児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

近弁連も反対表明「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」

 

http://www.osakaben.or.jp/main/info/2006/060310-2.pdf
鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」に関する決議
 現在、鳥取県議会において、「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」の取扱いに関する審議が行われている。
 昨年10月に制定された本条例は、人権侵害の概念が曖昧なこと、救済機関たる人権侵害救済推進委員会の独立性が確保されていないこと、行政権力による人権侵害に対する救済が不十分であること、救済の手続・措置について憲法の要請する適正手続が十分に保障されていないこと等の問題が指摘されており、鳥取県弁護士会、日本弁護士連合会をはじめ、広島、岡山、山口、島根、静岡等の各弁護士会からも、抜本的な見直しを求める意見が表明されている。
 このような状況の下で、今般知事の提案を受け、鳥取県議会が本条例の凍結を含め、その取扱いについて審議していることは、極めて重要かつ有意義なことである。
 もとより、市民の人権が保障され、人権侵害に対して迅速かつ適切な救済措置がとられるべきことは当然であり、国だけでなく、地方自治体により人権侵害の救済が進むことは、大きな意味がある。また、所要の手続を経て制定された条例の法的安定性も軽視されてはならない。
 しかしながら、本条例が有する問題は極めて深刻かつ重要であり、専門家、関係者から広く意見を聴取し、英知を結集して抜本的な再検討がされなければならないものである。
近畿管内各弁護士会は、鳥取県と近接しており、その住民が本条例の対象となる可能性があるということだけでなく、人権救済の重要性に鑑み、本条例の施行に重大な懸念を有している。
 そこで、当連合会は、鳥取県議会に対し、本条例の施行をいったん停止し、その必要性ならびに内容について、期限を設けず十分な検討を行うべく、英断を持って対応されることを強く求めるものである。
2006年(平成18年)3月8日
         近 畿 弁 護 士 会 連 合 会