児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

丸谷佳織・千葉景子「児童買春・児童ポルノ処罰法改正をめぐって」女性展望 第614号

 千葉さんは法務大臣ですが、どうなりますか。

千葉
おっしゃる通りです。ただG8の中で日本とロシアだけが「単純所持」(他人への提供を目的としない児童ポルノの入手・保有)を合法化しているなどと名指しされますが、そのあたりの正確なところは必ずしも伝えられていない面もあります。日本だけが世界にどんどん放出しているということでもないようにも聞いています。

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千葉
民主党は、児童ポルノをきちんと処罰できる法案にすべきだということと、他方で、これが規制するのは子どもの性的虐待搾取であり、保護法益を明確にしたうえで適切に処罰できるようにする法案であることをはっきりさせようと議論してきました。というのは、いろんな議論の中で、例えば規制によって自由な表現を制限することになってはいけないという意見も聞かれたからですが、これは保護法益が明確ではなかったからだと思います。もう一つは、やはり犯罪の構成要件を明確にしておかないと、処罰が恣意的になったり、あるいは捜査の乱用があり得ます。処罰される行為を明確にすることで、それに該当するものに対しては厳格な捜査がしやすくなる。そういうことを考えて、「単純所持」については、所持というところではなく、そこにものが移転してきたというところに着目して、取得したという行為をきちんと処罰するという立て方をさせていただきました。それによって、言葉上は「単純所持」としていませんが、結果的に所持していることを処罰できるようになったと思っています
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千葉
そこが少し遣うかなと思うのは、これはあくまでも子どもの性的な搾取・虐待を防止、規制するということなので、いわゆるアニメや、捕かれたものというのは、ある意味でこの法律で規制することではないのではないか。直接そういうものをたくさんばら撒くことによって子どもを性的な対象として見てしまう、そういう意識につながっていくのではないかという危惧はないわけではありません。しかし、この法律で規制するのは、子どもを対象にして撮影したり製造したり、その被害を拡大させるような行為です。それ以外のことを一決して放置してよいということではありませんが、そこは教育など、もっと幅広い取り組みを通して子どもの人権主する、尊重する社会にしていくことだと思います。