児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

実刑と執行猶予の限界事例について被告人が弁護人を介して性依存グループミーティングに参加し再犯防止に向けて努力していることを斟酌して実刑を回避したが、被告人の更生を図るためには,グループミーティングヘの参加等の自助努力や近親者による指導監督だけでは不十分であり,保護観察関係機関による専門的な指導監督が必要不可欠だとして保護観察を付した事例(福岡高裁H21)

 実刑事案のグループでよく見かける事案でした。
犯罪者なので、「これから通います」じゃ信じてもらえないので、保釈後に、頻繁に通って、実績を示す必要があります。

 保護観察を外してもらえないかという主張でした。自分で通院してるのだから、保護観察はいらないんじゃないかと。
 

法と心理学会第10回大会

 児童の不正確な供述には困ってるんですよ。尋問すると不利益に扱う裁判官も多いので。

 紹介者がいないと入会できないそうで、入会申込を突っ返されたことがありますが、大会は聴きに行こうと思っています。

http://jslp.jp/doc/taikai/honbun.doc
【会場のご案内】
日付: 2009年10月24日(土)- 25日(日)
場所:國學院大學 渋谷キャンパス 学術メディアセンター(AMC)ほか
所在地:〒150-8440 東京都渋谷区東4-10-28
【タイムテーブル】
<第1日 10月24日(土)>
時間
プログラム
09:00-
受付開始
10:00-12:00
ワークショップI
ワークショップ1:司法過程におけるコミュニケーション:分析手法の有用性とその課題
企画:指宿信(成城大学

ワークショップ2:録画された子どもへの面接:証拠としての価値と法廷における問題
企画:上宮愛(北海道大学
12:00-12:40
休憩(理事会)
12:40-13:10
ポスター報告I
ポスター1:子どもの証言の信頼性はどのように評価されるか?
石崎千景(北海道大学)・山崎優子(北海道大学)・仲真紀子(北海道大学

ポスター2:計量心理学的モデルによる素朴量刑判断のバラツキの分析
伊田政司(常磐大学

ポスター3:「協働行為」体験の語りと虚偽構成
我藤 諭(龍谷大学

ポスター4:記憶に対する確信度評価における推測の影響
舘瑞恵(慶應義塾大学)・伊東裕司(慶應義塾大学

ポスター5:大学生における人権の道徳的・法的判断:プライバシー権をめぐって
外山紀子(津田塾大学)・長谷川真里(横浜市立大学

ポスター6:大学生における人権の道徳的・法的判断:表現の自由をめぐって
長谷川真里(横浜市立大学)・外山紀子(津田塾大学

ポスター7:供述心理鑑定の実際に関する基礎的研究
長谷川博一東海学院大学)・根本奈保子(東海学院大学


ポスター8:判決情報の有無が市民の量刑判断に及ぼす影響
杉森伸吉(東京学芸大学)・米山裕一(東京学芸大学

ポスター9:目撃者の応答が尋問者の問いに与える影響
渡辺由希(淑徳大学
13:20-14:40
口頭報告I
口頭1:知的障害児・者の供述について
児玉勇二(弁護士)

口頭2:事後情報と映像の情動性が事後情報効果に及ぼす影響
名畑康之(北海道大学)・仲真紀子(北海道大学)・高田理孝(都留文科大学

口頭3:情動的ストレスが記憶に与える影響―性格特性と司法面接からの考察
山本渉太(北海道大学)・仲真紀子(北海道大学

口頭4:不適切な情報が量刑判断に及ぼす影響に関する実験的検討
綿村英一郎(東京大学)・分部利紘(東京大学)・常岡充子(東京大学)・高野陽太郎東京大学
14:50-17:20

法と心理学会10周年記念シンポジウム
「アジアの法と心理学の成果と今後への期待:これまでの10年とこれからの10年」
企画:法と心理学会10周年記念委員会
17:30-18:00
総会
18:10-20:00
懇親会(若木タワー18階有栖川宮記念ホール)


<第2日10月25日(日)>

時間
プログラム
09:30-
受付開始
10:00-12:00

ワークショップ?
ワークショップ3:裁判員裁判における感情的コミュニケーションの影響
企画:伊東裕司(慶應義塾大学

ワークショップ4:自白供述分析の3次元的視覚化システムにおけるテクノロジー:法学、心理学の融合のかたち
企画:山田早紀(立命館大学
12:00-12:40
休憩(理事会、編集委員会
12:40-13:10
ポスター報告?
ポスター10:法と心理の視点から少年犯罪被害者支援に関わる問題点について
奥山紗由(駿河台大学)・岩崎藍(駿河台大学)・児玉勇二(弁護士)・杉浦ひとみ(弁護士)

ポスター11:提示媒体の違いによる子どもの目撃証言の評価について
小松加奈子(立命館大学

ポスター12:前科情報の種類による被告人イメージの変容
白井美穂(東洋大学

ポスター13:嘘の方略の違いが再認記憶に及ぼす影響
福島由衣(日本大学

ポスター14:幼児の事実報告場面における描画導入の効果
松田瑛美(北海道大学

ポスター15:事件報道への接触と説示の提示が裁判員の法的判断に及ぼす影響
山崎優子(北海道大学)・石崎千景(北海道大学)・仲真紀子(北海道大学

ポスター16:裁判をめぐる公正感/不公正感が犯罪被害者に与える心理的影響
山田裕子北海道大学



ポスター17:公判前報道に対する裁判官の説示が有罪・無罪判断に及ぼす影響
若林宏輔(立命館大学)・淵野貴生(立命館大学)・サトウタツヤ(立命館大学
13:20-15:00
口頭報告?
口頭5:裁判員の役割がどのように捉えられているかと裁判員の判断の関係
荒川歩(名古屋大学

口頭6:暴力ビデオゲーム:プレイ中の生理心理測定データとメディアが示唆するもの 
栗田聡子(北海道大学)・Annie Lang (アニー・ラング) (インディアナ大学

口頭7:「犯罪から子どもを守る司法面接法の開発と訓練」の取り組み
仲真紀子(北海道大学

口頭8:性的被害・児童虐待についての損害賠償請求権と消滅時効──法と心理の観点から
松本克美(立命館大学

口頭9:実際の事例を用いた、被告人ストーリーと裁判所ストーリーの乖離の可視化に対する心理学的アプローチ
山田早紀(立命館大学
15:10-17:10
特別シンポジウム
足利事件が意味するもの-わが国における捜査・裁判の実態と法心理学研究」
企画:原聰
17:10
閉会

13歳未満へのわいせつ行為について、青少年条例違反罪は強制わいせつ罪(刑法176条後段)とは補充関係(法条競合)にある。

 非親告罪であることと軽いことで強制わいせつ罪と大きく違うのに、保護対象がかぶっているので、聞いてみました。
 こんなこと一審で主張したらダメですよ。罪名変えられるから。
 判決は福岡地検に注文して下さい。

福岡高裁H21
法令適用の誤りの主張について
(1)弁護人は、?13歳未満の者に対するわいせつな行為を刑法176条後段の強制わいせつ罪よりも軽く処罰する本件条例違反の罪は、憲法94条、地方自治法4条1項に違反し無効である、?本件条例違反の罪は、刑法176条後段の強制わいせつ罪を補完する規定であると解され、被告人の原判示第1の行為は同罪に当たるから、本件条例違反の罪を適用した1審判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあると主張する。
(2)まず、?の主張については、刑法176条後段の強制わいせつ罪は、13歳未満の者の性的自由を保護するとともに、性的な情操を保護することによって、青少年の健全育成を図る趣旨であると解され、青少年の健全な育成を目的とする本件条例違反の罪とその趣旨を共通にする面を有しているが、他方で、たとえ13歳未満の者に対してわいせつな行為に及んだ場合であっても、行為者において、相手の年齢を13歳以上18歳未満であると誤信していたときは、刑法176条後段の強制わいせつ罪の故意を欠くため同罪は成立せず、本件条例違反の罪のみが成立することになる。
そして、このような場合について、13歳未満の者の保護を図っている刑法が、行為者を同法176条後段の強制わいせつ罪よりも軽い法定刑を定めた本件条例違反の罪で処罰することを禁止しているとは解されないから、本件条例違反の罪が憲法94条、地方自治法14条1項に違反し無効であるはいえない。
(3)次に、?の主張については、本件条例違反の罪が刑法176条後段の強制わいせつ罪を補完する規定であるとしても、刑事訴訟法が採用する当事者主義的訴訟構造下では、審判の対象である訴因をどのように構成するかは、検察官の合理的裁量に委ねられているから、検察官は、13歳未満の者に対するわいせっな行為をした行為者について、事案の内容や立証の難易、その他諸般の事情を考慮して、刑法176条後段の強制わいせつ罪ではなく、本件条例違反の罪として訴因を構成して起訴することは当然許されると解される(なお、本件条例違反の罪は、強制わいせつ罪と異なり、親告罪ではないが、13歳未満の者に対するわいせつな行為の事案において、被害者やその法定代理人である親権者等が、被害者の名誉等への配慮から事件が公になることを望まず、告訴しなかったり、あるいは告訴を取り下げた場合に、検察官が行為者を本件条例違反の罪で起訴することは現実的には想定しがたいから、13歳未満の者に対するわいせつな行為を本件条例違反の罪として起訴することを許容しても、強制わいせつ罪が親告罪とされている趣旨が没却されるとはいえない)。

控訴審の審理の中で事件の不可解さ理不尽さが解明されることを期待していましたが、真相の解明に至らなかったことがきわめて残念でなりません

 長崎市長のコメントがピンぼけ。
 刑事事件の量刑不当の控訴だから、罪が軽くなるような主張と立証に始終するのは当然で、そういう進行だったのに。

http://www3.nhk.or.jp/news/k10015765801000.html#
被告の弁護にあたった中島繁樹弁護士は「無期懲役という判決については妥当であると考えるが、殺害を思い至ったのが犯行の直前だったという点など、主張が認められないところがあり不満が残る。上告するかどうかは被告と話し合って決めたいが、本人は判決をしんしに受け止めていたようだ」と話していました。判決について、福岡高等検察庁の庄地保次席検事は「判決内容を十分検討したうえで、適切に対応したいと考えている」というコメントを出しました。判決について、長崎市の田上富久市長は「今回の判決で示された量刑については言及する立場にはありませんが、銃撃事件に対する激しい怒りと深い悲しみはいまなお私の中に深く刻まれています。控訴審の審理の中で事件の不可解さ理不尽さが解明されることを期待していましたが、真相の解明に至らなかったことがきわめて残念でなりません」というコメントを発表しました。