児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

林弘正「児童虐待2  増補版」の事案

 大半が奥村の事件ですね。

P338
児童期性的虐待は,性的虐待の事実の立証が困難であり多くの事例は児童福祉法違反等で立件される。しかし,本事案では,児童期性的虐待の事実を被告人自ら児童ポルノ作成という行為によって携帯電話機に装着されたマイクロSDカードに画像データファイルとして行為日時と共に保存・記録され強姦の事実が客観的に証明されている。本稿で検討する児童期性的虐待の近時の事案は,児童ポルノ法違反と合わせて刑事訴追されるケースが多い

P342
本事案は,最高裁がその判断の前提として教師による教え子に対する児童期性的虐待の事実を認定したケースとしても重要な意義を有する。
2 弁護人及び被告人は,原原審及び原審で違法性の意識の欠知を主張する。被告人は,原原審では被害児童と真撃に交際し将来は結婚しようと話していたことを根拠に違法性の意識がなかったと供述し,原審では平成16年7月8日に施行された児童ポルノ法改正法を知らなかった点及び被害児童の真摯な承諾のもと被告人と被害児童が本件犯行当時結婚を前提に相思相愛の関係で交際していたので児童淫行罪の違法性の意識を欠如すると供述する。

P348
〔研究〕
本事案は,児童期性的虐待及び現住建造物放火の重大犯罪のケースである。被告人は,性的虐待の反復を意図して被害児童の全裸姿等を映像記録として保存し,それを脅迫材料とし性的虐待を複数回継続した後に第2の強姦行為に及んでいる。被告人は,被害児童への第2の強姦の後,別の女性と交際し1年余り被害児童と連絡することはなかったが,自宅近くで被害児童に似た女性を見かけたことから,被害児童が被告人のことを調べ警察に相談しているのではないかと考え,被害児童との接触を試みたが拒否されたことから,現住建造物放火に及び被害児童らの居住する木造2階建住宅を全焼させた。

P352
〔研究〕
本事案は, A (6歳)に対する強制わいせつ行為とAの下半身を裸にし両足を開脚させ陰部を露出させる姿態を携帯電話機付属のカメラで撮影して電磁的記録を同携帯電話機に内蔵する記録媒体であるマイクロSDカードに記録した行為及びAの頭部等に射精し,これを携帯電話機付属のカメラで撮影して電磁的記録を同携帯電話機に内蔵する記録媒体であるマイクロSDカードに記録した児童ポルノ製造行為による児童期性的虐待ケースである。

P354
〔研究〕
本事案は, A (12歳から13歳)の牧師と自称する被告人への信頼感を利用した継続的な児童期性的虐待である。裁判所は,本件公訴事実の他にも被告人はAに対して同様の行為を繰返しており常習性も認められると判示する。
判決文から詳細は不明であるが,被告人のAへの強姦行為は,放課後帰宅時間前に被告人の自宅でなされ,その際に,デジタルビデオカメラで撮影し, MiniDVDに記録させ児童ポルノを製造している。Aは,被告人から「悪魔がついているから悪魔を取り払うために必要であるJと言われ,牧師の言であるゆえに信じたのであり,被告人はAの錯誤を利用しコントロールしたのである。児童期性的虐待が長期化する由縁は,加害者と被害者との精神的支配従属関係に依拠する。