児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「女子高生に写真撮影のモデルになってもらった謝礼だった」という弁解

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060914-00000030-mai-soci
容疑者は行為を認めているものの、渡した5万円について「女子高生に写真撮影のモデルになってもらった謝礼だった」と趣旨を否認している。

 そういう主張したことありますよ。
  モデル料金2万円
という合意で撮影したが、その後、
   性交等込みで5万円
という変更があったときに、対償額は幾らか?3万円じゃないのかという問題。
 金沢支部は、金額は特定しなくても、性交等の対償の趣旨が含まれていれば、児童買春罪だという当たり前の判断でした。
 モデル募集サイト経由の児童買春罪の場合に、素人が思いつきそうな弁解ですよね。

 そういう主張もできるでしょうけど、性行為等もしている場合には、常識としてそれも込みという合意と解釈されます。
  被害児童にしても、「撮影が5万円で、性交等は無料(サービス)」という割り切りはできていない。
 そういうことがないように「撮影が5万円で、性交等は無償」と書面化しておくかというと、それも製造罪(さらには前提となる性犯罪)の証拠になるので、できないですよね。

名古屋高裁金沢支部h17.6.9
第2 控訴趣意中,事実誤認等の論旨について(控訴理由第4及び第5)
所論は・・・②原判示第2の1で,被害児童に供与された対償額を5万円と認定しているが, その中にはモデル撮影の対価2万円も含まれているから,対償額は3万円である,というのである。
・・・所論②の対償金額の点については,弁護人も指摘するとおり,対償金額を摘示する必要はない上,記録によれば,被告人と被害児童との間では,当初,ヌード撮影に対して2万円の対価とするメールでのやりとりがあったこと は認められるものの,最終的には性交や性交類似行為等をし,それを撮影等することを含めて5万円という金額となったものであり,所論が指摘するように, ヌード撮影の対価が2万円,児童買春の対価が3万円というふうに分けられていたわけではないから,児童買春の対償として5万円と認定した原判決の認定 が誤りとはいえない。

 ハメ撮りの場合、「姿態とらせて」と言えるかどうかは微妙。

 予断ですが、お医者さんの被疑者の扱いは丁重です。応接室で取り調べていた警察がありました。弁護人は廊下の長椅子、被疑者はソファー。処分が軽くなることはないですけど。

http://www.otv.co.jp/newstxt/news.cgi?mode=detail&code=20060914120461&pline=&keyword=&andor=&input_yms=&input_yme=&type=
調べに対し「年齢はわからなかった」と容疑を一部否認しています。豊見城署では余罪など厳しく追及する方針です。