児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「動機はインターネットオークション詐欺の被害拡大を防ごうとしたためで、酌むべきものがある」とされた事例(京都地裁H18.5.30)

 警察が何もしてくれないから義憤に出たということでしょうか?
 求刑も判決も不正アクセス罪の法定刑を越えているので、他の重い罪があるらしいです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060530-00000075-kyt-l26
「違法だと認識しつつ繰り返した行為は悪質だが、動機はインターネットオークション詐欺の被害拡大を防ごうとしたためで、酌むべきものがある」と述べ、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡した。
 判決によると、被告は昨年1月から4月にかけ、奈良市の男性会社員らのIDとパスワードで、自宅のパソコンからヤフーのサーバーに約100回アクセス、勝手にパスワード変更したり、オークションでノートパソコンを落札するなどした。
裁判官は判決理由で「他人のIDを悪用して出品、代金をだまし取るオークション詐欺の横行に憤りを感じ、被害を食い止めようと考えて犯行に及んだ」と指摘。「詐欺的な出品のために他人に乗っ取られたIDを割り出し、パスワードを変更した行為は被害拡大の阻止のためで、自己中心的な目的とは言えない」と述べた。
 また、判決言い渡し後の説諭で「あなたなりに使命感があり、なにかしらの正義が実現されたかもしれないが、インターネットオークションの信頼を損ねた面もある。原点に返り、社会的責任をまっとうな形で果たしてほしい」と述べた。