コンメンタールでこんなこと熱弁されてもブログのネタになるくらいですよ。
こうい言う割には、裁判所も右往左往するし。
罪数処理って、結局最高裁で決めてもらわないと決まらないですよね。最初から決めておいてくれればいいのにね。
大コンメンタール刑法第二版第4巻p166(中山善房)
3 最高裁昭和49年5月29日大法廷判決
・・・罪とは一個の行為によるものであるから,観念的競合の関係にあると判示し,刑法54条l項前段にいう「一例の行為とは,法的評価をはなれ構成要件的観点を捨象した自然的観察のもとで,行為者の動般が社会的見解上一個のものとの評価をうける場合をいうと解すべきである」と判示して, 「一個の行為」についての従来の通説的立場および大審院以来最高裁にいたるまでの判例の大勢を集約したうえで,一大指針を樹立したことは,従来,論議が低調であったわが国における罪数論・犯罪競合論の分野に与えた影響には,まことに甚大なるものがあったといわなければならない.
6 とくに,この大法廷判決は,現荘の最高裁庁舎落成後の記念すべき第一号の大法廷判決であっただけに,最高裁みずからにおいて,この分野における今後の実務およひ'学説の発展を推進せしめようとする意欲に満ちていることを十分に感じさせたものであり,はたして,その後,この関係の重要な最高裁判例が続出したのであり,また, 日本刑法学会においても昭和50年の第49回大会で罪数論の共同研究をもつにいたり,その結果,実務界および学界において論議の尚まりをみせるにいたったことは,大いに注目すべき出来事であったといわなければならないであろう.したがって,この昭和49年5月29日大法廷判決は,これまでの低調にして混迷の状態が続いてきたわが同における罪数論・犯罪競合論の分野に新たな局面を迎えるための指導的な役割を果たしたものであるといわなければならない.そして,この大法廷判決を契機として,わが刑法における罪数論・犯罪競合論の分野が,ようやく実務および学説の両面から脚光を浴びるにいたったということができるであろう.