奥村の経験では、高検の立会検事が賠償命令書の取調請求に同意しなかったことがありますが、別の伝聞要件で採用されて、減軽されました。
某高裁某支部
その他所論が指摘する被告人のために斟酌し得る事情を十分考慮しでも,原判決の時点において,本件が刑の執行を猶予するべき事案であるとは認められず,被告人を懲役年月に処した原判決の量刑は.刑期の点においてもやむを得ないものであり,これが重過ぎて不当であるとはいえない。
しかしながら,原判決後の事情として,被害女児の法定代現人親権者の申立てにより損害賠償命令が発せられ,これに基づき,被害女児側に対し,損害賠償等として,合計万円が支払われたほか,当審において,被告人が重ねて反省の態度を示し,その情を綴った手紙を提出したことが認められる。そとで.前記諸事情に原判決後の事情を併せて量刑を再考すると, 刑の執行を猶予するのが相当とまではいえないが,原判決の量刑は,刑期の点で重きに過ぎるに至ったといえる。論旨は理由がある。
よって,刑訴法397条2項を適用して原判決を破棄し,同法400条ただし書により被告事件について更に次のとおり判決する。
刑事損害賠償命令の制度って、捜査・一審段階で、示談交渉が、例えば、
被害者請求額 1000万
被告人提示額 400万
で平行線になったあげくに申し立てられることがあって
命令認容額 220万円+遅延損害金
支払額 220万円+遅延損害金
になることがあります。
被害者は、「支払え」という請求の趣旨で申立をした以上、この220万円は受け取らざるを得ない雰囲気です。
こんなの被害者側の代理人の読み違えかも知れません。
被告人の代理人としては、あえて400万円を支払うという示談を提案することがあります。