児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

未公開裁判例

 この分野、高裁レベルの裁判例でも、判例集などに掲載されることがない。
 奥村事件の最高裁・高裁判決も30件強くらいですが、公開されたのは5件くらい。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=33026&hanreiKbn=01
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=24934&hanreiKbn=01
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=22234&hanreiKbn=02

 裁判所も、その非公開の「判例」が暗礁みたいで怖いですよね。こっちも有利に使えるのしか紹介しないから。
 現在大阪高裁に係属している児童ポルノ事件では、
      弁護人でも検察官でも、この点の判決書を集めてこい
という指示が出て、弁護人は
      全部閲覧しているが謄写ができないので出せませ〜ん。
      保管検察官が組織的に協力してくれませ〜ん
と回答しました。

 児童ポルノ罪一種類の場合の罪数処理は併合罪というのが判例なんですが、いまだに、一罪説に立って訴因変更で余罪を追加している事件を散見します。
 それで実刑判決になったりしているのですが、判例が知られていないために、弁護人も気づかないので、そのまま服役されています。お気の毒です。