児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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住居侵入罪と強制わいせつ罪は牽連犯(東京高裁r5.10.12)

 実は判例がなかったので確認しておきました。

(1) 住居侵入罪と強制わいせつ罪の関係について
所論の指摘は多岐にわたるが、その主な論拠は、①両罪に客観的牽連性が認められない、②牽連犯の規定そのものに合理性が乏しく廃止論が根強い上、かずがい現象で処罰範囲が限定されることになる解釈は、性犯罪の厳罰化が15 要請される現在の価値観では維持できないはずである、③住居侵入罪と強制わいせつ罪を牽連犯とする最高裁判例はなく、住居侵入罪と強制性交等罪を牽連犯としている判例も現在では合理性を欠いている、④特に第3事件では、「正当な理由がないのに」侵入したという認定に留まり、住居侵入罪と強制わいせつ罪の間の牽連性が示されていない、⑤両罪の被害者が異なる、などというものである。
そこで検討するに、いわゆる科刑上一罪(刑法54条1項)の実質的根拠は、社会通念上一体の事実と評価できる数個の犯罪につき、それに対する刑罰の適用を1回に留めることが刑罰適用上の合目的要請等の観点から相当であるという点にあり、複数個の行為の間に牽連関係があるといえるためには、ぉ罪質上、通例その一方が他方の手段又は結果となるという関係があることに加えて、具体的な場面においてもかかる関係が認められることが必要になるというべきである。
これを本件についてみると、住居に侵入して居住者に対し強制わいせつに及ぶ犯罪類型があるから、性質上、住居侵入が強制わいせつの手段として通常用いられる関係があるということができる。
そして、被告人は、事件において、各々の住居侵入に続けて侵入先で強制わいせつ又は準強制わいせつに及んでおり(ただし、第(2)事件については未遂)、各事件において、1実際にも住居侵入を手段として強制わいせつ等の結果を生じた(又は生じさせようとした)ことが明らかである。
そうすると、本件各事件の事実関係の下では、これらの事件について住居侵入罪と強制わいせつ 罪(又は同未遂罪)又は準強制わいせつ罪の間に牽連性があるとした原判決の判断に誤りはない。
弁護人は、前記①の論拠として、強制わいせつ罪は強制性交等罪と比べて屋内で行われる割合が圧倒的に少ないから、侵入罪との牽連関係が低い旨主張するが、屋外で実行する形態の強制わいせつ罪が相応の比率に上るとして15 も、侵入先の屋内でこれを行う犯罪類型が存在することが否定されるわけではなく、所論は採用し難い。
前記②について、牽連犯の成立範囲を限定的に解すべきかどうかはともかく、両罪に牽連性があるとの判断が誤りとはいえないことは前記のとおりであるし、かすがい現象で不都合が生じ得るとしても、そのことが直ちに牽連犯の成立を否定する理由にはならないというべき である。
前記③について、住居侵入罪と強制わいせつ罪を牽連犯と判示した最高裁判例がないことは所論が指摘するとおりであるが、他方で、下級審の裁判例は多数に上り、また、最高裁判所が罪数処理の誤りを理由に破棄した例は見当たらないから、原判決が判例やその趣旨に違反するということはできない。
前記④について、理由齢顧及び理由不備の項で説示したとおり、罪数に関する判断は「罪となるべき事実」の記載ではなく「法令の適用」の中で示すものであるし、罪となるべき事実の記載として、「正当な理由がないのに」以上に具体的な目的を示すことが常に必要とされるわけでもない。
また、「正当な理由がない」という中には、「わいせつ行為をする目的」も含まれると解することも可能である。
そして、原判決は、第3事件の法令の適用中で両罪が牽連犯になることを明らかにしている上、実態としても、被告5 人がわいせつ目的で住居へ侵入した旨を自認し、現に原判示のとおり、侵入した住居内で強制わいせつ行為に及んだことからすると、牽連性を認めたことに誤りはない。
前記⑤について、被害者の同一性が牽連犯の成立要件となるわけではないから、所論の根拠にならない。
以上のとおり、前記各所論はいずれも理由がない。

就寝中の強制性交(後段)・強制わいせつ罪(176条後段)に変更されて児童ポルノ製造が行われた事案で、当初ひそかに製造罪で起訴されたが、姿態をとらせて製造罪に訴因変更された事例(仙台地裁r5.7.20)

 就寝中の強制性交(後段)・強制わいせつ罪(176条後段)に変更されて児童ポルノ製造が行われた事案で、当初ひそかに製造罪で起訴されたが、姿態をとらせて製造罪に訴因変更された事例(仙台地裁r5.7.20)
 裁判所も気付かずひそかに製造罪で審理していたところ、大阪高裁r5.1.24が回覧されて、修正されたもよう。

提供 TKC
【文献番号】 25596042
【文献種別】 判決/仙台地方裁判所(第一審)
【裁判年月日】 令和 5年 7月20日
【事件名】 強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、準強制わいせつ被告事件
【裁判結果】 有罪
【裁判官】 中村光一 三貫納隼 高橋祐梨子
(罪となるべき事実)
 被告人は、
第1(令和4年6月17日付け起訴状記載の各公訴事実。2は訴因変更後のもの。)
1 A(当時12歳)が13歳未満であることを知りながら、同人と性交等をしようと考え、令和2年10月11日午前0時27分頃から同日午前0時37分頃までの間、宮城県白石市α×丁目×番×号b×××号室において、同人に対し、その陰茎を自己の口腔内に入れ、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をした。
2 Aが18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表1記載のとおり、同日午前0時8分頃から同日午前0時58分頃までの間、10回にわたり、被告人がAの陰茎を触る姿態及び被告人がAの陰茎を口淫する姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ合計10点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態をとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第2(令和4年7月8日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 A(当時12歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和3年8月15日午前3時44分頃から同日午前4時17分頃までの間、2回にわたり、仙台市β区γ字δ×番地の×所在の木造平屋建て家屋において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
2 同日午前4時1分頃から同日午前4時7分頃までの間、前記場所において、B(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能状態にあることに乗じ、同人の陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
3 A及びBがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表2記載のとおり、同日午前3時44分頃から同日午前4時17分頃までの間、9回にわたり、被告人がA及びBの陰茎を触る姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ合計9点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第3(令和4年7月29日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 C(当時11歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和2年5月30日午前3時49分頃から同日午前3時56分頃までの間、仙台市β区γ字δ×番地の×所在の木造平屋建て家屋において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
2 A(当時11歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、同日午前4時3分頃、前記場所において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
3 C及びAがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表3記載のとおり、同日午前0時41分頃から同日午前4時3分頃までの間、6回にわたり、被告人がC及びAの陰茎を露出させる姿態及び被告人がC及びAの陰茎を触る姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ6点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第7(令和4年10月27日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 令和2年5月6日午前4時41分頃から同日午前4時56分頃までの間及び同日午前5時26分頃から同日午前5時59分頃までの間、仙台市ε区μ××番×号g△△△h方において、P(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能の状態にあることに乗じ、着衣の上からその陰茎を手で触り、目を覚ました同人が驚愕、恐怖等により抗拒不能の状態にあるのを睡眠中であると誤信し、これに乗じて同人の下着の中に手を差入れてその陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
2 同日午前5時13分頃、前記場所において、Q(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能の状態にあることに乗じ、その陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
3 P及びQがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表6記載のとおり、同日午前4時41分頃から同日午前5時59分頃までの間、9回にわたり、被告人がP及びQの陰茎を触る姿態及び被告人がQの陰茎を露出させる姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ9点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。

児童を使用する者の年齢確認義務・遊客の年齢確認義務

 使用者につき「本来は身分証の現物を確認しなければならない」という報道ですが、判例上は、身分証を確認しても有過失とされています。
 遊客については、まず児童買春罪が検討され、年齢を知らなかったという弁解が通れば児童買春罪は不成立になります。次に青少年条例違反(過失の淫行)を持ち出されることがあって、その場合の注意義務は、使用者と同じとされています。青少年条例を持ち出すのが間違っていますが、弁護士も知らないので、結構遊客が青少年条例違反で罰金になっている事件があります。

どっかの警察がいい加減にまとめた判例があります。

判例
◎ (昭和30年10月18日東京高裁)
児童を接客婦として住み込ませようとする場合には、その周旋人はもとより、児童本人その親等も右周旋人の示唆等により、雇主に対し年令を偽り、満18歳以上であるように装うことは、世上一般的に行われ希有の事実でないのであるから、単に、児童の体格風貌等が18歳以上に見え、右の者等において18歳以上であると告げたからといつて、さらに戸籍抄本等につき正確な年令の調査をすることなく、その児童に淫行させた場合には、児童福祉法第34条1項6号の違反が成立し、同法第60条3項但書の児童の年令を知らないことについて過失のない場合には当らない。
◎ (昭和30年11月8日最高裁(小))
接客婦として児童を雇入れるにあたり、単に本人の供述または身体の外観的発育状況のみによつて、同女が満18歳以上に達しているものと判断し、さらに客観的な資料として戸籍抄本、食糧通帳もしくは父兄等について正確な調査を講じ、児童の年令を確認する措置をとつた形跡の認められない限り、児童を使用する者が児童の年令を知らなかつたことについて過失がないということはできない。
◎ (昭和33年9月3日東京高裁)
児童を雇入れるに際して、年令等について本人らにこれを尋ねただけで、本人の年令の自称を漫然と受入れ、同女に売淫させていた場合には、児童福祉法第60条3項但書にいう「過失がないとき」に当らない。
◎ (昭和34年12月10日長崎家裁
児童福祉法第60条3項但書にいう児童の年令を知らないことにつき、過失がないといえるためには、使用者が児童を雇入れる際、児童本人や仲介者などの自称する年令を軽信せず、児童の戸籍謄本または抄本などによつて生年月日を調査し、あるいは親元の照会をして年令を確かめるとか、一般に確実性のある調査確認の方法を一応尽すことが必要と考えられる。
◎ (昭和41年7月19日東京高裁)
社交クラブの経営者が若い婦女子を雇入れるにあたつては、本人若しくは周旋人の供述とか本人の身体の発育状態のみに頼ることなく、本人の戸籍を調べ、父兄に問合わせる等確実な調査方法を講じて本人の年令を確認すべき注意義務を負う。
◎ (昭和27年7月17日福岡高裁
児童福祉法第60条3項にいう児童の年令を知らないことについて過失がなかつた立証責任は、被告人側が負うべきものである
◎「過失のないとき」とは、具体的事案ごとに提出された客観的資料の種類、その提出の際の状況、及びその確認方法の有無、難易等を総合的に検討して、社会通念に照らし、通常可能な調査が適切に尽くされているといえるか否かによって決せられることになる(昭和46年11月大阪高裁)。

児童福祉法
第六十条 
1 第三十四条第一項第六号の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4 児童を使用する者は、児童の年齢を知らないことを理由として、前三項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fe368f33f72308b83fd01909a9ab408a9253c83d

風俗店で16歳女子高生働かせる 容疑で「age8」経営者ら逮捕 警視庁
当時16歳で高校2年の女子生徒を風俗店で働かせたなどとして、警視庁少年育成課は、児童福祉法違反と風営法違反の疑いで、東京都豊島区東池袋の風俗店経営者ら男4人を逮捕した。
逮捕容疑は、令和4年8月5日、女子生徒の年齢確認を十分にしないまま風俗店で働かせ、みだらな行為をさせたとしている。
少年育成課によると、容疑者が4年5月に女子生徒を面接。本来は身分証の現物を確認しなければならないが、「19歳」と説明した女子生徒が提示した、生年月日を改竄した保険証の写真を見ただけだったという。

就寝中の強制性交(後段)・強制わいせつ罪(176条後段)に変更されて児童ポルノ製造が行われた事案で、当初ひそかに製造罪で起訴されたが、姿態をとらせて製造罪に訴因変更された事例(仙台地裁r5.7.20)

 就寝中の強制性交(後段)・強制わいせつ罪(176条後段)に変更されて児童ポルノ製造が行われた事案で、当初ひそかに製造罪で起訴されたが、姿態をとらせて製造罪に訴因変更された事例(仙台地裁r5.7.20)
 裁判所も気付かずひそかに製造罪で審理していたところ、大阪高裁r5.1.24が回覧されて、修正されたもよう。

提供 TKC
【文献番号】 25596042
【文献種別】 判決/仙台地方裁判所(第一審)
【裁判年月日】 令和 5年 7月20日
【事件名】 強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、準強制わいせつ被告事件
【裁判結果】 有罪
【裁判官】 中村光一 三貫納隼 高橋祐梨子
(罪となるべき事実)
 被告人は、
第1(令和4年6月17日付け起訴状記載の各公訴事実。2は訴因変更後のもの。)
1 A(当時12歳)が13歳未満であることを知りながら、同人と性交等をしようと考え、令和2年10月11日午前0時27分頃から同日午前0時37分頃までの間、宮城県白石市α×丁目×番×号b×××号室において、同人に対し、その陰茎を自己の口腔内に入れ、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をした。
2 Aが18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表1記載のとおり、同日午前0時8分頃から同日午前0時58分頃までの間、10回にわたり、被告人がAの陰茎を触る姿態及び被告人がAの陰茎を口淫する姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ合計10点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態をとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第2(令和4年7月8日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 A(当時12歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和3年8月15日午前3時44分頃から同日午前4時17分頃までの間、2回にわたり、仙台市β区γ字δ×番地の×所在の木造平屋建て家屋において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
2 同日午前4時1分頃から同日午前4時7分頃までの間、前記場所において、B(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能状態にあることに乗じ、同人の陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
3 A及びBがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表2記載のとおり、同日午前3時44分頃から同日午前4時17分頃までの間、9回にわたり、被告人がA及びBの陰茎を触る姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ合計9点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第3(令和4年7月29日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 C(当時11歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和2年5月30日午前3時49分頃から同日午前3時56分頃までの間、仙台市β区γ字δ×番地の×所在の木造平屋建て家屋において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
2 A(当時11歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、同日午前4時3分頃、前記場所において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
3 C及びAがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表3記載のとおり、同日午前0時41分頃から同日午前4時3分頃までの間、6回にわたり、被告人がC及びAの陰茎を露出させる姿態及び被告人がC及びAの陰茎を触る姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ6点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第7(令和4年10月27日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 令和2年5月6日午前4時41分頃から同日午前4時56分頃までの間及び同日午前5時26分頃から同日午前5時59分頃までの間、仙台市ε区μ××番×号g△△△h方において、P(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能の状態にあることに乗じ、着衣の上からその陰茎を手で触り、目を覚ました同人が驚愕、恐怖等により抗拒不能の状態にあるのを睡眠中であると誤信し、これに乗じて同人の下着の中に手を差入れてその陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
2 同日午前5時13分頃、前記場所において、Q(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能の状態にあることに乗じ、その陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
3 P及びQがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表6記載のとおり、同日午前4時41分頃から同日午前5時59分頃までの間、9回にわたり、被告人がP及びQの陰茎を触る姿態及び被告人がQの陰茎を露出させる姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ9点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。

強制わいせつ罪(176条後段)とその際の姿態をとらせて製造罪を混然一体と記載した公訴事実について、訴因不特定ではないとしたもの(大阪高裁r5.9.28)
 観念的競合でいいみたいですよ。
 撮影までなら強制わいせつ罪(176条後段)だが、媒体記録までだと強制わいせつ罪(176条後段)を超えていて、、児童ポルノ製造罪になるとか言って併合罪にされていました。

公訴事実=原判決罪となるべき事実
 被告人は、
A(当時12歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和5年10月7日午後7時19分頃から同日午後8時30分頃までの間に、別紙記載の場所において、同人に対し、その陰部を露出させるよう申し向けるとともに、玩具を同人の露出した女性器にあてがうよう申し向けて、同人をして、下半身の下着を含む着衣を脱いで陰部を露出させた上、その陰部近くの同人の両太ももに前記玩具を挟む姿態をとらせ、これをスマートフォンの写真撮影機能を用いて撮影し、その画像データ5点を同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造した

阪高裁r5.9.28
3 訴訟手続の法令違反の主張(控訴理由第1)について
 (1) 論旨は、②の事実について、強制わいせつ罪と本法7条4項の児童ポルノ製造罪は併合罪であるのに、これを一つの公訴事実として起訴しているのは、公訴事実の単一性を欠き、公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるから公訴棄却すべきであるのに、両罪につき有罪とした原判決には訴訟手続の法令違反がある、という。その主張内容及び控訴趣意書の控訴理由第1の表題中に「訴因不特定」と記載されていることからすると、所論のいう「その規定に違反した」とは、起訴状の公訴事実における訴因の特定を求める刑訴法256条3項違反をいう趣旨と解される。
   この点、②の事実に係る起訴状(3において、以下「本件起訴状」という。)の公訴事実には、被告人が、当時12歳の被害児童が13歳未満であることを知りながら、同児にわいせつな行為をしようと考え、特定の日時及び場所において、同児に対し、下衣及び下着を脱ぐよう言って同児にそれらを脱がせて陰部を露出させるとともに、同児童の両太ももに玩具を挟む姿態をとらせ、これをスマートフォンの写真撮影機能を用いて撮影し、その画像データ3点を同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した旨が記載されている。また、本件起訴状には、罪名及び罰条として、強制わいせつ及び刑法176条後段と本法違反及び本法7条4項、2条3項3号が記載されている。
これらの記載によれば、検察官が、強制わいせつの事実及び本法7条4項の児童ポルノ製造の事実をいずれも起訴する趣旨であることが明らかである上、
このうち、強制わいせつについては、日時及び場所に加えて、被害児童に指示して陰部を露出させ、両太ももに玩具を挟む姿態をとらせ、これを写真撮影したという方法によって訴因が特定されているし、
児童ポルノ製造についても、日時及び場所に加えて、被害児童に指示して上記のような姿態をとらせ、これをスマートフォンで撮影して、その内蔵記録装置に記録させて保存したという方法によって訴因が特定されている。
すなわち、いずれの犯罪事実に関しても、刑訴法256条3項が求める訴因の特定はなされているのであり、それらが起訴状において一つの公訴事実として記載されているからといって、訴因の特定に欠けるというものではない。したがって、これら両事実の公訴提起の手続は刑訴法256条3項に違反するものではなく、所論のいう訴訟手続の法令違反はない。

性犯罪・福祉犯の際の撮影行為を、ひそかに製造罪としたもの

こういう事案は姿態をとらせて製造罪です。

奈良地裁の例
第1 A(当時15歳)が睡眠中のため抗拒不能状態にあることに乗じ、Aにわいせつな行為をしようと考え、10月3日午前3時33分頃、被告人方において、前記状態であるAに対し、下着をずらした上、直接その陰茎を手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をし、
第2 判示第1の日時場所において、Aが18歳に満たない児童であることを知りながら、Aに対し、ひそかに、被告人がAの陰茎を露出させる姿態、被告人がAの陰茎を手指で触る姿態を被告人の動画撮影機能付き携帯電話機で動画として撮影し、その動画データ2点を同機の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを、それぞれ視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し
たものである

 ほとんど姿態をとらせて製造罪となっているんですが、5%くらいがひそかに製造罪となっています。大阪高裁r05.1.24が出て検察で回覧されたので減ってる感じです


神戸 地裁 尼崎 H28.9.7
東京 地裁 H28.10.19
新潟 地裁 H28.11.4
奈良 地裁 葛城 H29.3.16
東京 高裁 H29.3.16
津 地裁 伊勢 H29.7.10
熊本 地裁 H29.10.20
青森 地裁 八戸 H30.1.25
水戸 地裁 土浦 H30.8.3
福島 地裁 会津若松 H30.12.21
大津 地裁 H31.1.24
水戸 地裁 H31.3.20
名古屋 地裁 R01.8.21
東京 地裁 R02.3.2
福岡 地裁 R02.3.3
津 地裁 R2.6.17
福岡 地裁 R03.5.19
熊本 地裁 八代 R03.6.4
福岡 地裁 R03.6.9
宇都宮 地裁 R03.6.16
横浜 地裁 R03.6.22
千葉 地裁 R03.11.4
京都 地裁 R03.11.26
静岡 地裁 浜松 R03.12.17
奈良 地裁 R04.7.14
東京 地裁 R04.8.30
奈良 地裁 R04.10.20
神戸 地裁 姫路 R05.3.23

監護者性交未遂の場面をひそかに製造罪で起訴したが、姿態をとらせて製造罪が認定された事例(名古屋地裁r5.6.23)

監護者性交未遂の場面をひそかに製造罪で起訴したが、姿態をとらせて製造罪が認定された事例(名古屋地裁r5.6.23)
 性交しながら撮影するのは「性交する姿態とらせて」と評価する高裁判例が幾つかあります・

判例番号】 L07850705
       監護者性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、監護者性交等未遂、準強制性交等被告事件
【事件番号】 名古屋地方裁判所判決/令和3年(わ)第1298号、令和3年(わ)第1680号、令和3年(わ)第1853号、令和3年(わ)第2151号
【判決日付】 令和5年6月23日
【掲載誌】  LLI/DB 判例秘書登載


第3 【令和3年10月25日付け起訴状記載の公訴事実第1】
 実子である前記A(当時15歳)と同居してその寝食の世話をし、その指導・監督をするなどして、同人を現に監護する者であるが、同人が18歳未満の者であることを知りながら、同人と性交等をしようと考え、令和元年12月7日午後4時26分頃、愛知県内において、同人を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて、同人の陰部に自己の陰茎を押し当てるなどして前記Aと性交しようとしたが、その陰茎を同人の膣内に挿入することができなかったため、その目的を遂げず、
第4 【令和3年10月25日付け起訴状記載の公訴事実第2(令和5年6月14日付け訴因等変更請求書記載の予備的訴因)】
 前記Aが18歳に満たない児童であることを知りながら、前記第3の日時頃、前記第3の場所において、同人に対し、被告人が自己の陰茎を前記Aの陰部に押し当てる姿態をとらせ、これを被告人が使用する動画機能付き携帯電話機で動画撮影し、その頃、愛知県内において、その動画データ17点をパーソナルコンピュータを介して電磁的記録媒体であるハードディスク(同号符号6)に記録させて保存し、もって児童を相手方とする性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、

・・・・・・・・・・・・・
第3 判示第3及び第4の事実(Aを被害者とする監護者性交等未遂及び児童ポルノ製造の各事実)について
 1 関係証拠によれば、令和3年8月25日に、被告人のものとしてBから任意提出を受けたノートパソコンに内蔵されたハードディスクから、男性が、女性の陰部に自身の陰茎を押し当てている様子が撮影された動画データ17点(以下、この項において「本件データ」という。)が発見されたこと、本件データは、いずれも1点あたり1秒ないし3秒程度のものであり、判示第3及び第4の事件当日である令和元年(2019年)12月7日午後4時26分から27分にかけて連続して撮影されたものであることが認められる(甲27)。
 2(1)そこで、検察官が主張するとおり、上記動画データに映っている被写体がA及び被告人と認められるか、についてみる。
 Aは、本件データの一部(甲27[ファイル名IMG_9555の各画像])を見た上で、その画像に映っている女性の左太もも内側にある茶色く変色したあざが自分のものと同じであるから、この画像に映っているのは自分である、また、自分は被告人以外の男性から陰茎を自身の陰部に押し当てる行為をされたことはないので、この動画データに映っている男性は被告人であると供述している。
 (2)ア そこで、上記A供述の信用性について検討する。本件データの被写体の女性は、その下半身に光沢のある水色の衣服を身に着けている(C供述、甲27、甲122)ところ、上記ハードディスク内からは、本件データのほかに、Aが、(a)判示第3及び第4事件の2日前、試着室で上記衣服と矛盾しない色のスカートを着用した画像(甲27[ファイル名IMG_9540の画像])や、(b)同事件翌日、光沢や色味が上記衣服とよく似たスカートを上半身裸で着用した画像(甲27[ファイル名IMG_9576の画像])が発見されている。また、Aの左太もも内側には、A自身が供述するとおり、色味や形状において上記被写体と矛盾しない変色部分が存在している(甲27[ファイル名IMG_9528の画像])。このように、事件に近接した時点で被写体と類似した特徴を有するAの写真が本件動画データと同一媒体に保存されていたという事実関係のみを見ても、本件データの被写体がAであることは相当程度推認されるのであって、Aの上記供述はこれらの事実関係によって強く裏付けられている。
 イ これに対し、弁護人は、被写体の女性のあざやスカートがAのものと同一であるとはいえない以上、被写体の女性がAではない疑いが残ると主張するが、上記のとおり同一媒体に保存されていたAの写真の存在を考慮していない点で不合理であり、採用できない。
 3 したがって、本件データの被写体はA及び被告人と認められるから、これにA供述を併せれば、被告人が、判示第3記載のとおり、Aに対し、自身の陰茎をAの陰部に押し当てるなどして同人と性交しようとしたが、挿入できなかったことが間違いなく認められる。
 4 そして、このような本件データの内容のほか、それらのデータが、いずれも被告人が使用していたと認められるパソコンのハードディスクから発見されていることからすれば、判示第4記載(予備的訴因)のとおり、被告人は、自己の陰茎をAの陰部に押し当てる姿態をとらせ、これを自ら動画撮影した上で、パソコンを介してそのハードディスクに記録させて保存することにより、児童ポルノを製造したものと認められる。なお、検察官は、主位的には、被告人が「ひそかに」上記姿態を動画撮影した旨主張するが、検察官の主張を検討しても、被告人がAを撮影した客観的な態様は、それ自体、Aに知られることのないようなものであったとは認め難いから、主位的訴因は認定できないと判断した。
 以上の次第で、判示第3及び第4の各事実を認定したものである。
検察官の求刑:懲役15年及び主文同旨の各没収)
  令和5年6月26日
    名古屋地方裁判所刑事第5部
        裁判長裁判官  大村陽一
           裁判官  遠藤圭一郎
           裁判官  田中彩友美

児童が覚醒して裸でいるのを視野外からスマホで撮影する行為はひそかに製造罪(東京高裁R5.3.30 大阪高裁r5.9.28)だが、児童が熟睡中にスマホで撮るのは、姿態をとらせて製造罪(大阪高裁r5.1.24)

児童が覚醒して裸でいるのを視野外からスマホで撮影する行為はひそかに製造罪(東京高裁R5.3.30 大阪高裁r5.9.28)だが、児童が熟睡中にスマホで撮るのは、姿態をとらせて製造罪(大阪高裁r5.1.24)
 児童を描写する行為の客観的態様についての要件だからカメラを構えてあからさまに撮るような場合は、「ひそかに」にならない筈ですが。
「客観的」と言いながら、児童が具体的に気付いていれば「ひそかに」ではなく、具体的に気付いていなければ「ひそかに」になるいという解釈になっています。

坪井麻友美「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」(法曹時報66巻11号29頁)
イ要件
(ア) 「ひそかに」「ひそかに」とは,「描写の対象となる児童に知られることのないような態様で」という意味であり,児童が利用する脱衣所に隠しカメラを設置して盗撮するような場合が典型例である。
この要件は,児童を描写する行為の客観的態様についての要件であって,児童の承諾の有無を問題とする要件ではなく,また,当該児童が当該描写を認識しているか否かも問わない。

(注18)
「描写の対象となる児童に知られることのないような態様」に当たるかどうかは,一般人を基準に判断することとなる。客観的にこのような態様に当たる場合,通常,被写体となる児童は描写されていることを認識・承諾していない場合が多いと考えられるが,たまたま児童が隠しカメラの存在に気付き,盗撮されることを内心認容していた場合や,撮られる間際にカメラの存在に気付いた場合なども盗撮製造罪は成立し得る。
(注19) 「ひそかに」の他法令での用例としては,軽犯罪法の窃視の罪(問、法第1条第23号「正当な理由がなくて人の住居,浴場,更衣場,便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」)があるところ,同法上の「ひそかに」は,「見られないことの利益を有する者に知られることなく」という意味であり,見られる者の認識(承諾)を問題とする文言と解されている(注釈特別刑法第7巻,風俗・軽犯罪編111頁)。軽犯罪法の窃視の罪の保護法益はプライパシー権であって被害者の承諾があれば法益侵害がないと考えられるのに対し,児童ポルノの盗撮製造罪の保護法益及び処罰の趣旨は上記のとおりであるから,両法における「ひそかに」の文言の意義は異なるものと解される。

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法務省刑事局付坪井麻友美「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律」について月刊警察2014. 10 No.373
第7条第5項の「ひそかに」とは,どのような意昧ですか。
「ひそかに」とは,「描写の対象となる児童に知られることのないような態様で」という意味であり,児童が利用する脱衣所に隠しカメラを設置して盗撮するような場合が典型例です。
この要件は,児童を描写する行為の客観的態様についての要件であって,児童の承諾の有無を問題とする要件ではなく,また,当該児童が当該描写を認識しているか否かも問いません(たまたま児童が隠しカメラの存在に気付き,盗撮されることを内心認容していた場合や,撮られる間際にカメラの存在に気付いた場合等も,盗撮製造罪は成立し得ます。)。
本項の児童ポルノの製造罪の趣旨は, Q11で述べたとおり,かかる行為が児童の尊厳を害し,児童を性的行為の対象とする風潮が助長され,抽象的一般的な児童の人格権を害するなどの点にあり,その保護法益が児童のプライパシー権そのものではない上,本項が,児童ポルノを製造する行為のうち,盗撮によるものを特に処罰することとした理由が,盗撮が行為態様の点において違法性が高いと考えられたことによるものであるため,盗撮製造罪は,児童の承諾の有無にかかわらず成立するのです。

d1-law ■28311761
東京高等裁判所
令和05年03月30日
 上記の者に対する強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ被告事件について、令和4年8月30日東京地方裁判所が言い渡した判決に対し、被告人から控訴の申立てがあったので、当裁判所は、検察官榎本淳並びに主任弁護人奥村徹(私選)及び弁護人森田悟志(国選)各出席の上審理し、次のとおり判決する。
3 まず原判示第15の3についてみると、原審において、被告人は、同第15の3の事実を認め、弁護人もこれを争っていないところ、画像上の児童の視線等からみると、むしろ、描写の対象となる児童に知られることのないような態様で撮影したものと推認できる。したがって、証拠がないとの所論は前提を欠き、原判示第15の3について、児童ポルノ法7条5項の製造罪が成立するとした原判決の認定が、論理則、経験則等に照らし不合理であるとはいえない。
。。。
■28302509
東京地方裁判所
令和04年08月30日
第15
3同年10月23日午後6時46分頃、前記O方において、同人(当時9歳)に対し、ひそかに同人が全裸で四つん這いになり、陰茎が露出した姿態をデジタル機器で動画撮影し、その頃から同月24日午前2時28分頃までの間に、東京都内又はその周辺において、その動画データ1点を同デジタル機器に装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る児童ポルノを製造し、


本法7条5項の「ひそかに」というのは、客観的に見て、撮影等の描写行為が対象児童に気付かれないような態様によるものであることをいうと解される

阪高裁r5.9.28
  イ 本法7条5項の「ひそかに」というのは、客観的に見て、撮影等の描写行為が対象児童に気付かれないような態様によるものであることをいうと解されるところ、アのとおり、被告人は、被害児童の背後からその肛門や女性器を撮影する際、そのことを同児に気付かれないようにしていたのであるから、被告人が同児の姿態を「ひそかに」撮影したものと認められる。

阪高裁R5.9.28の事案では、直後に児童に気付かれましたが、気付いてからの撮影行為は、製造罪では起訴されていません。起訴検事におけるひそかに製造罪でもなく、姿態をとらせて製造罪でもないことになるからという解釈からでしょう。撮影態様は同じなので、気づかれる前の撮影行為も、ひそかに製造罪ではないことになります。

本法7条5項において「前二項に規定するもののほか」と規定されているのは、実体的に3項製造罪又は4項製造罪に当たるものを除くという趣旨ではなく、3項製造罪又は4項製造罪として処罰されるものを除くという趣旨と解される。(大阪高裁r5.7.27 大阪高裁r5.9.28)

本法7条5項において「前二項に規定するもののほか」と規定されているのは、実体的に3項製造罪又は4項製造罪に当たるものを除くという趣旨ではなく、3項製造罪又は4項製造罪として処罰されるものを除くという趣旨と解される。(大阪高裁r5.7.27 大阪高裁r5.9.28)
 就寝中の児童に準強制わいせつ罪とか準強制性交してその際に撮影した場合の罪名について、姿態をとらせて製造罪(大阪高裁r5.1.24)なのか、ひそかに製造罪(大阪高裁r5.7.27 大阪高裁r5.9.28)なのかという議論です。
 大阪高裁は「本法7条5項において「前二項に規定するもののほか」と規定されているのは、実体的に3項製造罪又は4項製造罪に当たるものを除くという趣旨ではなく、3項製造罪又は4項製造罪として処罰されるものを除くという趣旨と解される。」とか言い出しました。

提供 TKC
【文献番号】 25594258
【文献種別】 判決/大阪高等裁判所控訴審
【裁判年月日】 令和 5年 1月24日
 原審記録によれば、起訴状記載の公訴事実のうち、ひそかに製造罪として起訴された各公訴事実(令和3年12月2日付け起訴状の公訴事実第2、令和4年2月16日付け起訴状の公訴事実第2、第4、第6、第8、第10、第12)は、同一機会に行われた各罪と合わせ考慮すると、就寝中のCの陰茎を露出させる姿態等(原判示第8、第16)、睡眠中のDの陰茎を露出させる姿態等(同第10、第18)、就寝中のEの陰茎を露出させる姿態等(同第12、第20)、就寝中のAの陰茎を露出させる姿態等(同第23)を、それぞれひそかに撮影して保存し児童ポルノを製造したとして公訴提起され、いずれも罰条として、児童買春・児童ポルノ処罰法7条5項、2項が摘示されていること(なお、令和4年2月16日付け起訴状の公訴事実第2、第4、第6、第8、第10、第12については同法2条3項2号、3号を、令和3年12月2日付け起訴状の公訴事実第2については同法2条3項1号、2号、3号を、さらに摘示)、原審裁判所は、検察官に対しこの点について釈明を求めるなどはしなかったこと、原判決は、これらの事実について公訴事実どおりに認定し、起訴状の罰条と同じ法令を適用したことが認められる。
 しかし、同法7条5項の規定する児童ポルノのひそかに製造行為とは、隠しカメラの設置など描写の対象となる児童に知られることがないような態様による盗撮の手段で児童ポルノを製造する行為を指すと解されるが、同項が「前2項に規定するもののほか」と規定していることや同条項の改正経緯に照らせば、児童が就寝中等の事情により撮影の事実を認識していなくても,行為者が姿態をとらせた場合には、姿態をとらせ製造罪(同条4項)が成立し、ひそかに製造罪(同条5項)は適用されないと解される。
 したがって、検察官は、本来、上記各事実をいずれも姿態をとらせ製造罪として起訴すべきところを、誤ってひそかに製造罪が成立すると解し、同一機会の各事実と合わせると姿態をとらせたこととなる事実を記載しながら、「ひそかに」との文言を付して公訴事実を構成し、罰条には児童買春・児童ポルノ処罰法7条5項を上げた起訴状を提出し、原判決もその誤りを看過して、同様の事実認定をした上で、上記のとおりの適条をしたことが明らかである。このような原判決の判断は、判文自体から明らかな理由齟齬とまではいえないにせよ、法令の適用に誤りがある旨の所論の指摘は正しい。 
 さらに、検察官のみならず、被告人や原審弁護人も、上記各事実に関してひそかに製造罪としての責任を問われているとの誤信の下で原審公判に臨んでいたものとうかがえるから、第1審裁判所としては、関係証拠に照らして認定できる事実に正しい適条をするだけではなく、検察官に釈明を求め、その回答如何によっては訴因変更請求を促すなどして、被告人及び原審弁護人の防御に遺漏がないよう手続を尽くすべきであったのに、原審はこうした手続を何ら行っていない。姿態をとらせ製造罪とひそかに製造罪とでは、法定刑は同じとはいえ、児童ポルノ製造罪における「姿態をとらせ」あるいは「ひそかに」という要件は、処罰根拠をなす重要部分に当たるから、この点について被告人や原審弁護人が誤解をしたままでは十分な防御の機会が与えられたと評価できず、原審の釈明義務違反は、判決に影響を及ぼすとみるべきである。
 以上から、原判決には、所論指摘の法令適用の誤り、さらには、訴訟手続の法令違反があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、論旨は理由がある。

阪高裁r5.7.27
(3) 当裁判所の判断
  本法の一部を改正する法律(平成26年法律第79号)に係る国会における審議内容等の立法経過を踏まえると、5項製造罪は、「ひそかに」、すなわち、対象となる児童に知られることのないような態様で描写することにより児童ポルノを製造する行為は、その行為態様において悪質であるとともに、当該児童の尊厳を害する行為であり、児童を性的行為の対象とする風潮を助長し、流通の危険を創出するものであることに鑑みて、そのような態様による児童ポルノの製造も規制対象に加え、処罰範囲を拡大する趣旨で設けられたものと解される。しかるところ、児童ポルノの製造において、ひそかに描写して製造するという行為態様の悪質性や児童の尊厳を害すること等は、就寝中で意識のない児童の姿態をそのまま撮影した場合と、撮影の際に一定の姿態をとらせるという撮影者の行為を伴う場合とで、何ら異なるものではないから、立法趣旨との関係では、後者の場合を除外すべき理由はない。
 また、所論のように解すると、検察官は、3項製造罪又は4項製造罪に当たる事案では、それがひそかに製造されたものであっても、3項製造罪又は4項製造罪として起訴するほかなく、そのため、5項製造罪での起訴を検討するに際しては、3項製造罪又は4項製造罪に当たらないかについて厳密な証拠判断を要することになろうが、当該事案の証拠関係によっては、提供目的の有無や姿態をとらせたことに当たるかなどが微妙で、判断に窮する事態も生じ得る。また、裁判所も、5項製造罪に当たるものとして起訴された事案では、常に、実体的に3項製造罪又は4項製造罪に当たるものではないかについて、判断を要することになろう。しかし、前段落でみたところからすると、そのような判断を検察官や裁判所に求めることに意味はなく、所論のような解釈は、5項製造罪が設けられた上記趣旨にそぐわないものである。
 加えて、3項製造罪、4項製造罪及び5項製造罪の法定刑は同じであるから、前2者に当たる児童ポルノを製造した者が、それがひそかに描写して製造したものでもあるときに5項製造罪で処罰されても、不利益はない。
 以上を踏まえると、本法7条5項において「前二項に規定するもののほか」と規定されているのは、実体的に3項製造罪又は4項製造罪に当たるものを除くという趣旨ではなく、3項製造罪又は4項製造罪として処罰されるものを除くという趣旨と解される。
 そうすると、児童に本法7条3項所定の姿態をとらせた上で、ひそかにその姿態を撮影するなどして児童ポルノを製造した行為について、4項製造罪として公訴提起するか5項製造罪として公訴提起するかは、検察官の裁量に属する。そして、本件で、検察官は、起訴状において、2(2)の各児童ポルノ製造行為を公訴事実として記載するとともに、罪名として本法違反を掲げ、罰条としていずれも本法7条5項を記載しており、同条4項を記載してはいないから、これが5項製造罪として公訴提起したものであることは明らかである。この場合に、裁判所は、それら行為について、「ひそかに」の点を含めて同項の構成要件に該当する事実が認められる以上、同項を適用すべきであり、原判決が2(2)の各事実に同項を適用したことに法令適用の誤りはない。

阪高裁r5.9.28
①に関する法令適用の誤りの主張(控訴理由第3)について、
(1)論旨は、以下の旨をいう。
①の事実について、被告人は、被害児童に原判示の姿態をとらせており、そのような姿態をとらせて児童ポルノを製造したものであるから、本法7条4項の児童ポルノ製造罪(いわゆる「姿態をとらせ製造罪」。以下「4項製造罪」ともいう。)に該当する。
そして、本法7条5項の児童ポルノ製造罪(いわゆる「ひそかに製造罪」。以下「5項製造罪」ともいう。)は、同項が「前二項に規定するもののほか」と規定していることからすると、同条3項前段の児童ポルノ製造罪(いわゆる「提供目的製造罪」。以下「3項製造罪」ともいうd) 又は4項製造罪に該当する場合には、それが「ひそかに」なされたものであっても5項製造罪は成立しないと解すべきである。よって、原判決が①の事実に 同条5項を適用したことには法令適用の誤りがある。
(2)本法の一部を改正する法律(平成26年法律第79号)に係る国会における 審議内容等の立法経過を踏まえると、5項製造罪は、~「ひそ'かに」、すなわち、対象となる児童に知られることのないような態様で描写することにより児童ポ ルノを製造する行為は、その行為態様において悪質であるとともに、当該児童の尊厳を害する行為であり、児童を性的行為の対象とする風潮を助長し、流通の危険を創出するものであることに鑑みて、そのような態様による児童ポルノの製造も規制対象に加え、処罰範囲を拡大する趣旨で設けられたものと解される。
しかるところ、児童ポルノの製造において、ひそかに描写して製造するという行為態様の悪質性や児童の尊厳を害すること等は、児童の姿態をそのまま撮影した場合と、撮影の際に一定の姿態をとらせるという撮影者の行為を伴う場合とで、何ら異なるものではないから、立法趣旨との関係では、後者の場合を除外すべき理由はない。

また、所論のように解すると、検察官は、3項製造罪又は4項製造罪に当たる事案では、それがひそかに製造されたものであっても、3項製造罪又は4項製造罪として起訴するほかなく、そのため、5項製造罪での起訴を検討するに際しては、3項製造罪又は4項製造罪に当たらないかについて厳密な証拠判断を要することになろうが、当該事案の証拠関係によっては、提供目的の有無や姿態をとらせたことに当たるかなどが微妙で、判断に窮する事態も生じ得る。
また、裁判所も、5項製造罪に当たるものとして起訴された事案では、'常に、実体的に3項製造罪又は4項製造罪に当たるものではないかについて、判断を要することになろう。
しかし、前段落でみたところからすると、そのような判断を検察官や裁判所に求めることに意味はなく、所論のような解釈は、5項製造罪が設けられた上記趣旨にそぐわないものである。
加えて、3項製造罪、4項製造罪及び5項製造罪の法定刑は同じであるから、前2者に当たる児童ポルノを製造した者が、それがひそかに描写して製造したものでもあるときに5項製造罪で処罰されても、不利益はない。
以上を踏まえると、本法7条5項において「前二項に規定するもののほか」と規定されているのは、実体的に3項製造罪又は4項製造罪に当たるものを除くという趣旨ではなく、3項製造罪又は4項製造罪として処罰されるものを除くという趣旨と解される。
そうすると、児童に本法2条3項所定の姿態をとらせた上で、ひそかにその姿態を撮影するなどして児童ポルノを製造した行為について、4項製造罪として公訴提起するか5項製造罪として公訴提起するかは、検察官の裁量に属する。
そして、本件で、検察官は、起訴状において、①の児童ポルノ製造行為を公訴事実として記載するとともに、~罪名として本法違反を掲げ、罰条として本法7条5項を記載しており、同条4項を記載してはいないから、 5項製造罪として公訴提起したものであることは明らかである。
この場合に、裁判所は、その行為について「ひそかに」の点を含めて同項の構成要件に該当する事実が 認められる以上、同項を適用すべきであり、原判決が①の事実に同項を適用したことに法令適用の誤りはない。

結婚詐欺とか、詐欺買春の事例は、不同意性交にはならないようだ(捜査研究)

結婚詐欺とか、詐欺買春の事例は、不同意性交にはならないようだ(捜査研究)
 法案の逐条説明の解説が出てきました。

https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2023/08/26/083717
刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案【逐条説明】
3各条の第2項
性的行為が行われるに当たって、その相手方に何らかの錯誤が生じている類型については、同意の前提となる事実の認識を欠くものの、当該行為を行うこと自体について外形的には同意が存在するという特殊性があり、被害者が「同意しない意思を形成し、表明し又は全うすることが困難な状態」にあったかどうかで犯罪の成否を区別することとした場合には、犯罪の成否をめぐる評価・判断のばらつきを生じさせることとなりかねないことから、第1項に含めるのではなく、別途規定することとするものである。
その上で、相手方に錯誤が生じている類型の中には、その錯誤があることによっておよそ自由意思決定が妨げられる性質のものと、そうでないものが混在するため、それらを区別せずに包括的な形で規定した場合には、強制わいせつ罪・強制性交等罪として処罰すべきとはいえないものが処罰対象に含まれることとなり、相当でない。
そこで、強制わいせつ罪及び強制性交等罪の保護法益である性的自由・性的自己決定権が侵害されたといえる場合、すなわち、自由意思決定が妨げられたと一般に評価できる錯誤のみが処罰対象となることを明確にする観点から、第2項においては、
○その誤信があれば、自由意思決定が妨げられたといえる類型、すなわち、
・行為がわいせつなものではないとの誤信がある場合(注6)
・行為をする者について人違いがある場合(注7)
を限定的に列挙し、
○「その他これらに類する行為により同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ」又は「その他これらに類する事由によりその状態にあることに乗じて」との包括的要件を設けない
こととしている。
なお、第176条第2項及び第177条第2項の「行為」は、いずれも行為者が行い、又は行おうとしているわいせつな行為又は性交等、すなわち、実行行為を指すものである。
(注6)行為がわいせつなものでないとの誤信があった場合には、被害者は、「行為」には同意しているものの、それが「性的」なものであるとすれば、そのような「性的行為」には同意していないのであるから、その意味で「性的行為をするかどうか」についての自由意思決定があったとはいえず、その誤信を利用して性的行為を行った場合、一般に性的自由・性的自己決定権の侵害が存するといえる。
(注7)行為をする者について人違いがある場合には、被害者は、その相手方との性的行為には同意していないのであるから、その意味で「誰と性的行為をするか」についての自由意思決定があったとはいえず、その誤信を利用して性的行為を行った場合、一般に性的自由・性的自己決定権の侵害が存するといえる。

捜査研究No.876 (2023.9.5)
性犯罪規定の大転換~令和5年における刑法および刑事訴
訟法の改正の解説~(前)
昭和大学医学部教授(薬学博士) ・警察大学校講師
最高検察庁検事
城祐一郎

第4 刑法176条2項の構成要件
ここでは、行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
と規定している。
これは被害者を欺同してわいせつ行為を行う場合などについて規定したものである。
ここでは、犯行の手段として、「行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じ」ることと規定されているが、ここでも柱書の部分と連携して読むことで、4通りの犯罪成立の場合が規定されていることが分かる。
それは、
①行為がわいせつなものではないとの誤信をさせることにより、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせて、わいせつな行為をした場合
②行為をする者について人違いをさせることにより、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせて、わいせつな行為をした場合
③被害者において行為がわいせつなものではないとの誤信をしていることで、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした場合
④被害者において行為をする者について人違いをしていることで、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした場合
の4つである。
これは今までの強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪が、その実行行為としての手段について、暴行、脅迫や、意識不明にするなどの手段、いわば強行的なものを対象としていたところ、この条文により、それらの手段にとどまらず、欺岡行為による場合や、欺岡に陥ってしまっている状態を利用する場合をも対象にしたものである。
そもそも、審議会では、偽計・欺岡を手段とする場合を一般的に不同意わいせつ罪等に含めることも検討されていたところ、「「偽計・欺岡」については、例えば、お金を払って性交をするという契約、約束で性交をしたのだけれども、お金を払うつもりがないのに、あるいはお金を払う能力がないのに、お金を払いますと言って性交等をしたという場合も、拒絶する意思を形成することが困難であるということはいえると思います。
そういう場合に、民事の債務不履行という問題でなく、それが犯罪になるということでよいのか。あるいは、「自分が社長である」、『お金を持っている』、あるいは『交際をする」、|結婚をする」と言うことも「偽計・欺岡による誤信」に当たり得るのではないか、抵抗する意思を形成することが困難ということがいえるのではないかという問題意識もあります。そういたしますと、処罰されるべきでない、当罰性がそれほど高いとはいえない行為が(中略)適切に除外されないのではないかという問題意識があります。」80)との指摘や、「「偽計・欺間による誤信」について、この『偽計・欺罔』には、様々な態様や程度のものがあり得まして、拒絶困難に直結するものも、拒絶困難とはいえないものもあり得るのではないかと思われます。」、「例えば、成人に対して婚姻意思を偽って性交した場合などのように、多くの人から見て処罰の対象とすべきでないものや、処罰の対象とすべきかどうかについて現時点では必ずしも意見が一致するとは限らないものも含まれ得るというようになるかと思います。」と指摘し、「その上で、純粋に欺岡や誤信としてどのようなものを捉えるべきかについてですけれども、強制性交等罪や強制わいせつ罪は、性的行為を行うかどうか、誰を相手として行うかについての自由な意思決定を保護法益としていると考えられますところ、誤信で問題となる類型のうち、例えば、被害者が行為を医療行為と誤信している場合のように、行為の性的な意味を誤信している場合については、性的行為を行うかどうかの意思決定をするそもそもの前提を欠くことになります。
また、被害者が行為の相手方について人違いをしている場合については、行為の実際の相手方と性的行為を行うかどうかについて被害者が正しく判断するそもそもの前提を欠くことになると思われます。
そうすると、これらの類型については、性的自由、性的自己決定に対する法益侵害があるということが明らかだと思われます。
加えて、これらの類型は、現行法の下でも抗拒不能として刑法178条により処罰の対象となると解されており、当罰性があるということには異論はないと思われるところです。
そこで、これらの類型については、要件に該当する場合には直ちに拒絶困難といえる類型として、他の列挙事由とは別に取り扱うというようなことも検討してよいのではないかと思われました。」81)との指摘から、このような形で独立した条文とされたものである。
つまり、「被害者が何らかの事情について誤信して性行為に及んだ場合については、常に同意を無効として性犯罪の成立を肯定するのではなく、例えば治療のために必要であるとだますなど、わいせつなものではないとの誤信、また、相手を夫と誤信するような人違いの場合に限って、性犯罪の成立を肯定しています。
ここでは、性行為を行う際の誤信、誤解といっても多様なものがあり得るところ、その中には性犯罪として罰すべきではないものも含まれていることから、性的意思決定をする上で重要な事実について誤信している場合に限って犯罪の成立が肯定されています」82)ということである。
その意味で、ここでは、性的行為をするに当たって錯誤が生じている場合のうち、その錯誤があることで、性的行為に対する自由な意思決定が妨げられたという場合を限定的に列挙したものである。

かすがい外し~住居侵入+強制わいせつ罪(176条後段)+姿態をとらせて製造罪で逮捕されて、強制わいせつ罪(176条後段)+姿態をとらせて製造罪で起訴されて有罪になった事例

かすがい外し~住居侵入+強制わいせつ罪(176条後段)+姿態をとらせて製造罪で逮捕されて、強制わいせつ罪(176条後段)+姿態をとらせて製造罪で起訴されて有罪になった事例
 オッサンがいきなり児童の寝室に現れてわいせつ行為と製造行為をやったみたいになってる。
 侵入罪を起訴すると、侵入罪と強制わいせつ罪(176条後段)は牽連犯になるとして、製造罪と侵入罪との罪数処理がよくわからないので、起訴しないことがある。かすがい現象になっているかもしれないので、弁護人は指摘して欲しいな。処断刑期が10年か13年かという重大問題です

女児にわいせつ行為の疑い
2018.03.30 朝刊 24頁 静岡版 (全255字) 
 ○○署は二十九日、住居侵入と強制わいせつ、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、容疑者を再逮捕した。
 逮捕容疑は昨年十月四日午後四時半ごろ、県東部に住む女子小学生宅の敷地内に侵入。女児が十三歳未満と知りながらわいせつな行為をしたり、携帯電話で女児の下半身を撮影したなどとされる。
中日新聞社

「性犯罪についての捜査資料から被害者の少女数人の体の画像をスマホで撮影」する行為は、児童ポルノ製造罪には当たらない。

 製造していることは間違いないわけですが、立法者解説では、所定の目的(提供・陳列)もなくただ複製行為するだけというのは製造罪に当たらないと説明されています。
 こっそり複製しているので「ひそかに製造罪(7条5項)」になるように読めますが、

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
7条5項
前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。

 判例(最決r1.11.12)は、一次製造者(撮影者)が、複製(二次製造)した場合にのみひそかに製造罪になるとしています。この判例はそう読むのです。

判例番号】 L07410103
       児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持被告事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷決定/平成31年(あ)第506号
【判決日付】 令和元年11月12日
【判示事項】 ひそかに児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為と同法7条5項の児童ポルノ製造罪の成否
【判決要旨】 ひそかに児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条5項の児童ポルノ製造罪に当たる。
【参照条文】 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2-3
       児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7-2
       児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7-5
【掲載誌】  最高裁判所刑事判例集73巻5号125頁
       裁判所時報1735号2頁
       判例タイムズ1471号18頁
       判例時報2441号61頁
       LLI/DB 判例秘書登載
【評釈論文】 法学セミナー65巻6号110頁
       刑事法ジャーナル64号117頁
       ジュリスト1549号97頁
       ジュリスト1570号135頁
       論究ジュリスト35号226頁
       判例時報2467号157頁
       警察公論75巻11号193頁
       警察公論76巻4号84頁
       法曹時報73巻5号1007頁
       警察学論集74巻9号147頁

       主   文

 本件上告を棄却する。

       理   由
 弁護人奥村徹の上告趣意のうち,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」という。)7条5項の規定について憲法21条1項違反をいう点は,児童ポルノ法7条5項が表現の自由に対する過度に広範な規制であるということはできないから,前提を欠き,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 なお,ひそかに児童ポルノ法2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条5項の児童ポルノ製造罪に当たると解するのが相当である。
 これと同旨の原判断は正当として是認できる。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 木澤克之 裁判官 池上政幸 裁判官 小池 裕 裁判官 山口 厚 裁判官 深山卓也)

判例タイムズ1471号18頁
 3 5項製造罪と同じように製造手段が限定されている児童ポルノ法7条4項の製造罪(児童に全裸姿態等をとらせ,これを記録媒体等に描写することにより児童ポルノを製造する罪。以下「4項製造罪」という。)においても,本件と同様,二次的製造行為について同罪が成立するか否かという問題があり,4項製造罪に関する立法関与者の解説では,複製は除外されるとの見解が示されていた(森山眞弓ほか編著『よくわかる改正児童買春・児童ポルノ禁止法』100頁,島戸純「『児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律』について」警察学論集57巻8号96頁)が,最高裁第三小法廷平成18年2月20日決定・刑集60巻2号216頁,判タ1206号93頁は,「法2条3項各号のいずれかに掲げる姿態を児童にとらせ,これを電磁的記録にかかる記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記憶させて児童ポルノを製造する行為は,法7条3項の児童ポルノ製造罪に当たる」として,3項(現4項)製造罪の成立を認める判断を示した。
 5項製造罪においても,4項製造罪と同様,複製の問題が生ずることが予想されたところ,立法関与者の解説を見ると,5項製造罪は,手段の限定がされているため,盗撮により製造された児童ポルノを後に複製する行為は,基本的に本条項の処罰対象ではないと考えられるが,少なくとも,撮影者本人による「製造」として予定される一連の行為までもが5項製造罪の対象から除外されるものではないと考えられるとの見解が示され,平成18年判例が紹介されている(坪井麻友美「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」法曹時報66巻11号57頁)。

https://news.livedoor.com/article/detail/24978984/
50代の検察事務官の男は性犯罪についての捜査資料から被害者の少女数人の体の画像をスマホで撮影し持っていた疑いが持たれている。
画像は男が現在とは違う部署で担当していた性犯罪の捜査資料にあったものとみられていて、調べに対し男は容疑を認めているという。

前科隠して採用された報道 DBS関係

前科隠して採用された報道
 記事検索でヒットするのはこれくらい。
 教員は、公務員の欠格になるが、不徹底だった。
 ベビーシッターとか塾講師は免許もなく、前科による欠格もないので、フリーパスだった。
 

2017年、教え子ら5人にわいせつ行為をした愛知県知立市の小学校臨時講師の男が、埼玉県の小学校教諭だった4年前にもわいせつ事案で逮捕され、処分歴を隠して再採用されていたことが発覚。読売新聞

最近でも今年6月、女子児童への強制わいせつ容疑で逮捕された福井県坂井市の小学校教諭の男は、15年前にも別の女児の胸を触り、自宅待機になっていたが、同市教委は把握していなかった。読売新聞

それは、2008年から埼玉県の臨時教員として県内6中学校で勤務していた男性だった。04年に勤務校の女子中学生と交際したとして、三重県教委が懲戒免職処分にした男性教員の名前と同じだったのだ。三重県教委からの回答で生年月日が一致した。本人に確認すると、過去の処分歴を認めたため、埼玉県教委は3月末にこの男性教員を懲戒免職処分にした。毎日新聞

強制わいせつの前歴隠し就職 強盗の高校教諭
1985.11.25 朝日新聞
教諭は58年3月、神奈川県で強制わいせつで逮捕され、懲役1年、執行猶予3年の判決を受けており、地方公務員法で、執行猶予期間が過ぎるまで地方公務員採用試験を受けることができないのに、これを隠して教員になっていたことがわかった。

中3との性的行為が、青少年条例違反で検挙されたり、不同意性交罪で逮捕されたり

 観念的競合になるんですかね。青少年条例は刑法の補完だから、刑法が適用される場合には、条例は引っ込むんじゃないでしょうか

 16歳未満と知りつつ、18歳未満と知りつつ、自分が5歳以上年上であることを知りつつ、と多段階で年齢認識が問われます。
 「16歳未満と知っていた」というのは、自白に頼ることが多いので、黙秘させるか、警察が信じるタナー法では15歳と16歳の裸体を見分けることはできないので、それを逆手にとって、「陰毛もありました」「ボインでした」とかと説明させることになるでしょう。

(不同意性交等)
第百七十七条 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
3 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
・・・
法務省の解説
(3) 13歳以上16歳未満の者について
13歳以上16歳未満の者は、
○ 思春期に入った年代であり、性的な知識は備わりつつあると考えられることから、意味認識能力が備わっていないものとして取り扱うことは相当でない
と考えられる一方、性的理解・対処能力に関しては、
○ 自らを客観視したり将来のことを予測する能力が十分に備わっておらず、また、他者からの承認を求めたり、他者に依存しやすいなど精神的に未成熟である上、身体的にも未熟であることから、相手方の言動の意味を表面的に捉えて軽信し、自己の心身への影響を見誤ったり、萎縮してどのような行動を取るべきかの選択肢が浮かばなくなったりするなど、相手方がいかなる者であっても、相手方からの影響にかかわらず、その相手方と性的行為をすることによる自己の心身への様々な影響について理解し、自律的に判断して対処することができるには至っていないと考えられる。
そのため、性的行為をするかどうかの意思決定の過程において、相手方がそれに与える影響の大きい者である場合には、その相手方と性的行為をすることによる自己の心身への影響について自律的に考えて理解した上で、状況に応じて自律的に判断して対処することは困難になると考えられる。
そして、一般に、性的行為の相手方が5歳以上年長の者である場合には、年齢差ゆえの能力や経験の格差があるため、本年齢層の者にとって、相手方と性的行為をすることによる自己の心身への影響について理解した上で、状況に応じて自律的に判断して対処することは困難となるほどに相手方が有する影響力が大きいといえる。
したがって、そのような場合には、13歳以上16歳未満の者は、有効に自由意思決定をすることが困難であり、性的行為が行われることによって、性的自由・性的自己決定権の侵害が生じると考えられる。
そこで、13歳以上16歳未満の者に対して、その者より5歳以上年長の者が性的行為をした場合を処罰の対象としている(注8

https://www.fbs.co.jp/fbsnews/news96cb189pgtfrn8ct7y.html
未成年と知りながら女子中学生にみだらな行為をしたとして、福岡県久留米市の自称飲食店店長の男が逮捕されました。

福岡県青少年健全育成条例違反などの疑いで逮捕されたのは、住居不詳で、自称・飲食店店長の容疑者(23)です。

警察によりますと容疑者は、久留米市内のホテルで7日午前、未成年と知りながら、福岡県内に住む15歳の女子中学生とみだらな行為をした疑いです。

ことし6月、容疑者の店に女子中学生が、客として来たことで2人は知り合ったということです。

警察の調べに対し容疑者は「年齢は知らなかった」と話し、一部容疑を否認しています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2e1e544dee050a687ca9de333e31395c6e2793a2?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20230908&ctg=loc&bt=tw_up
中3女子と“みだらな行為” 不同意性交などの疑いで23歳男を逮捕 「年齢は知りませんでした」 福岡県
9/8(金) 11:24配信
TNCテレビ西日本
福岡県久留米市内のホテルで7日、女子中学生とみだらな行為をした疑いで、23歳の男が逮捕されました。

不同意性交などの容疑で逮捕されたのは、住所不詳で自称・飲食店店長の容疑者(23)です。
警察によりますと、容疑者は7日、久留米市内のホテルで被害者が16歳未満で、自分が5歳以上年上であることを知りながら、女子中学生とみだらな行為をした疑いです。
女子中学生の母親から相談を受け、行方を探していた警察が、ホテルの前で容疑者ら2人を発見し事情を聞いたところ事件が発覚。
女子中学生は、容疑者が働く居酒屋で知り合ったとみられています。
警察の調べに対し容疑者は、「年齢は知りませんでした」などと容疑を一部否認しており、警察で詳しく事情を聴いています。

「売春類似行為(神奈川県迷惑行為防止条例9条1項5号)」とは「男性が対償を受け、又は受ける約束で、不特定の男性と性交類似行為をすることをいう。

 売春防止法は、「性交」ですが、条例では「男性との性交類似行為」を規制しています。

売春防止法
第二条(定義)
 この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。
第三条(売春の禁止)
 何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

神奈川県迷惑行為防止条例
第 9 条 何人も、公共の場所において、不特定の者に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
(5) 売春類似行為をするため、客引きをし、又は客待ちをすること
・・・
神奈川県迷惑行為防止条例逐条解説(2014年月)
「売春類似行為」
男性が対償を受け、又は受ける約束で、不特定の男性と性交類似行為をすることをいう。
(14) 「客待ち」
相手方の申込みを待っている状態をいう。必ずしも一定の場所に止まっている必要はなく、たたずんで待っている場合はもちろん、うろついて相手方を物色している場合もこれに当たる。
周囲の状況ないし行為者の様子から、ゞその者が男娼行為をする意思があり、その相手方を求めている又はその相手方となる者を物色している者であることが、客観的に認められれば足りる。

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