児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

撮影型強制わいせつ罪(176条後段)につき「女児の肌には触れておらず、準強制わいせつ罪としては軽微」という主張

 強制わいせつ罪(176条後段)のわいせつ行為には、おおざっぱに言って
  陰部に手指を挿入し>>着衣の中に手を差し入れ陰部弄ぶ
  着衣の中に手を差し入れ乳房もむ>>着衣の上から乳房もむ
というような序列があるので、そういう最悪の態様に比べると、「ズボンと下着をずらし、デジタルカメラで下腹部を撮影した」行為は、「女児の肌には触れておらず、準強制わいせつ罪としては軽微」と評価されることになります。それを言い出したら、「暴行脅迫がないこと」「傷害の結果が生じていないこと」というのも指摘することになります。弁護人が指摘しなくても結果は同じです。
 他方、不利益な事情としては、地位利用であること、信頼関係破壊、就寝中で落ち度がないこと、被害感情が強いことが重視されると思われます。

元教諭わいせつ行為 懲役2年6月求刑=静岡
検察側は「教員なのに好みの教え子を選んだ犯行は卑劣」として懲役2年6月を求刑。弁護側は「女児の肌には触れておらず、準強制わいせつ罪としては軽微。懲戒免職になり、社会的制裁も受けた」として執行猶予付き判決を求め、結審した。
 起訴状などでは、被告は2009年10月16日午前4時頃、同区内の研修施設の部屋に忍び込み、就寝中の女児2人のズボンと下着をずらし、デジタルカメラで下腹部を撮影した−−としている。
[読売新聞社 2010年12月7日(火)]

 強制わいせつ罪と3項製造罪の罪数処理について、併合罪説をとると、こういう撮影型強制わいせつ事件というのは、「ズボンと下着をずらし」「デジタルカメラで下腹部を撮影した」の社会的見解上2個の行為があることになるので、準強制わいせつ罪1個の訴因で起訴することは問題です。
 東京高裁でそういう主張をしたら、3項製造罪は起訴されていないのに、そんなこというなという判断をもらいました。減軽されましたけど。


撮影型の強制わいせつ罪2罪(176条後段)の裁判例
さいたま地裁 懲役2年実刑
那覇地裁 懲役1年08月実刑
神戸地裁 懲役2年実刑
東京地裁 懲役3年執行猶予5年保護観察
さいたま地裁 懲役3年実刑
横浜地裁 懲役1年06月実刑
那覇地裁 懲役2年06月実刑
大阪地裁 懲役2年06月実刑