児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

脇道の控訴理由?

 「脇道の控訴理由」とは失礼な。
 訴訟手続の法令違反も、法令適用の誤りも立派な控訴理由で、上告理由にそのまま使えるんですよ。
 奥村事件で控訴審で破棄される確率は2割くらいだと思っていますが、「訴訟手続の法令違反」「法令適用の誤り」で破棄されれば情状面に変化がなくても法定通算という利益が得られるので、ラッキーなんです。
 被告人の間違いをただしたはずの裁判所が間違ってちゃいけないわけですよ。
 「脇道」と言われようと、全部の控訴理由を検討すべきだと考えています。

刑事弁護ビギナーズP174
仮に、被告人の述べる不服の理由とはあまり関連しない、いわば脇道の控訴理由であっても、その控訴理由によって破棄判決を得れば、身体拘束事件であれば法定通算のメリットを得られるし、在宅事件で有罪の自判がなされる場合であっても控訴審自身の量刑判断が示されることになり、量刑不当による破棄には至らない事案であっても減刑される可能性が出てくることになる。
具体的には、判決書と証拠等関係カードを照らし合わせる程度の作業で判明する訴訟手続の法令違反・法令適用の誤りの有無や、実体法・手続法の教科書に論点として登場するような問題点で、もっぱら理論的なものとしての訴訟手続の法令違反・法令適用の誤りの有無(わかりやすいものとしては罪数論など)を調査することになる。
控訴趣意書の記載に説得力を持たせるには、証拠による裏づけのある具体的事実に基づく、わかりやすい記述を心がける以外にはない。控訴趣意書提出期限までに起案に必要な時間を確保できる時点で控訴理由を確定して、じっくりと起案にとりかかることも重要である。

第377条〔控訴申立理由−絶対的〕
左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。
一 法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。
二 法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
三 審判の公開に関する規定に違反したこと。
第378条〔同前−絶対的〕
左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
一 不法に管轄又は管轄違を認めたこと。
二 不法に、公訴を受理し、又はこれを棄却したこと。
三 審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。
四 判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。
第379条〔同前−訴訟手続の法令違反〕
前二条の場合を除いて、訴訟手続に法令の違反があつてその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき法令の違反があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
第380条〔同前−法令適用の誤り〕
法令の適用に誤があつてその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その誤及びその誤が明らかに判決に影響を及ぼすべきことを示さなければならない。
第381条〔同前−量刑不当〕
刑の量定が不当であることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて刑の量定が不当であることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
第382条〔同前−事実誤認〕
事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
第383条〔同前−再審事由等〕
左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。
一 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
二 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。
第384条〔控訴申立理由の制限〕
控訴の申立は、第三百七十七条乃至第三百八十二条及び前条に規定する事由があることを理由とするときに限り、これをすることができる。