(同規則8条45号)
これは、カフェー、パー、ダンスホール及びこれらに準ずる場所で、客に接する可能性のある業務一般(例えば、ドアマン、給{士、レジ係等を含む)を指し、酒席に侍ったり客の接待をする業務に限定されないと解されている(北島・前掲書102頁、労働省労働基準局編「新訂版労働基準法」 506頁)。
ところで、社会風俗の変化に伴って「特殊の遊興的接客業」に該当するか否かが問題となる業務が増加してくると忠われるが、この中で、いわゆる「ノーパン喫茶」については、ウェイトレスの服装、サービスなどにより個々の客に対する「積極的なもてなし」といい得る行為を行うことを営業の主体とするものは「接客業」に該当し、また、ノーパン喫茶は、一般的に客に性的な慰安勧楽を与えることを一つの目的とするものであることから「特殊の遊興的接客業」に該当する場合があるとする解釈規定がある(行政解釈昭和58年8月11日基監発第20号、年労発第34号)。

オ捜査上の随意事項
本罪の成立要件は、?労働者が満18歳未満の年少者であること、?所定の有害危険業務に従事させることであり、捜査事項としては、労働契約の内容、条件、稼働期間、稼働場所、年齢の知情性等のほか、特に有害危険業務であることの立証が重要である。
そこで、証拠収集に関しては、事業所等の検証若しくは実況見分を実施し、客観的にも当該業務が有害危険な業務であることを裏付けなければならない。また、業務の内容によっては、この立証のため、鑑定が必要となる場合も考えられる。
また、取調べ事項としては、参考人として、被害者の同僚、保護者、顧客、出入り業者、同業者、近隣住民等から、被疑者の業務内容、使用していた状況、年齢知情に関する事項及び被害者に及ぼした影響等につき、被害者からは就職の経緯、雇い主との関係・契約内容、年齢の知情性、賃金受領の状況、被疑者を特定する事項の他、特に業務内容、自己が就労した業務の具体的状況すなわち勤務形態や、その業務の危険有害性を、被疑者からは、雇い入れの状況(日時、場所、経緯等)、雇用契約の内容、条件、年齢の知情性、賃金支払状況等のほか、業務内容及び被害者にさせた業務等につき、その違法性や危険有害性の認識、更には被害者の心身阻害状況等について聴取する必要がある。

執務資料 福祉犯罪の捜査三訂版
P120
特殊の遊興的綾客業における業務
年少則八条四五号にいう「特殊の遊興的接客業」とは、行政解釈によれば、カフェ、バー、ダンスホール及びこれらに準ずる場所であって、風俗営業全般を対象とするものではなく、風営適正化法二条七号の「まあじゃん屋、パチンコ屋その他の遊技場」等までは含まれないとされている〈労基局前掲書五O六参照)。また「・・・における業務」とは、右に該当する営業所において客に接する可能性のある業務一般(例えば、ドアマン、レジ係)を指し、酒席に侍するよりは広い概念である。

警視庁防犯部 福祉犯罪質疑回答集 昭和59年2月 
3 いわゆる「ノーパン喫茶」における労基法63条(危険有害業務の就業制限)適用の可否

 18歳未満の年少少女をいわゆるノーパン喫茶において、ウェイ卜レスとして就業させている店があるが、労働基準法第63条(危険有害業務の就業制限)を適用して取締りができないか。

 どのような営業形態か、ノーパンの程度等個々に検討して判断しなければならないが、労働省のこれについての、公式見解や、裁判例を紹介するので参考にしていただきたい。
1 労働省の公式見解
基監発第20号
年労発第34号
昭和56年8月11日
都道府県労働基準局長
各婦人少年室長
              労働省労働基準局監督課長
              労働省婦人少年局年少労働課長

いわゆるノーパン喫茶におけるウェイトレスの業務に対する労働基準法第63条の適用について
昨年来、いわゆるノーパン喫茶が全国各地で営業を開始し、社会的な話題となっているところであるが、最近、そのウェイトレスが年少者である場合に、ウェイトレスの行っている業務が労働基準法第63条に規定する年少者の就業制限業務、「女子年少者労働基準規則第8条第44号(酒席に侍する業務)又は同条第45号(特殊の遊興的接客業における業務)」に該当するかどうかという照会が各地の警察本部又は警察署から都道府県労働基準局及び婦人少年室あてになされているところである。
この問題については、別添のとおり見解を取りまとめたので、当面、警察本部等からの照会に対してはこれにより回答する等適切に対処願いたい。
1※「酒席に侍する業務」の該当性

いわゆるノーパン喫茶において年少者がウェイ卜レスとして働いている場合、ウェイトレスの業務が女子年少者労働基準規則第8条44号の「酒席に侍する業務」に該当することはあるか。

(1)女子年少者労働基準規則第8条44号の「酒席に侍する業務」における「酒席」とは、客の飲食、歓談等の席で酒等のアルコール類が供されるものをいい、「侍する」とは、酒席において一般に離し出される慰安歓楽的雰囲気を維持し盛り上げるため客の傍ら文は近くにいる状態をいうものと解される。
具体的には、酒席において、客の傍らにいて客と慰安歓楽的な会話を交わすこと、客の飲食の手助けをするととなどは「酒席に侍する業務」に該当するが、単に酒席にアルコール類を運ぶことだけではこれに該当しないと解される。
(2) ノーパン喫茶においても、アルコール類が客に提供されており、かっ、ウェイトレスが(1)にいう「侍する」業務を行っている場合には、「酒席に侍する業務」に該当することとなる。

※「特殊の遊興的接客業における業務」の該当性

いわゆるノーパン喫茶において年少者がウェイ卜レスとして働いている場合、ウェイトレスの業務が女子年少者労働基準規則第8条45号の「特殊の遊興的接客業における業務」に該当することはあるか。

(1)女子年少者労働基準規則第8条45号の「特殊の遊興的接客業における業務」とは、「接客業」であって「特殊の遊興的」なものにおける「客に接する業務」(昭22・11・11発婦2号)をいうものと解される。
このうち「接客業」とは、労働基準法第8条14号の「接客業」と同義であり、料理店や飲食店とは異なって、個々の客に対し、飲食の手助けをする、談笑の相手となる、歌や踊りを共とするなどの「積極的なもてなし」行為を行うことを営業の主体とするものをいうと解される(風俗営業等取締法違反被告事件大阪高裁昭46・3・10判決参照)。
(2) ? いわゆるノーパン喫茶が「接客業」に該当するかどうかについては、喫茶店は、労働基準法の適用上は一般的には「飲食点」に該当するものであるが、ノーパン喫茶の場合には、ウェイトレスの服装、ウェイトレスの行うサービス等により種々の形態のものがあるようであり、ウェイトレスの服装、ウェイトレスの行うサービスなどにより、個々の客に対する「積極的なもてなし」といい得る行為を行うことを営業の主体としている場合は、「接客業」に該当することとなる。
? ノーパン喫茶が「特殊の遊興的」なものであるかどうかについては、ノーパン喫茶は、一般的には、客に性的な慰安歓楽を与えることを一つの目的とするものであり、「特殊の遊興的」なものであると解される。
? 「客に接する業務」とは文字どおり客に接する業務のことであり、ノーパン喫茶の場合には、ウェイトレス、レジ係等の業務がこれに該当するが、専ら飲食物の調製を行う者、ボイラーマン等の業務はこれに該当しないと解される。
(3) ノーパン喫茶のうちどのような形態のもの(どのような態様の行為を行うことを営業の主体としているもの)が「特殊の遊興的接客業」に該当するかについては、個別のケースごとに実態に即して判断されるべきであるが、一般的には、次のような形態のものはこれに該当するものと解される。
? ノーパンウェイトレス(「上半身シースルー、下半身ミニスカー卜着用、ノーパン」若しくはそれと同程度の服装のウェイトレス文はそれ以上裸に近い服装のウェイトレス。以下同じ。)が客の傍らに座り、客と会話を交わすもの
? ノーパンウェイトレスが客の傍らにいて、客がその身体にさわる(ボディペインティングをする、下着を脱がせる等を含む。)ことができるもの
? ノーパンウェイトレスが客の傍らで客に積極的に陰部を見せる等の行為を行うもの
? ノーパンウェイトレスが客の傍らで、あるいは客と一緒に踊りをするもの
? その他?~?に準ずる形態のもの
なお、ノーパン喫茶のうち、ノーパンウェイトレスが、服装の点を除き、通常の喫茶店のウェイトレスとほぼ同様の態様で業務を行っているにすぎないものについては、ノーパンウェイ卜レスの服装(又は裸)の程度、その振舞、言動等によっては「積極的なもてなし」の意味あいをもってくる場合も考えられ、なお検討を要する点はあるが、当面は、「特殊の遊興的接客業」に該当しないものと解して取り扱うものとする。
また、ノーパンウェイトレスが一定の時聞に客席から離れたところで踊り等のショーを行うにすぎないもの等についても、同様に、一般的には、「特殊の遊興的接客業」に該当しないものと解して取り扱うものとする。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120908-00000004-mai-soci
捜査本部によると、神谷容疑者は名古屋市中区のマンションの一室で、ウェブカメラ付きのパソコンを設置した「チャットルーム」を運営し、女性たちを働かせていた。
 逮捕容疑は、昨年10月から今年1月にかけ、岐阜県各務原市の女子高校生(16)が18歳未満と知りながら、カメラの前で下着を脱ぐなどの行為を7回させ、映像を配信したとされる。労基法は福祉に有害な場所での18歳未満の業務を禁止している。捜査本部によると、女子高校生は1時間当たり最高で6300円を得ていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120907-00001560-yom-soci
チャットルーム経営を労働基準法違反(危険有害業務の就業制限など)容疑で逮捕した。
 発表によると、容疑者は昨年10月〜今年1月の間、ネットで相手の映像を見ながら会話などができるシステムを使用し、パソコンに設置されたカメラの前で、岐阜県各務原市の高校2年の女子生徒(16)に服を脱ぐなどの業務をさせた疑い。
 男性客の利用料は1時間約1万3000円で、うち約5500円が少女らに渡っていた。少女らはネットの交流サイトで勧誘された女子高生が多く、名古屋市中区のマンションの一室で働かされていた。容疑者は「昨年の春頃から始めた」と供述、約150人の少女が関わったという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120907-00000180-jij-soci
愛知県警によると、少女がみだらな姿を見せるチャットサービスに労基法を適用するのは全国初。同法は「福祉に有害な場所」で18歳未満の少女を働かせることを禁じており、客をじかに接待しないケースでも適用が可能と判断した。
 逮捕容疑は昨年10月〜今年1月、名古屋市中区のマンションの一室で、岐阜県各務原市の高校2年の少女(16)を7回チャットに出演させ、男性客にみだらな姿を見せる業務に就かせるなどした疑い。