児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

前田雅英参考人木村光江参考人のお話し

 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律は被害者を保護するという意味で画期的なんだそうです。あんまり画期的なので、裁判所には理解できていません。

002/106] 161 - 参 - 法務委員会 - 10号
平成16年11月30日
参考人(木村光江君
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さらに、そのような社会の要請があるということに加えて、その延長線でもあるんですけれども、もう一つの、そこにアスタリスクで書かせていただきましたけれども、児童買春等処罰法であるとかストーカー規制法、犯罪被害者保護法、DV防止法等の言わば平成十年以降、特に十一年以降でしょうか、の一連の被害者保護に関する特別法制定の延長線にこの刑法改正は位置付けるべきだというふうに思われます。
 いずれも、この特別法はいずれも、これまで言わば沈黙させられてきた被害者、そういう被害者を救済するために制定されたものと考えられます。今回の改正は、いよいよ刑法典そのものの中に被害者保護の観点を入れるものというふうに位置付けられます。国民の意識を刑法典の中に取り入れるものであって、正に画期的な法改正と言ってよろしいかと思います。
(中略)
先ほども少し述べましたけれども、児童買春等処罰法等の一連の被害者保護の流れをこの今回の改正はくむものというふうに私は理解しておりますので、しかも、これらの法律の制定に当たっては、特に国会議員、女性議員の方々の大変な御尽力があったというふうに伺っております。今回の改正をもし見送るというようなことになりますと、これまでのそのような先生方の御努力が非常に損なわれることになってしまうというふうに危惧いたします。

[005/106] 161 - 衆 - 法務委員会 - 6号
平成16年11月10日
○早川委員 犯罪被害者の方々の権利あるいは利益の保護を拡充するという観点から、現在、犯罪被害者基本法の制定という動きが進んでいるわけであります。
 平成十一年以降、児童買春等処罰法、あるいはストーカー規制法、犯罪被害者保護法、児童虐待防止法、DV防止法等、多くの特別法が制定をされて、犯罪被害者の保護という観点から法制度の整備がされてきた。これが、都立大学の木村光江先生の論文の中にそういう趣旨で引用されているわけであります。
 そこで、犯罪被害者の権利利益という観点から考えますと、欧米諸国では、犯罪被害者に公訴を提起する権限、権能を付与している国もあるというふうに伺っております。しかるに、我が国においては国に公訴提起の権限が独占されているということですが、これはどういう物の考え方の違いに由来するのでしょうか。
○前田参考人 お答えいたします。
 犯罪被害者を考えて基本法をつくっていただくということは、非常に我々としても希望しておりますし、勉強させていただいているわけですけれども、その問題と、被害者が公訴を提起できるかどうかということは、ちょっとやはり分けて考えていただいた方がいいのではないかと思っております。
 刑事訴訟法の基本構造の中で、原告にだれがなり得るかというのは、これは大問題で、それこそやはりその国の法文化もありますし、我が国では、もうかなり長いこと、国家訴追主義、検察官が公訴を提起するという形をとってきた。
 その中に被害者の視点をより入れていかなければいけないという御指摘は非常によくわかるんですが、被害者本人の公訴の権限というところまでいくと、これはかなり、家の建て直しでいきますと、大きな柱の建て直しになると思います。また、それをしなければいけないような問題が起こっているかというと、それよりはむしろ、被害者の訴訟の段階でのいろいろな参加の仕方、それから被害者への情報の提供の問題、それらについてより手厚い議論をしていただきたい。
 間違いなく、DVの議論、先ほど御指摘いただいた児童虐待の問題、それからストーカーの問題、そして今回の強姦罪の法定刑、もちろん凶悪犯罪でほかの問題にも広がったわけですけれども、私は、完全につながった問題。一つ、その背景には、やはり従来軽視されてきた被害者の視点が入ってきた、やはりそちらのことについても光が当たったことによってやっと動き出した。強姦罪の法定刑というのは昔から言っているんですが、それが動き出したのはやはりDV法の影響が非常に大きかったと思っております。