児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

情状としてのボランティア活動

 他の裁判所では難しいと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110427-00000112-yom-soci
震災時は保釈中で、友人らとツイッター義援金などを募集。集まった約87万円を日本赤十字社に渡し、水600本などを宮城県に送った。弁護側は控訴審で、義援金などの送付を証明する書類を「反省の表れ」として証拠提出した。
 また、被告は同県でボランティア活動も行い、19日の被告人質問では「自衛隊と一緒にがれきをジャッキで上げて遺体を運び出し、遺族から『ありがとう』と言われた」と供述。弁護側は、被告が書いた活動報告書も証拠提出していた

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110427-00000096-san-soci
男が保釈中に東日本大震災の被災地でボランティア活動に従事した点などを評価し、懲役1年6月(求刑懲役2年)の実刑とした1審大阪地裁判決を破棄、懲役2年、執行猶予5年を言い渡した。
 上垣猛裁判長は「実際に社会貢献しようとしていることが認められる」と述べた。男は閉廷後、「来週からまた被災地に行くつもりだ」と話した

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110426-00000136-jij-soci
上垣猛裁判長は、男が東日本大震災の被災地でボランティア活動したことを執行猶予の理由に挙げ、「社会貢献した」と述べた。
 男は裁判所から許可をもらい、11〜18日の間、仙台市宮城県石巻市などでボランティアに参加した。19日の被告人質問では、「友人らと被災地に入り、物資の仕分け、炊き出しなどをした」と説明。「自分は動けるので、人のために役に立てるならいいと思った」と、参加の動機を話していた。
 上垣裁判長は判決言い渡し後、「ボランティアの精神をずっと持ち続けてください」と男に語り掛けた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110426-00000144-mai-soci
保釈中だった。震災の後、友人らと協力して募金や物資を集め、日本赤十字社などに送ったほか、高裁の許可を得て4月10〜18日、被災地の宮城県に入り、がれきの撤去作業などのボランティア活動に従事したという。
 上垣裁判長は「1審判決の言い渡し時点では量刑が重過ぎて不当とまでは言えない」としたが、ボランティア活動に触れ、社会内で更生する機会を与えるのが相当などと指摘した。被告は判決後、「今まで悪いことばかりしてきたので、少しでも人の役に立ちたい」と話した。来週から再び被災地に行く予定という

 「量刑判断の実際第3版」を「ボランティア」で検索してみた。

原田「量刑判断の実際第3版」
P24
なお,裁判所の勧めに応じてボランティア活動をしたことを考慮して,再度の執行猶予を付した事案がある(神戸地姫路支判平成8年10月11日判時報1589号161頁)。社会的非難の減弱を理由としているが,これも反省の一環として理解することもできょう。

P47
最近,裁判所の勧め等からボランティア活動を行った被告人に対して再度の執行猶予を言い渡した事例があるが,いずれも,控訴審段階で原判決が破棄されている。ボランティア活動への従事が刑事裁判で、の良き情状になり得ることは当然であるが(社会奉仕活動を目的とする少年の補導委託は全国的に定着している。),裁判所が再度の執行猶予を,言葉は悪いが,いわば,ちらつかせてこれを勧めるというのは,人参を鼻先に吊るして走らせるようなところがあり,真の更生に役立つのか疑問なしとしない

P74
?大阪高判平成9年5月27日判時1604号154頁は,無免許運転の事案で,いったん結審した後,裁判所が被告人にボランティア活動を指示し,約4か月にわたり,同活動に従事したことを考慮して,被告人を再度の執行猶予に付した原判決(神戸地姫路支判平成8年10月11日判時1589号161頁)について,ボランティア活動をしたことをもって被告人に対する社会的非難が減弱したと評価することは無免許運転の罪質にそぐわず失当であり,迅速な裁判の要請にも反するとして,原判決を破棄し,懲役3月の実刑にした。この事案では,被告人がそのために再ぴ無免許運転を行うという予想外の出来事が起きている。

P204
近時,裁判所の指示等により被告人にボランティア活動ないし社会奉仕活動をさせて,そのことを主たる理由に被告人に再度の執行猶予を付した第1審判決について,いずれも量刑不当で破棄して被告人を実刑に処した二つの高裁判例が出された。すなわち,?大阪高判平成9年5月27日判時1604号154頁及び?東京高判平成10年4月6日判時1661号160頁である。このような事例がその後紹介されていないところからみると,実務の大勢は,原審裁判所のこのような措置及ぴ量刑判断に対して,消極的ないし否定的に評価しているのかもしれない。しかし,この問題は,裁判所が被告人の改善更生に対してどの程度踏み込むことが許され,また,逆にそうすることが期待されるかという一般的な基本問題を背景とするだけに,この際,このような視点から, もう一度問題点を洗い直して検討するだけの価値があると思われる。殊に,社会の各分野に社会奉仕活動が普及するに伴い,量刑手続及び量刑判断においてこれをどのように取り入れ,評価すべきかは,福祉国家の到来を見据えた重要な検討課題足り得よう。なお,本稿では,社会奉仕活動という用語をボランティア活動と同意義に用い,?の事例の関係では第1審及ぴ控訴審の各判決で用いられているボランティア活動という用語に従うが,それ以外では,?の事例と同様に社会奉仕活動という用語を用いる。