児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「小児性愛が疾病として診断基準等が確立されているとはいえない」という国会決議

小児性愛が疾病として診断基準等が確立されているとはいえない」という国会決議
 再免許に診断書を付けるんですが、診断基準はないそうです。

教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律
(令和三年六月四日法律第五七号)(衆)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/204/pdf/k0902040192040.pdf
○決議(令和三年五月二一日)
三、児童生徒等に対するわいせつ行為を行う可能性が高い者を教壇に立たせないことが重要であることから、こうした者をあらかじめ教育職員等として採用しないための適切かつ実効性のある採用過程の在り方等について検討するとともに、小児性愛が疾病として診断基準等が確立されているとはいえない現状に鑑み、小児性愛についての研究に関する支援の拡充を検討すること。また、児童生徒性暴力等を行った教育職員等に対する更生プログラムの開発等についても支援を行うこと。

教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000232739
・治療・更生等の程度
・複数の医師等による診断書・意見書
(診断名、治療内容(期間、服薬名等)、症状の安定性・治癒の見込み、業務への支障の程度、その他特記事項)(注4)
・更生プログラム等の受講等歴・評価書
・申請者の現在の勤務先による勤務状況等証明書
・申請者の復職を求める嘆願書

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第五章 特定免許状失効者等に対する教育職員免許法の特例等
(特定免許状失効者等に対する教育職員免許法の特例)
第二十二条 特定免許状失効者等(教育職員免許法第五条第一項各号のいずれかに該当する者を除く。)については、その免許状の失効又は取上げの原因となった児童生徒性暴力等の内容等を踏まえ、当該特定免許状失効者等の改善更生の状況その他その後の事情により再び免許状を授与するのが適当であると認められる場合に限り、再び免許状を授与することができる。
2 都道府県の教育委員会は、前項の規定により再び免許状を授与するに当たっては、あらかじめ、都道府県教育職員免許状再授与審査会の意見を聴かなければならない。
3 都道府県の教育委員会は、教育職員免許法第十条第二項(同法第十一条第五項において準用する場合を含む。)の規定により特定免許状失効者等から失効した免許状の返納を受けることとなった都道府県の教育委員会その他の関係機関に対し、当該特定免許状失効者等に係る免許状の失効又は取上げの原因となった児童生徒性暴力等の内容等を調査するために必要な情報の提供を求めることができる。
都道府県教育職員免許状再授与審査会)
第二十三条 前条第二項に規定する意見を述べる事務をつかさどらせるため、都道府県の教育委員会に、都道府県教育職員免許状再授与審査会を置く。
1 都道府県教育職員免許状再授与審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。

美人局事案で、児童と知らない買春行為者を懲戒免職とした事例(至急弁護士に相談してください)

美人局事案で、児童と知らない買春行為者を懲戒免職とした事例
 青少年条例は適用されませんから、年齢確認義務もなく、過失もないことになります。せいぜい、売春防止法の買春者程度の責任です。至急弁護士に相談してください。

類似事案
https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/20130419/1366351248

 「懲戒処分指針」があるが、過失がないものは処分できないだろう。

https://www.pref.gunma.jp/page/4447.html
群馬県教育委員会懲戒処分指針
 本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものであり、群馬県教育委員会の事務局及び学校以外の教育機関等に勤務する職員、県立学校に勤務する職員並びに県費負担教職員(以下「教職員」という。)に適用するものである。

 具体的な処分量定の決定に当たっては、下記の5項目等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮のうえ、判断するものとする。

非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか。
故意又は過失の度合いはどの程度であったか。
非違行為を行った教職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか。
児童生徒、保護者、他の教職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか。
過去に非違行為を行っているか。
 個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる種類以外とすることもあり得るところである
第3 標準例
(10)淫行
 18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした教職員は、免職とする。

淫行で小学教諭 懲戒免 県教委 実験事故の教諭は停職=群馬
2022.12.21 読売新聞
 県教育委員会は20日、伊勢崎市立あずま小の教諭(24)を免職とするなど、4人を同日付で懲戒処分にしたと発表した。
 県教委によると、教諭は1月30日、SNSで知り合った当時17歳の女性に金銭を渡して淫らな行為をし、その後、女性の知人男性から恐喝を受け、前橋署に相談。県青少年健全育成条例に違反すると知らされ、10月に勤務先に報告した。教諭は「専門学生と聞き、18歳以上と判断した」と話したという。
読売新聞社


https://mainichi.jp/articles/20221221/ddl/k10/040/075000c
また県教委は20日付で、SNSを通して知り合った未成年の女性に金銭を渡して不適切な行為を行ったとして伊勢崎市立あずま小学校の教諭(24)を懲戒免職処分に、
【川地隆史】

美人局 恐喝容疑 男女3人を逮捕 前橋=群馬
2022.06.24 読売新聞
。同市内では1月以降、同様の恐喝事件が相次いでおり、県警が関連を調べている。
発表によると、3人は3月31日夜、少女と知り合った20歳代男性を誘い出し、市内のカラオケ店駐車場などで「人の女に手を出すな」とどなり、消費者金融から借りさせるなどした現金約65万円とキャッシュカードを脅し取った疑い。
読売新聞

「言うことを聞かなかったらさらすと脅迫。わいせつな画像を複数枚撮影させ、自身のスマートフォンに送信させた疑い。」という「リモート強制わいせつ」

「言うことを聞かなかったらさらすと脅迫。わいせつな画像を複数枚撮影させ、自身のスマートフォンに送信させた疑い。」という「リモート強制わいせつ」

高裁判例によれば「わいせつ」と評価されるのは、「撮影させ」までであって、「送信させ」までいくと、強要罪になるとされています。

裁判年月日 平成28年 2月19日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平27(う)1766号
事件名 強要,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
裁判結果 控訴棄却 上訴等 上告 文献番号 2016WLJPCA02197003

要旨 / 新判例体系
強要罪と平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条3項の児童ポルノ製造罪とが併合罪の関係にあるとされた事例
裁判経過
第一審 平成27年 8月25日 新潟地裁高田支部 判決 平27(わ)35号
出典
東高刑時報 67巻1頁
判タ 1432号134頁 
参照条文
裁判官
藤井敏明、 福士利博、 山田裕文
理由
 弁護人奥村徹の控訴趣意は,訴訟手続の法令違反,法令適用の誤り及び量刑不当の主張であり,検察官の答弁は,控訴趣意にはいずれも理由がない,というものである。
 1 法令適用の誤り及び訴訟手続の法令違反の主張について
 論旨は,要するに,原判決が強要罪に該当するとして認定した事実は,それだけでも強制わいせつ罪を構成するから,強要罪が成立することはないにもかかわらず,これを強要罪であるとして刑法223条を適用して有罪とした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあり,また,原判決が平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条3項の罪(以下「3項製造罪」という。)に該当するとして認定した事実も,実質的には強制わいせつ罪に当たり,以上の実質的に強制わいせつ罪に該当する各事実について,告訴がないまま起訴することは,親告罪の趣旨を潜脱し,違法であるから,公訴棄却とすべきであるのに,実体判断を行った原審には,判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反がある,というものであると解される。
 (1)強要罪が成立しないとの主張について
 記録によれば,原判決は,公訴事実と同旨の事実を認定したが,その要旨は,被害者が18歳に満たない児童であることを知りながら,同女に対し,要求に応じなければその名誉等にいかなる危害を加えるかもしれない旨脅迫して,乳房,性器等を撮影してその画像データをインターネットアプリケーション「LINE」を使用して送信するよう要求し,畏怖した被害者にその撮影をさせた上,「LINE」を使用して画像データの送信をさせ,被告人使用の携帯電話機でこれを受信・記録し,もって被害者に義務のないことを行わせるとともに,児童ポルノを製造した,というものである。
 すなわち,原判決が認定した事実には,被害者に対し,その名誉等にいかなる危害を加えるかもしれない旨脅迫して同女を畏怖させ,同女をして,その乳房,性器等を撮影させるという,強制わいせつ罪の構成要件の一部となり得る事実を含むものの,その成立に必要な性的意図は含まれておらず,さらに,撮影に係る画像データを被告人使用の携帯電話機に送信させるという,それ自体はわいせつな行為に当たらない行為までを含んだものとして構成されており,強要罪に該当する事実とみるほかないものである。
 弁護人は,①被害者(女子児童)の裸の写真を撮る場合,わいせつな意図で行われるのが通常であるから,格別に性的意図が記されていなくても,その要件に欠けるところはない,②原判決は,量刑の理由の部分で性的意図を認定している,③被害者をして撮影させた乳房,性器等の画像データを被告人使用の携帯電話機に送信させる行為もわいせつな行為に当たる,などと主張する。
 しかしながら,①については,本件起訴状に記載された罪名及び罰条の記載が強制わいせつ罪を示すものでないことに加え,公訴事実に性的意図を示す記載もないことからすれば,本件において,強制わいせつ罪に該当する事実が起訴されていないのは明らかであるところ,原審においても,その限りで事実を認定しているのであるから,その認定に係る事実は,性的意図を含むものとはいえない。
 また,②については,量刑の理由は,犯罪事実の認定ではなく,弁護人の主張は失当である。
 そして,③については,画像データを送信させる行為をもって,わいせつな行為とすることはできない。
 以上のとおり,原判決が認定した事実は,強制わいせつ罪の成立要件を欠くものである上,わいせつな行為に当たらず強要行為に該当するとみるほかない行為をも含む事実で構成されており,強制わいせつ罪に包摂されて別途強要罪が成立しないというような関係にはないから,法条競合により強要罪は成立しないとの弁護人の主張は失当である。
 (2)公訴棄却にすべきとの主張について
 以上のとおり,本件は,強要罪に該当するとみるほかない事実につき公訴提起され,そのとおり認定されたもので,強制わいせつ罪に包摂される事実が強要罪として公訴提起され,認定されたものではない。
 また,原判決の認定に係る事実は,前記(1)のとおり,強制わいせつ罪の構成要件を充足しないものである上,被害者撮影に係る画像データを被告人使用の携帯電話機で受信・記録するというわいせつな行為に当たらない行為を含んだものとして構成され,これにより3項製造罪の犯罪構成要件を充足しているもので,強制わいせつ罪に包摂されるとはいえないし,実質的に同罪に当たるともいえない。
 以上のとおり,本件は,強要罪および3項製造罪に該当し,親告罪たる強制わいせつ罪には形式的にも実質的にも該当しない事実が起訴され,起訴された事実と同旨の事実が認定されたものであるところ,このような事実の起訴,実体判断に当たって,告訴を必要とすべき理由はなく,本件につき,公訴棄却にすべきであるとの弁護人の主張は,理由がない。
 (3)小括以上の次第で,法令適用の誤り及び訴訟手続の法令違反をいう論旨には,理由がない。
・・・・
広島高裁岡山支部H22.12.15*56(一審判決 岡山地裁H22.8.13*57)
 そして,強制わいせつ罪が個人の性的自由を保護法益とするのに対し,児童ポルノ法7条3項,1項,2条3項3号に該当する罪(以下「3項製造罪」という。)は,当該児童の人格権を第一次的な保護法益としつつ,抽象的な児童の人格権をも保護法益としており,両者が一致するものではない。しかも,原判示各事実は,前記のとおり,原判示第1及び第2の各事実については,各被害者に児童ポルノ法2条3項3号所定の姿態をとらせるに際し,脅迫又は暴行によった旨認定していないし,上記各事実と同旨の各公訴事実も同様に脅迫又は暴行によった旨訴因として掲げていない上,原判示各事実及びこれらと同旨の各公訴事実についても,それぞれ,各被害者をして撮影させた画像データを被告人の使用するパーソナルコンピューターに送信させてこれらを受信し,さらに,上記コンピューターに内蔵されたハードディスクに記録して蔵置した各行為を含んでいるところ,上記各行為はいずれも3項製造罪の実行行為(原の事実については強要罪の実行行為の一部でもある。)であって,強制わいせつ罪の構成要件該当事実には含まれない事実である。

https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/314667
「リモート強制わいせつ」容疑で初、無職の32歳を逮捕
2022/12/19 19:56
 松江署は19日、ビデオ通話などで脅迫し、わいせつな画像を送らせたとして、強制わいせつの疑いで宇都宮市、無職の男(32)=強要未遂で起訴済み=を再逮捕した。島根県警によると、直接体に触れない「リモート強制わいせつ」容疑での逮捕は初めて。

 逮捕容疑は11月13日未明、当時交際中の松江市内の20代女性に対し、個人情報や裸の動画データを所持していることを悪用し、言うことを聞かなかったらさらすと脅迫。わいせつな画像を複数枚撮影させ、自身のスマートフォンに送信させた疑い。同署によると、容疑を認めているという。

性行為・わいせつ行為を盗撮した行為を、誤ってひそかに製造罪(7条5項)とした事例

最後の奈良地裁東京地裁は控訴中なので、ここで食い止めたい。

 

        並行性犯罪
神戸 地裁 尼崎 H28.9.7 同児童を上半身裸にして乳房を露出させ ひそかに
東京 地裁   H28.10.19 準強制わいせつ罪
新潟 地裁   H28.11.4 青少年淫行罪
奈良 地裁 葛城 H29.3.16 児童買春罪
東京 高裁   H29.3.16 準強制わいせつ罪
熊本 地裁   H29.10.20 児童買春罪
青森 地裁 八戸 H30.1.25 青少年淫行罪
福島 地裁 会津若松 H30.12.21 無し(就寝中)
名古屋 地裁   R1.8.21 強制わいせつ罪(176条後段)
東京 地裁   R2.3.2 児童淫行罪
福岡 地裁   R2.3.3 準強制わいせつ罪
福岡 地裁   R3.5.19 準強制わいせつ罪
熊本 地裁 八代 R3.6.4 強制わいせつ罪(176条後段)
福岡 地裁   R3.6.9 無し(就寝中)
宇都宮 地裁   R3.6.16 青少年淫行罪
横浜 地裁   R3.6.22 児童買春罪
京都 地裁   R3.11.26 強制わいせつ罪(176条後段)
静岡 地裁 浜松 R3.12.17 強制わいせつ罪(176条後段)
奈良 地裁   R4.7.14 強制わいせつ罪(176条後段)
東京 地裁   R4.8.30 強制口腔性交・強制わいせつ

 

 

追記
奈良地裁r4.7.14は、控訴審で姿態をとらせて製造罪に修正されました(大阪高裁R5.1.24)。法令適用の誤りに釈明義務違反の訴訟手続の法令違反も加わって破棄されています。
>>
大阪高等裁判所令和5年1月24日宣告
判決
上記の者に対する強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び
処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童買春・児童ポルノ処罰法」
という。)違反、強制わいせつ、準強制わいせつ被告事件について、令和4年7
月I4日奈良地方裁判所が言い渡した判決に対し、被告人から控訴の申立てがあ
ったので、当裁判所は、検察官和久本圭介出席の上審理し、次のとおり判決す
る。
主文
原判決を破棄する。
被告人を懲役年に処する。
原審における未決勾留日数中 日をその刑に算入する。
理由
本件控訴の趣意は、弁護人奥村徹作成の控訴趣意書に記載のとおりであるか
ら、これを引用するが、論旨は、理由麒顧、法令適用の誤り及び量刑不当であ
る。
そこで、記録を調査し、当審における事実の取調べの結果も併せて検討する。
第1事案の概要
第2理由齟齬・法令適用の誤りの控訴趣意について(控訴理由第2)
所論は、原判示第8、第10、第12、第16、第18、第20、第23の各児童ポルノ
造について、各公訴事実の記載自体から被告人が各児童にそれぞれの姿態をと
らせたことが明らかで、原判決も公訴事実どおりの事実を認定しているから、
これらに対しては、姿態をとらせ製造罪を規定する児童買春・児童ポルノ処罰
法7条4項のみが適用されるのに、ひそかに製造罪Iを規定する同法7条5項を適
用した原判決には法令適用の誤りがあり、また、姿態をとらせ製造罪の事実を
認定しながら同法7条5項を適用した点で理由麒顧があるというものである。
原審記録によれば、起訴状記載の公訴事実のうち、ひそかに製造罪として起訴
された各公訴事実(令和3年12月2日付け起訴状の公訴事実第2、令和4年2月16
日付け起訴状の公訴事実第2、第4、第6、第8、第10、第12)は、同一機会に行
われた各罪と合わせ考慮すると、就寝中のCの陰茎を露出させる姿態等(原判
示第8、第16)、睡眠中のDの陰茎を露出させる姿態等(同第10、第18)、就寝中
のEの陰茎を露出させる姿態等(同第12、第20)、就寝中のAの陰茎を露出させ
る姿態等(同第23)を、それぞれひそかに撮影して保存し児童ポルノを製造し
たとして公訴提起され、いずれも罰条として、児童買春・児童ポルノ処罰法7
条5項、2項が摘示されていること(なお、令和4年2月16日付け起訴状の公訴事
実第2、第4、第6、第8、第i0、第12については同法2条3項2号、3号を、令和3
年12月2日付け起訴状の公訴事実第2については同法2条3項1号、2号、J'3号
を、さらに摘示)、原審裁判所は、検察官に対しこの点について釈明を求める
などはしなかったこと、原判決は、これらの事実について公訴事実どおりに認
定し、起訴状の罰条と同じ法令を適用したことが認められる。
しかし、同法7条5項の規定する児童ポルノのひそかに製造行為とは、隠しカメ
ラの設置など描写の対象となる児童に知られることがないような態様による盗
撮の手段で児童ポルノを製造する行為を指すと解されるが、同項が「前2項に
規定するもののほか」と規定していることや同条項の改正経緯に照らせば、児
童が就寝中等の事情により撮影の事実を認識していなくても、行為者が姿態を
とらせた場合には、姿態をとらせ製造罪(同条4項)が成立し、ひそかに製造
罪(同条5項)は適用されないと解される。
したがって、検察官は、本来、上記各事実をいずれも姿態をとらせ製造罪とし
て起訴すべきところを、誤ってひそかに製造罪が成立すると解し、同一機会の
各事実と合わせると姿態をとらせたこととなる事実を記載しながら、「ひそか
に」との文言を付して公訴事実を構成し、罰条には児童買春・児童ポルノ処罰
法7条5項を上げた起訴状を提出し、原判決もその誤りを看過して、同様の事実
認定をした上で、上記のとおりの適条をしたことが明らかである。
このような原判決の判断は>判文自体から明らかな理由麒甑とまではL,いえな
いにせよ、法令の適用に誤りがある旨の所論の指摘は正しい。
さらに、検察官のみならず、被告人や原審弁護人も、上記各事実に関してひそ
かに製造罪としての責任を問われているとの誤信の下で原審公判に臨んでいた
ものとうかがえるから、第1審裁判所としては、関係証拠に照らして'認定でき
る事実に正しい適条をするだけではなく、検察官に釈明を求め、その回答如何
によっては訴因変更請求を促すなどして、被告人及び原審弁護人の防御に遺漏
がないよう手続を尽くすべきであったのに、原審はこうした手続を何ら行って
いない。
姿態をとらせ製造罪とひそかに製造罪とでは、法定刑は同じとはいえ、児童ポ
ルノ製造罪における「姿態をとらせ」あるいは「ひそかに」という要件は、処
罰根拠をなす重要部分に当たるから、この点について被告人や原審弁護人が誤
解をしたままでは十分な防御の機会が与えられたと評価できず、原審の釈明義
務違反は、判決に影響を及ぼすとみるべきである。
9以上から、原判決には、所論指摘の法令適用の誤り、さらには、訴訟手続の
法令違反があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、論旨は
理由がある。
第3自判原判決は、原判示第8、第10、第12、第l6、第18、第20、第2IJ);3の各
罪につき、その余の各罪と併合罪加重をし、1個の主文により判決を言い渡し
ているから、結局、原判決は全部破棄を免れない。
そこで、その余の論旨に対する判断を省略し、刑訴法397条1項、379条、380条
により原判決を破棄することとし、同法400条ただし書により、当審において
追加された予備的訴因により、当裁判所において更に判決する。
(罪となるべき事実)
<<

 

「再逮捕 未成年女性のわいせつ画像データを所持 児童ポルノ禁止法違反の疑い」という報道

「再逮捕 未成年女性のわいせつ画像データを所持 児童ポルノ禁止法違反の疑い」という報道
 単純所持罪(7条1項)単体では逮捕されることはありません。
 珍しい、単純所持罪(7条1項)の逮捕事例ですが、強制わいせつ罪が先行していますし、その捜査で押収されて現認されています。
 ポーズ取って撮影してもらって送ってもらうと製造罪になりますので、そういう経緯はないみたいです。
 重い罪の性的嗜好の立証目的で立証されるようなもので、逮捕の必要性も乏しいと思います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/be29ae3e857b56892eb728cc1fbcd753f5154158
知人女性にわいせつな行為をしたとして逮捕されていた高校教諭が、未成年のわいせつな画像を所持していたとして12月13日再逮捕されました。再逮捕されたのは出雲市にある県立高校の50代の教諭の男です。この男は未成年女性のわいせつな画像データを所持していたとして児童ポルノ禁止法違反の疑いが持たれています。男は12月2日、勤務する高校で知人女性に下半身を触らせるなどしたとして強制わいせつの疑いで逮捕されています。警察によりますとこの捜査を進めるなかで押収した携帯電話を調べたところ、男が撮影したものと見られる未成年の女性がわいせつな行為をしている画像データ数点が見つかったということです。

第七条(児童ポルノ所持、提供等)
1 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。

青少年条例における「わいせつ」の定義

 長崎県条例を見ていると、h31の解説書から、わいせつの説明が変わっていました。

 大阪高裁h23.6.28は公開されていないので、時々警察から問い合わせがありますが、神戸地検で閲覧可能です。

 青少年わいせつ罪に、真剣交際が除外されるという判示を狙った控訴理由でした。
「すなわち,もともと,わいせつ行為とは,いたずらに性欲を興奮又は刺激させ,かつ,普通人の正常な性的羞恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいう」として刑法の定義を引用していますが、大法廷h29.11.29以後は通用しないでしょう。新たな定義づけをする必要があります。

長崎県少年保護育成条例の解説h21
(みだらな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第16条
1何人も、少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、少年に前項の行為を教え、又は見せてはならない。
[ 要旨]
本条は、心身ともに未成熟な少年の健全な育成を図るため、みだらな性行為、わいせつな行為等を禁止したものである。
[ 解説]
1 少年に対して、みだらな性行為又はわいせつな行為をし、あるいは、これらの行為を教え又は見せることは、心身ともに未成熟な少年を性的に堕落させその人格形成に悪影響を与えることが明らかである。
しかし、これらの行為は刑法の強姦罪、強制わいせつ罪にあたる場合のほかは処罰することができない。
また、刑法においても、1 3歳未満の婦女を姦いんした場合は強姦罪が、また、それに対してわいせつな行為をした場合は強制わいせつ罪が成立するが、1 3歳以上の者に対しては、暴行、脅迫、心神喪失、抗拒不能等を伴い、かつ、告訴があった場合のほかは処罰されない。
このため、本条において、これらの行為を規制し、少年の健全育成を図ろうとするものである。
( 参考)
児童福祉法……児童(18歳未満の者)にいん行させた者は処罰されるが、その相手となった者は処罰されない。
売春防止法……売春の勧誘、周旋等をした者は処罰されるが、その相手となった者は処罰されない。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律……児童(18歳
未満の者)買春した者、児童買春を周旋・勧誘した者は処罰される。
2 「前項の行為」とは、「みだらな性行為文はわいせつな行為」のことをさす。
3 「みだらな性行為」とは、健全な常識がある一般社会人からみて、結婚を前提としない、欲望を満たすことのためにのみ行う不純とされる性行為をいう。(東京高裁判決昭和39年4月22日)
4 「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激興奮せしめたり、その露骨な表現によって健全な常識のある一般社会人に対し、性的に差恥嫌悪の情をおこさせる行為をいう。(東京高裁判決昭和39年4月22日)

長崎県少年保護育成条例の解説h31
(みだらな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第16条
1何人も、少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2何人も、少年に前項の行為を教え、又は見せてはならない。
[要旨]
本条は、心身ともに未成熟な少年の健全な育成を図るため、少年に対するみだらな性行為、わいせつな行為等を禁止し、刑法その他関係法令では規制することができない反社会的な性行為等から少年を保護しようとする規定である。
[解説]
1 「みだらな性行為」とは、広く少年に対する性行為一般をいうものと解すべきものではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺岡し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為(最高裁判決昭和60年10月23日)をいう。
なお、性交に類する行為とは、実質的にみて、性交と同視し得る態様における性的な行為をいい、例えば、異性間の性交とその態様を同じくする状況下における性交を模して行われる手淫、口淫(尺八)、肛淫、触淫(素股)等である。
2 「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激興奮せしめたり、その露骨な表現によって健全な常識のある一般社会人に対し、性的に差恥嫌悪の情をおこさせる行為をいう。(東京高裁判決昭和39年4月22日)
具体的には、「陰部に対する弄び、押し当て」、「乳房に対する弄び」、「接吻」、「裸にしての写真撮影」などがあげられるが、「みだらな性行為」と同様に、当該行為が少年の心身の未成熟に乗じた不当な手段により行うものであること、又は、少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないようなものであることを要する。(大阪高裁判決平成23年6月28日参照)

 大阪高裁h23.6.28は公開されていないので、時々警察から問い合わせがありますが、神戸地検で閲覧可能です。
 青少年わいせつ罪に、真剣交際が除外されるという判示を狙った控訴理由でした。
「すなわち,もともと,わいせつ行為とは,いたずらに性欲を興奮又は刺激させ,かつ,普通人の正常な性的羞恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいう」として刑法の定義を引用していますが、大法廷h29.11.29以後は通用しないでしょう。新たな定義づけをする必要があります。

阪高裁平成23年6月28日宣告 
                  判    決
 上記の者に対する青少年愛護条例(昭和38年兵庫県条例17号)違反,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件について,平成22年12月16日神戸地方裁判所が言い渡した判決に対し,被告人から控訴の申立てがあったので,当裁判所は,検察官谷口照夫出席の上審理し,次のとおり判決する。
                  主    文
                本件控訴を棄却する。
                  理    由
 控訴理由は,弁護人奥村徹作成の控訴趣意書,控訴趣意補充書に記載されたとおりであるから,これらを引用する。

(2)当裁判所の判断
 ア 控訴趣意第1について
 しかし,わいせつな行為を処罰の対象とする本条例が憲法31条に違反しないものであることは,昭和60年最高裁判決の趣旨に徴して明らかである。すなわち,もともと,わいせつ行為とは,いたずらに性欲を興奮又は刺激させ,かつ,普通人の正常な性的羞恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいうものであり,その内容が不明確であるとはいえない。また,本条例にいう「わいせつな行為」についても,あらゆる性的行為がこれに含まれるものと解すべきではない。本条例は,何人も,青少年に対し,みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない(本条例21条1項)と定めているが,ここにいう「わいせつな行為」についても,本条例が青少年の健全な育成を図り,これを阻害するおそれのある行為から青少年を保護することを目的とする(本条例1条)ことからみて,性的な行為のすべてを禁止する趣旨とは考えられない。この点は,昭和60年最高裁判決がいわゆる淫行条例(福岡県青少年保護育成条例)に定める淫行について加えたのと同様の限定を付して解釈されるべきである。そうすると,弁護人がいうような結婚を前提とする真摯な合意に基づくものであるような場合までこれに当たるとはいえない。以上のとおり,上記条項が犯罪構成要件として不明確であるとはいえず,憲法31条に違反するものでないことが明らかである。

 そこで、令和になってから、青少年条例のわいせつの定義を聞いたことがありますが、定義も示せないまま「本件行為が本条例16条1項の「猥せつの行為」に該当することは,一般的な社会通念に照らせば明らかであるといえる。」とされました。陰茎に陰茎を押し当てる行為は、わいせつに決まってるから、定義を示す必要もないというのです。

高松高裁令和3年3月2日宣告
判決
上記の者に対する香川県青少年保護育成条例違反被告事件について,令和2年9月29日高松地方裁判所が言い渡した判決に対し,被告人から控訴の申立てがあったので,当裁判所は,検察官河原将一並びに主任弁護人奥村徹及び弁護人園田寿(いずれも私選)出席の上審理し,次のとおり判決する。
第3法令適用の誤りの論旨について
1論旨は,
①本条例16条1項の「狼せつ」の定義が明らかでなく,かつ,処罰の範囲が広汎に過ぎるため,同項は刑罰法令の明確性を欠いて,憲法31条に違反して無効であるのに,原判決が同項を適用している点,
において,原判決には,それぞれ判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあるというのである。
2論旨①について
原判決は,論旨と同旨の原審弁護人の主張に対し,行為そのものが持つ性的性質から「猥せつ」に該当するか否かを判断することが可能であり,本件行為は「猥せつ」な行為に該当するとして,原審弁護人の主張を排斥した。
原判決の説示は正当であり,当裁判所も是認することができる。
補足すると,「猥せつ」という言葉はある程度評価的な概念を含むものではあるものの,一般的な言葉として社会に通用しているものであるから,青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止してその健全な保護育成を図るという本条例の目的を踏まえて一般的な社会通念に照らしてみれば,どのような行為がいかなる場合に違法なわいせつ行為に該当するのかを判断することができるというべきである。
そして,本件行為が本条例16条1項の「猥せつの行為」に該当することは,一般的な社会通念に照らせば明らかであるといえる。
そうすると,本条例16条1項が不明確かつ処罰の範囲が広過ぎて憲法31条に違反するとはいえず,原判決が本件行為に本条例16条1項を適用したことに誤りはなく,理由の不備もない。

令和3年3月2日
高松高等裁判所第1部
裁判長裁判官杉山愼治
裁判官安達拓
裁判官井草健太

強制口腔性交罪とひそかに製造罪を観念的競合としながら、強制わいせつ罪と製造罪は併合罪とした裁判例(東京地裁R4.8.30)

強制口腔性交罪とひそかに製造罪を観念的競合としながら、強制わいせつ罪と製造罪は併合罪とした裁判例東京地裁R4.8.30)
 理由齟齬ですね。
 あちこちで逮捕起訴されて、最後に東京で判決したので、罪数処理がマチマチになっています。

東京地方裁判所(第一審)令和 4年 8月30日
第16
4 同年11月7日午後10時25分頃から同日午後10時40分頃までの間、前記P方において、同人(当時6歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、ひそかにPの陰茎を露出させる姿態、被告人がPの陰茎を手で弄ぶなどの姿態及び被告人がPの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態を前記スマートフォンで動画撮影し、その動画データ5点を同スマートフォンに装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をするとともに、児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの、又は衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
第18 Rが13歳未満の者であることを知りながら、同月8日午後11時38分頃から同月9日午前0時3分頃までの間、東京都内の同人知人方において、R(当時7歳)に対し、そのズボンを下げさせて陰茎を露出させた上、就寝中の同人の顔面に射精するなどし、陰茎を露出する姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影し、その動画データ1点を同デジタル機器に装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、


(法令の適用)
罰条
判示第1の1ないし4、第2及び第3の各行為
いずれも平成29年法律第72号附則2条1項により同法による改正前の刑法176条後段
判示第1の5、第4の2ないし5、第5の1、第6の1ないし3、5、8、9、第7の1、第9の1、第10の1、第12、第13の1、第14の1、第16の2、第17の1及び第20の各行為
いずれも刑法177条後段
判示第4の1、6、第8の1、第11の1、第15の1、第16の1及び第19の各行為
いずれも刑法176条後段
判示第4の7及び第16の3の各行為
いずれも包括して児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、5項、2条3項1号、2号
判示第5の2、第6の7及び第10の2の各行為
いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項1号
判示第6の4、6、11及び第9の2の各行為
いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項1号、2号
判示第6の10、第7の2、第13の2及び第14の2の各行為
いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項1号、2号、3号
判示第8の2及び第15の2の各行為
いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項2号
判示第11の2の行為
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2条3項2号
判示第15の3の行為
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2条3項3号
判示第16の4の行為
強制性交等の点 刑法177条後段
児童ポルノ製造の点 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2条3項1号、2号、3号
判示第17の2の行為
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2条3項1号
判示第18の行為
強制わいせつの点 刑法176条後段
児童ポルノ製造の点 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項3号
科刑上一罪の処理
判示第16の4の罪
刑法54条1項前段(1個の行為が2個の罪名に触れる。)、10条(1罪として重い強制性交等の罪の刑で処断)
判示第18の罪
刑法54条1項前段(1個の行為が2個の罪名に触れる。)、10条(1罪として重い強制わいせつの罪の刑で処断)
刑種の選択
判示第4の7、第5の2、第6の4、6、7、10、11、第7の2、第8の2、第9の2、第10の2、第11の2、第13の2、第14の2、第15の2、3、第16の3及び第17の2の各罪
いずれも所定刑中懲役刑を選択
併合罪の処理
刑法45条前段、47条本文、10条(刑及び犯情の最も重い判示第14の1の罪の刑に法定の加重)

「就寝中児童Dに対し、被告人がDの陰茎を手で触るなどの姿態及び被告人がDの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影した動画データ4点並びにひそかに被告人がDの陰茎を手で触るなどの姿態及び被告人がDの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態を動画撮影し」という罪となるべき事実について、7条4項の製造罪と5項の製造罪を成立するとした事例(東京地裁r4.8.30)

「就寝中児童Dに対し、被告人がDの陰茎を手で触るなどの姿態及び被告人がDの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影した動画データ4点並びにひそかに被告人がDの陰茎を手で触るなどの姿態及び被告人がDの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態を動画撮影し」という罪となるべき事実について、7条4項の製造罪と5項の製造罪を成立するとした事例(東京地裁r4.8.30)

 姿態をとらせて製造罪(4項)のみですね。
 罪数処理では、強制性交罪と製造罪が観念的競合になってたりして、奥村並みのバカですね。

lex/db【文献番号】25593703
東京地方裁判所令和4年8月30日刑事第1部判決
第4 Dが13歳未満の者であることを知りながら、
1 Dにわいせつな行為をしようと考え、同年8月11日午後0時54分頃から同日午後0時56分頃までの間,静岡県内から東京都内までの間を走行中の普通乗用自動車内において、就寝中の同人(当時7歳)に対し、その着衣の中に手を差入れて同人の陰茎を手で弄ぶなどし、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
2 Dと口腔性交をしようと考え、同月18日午前1時53分頃から同日午前1時59分頃までの間、東京都内の児童施設内において、同人(当時7歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
3 Dと口腔性交をしようと考え、同年9月3日午前1時57分頃から同日午前2時57分頃までの間、前記児童施設内において、就寝中の同人(当時7歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
4 Dと口腔性交をしようと考え、同月6日午前2時2分頃から同日午前2時10分頃までの間、前記児童施設内において、就寝中の同人(当時7歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
5 Dと口腔性交をしようと考え、同年10月5日午後5時32分頃から同日午後5時39分頃までの間、東京都内の多目的トイレ内において、同人(当時7歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
6 Dにわいせつな行為をしようと考え、同月18日午前3時5分頃から同日午前3時14分頃までの間、前記児童施設内において、同人(当時7歳)に対し、その陰茎を手で弄ぶなどし、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
7 前記1ないし6記載の日時場所において、Dに対し、被告人がDの陰茎を手で触るなどの姿態及び被告人がDの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影した動画データ4点並びにひそかに被告人がDの陰茎を手で触るなどの姿態及び被告人がDの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態を動画撮影した動画データ6点を、平成30年12月17日午後5時35分頃から同日午後5時37分頃までの間、東京都大田区α×丁目××番×号bマンション×××号室当時の被告人方において、パーソナルコンピューターに接続された外付けハードディスク(令和4年東地領第108号符号1)に記録させて保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、又は他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
法令適用
判示第4の7及び第16の3の各行為
いずれも包括して児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、5項、2条3項1号、2号
令和4年8月30日
東京地方裁判所刑事第1部
裁判長裁判官 古玉正紀 裁判官 水越壮夫 裁判官 竹内瑞希

「自慰行為をさせた上、その様子を同人が使用する撮影機能付き携帯電話機で撮影させ、さらに、その画像等のデータを被告人が使用する携帯電話機に送信させ、もって、強いてわいせつな行為をした」という送信型強制わいせつ罪(東京地裁R4.8.19)

「自慰行為をさせた上、その様子を同人が使用する撮影機能付き携帯電話機で撮影させ、さらに、その画像等のデータを被告人が使用する携帯電話機に送信させ、もって、強いてわいせつな行為をした」という送信型強制わいせつ罪(東京地裁R4.8.19)

 東京高裁h28.2.19・広島高裁岡山支部H22.12.15によれば、「その画像等のデータを被告人が使用する携帯電話機に送信させ、」はわいせつ行為ではなく、そこまで認定すると、「撮影させ」以降の行為が全部強制わいせつ罪ではなくなることになります。

東京地裁R4.8.19
前記aにこれを閲読させて脅迫して
その反抗を著しく困難にした上、
同人に陰部等を露出する姿態を取らせるとともに、自慰行為をさせた上、その様子を同人が使用する撮影機能付き携帯電話機で撮影させ、さらに、その画像等のデータを被告人が使用する携帯電話機に送信させ、
もって、強いてわいせつな行為をしたものである
罪名罰条
強制わいせつ罪 刑法176条前段

裁判年月日 平成28年 2月19日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平27(う)1766号
事件名 強要,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
裁判結果 控訴棄却 上訴等 上告 文献番号 2016WLJPCA02197003

要旨 / 新判例体系
強要罪と平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条3項の児童ポルノ製造罪とが併合罪の関係にあるとされた事例
裁判経過
第一審 平成27年 8月25日 新潟地裁高田支部 判決 平27(わ)35号
出典
東高刑時報 67巻1頁
判タ 1432号134頁 
参照条文
裁判官
藤井敏明、 福士利博、 山田裕文
理由

 弁護人奥村徹の控訴趣意は,訴訟手続の法令違反,法令適用の誤り及び量刑不当の主張であり,検察官の答弁は,控訴趣意にはいずれも理由がない,というものである。
 1 法令適用の誤り及び訴訟手続の法令違反の主張について
 論旨は,要するに,原判決が強要罪に該当するとして認定した事実は,それだけでも強制わいせつ罪を構成するから,強要罪が成立することはないにもかかわらず,これを強要罪であるとして刑法223条を適用して有罪とした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあり,また,原判決が平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条3項の罪(以下「3項製造罪」という。)に該当するとして認定した事実も,実質的には強制わいせつ罪に当たり,以上の実質的に強制わいせつ罪に該当する各事実について,告訴がないまま起訴することは,親告罪の趣旨を潜脱し,違法であるから,公訴棄却とすべきであるのに,実体判断を行った原審には,判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反がある,というものであると解される。
 (1)強要罪が成立しないとの主張について
 記録によれば,原判決は,公訴事実と同旨の事実を認定したが,その要旨は,被害者が18歳に満たない児童であることを知りながら,同女に対し,要求に応じなければその名誉等にいかなる危害を加えるかもしれない旨脅迫して,乳房,性器等を撮影してその画像データをインターネットアプリケーション「LINE」を使用して送信するよう要求し,畏怖した被害者にその撮影をさせた上,「LINE」を使用して画像データの送信をさせ,被告人使用の携帯電話機でこれを受信・記録し,もって被害者に義務のないことを行わせるとともに,児童ポルノを製造した,というものである。
 すなわち,原判決が認定した事実には,被害者に対し,その名誉等にいかなる危害を加えるかもしれない旨脅迫して同女を畏怖させ,同女をして,その乳房,性器等を撮影させるという,強制わいせつ罪の構成要件の一部となり得る事実を含むものの,その成立に必要な性的意図は含まれておらず,さらに,撮影に係る画像データを被告人使用の携帯電話機に送信させるという,それ自体はわいせつな行為に当たらない行為までを含んだものとして構成されており,強要罪に該当する事実とみるほかないものである。
 弁護人は,①被害者(女子児童)の裸の写真を撮る場合,わいせつな意図で行われるのが通常であるから,格別に性的意図が記されていなくても,その要件に欠けるところはない,②原判決は,量刑の理由の部分で性的意図を認定している,③被害者をして撮影させた乳房,性器等の画像データを被告人使用の携帯電話機に送信させる行為もわいせつな行為に当たる,などと主張する。
 しかしながら,①については,本件起訴状に記載された罪名及び罰条の記載が強制わいせつ罪を示すものでないことに加え,公訴事実に性的意図を示す記載もないことからすれば,本件において,強制わいせつ罪に該当する事実が起訴されていないのは明らかであるところ,原審においても,その限りで事実を認定しているのであるから,その認定に係る事実は,性的意図を含むものとはいえない。
 また,②については,量刑の理由は,犯罪事実の認定ではなく,弁護人の主張は失当である。
 そして,③については,画像データを送信させる行為をもって,わいせつな行為とすることはできない。
 以上のとおり,原判決が認定した事実は,強制わいせつ罪の成立要件を欠くものである上,わいせつな行為に当たらず強要行為に該当するとみるほかない行為をも含む事実で構成されており,強制わいせつ罪に包摂されて別途強要罪が成立しないというような関係にはないから,法条競合により強要罪は成立しないとの弁護人の主張は失当である。
 (2)公訴棄却にすべきとの主張について
 以上のとおり,本件は,強要罪に該当するとみるほかない事実につき公訴提起され,そのとおり認定されたもので,強制わいせつ罪に包摂される事実が強要罪として公訴提起され,認定されたものではない。
 また,原判決の認定に係る事実は,前記(1)のとおり,強制わいせつ罪の構成要件を充足しないものである上,被害者撮影に係る画像データを被告人使用の携帯電話機で受信・記録するというわいせつな行為に当たらない行為を含んだものとして構成され,これにより3項製造罪の犯罪構成要件を充足しているもので,強制わいせつ罪に包摂されるとはいえないし,実質的に同罪に当たるともいえない。
 以上のとおり,本件は,強要罪および3項製造罪に該当し,親告罪たる強制わいせつ罪には形式的にも実質的にも該当しない事実が起訴され,起訴された事実と同旨の事実が認定されたものであるところ,このような事実の起訴,実体判断に当たって,告訴を必要とすべき理由はなく,本件につき,公訴棄却にすべきであるとの弁護人の主張は,理由がない。
 (3)小括以上の次第で,法令適用の誤り及び訴訟手続の法令違反をいう論旨には,理由がない。

広島高裁岡山支部H22.12.15*56(一審判決 岡山地裁H22.8.13*57)

 そして,強制わいせつ罪が個人の性的自由を保護法益とするのに対し,児童ポルノ法7条3項,1項,2条3項3号に該当する罪(以下「3項製造罪」という。)は,当該児童の人格権を第一次的な保護法益としつつ,抽象的な児童の人格権をも保護法益としており,両者が一致するものではない。しかも,原判示各事実は,前記のとおり,原判示第1及び第2の各事実については,各被害者に児童ポルノ法2条3項3号所定の姿態をとらせるに際し,脅迫又は暴行によった旨認定していないし,上記各事実と同旨の各公訴事実も同様に脅迫又は暴行によった旨訴因として掲げていない上,原判示各事実及びこれらと同旨の各公訴事実についても,それぞれ,各被害者をして撮影させた画像データを被告人の使用するパーソナルコンピューターに送信させてこれらを受信し,さらに,上記コンピューターに内蔵されたハードディスクに記録して蔵置した各行為を含んでいるところ,上記各行為はいずれも3項製造罪の実行行為(原の事実については強要罪の実行行為の一部でもある。)であって,強制わいせつ罪の構成要件該当事実には含まれない事実である。

撮影送信させる強制わいせつ罪裁判例25件

 最近は大都市圏でもわいせつ行為とされていますね。
 東京高裁h28.2.19 や広島高裁岡山支部H22.12.15等、強制わいせつ罪にならないという高裁判例もあるので、抵抗してみてください。
 わいせつの範囲は撮影まで(被告人に到達した事実は含まない)としつつ、性的意味合いの強度の理由としては、被告人が受け取って性的満足したというのが欲しいので、そこをごまかすのに一苦労です。


 

            児童ポルノ製造を伴う場合の罪数処理
  東京 地裁   H18.3.24 撮影送信させ受信して 観念的競合
  大分 地裁   H23.5.11 撮影送信させ 併合罪
  東京 地裁   H27.12.15 撮影送信させ 併合罪
  高松 地裁   H28.6.2 撮影送信させ 併合罪
  横浜 地裁   H28.11.10 撮影送信させ  
  松山 地裁 西条 H29.1.16 撮影送信させ  
  高松 地裁 丸亀 H29.5.2 撮影させ  
  高松 地裁 丸亀 H29.5.2 撮影させ  
判例DB 岡山 地裁   H29.7.25 撮影送信させ 併合罪
  札幌 地裁   H29.8.15 撮影させ 併合罪
  札幌 地裁   H30.3.8 撮影させ 併合罪
  東京 地裁   H31.1.31 撮影させ 併合罪
判例DB 長崎 地裁   R1.9.17 生中継で送信させ  
  高松 地裁 丸亀 R2.9.18 撮影させ 併合罪
  熊本 地裁   R3.1.13 撮影させ 併合罪
  京都 地裁   R3.1.21 撮影させ 観念的競合
  京都 地裁   R3.1.21 撮影させ 併合罪
  京都 地裁   R3.2.3 撮影させ 併合罪
判決速報 大阪 高裁   R3.7.14 撮影させ 観念的競合
  京都 地裁   R3.7.28 撮影させ 併合罪
  大阪 高裁   R4.1.20 撮影させ 観念的競合
  札幌 地裁 小樽 R4.3.2 自慰行為等+撮影させ 成人
  東京 地裁   R4.3.10 撮影させ 併合罪
  札幌 地裁   R4.9.14 撮影させ 観念的競合

 


3 撮影までならわいせつ行為となりうるのだが、送信・記録させる行為に及ぶと全体としてわいせつ行為とは評価できなくなるという判例(東京高裁h28.2.19 広島高裁岡山支部H22.12.15)。
   送信・記録行為は、わいせつ行為ではない上、それを記載していまうと、撮影させ~送信・記録までの全体が、わいせつ行為と評価できなくなる。
   これが送らせる行為のわいせつ性についての高裁判例である。

          東京高裁h28.2.19 (一審新潟地裁高田支部H27.8.25)
          判例タイムズ1432号134頁
           (1) 強要罪が成立しないとの主張について
           記録によれば,原判決は,公訴事実と同旨の事実を認定したが,その要旨は,被害者が18歳に満たない児童であることを知りながら,同女に対し,要求に応じなければその名誉等にいかなる危害を加えるかもしれない旨脅迫して,乳房,性器等を撮影してその画像データをインターネットアプリケーション「LINE」を使用して送信するよう要求し,畏怖した被害者にその撮影をさせた上,「LINE」を使用して画像データの送信をさせ,被告人使用の携帯電話機でこれを受信・記録し,もって被害者に義務のないことを行わせるとともに,児童ポルノを製造した,というものである。
           すなわち,原判決が認定した事実には,被害者に対し,その名誉等にいかなる危害を加えるかもしれない旨脅迫して同女を畏怖させ,同女をして,その乳房,性器等を撮影させるという,強制わいせつ罪の構成要件の一部となり得る事実を含むものの,その成立に必要な性的意図は含まれておらず,さらに,撮影に係る画像データを被告人使用の携帯電話機に送信させるという,それ自体はわいせつな行為に当たらない行為までを含んだものとして構成されており,強要罪に該当する事実とみるほかないものである。
           弁護人は,①被害者(女子児童)の裸の写真を撮る場合,わいせつな意図で行われるのが通常であるから,格別に性的意図が記されていなくても,その要件に欠けるところはない,②原判決は,量刑の理由の部分で性的意図を認定している,③被害者をして撮影させた乳房,性器等の画像データを被告人使用の携帯電話機に送信させる行為もわいせつな行為に当たる,などと主張する。
           しかしながら,①については,本件起訴状に記載された罪名および罰条の記載が強制わいせつ罪を示すものでないことに加え,公訴事実に性的意図を示す記載もないことからすれば,本件において,強制わいせつ罪に該当する事実が起訴されていないのは明らかであるところ,原審においても,その限りで事実を認定しているのであるから,その認定に係る事実は,性的意図を含むものとはいえない。
           また,②については,量刑の理由は,犯罪事実の認定ではなく,弁護人の主張は失当である。
           そして,③については,画像データを送信させる行為をもって,わいせつな行為とすることはできない。
           以上のとおり,原判決が認定した事実は,強制わいせつ罪の成立要件を欠くものである上,わいせつな行為に当たらず強要行為に該当するとみるほかない行為をも含む事実で構成されており,強制わいせつ罪に包摂されて別途強要罪が成立しないというような関係にはないから,法条競合により強要罪は成立しないとの弁護人の主張は失当である。
           (2) 公訴棄却にすべきとの主張について
           以上のとおり,本件は,強要罪に該当するとみるほかない事実につき公訴提起され,そのとおり認定されたもので,強制わいせつ罪に包摂される事実が強要罪として公訴提起され,認定されたものではない。
           また,原判決の認定に係る事実は,前記(1)のとおり,強制わいせつ罪の構成要件を充足しないものである上,被害者撮影に係る画像データを被告人使用の携帯電話機で受信・記録するというわいせつな行為に当たらない行為を含んだものとして構成され,これにより3項製造罪の犯罪構成要件を充足しているもので,強制わいせつ罪に包摂されるとはいえないし,実質的に同罪に当たるともいえない。
           以上のとおり,本件は,強要罪および3項製造罪に該当し,親告罪たる強制わいせつ罪には形式的にも実質的にも該当しない事実が起訴され,起訴された事実と同旨の事実が認定されたものであるところ,このような事実の起訴,実体判断に当たって,告訴を必要とすべき理由はなく,本件につき,公訴棄却にすべきであるとの弁護人の主張は,理由がない。
  
   岡山支部でもそんなこと言われたことがある。
 
        広島高裁岡山支部H22.12.15*56(一審判決 岡山地裁H22.8.13*57)
           そして,強制わいせつ罪が個人の性的自由を保護法益とするのに対し,児童ポルノ法7条3項,1項,2条3項3号に該当する罪(以下「3項製造罪」という。)は,当該児童の人格権を第一次的な保護法益としつつ,抽象的な児童の人格権をも保護法益としており,両者が一致するものではない。しかも,原判示各事実は,前記のとおり,原判示第1及び第2の各事実については,各被害者に児童ポルノ法2条3項3号所定の姿態をとらせるに際し,脅迫又は暴行によった旨認定していないし,上記各事実と同旨の各公訴事実も同様に脅迫又は暴行によった旨訴因として掲げていない上,原判示各事実及びこれらと同旨の各公訴事実についても,それぞれ,各被害者をして撮影させた画像データを被告人の使用するパーソナルコンピューターに送信させてこれらを受信し,さらに,上記コンピューターに内蔵されたハードディスクに記録して蔵置した各行為を含んでいるところ,上記各行為はいずれも3項製造罪の実行行為(原の事実については強要罪の実行行為の一部でもある。)であって,強制わいせつ罪の構成要件該当事実には含まれない事実である。
          
   昔は、「強制わいせつ罪の成立には性的意図が必要」とされていたが、昔も今も、わいせつ行為に当たるか否かには性的意図は関係ないから、上記東京高裁・岡山支部判決の「わいせつ行為に当たらない」という判示は、性的意図不要であるとしても、結論に影響しない。
  

児童ポルノを手元に置くのを所持罪、オンラインストレージに置くのを保管罪というのに、「児童の裸を撮影した児童ポルノを同市内の自宅で保管したとして、同禁止法違反(保管)で追起訴した」事例(松江地裁R04.11.28)

児童ポルノを手元に置くのを所持罪、オンラインストレージに置くのを保管罪というのに、「児童の裸を撮影した児童ポルノを同市内の自宅で保管したとして、同禁止法違反(保管)で追起訴した」事例(松江地裁R04.11.28)
 立法者の解説と名古屋高裁判例があって、保管罪不成立で、所持罪になるんだ。

元小学校教諭追起訴 児童ポルノ法違反=島根
2022.09.22 読売新聞
 元小学校教諭が勤務先で女児の裸を盗撮したとされる事件で、地検は21日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(盗撮製造)と県迷惑行為防止条例違反(卑わいな行為の禁止)で起訴された被告について、他の女性にも盗撮を繰り返していたとして、同条例違反の「常習」を加える訴因変更を地裁に請求した。
 また、昨年6月頃、児童の裸を撮影した児童ポルノを同市内の自宅で保管したとして、同禁止法違反(保管)で追起訴した。16日付。

名古屋高等裁判所平成31年3月4日宣告 
児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁止法)違反,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管被告事件
平成30年11月5日名古屋地方裁判所宣告判決。被告人控訴
判    決
主    文
 原判決を破棄する。
理    由
 第1 控訴趣意は控訴趣意書,控訴趣意補充書(弁護人作成)のとおり。論旨は理由不備,訴訟手続の法令違反,法令適用の誤り,事実誤認,量刑不当(原判決懲役2年4年猶予付保護観察)
 第2 職権判断
 1 原判示第2に係る(訴因変更後の)公訴事実は要旨不特定多数の者に有償で頒布提供する目的で,平成30年2月20日,被告人方において,記録媒体である外付けハードディスクに,児童ポルノである電磁的記録2点及び児童ポルノであり,かつ,わいせつな画像データを記録した電磁的記録4点を保管した(児童ポルノ禁止法違反,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管)。
 原判示第2は要旨前記目的で,前記年月日,前記場所において,前記ハードディスクに「児童ポルノであり,かつ,わいせつな画像データを記録した電磁的記録2点及び児童ポルノであり,かつ,わいせつな画像データを記録した電磁的記録4点を保管した」旨
 2 原判決は検察官がわいせつ電磁的記録有償頒布目的保管で処罰を求めず,児童ポルノ禁止法違反のみで処罰を求めた電磁的記録2点につき前者の罪も成立するとした。審判の請求を受けない事件について判決をした。破棄を免れない(刑訴法397条1項,378条3号後段,400条ただし書適用)。
 第3 自判
(原判示罪となるべき事実第2に代えて当裁判所が新たに認定した事実)
 第2 被告人は,不特定多数の者に提供有償頒布目的で,平成30年2月20日,原判示第1被告人方において,衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した画像データ2点に係る電磁的記録及び前同様の画像データであり,かつ,女児の性器を露骨に撮影した画像データ4点に係る電磁的記録に係る児童ポルノであり(前記画像データ2点及び4点関係),かつ,わいせつ物である(前記画像データ4点関係)記録媒体たる外付けハードディスク1台を所持した(事実[訴因変更後の]公訴事実同旨。第1は原判示第1のとおり)。
~~~~
 2 判示第2
 (1) 同事実(被告人弁護人も争わない)は児童ポルノ禁止法7条7項,刑法175条2項の「所持」罪該当(検察官はこれらの「保管」罪該当をいうけれども,被告人は電磁的記録に係る記録媒体を所持したから「所持」該当。「保管」不該当。訴因変更不要)
 (2) 弁護人は(訴因変更後の)公訴事実は電磁的記録(「画像」)のうちどれが児童ポルノでどれがわいせつか分からず訴因不特定という。検察官は各画像の女性の推定年齢を小児科医の供述(甲39)で立証しているところ,同医師の検察官調書添付の画像を起訴していること明らか。その画像から児童ポルノ画像(陰部を露骨に撮影したとまではいえない。甲39添付資料2-1,2-3)と児童ポルノかつわいせつ画像(陰部を露骨に撮影。同2-2,2-4から2-6まで)を区別可。訴因不特定といえない。
(法令の適用)
 1 罰条
 (1) 判示第1 各児童ごとに刑法60条,児童ポルノ禁止法7条5項,2項,2条3項3号(原判決は単純[又は包括]1罪。訂正)
 (2) 判示第2のうち児童ポルノ所持の点は同法7条7項前段,6項,2条3項3号。わいせつ物所持の点は刑法175条2項
 2 科刑上1罪の処理(判示第1,第2につき)
 いずれも刑法54条1項前段,10条(判示第1は1個の行為が5個の罪名に触れる場合。1罪として犯情の最も重い甲39添付資料1-1の女児に係る罪の刑で処断。判示第2は1個の行為が2個の罪名に触れる場合。1罪として重い児童ポルノ所持罪の刑で処断)
 3 刑種の選択 いずれも懲役刑
 4 併合罪加重 刑法45前段,47条本文,10条(重い判示第2の罪の刑に法定の加重)
 5 刑の執行猶予 刑法25条1項
 6 保護観察 刑法25条の2第1項前段
 7 訴訟費用(原審)の処理 刑訴法181条1項ただし書(不負担)
  平成31年3月4日
    名古屋高等裁判所刑事第1部
裁判長裁判官 山口裕之
裁判官 出口博章
裁判官 山田順子


こういう控訴理由でした。

法令適用の誤り~被告人が自宅で所持しているポータブルHDD内の児童ポルノ画像については、「保管罪」は成立しないこと
1 原判決
 原判決は、被告人方におけるポータブルHDD内の児童ポルノ画像について児童ポルノ法7条7項後段の「電磁的記録保管罪」を適用した。

原判決
第2 不特定多数の者に有償で頒布提供する目的で,平成年月日,前記被告人方において,記録媒体である外付けハードディスクに,衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノであり,かつ,女児の性器を露骨に撮影したわいせつな画像データを記録した電磁的記録2点及び同児童ポルノであり,かつ女児の性器を露骨に撮影したわいせつな画像データを記録した電磁的記録4点を保管したものである。
(法令の適用)
罰条
 判示第1の事実につき 刑法60条,児童ポルノ法7条5項,2項,2条3項3号
 判示第2の事実中
  児童ポルノ電磁的記録頒布目的保管の点につき
  児童ポルノ法7条7項後段,6項,2条3項3号

法文
第七条(児童ポルノ所持、提供等)
7前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

 しかし、被告人の実力支配下にあるHDDの画像については、有体物としての児童ポルノの提供目的所持罪が成立して、電磁的記録記録としての保管罪は成立しない。

 原判決にはこの点で、法令適用の誤りがあるから、原判決は破棄を免れない。

2 児童ポルノ法における「保管」とはリモートストレージ等被告人の現実支配が及ばない支配状態をいうこと
(1)児童ポルノ法H16改正時の解説
 目的保管罪というのは、H16改正で設けられた罪名なので、当時の解説を見ておく。
 刑法のわいせつ図画罪とは特別関係であるから、刑法の解釈の影響を受けない。

①森山野田「よくわかる改正児童買春ポルノ法」p98
 議員立法だが、担当した議員の解説である。

電磁的記録の「保管」とは、当該電磁的記録を自己の実力支配内に置いておくことをいいます。具体的には、当該電磁的記録をコンピュータのレンタル・サーバに保存したり、自己が自由にダウンロードすることができるリモート(プロパイダーのメールボックスに入れられたメールを閲覧できる機能)の記録媒体に保存する行為がこれに当たります。
なお、自己の所持する記憶媒体に電磁的記録を保存している場合は、当該記憶媒体の「所持」 罪が成立するため、記録媒体を所持していないが、前記の方法により電磁的記録を保管している場合にのみ本罪が成立することになります。

②島戸純「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」警察学論集57-08 p95
 島戸さんは裁判官である。

ウ 後段で規定する行為
電磁的記録の「保管」とは、当該電磁的記録を自己の実力支配内に置いておくことをいう。具体的には、当該電磁的記録をコンビュータのレンタル・サーバに保存する行為がこれに当たる。
前記のとおり 、記録媒体に記録されている電磁的記録については、当該 自己の所有する記憶媒体に電磁的記録を保存している場合は、当該記憶媒体の「所持」罪が成立するため、記録媒体を所持していないが、電磁的記録を保管している場合にのみ本罪が成立することになる。

③大橋充直検事「検証ハイテク犯罪の捜査 第41回特集 児童買春・児童ポルノ禁止法の改正」捜査研究 第640号

(2)児童ポルノ法H26改正時の解説
 単純所持罪(7条1項)が設けられた際に、再度、所持と保管の区別が再確認され、周知されている。

第七条(児童ポルノ所持、提供等)
1 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。

警察庁少年課課長補佐友永光則警察公論2014年10月号p12

警察庁少年課課長補佐友永光則警察公論2014年10月号p12
イ「所持」及び「保管」の意義
児童ポルノの「所持」とは,有体物(写真, DVD,ハードディスク(記録媒体)等)である児童ポルノを,自己の事実上の支配下に置くことをいう。
これに対し電磁的記録の「保管」とは,電磁的記録を自己の実力支配内に置くことをいう。
具体的には,当該電磁的記録をコンピュータのレンタル・サーバに保存したり,自己が自由にダウンロードすることができるリモートの記録媒体に保存する行為が該当する。これに対し,自己の所持するパソコンのハードディスクに保存している場合は,ハードディスク(有体物)の所持罪に該当する。

②江口寛章ら「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部改正」警察学論集第67巻第10号p97.





③坪井麻友美検事「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」捜査研究 第63巻第9号(2014年9月号)
 坪井検事は、現行法の目的所持罪と保管罪の区別についても、リモートが保管罪と説明している。

4 まとめ
 にもかかわらず、児童ポルノ保管罪を認めた原判決には、法令適用の誤りがあるから、原判決は破棄を免れない。
 児童ポルノ法は刑法175条とは特別法の関係にあって、刑法と比較すると、児童ポルノの悪質性に鑑みて

①製造罪・運搬罪・特定少数への提供罪など刑法にはない罪があること
②刑法の「頒布罪」の類似行為として「児童ポルノ提供罪」があるが、提供罪は頒布罪に比べると既遂時期が早いこと

という特徴がある。
 手元に電磁的記録を持っている場合に、刑法が「保管」っていうんだから、児童ポルノ法も「保管」にしてしまうという解釈はとれない。

追記2022/11/28
 保管罪で判決されたもよう。

更衣室で着替えする女子児童を盗撮、元小学校教諭に判決 裁判官「酌量の余地などみじんもない」と糾弾
11/28(月) 18:26配信山陰中央新報
 勤務先の小学校で児童を盗撮したなどとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造・電磁的記録保管)と島根県迷惑行為防止条例違反(卑わいな行為)の罪に問われた元小学校教諭の被告(30)=松江市=の判決公判が28日、松江地裁であり、畑口泰成裁判官は懲役2年、保護観察付きの執行猶予4年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。

姿態をとらせてひそかに撮影した行為を、ひそかに製造罪とした裁判例

 奥村が見つけただけで18個もあって、そういう解釈(ひそかに製造罪説)というのもあるのかなと思っちゃいそうですが、ハメ撮りの盗撮行為は、「5前二項に規定するもののほか、ひそかに」という法文から、ひそかに製造罪ではなく、姿態をとらせて製造罪になるというのは、素人でもわかる解釈です。
 実刑事案もあり、成立しない罪で服役されたのは気の毒だと思います。
>>
第七条(児童ポルノ所持、提供等)
3前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
4前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
5前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
<<

        並行性犯罪
神戸 地裁 尼崎 H28.9.7

無し(同児童を上半身裸にして乳房を露出させ ひそかに)

 

東京 地裁   H28.10.19 準強制わいせつ罪
新潟 地裁   H28.11.4 青少年淫行罪
奈良 地裁 葛城 H29.3.16 児童買春罪
東京 高裁   H29.3.16 準強制わいせつ罪
熊本 地裁   H29.10.20 児童買春罪
福島 地裁 会津若松 H30.12.21 無し(就寝中)
名古屋 地裁   R1.8.21 強制わいせつ罪(176条後段)
東京 地裁   R2.3.2 児童淫行罪
福岡 地裁   R2.3.3 準強制わいせつ罪
福岡 地裁   R3.5.19 準強制わいせつ罪
熊本 地裁 八代 R3.6.4 強制わいせつ罪(176条後段)
福岡 地裁   R3.6.9 無し(就寝中)
宇都宮 地裁   R3.6.16 青少年淫行罪
横浜 地裁   R3.6.22 児童買春罪
京都 地裁   R3.11.26 強制わいせつ罪(176条後段)
静岡 地裁 浜松 R3.12.17 強制わいせつ罪(176条後段)
奈良 地裁   R4.7.14 強制わいせつ罪(176条後段)

 

追記2022/12/02
 いうてるそばから新しいのきた。
 被告人がなんかした姿態というのは姿態をとらせて製造罪なので、ひそかに製造罪にはなりません。

>>
lex・db【文献番号】25593703  
東京地方裁判所
令和4年8月30日刑事第1部判決

       判   決

職業 無職 a 平成3年○月○日生
 上記の者に対する強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ被告事件について、当裁判所は、検察官杉本尚子及び私選弁護人楠洋一郎各出席の上審理し、次のとおり判決する。


       主   文

被告人を懲役20年に処する。
未決勾留日数中830日をその刑に算入する。
東京地方検察庁で保管中のハードディスク1台(令和4年東地領第108号符号1)及びマイクロSDカード1枚(令和2年東地領第2828号符号4)を没収する。 


       理   由

【本件の秘匿情報等は別紙「呼称一覧」のとおりであり、判決中の表記は別紙の呼称による。】
(罪となるべき事実)
 被告人は、
第4 Dが13歳未満の者であることを知りながら、
1 Dにわいせつな行為をしようと考え、同年8月11日午後0時54分頃から同日午後0時56分頃までの間,静岡県内から東京都内までの間を走行中の普通乗用自動車内において、就寝中の同人(当時7歳)に対し、その着衣の中に手を差入れて同人の陰茎を手で弄ぶなどし、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
2 Dと口腔性交をしようと考え、同月18日午前1時53分頃から同日午前1時59分頃までの間、東京都内の児童施設内において、同人(当時7歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
3 Dと口腔性交をしようと考え、同年9月3日午前1時57分頃から同日午前2時57分頃までの間、前記児童施設内において、就寝中の同人(当時7歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
4 Dと口腔性交をしようと考え、同月6日午前2時2分頃から同日午前2時10分頃までの間、前記児童施設内において、就寝中の同人(当時7歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
5 Dと口腔性交をしようと考え、同年10月5日午後5時32分頃から同日午後5時39分頃までの間、東京都内の多目的トイレ内において、同人(当時7歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
6 Dにわいせつな行為をしようと考え、同月18日午前3時5分頃から同日午前3時14分頃までの間、前記児童施設内において、同人(当時7歳)に対し、その陰茎を手で弄ぶなどし、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
7 前記1ないし6記載の日時場所において、Dに対し、被告人がDの陰茎を手で触るなどの姿態及び被告人がDの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影した動画データ4点並びにひそかに被告人がDの陰茎を手で触るなどの姿態及び被告人がDの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態を動画撮影した動画データ6点を、平成30年12月17日午後5時35分頃から同日午後5時37分頃までの間、東京都大田区α×丁目××番×号bマンション×××号室当時の被告人方において、パーソナルコンピューターに接続された外付けハードディスク(令和4年東地領第108号符号1)に記録させて保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、又は他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、

第11
1 Kが13歳未満の者であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、同年7月26日午前0時36分頃から同日午前2時25分頃までの間、山梨県内のキャンプ場において、就寝中の同人(当時7歳)に対し、その陰茎を手で弄び、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
2 前記1記載の日時場所において、Kに対し、ひそかに被告人がKの陰茎を手で触るなどの姿態をデジタル機器で動画撮影し、その頃から同年8月24日午後11時18分頃までの間に、山梨県内、東京都内又はその周辺において、その動画データ2点を同デジタル機器に装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る児童ポルノを製造し、
第12 Lが13歳未満の者であることを知りながら、同人と口腔性交をしようと考え、同月7日午前3時16分頃から同日午前3時26分頃までの間、川崎市内の多目的トイレ内において、同人(当時8歳)に対し、その陰茎を自己の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
第13
1 Mが13歳未満の者であることを知りながら、同人と口腔性交をしようと考え、同月20日頃から同月23日頃までの間に、静岡県内のキャンプ場トイレ内において、同人(当時10歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
2 前記1記載の日時場所において、Mに対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどの姿態、被告人がMの陰茎を触るなどの姿態及びMの陰茎を露出させる姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影するなどし、その頃から令和2年1月8日までの間に、東京都内又はその周辺において、その動画データ4点を前記外付けハードディスクに記録させて保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
第14
1 Nが13歳未満の者であることを知りながら、同人と口腔性交をしようと考え、令和元年8月20日頃から同月23日頃までの間に、前記静岡県内のキャンプ場トイレ内において、同人(当時11歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れ、さらに被告人の陰茎をNの口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
2 前記1記載の日時場所において、Nに対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れ、また被告人の陰茎をNの口腔内に入れるなどの姿態、Nの陰茎を被告人が手で触るなどの姿態及びNの陰茎を露出させる姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影するなどし、その頃から令和2年1月8日までの間に、東京都内又はその周辺において、その動画データ3点を前記外付けハードディスクに記録させて保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
第15
1 Oが13歳未満の者であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和元年9月11日午後5時7分頃から同日午後5時11分までの間、東京都内の同人方において、同人(当時8歳)に対し、その陰茎を手で弄び、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
2 前記1記載の日時場所において、Oに対し、被告人がOの陰茎を手で弄ぶなどの姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影し、その頃から同年11月16日午前0時2分頃までの間に、東京都内又はその周辺において、その動画データ2点を同デジタル機器に装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る児童ポルノを製造し、
3 同年10月23日午後6時46分頃、前記O方において、同人(当時9歳)に対し、ひそかに同人が全裸で四つん這いになり、陰茎が露出した姿態をデジタル機器で動画撮影し、その頃から同月24日午前2時28分頃までの間に、東京都内又はその周辺において、その動画データ1点を同デジタル機器に装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る児童ポルノを製造し、
第16 Pが13歳未満の者であることを知りながら、
1 Pにわいせつな行為をしようと考え、同年9月20日午後8時頃、東京都内の同人方において、同人(当時5歳)に対し、その陰茎を手で弄び、その状況をスマートフォンで動画撮影し、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
2 Pと口腔性交をしようと考え、同日午後10時10分頃から同日午後10時25分頃までの間、前記同人方において、同人に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
3 前記1及び2記載の日時場所において、Pに対し、被告人がPの陰茎を手で弄ぶなどの姿態をとらせ、これを前記スマートフォンで動画撮影した動画データ1点及びひそかに被告人がPの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態を同スマートフォンで動画撮影した動画データ4点を、同月22日午後1時6分頃までの間に、東京都内又はその周辺において、同スマートフォンに装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、又は他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
4 同年11月7日午後10時25分頃から同日午後10時40分頃までの間、前記P方において、同人(当時6歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、ひそかにPの陰茎を露出させる姿態、被告人がPの陰茎を手で弄ぶなどの姿態及び被告人がPの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態を前記スマートフォンで動画撮影し、その動画データ5点を同スマートフォンに装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をするとともに、児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの、又は衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
第17
1 Qが13歳未満の者であることを知りながら、同人と口腔性交をしようと考え、同年9月27日午後10時21分頃から同日午後10時24分頃までの間、東京都内の同人方において、就寝中の同人(当時6歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
2 前記1記載の日時場所において、Qに対し、ひそかに被告人がQの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態をデジタル機器で動画撮影し、その頃から同年11月16日午前0時2分頃までの間に、東京都内又はその周辺において、その動画データ1点を同デジタル機器に装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る児童ポルノを製造し、
(法令の適用)
罰条
判示第1の1ないし4、第2及び第3の各行為
いずれも平成29年法律第72号附則2条1項により同法による改正前の刑法176条後段
判示第1の5、第4の2ないし5、第5の1、第6の1ないし3、5、8、9、第7の1、第9の1、第10の1、第12、第13の1、第14の1、第16の2、第17の1及び第20の各行為
いずれも刑法177条後段
判示第4の1、6、第8の1、第11の1、第15の1、第16の1及び第19の各行為
いずれも刑法176条後段
判示第4の7及び第16の3の各行為
いずれも包括して児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、5項、2条3項1号、2号
判示第5の2、第6の7及び第10の2の各行為
いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項1号
判示第6の4、6、11及び第9の2の各行為
いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項1号、2号
判示第6の10、第7の2、第13の2及び第14の2の各行為
いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項1号、2号、3号
判示第8の2及び第15の2の各行為
いずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項2号
判示第11の2の行為
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2条3項2号
判示第15の3の行為
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2条3項3号
判示第16の4の行為
強制性交等の点 刑法177条後段
児童ポルノ製造の点 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2条3項1号、2号、3号
判示第17の2の行為
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項、2条3項1号
判示第18の行為
強制わいせつの点 刑法176条後段
児童ポルノ製造の点 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項3号
科刑上一罪の処理
判示第16の4の罪
刑法54条1項前段(1個の行為が2個の罪名に触れる。)、10条(1罪として重い強制性交等の罪の刑で処断)
判示第18の罪
刑法54条1項前段(1個の行為が2個の罪名に触れる。)、10条(1罪として重い強制わいせつの罪の刑で処断)
刑種の選択
判示第4の7、第5の2、第6の4、6、7、10、11、第7の2、第8の2、第9の2、第10の2、第11の2、第13の2、第14の2、第15の2、3、第16の3及び第17の2の各罪
いずれも所定刑中懲役刑を選択
併合罪の処理
刑法45条前段、47条本文、10条(刑及び犯情の最も重い判示第14の1の罪の刑に法定の加重)
未決勾留日数の算入 刑法21条
没収
ハードディスク1台(令和4年東地領第108号符号1)につき刑法19条1項2号、2項本文(判示第4の7、第5の2、第6の4、6、7、10、第7の2、第8の2、第9の2、第13の2及び第14の2の各犯罪行為の用に供した物で被告人以外の者に属しない物)
マイクロSDカード1枚(令和2年東地領第2828号符号4)につき刑法19条1項2号、2項本文(判示第6の11、第10の2、第11の2、第15の2、3、第16の3、4、第17の2及び第18の各犯罪行為の用に供した物で被告人以外の者に属しない物)
訴訟費用の不負担 刑事訴訟法181条1項ただし書
(量刑の理由)
令和4年8月30日
東京地方裁判所刑事第1部
裁判長裁判官 古玉正紀 裁判官 水越壮夫 裁判官 竹内瑞希

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就寝中のわいせつ行為を撮影した行為を、ひそかに製造罪とした判決(N地裁r04.7.14)と、姿態をとらせて製造罪とした判決(N地裁H29.11.27)

就寝中のわいせつ行為を撮影した行為を、ひそかに製造罪とした判決(N地裁r04.7.14)と、姿態をとらせて製造罪とした判決(N地裁H29.11.27)

 製造罪の法文は

児童ポルノ・児童買春法7条
3前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
4前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
5前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。

となっているので、わいせつ行為や児童買春行為などで、姿態を取らせた場合には、ひそかに製造罪は適用されないはずです。
 しかし、ひそかに製造罪で挑んでくる警察・検察があって、裁判所もひそかに製造罪で判決を書いてしまう。結構長期の実刑事案

N地裁r04.7.14
第1 C(当時9歳)が13歳に満たない児童であることを知りながら、Cにわいせつな行為をしようと考え、同年11月13日午前2時44分頃から同日午前2時45分頃までの間、被告人方において、就寝中のCに対し、下着をずらした上、直接その陰茎を手指で触り、もって13歳未満の児童に対し、わいせつな行為をし、
(刑法176条後段)
第2 判示第1記載の日時場所において、Cが18歳に満たない児童であることを知りながら、Cに対し、ひそかに、被告人がCの陰茎を露出させる姿態、被告人がCの陰茎を手指で触る姿態を被告人の動画撮影機能付き携帯電話機で動画として撮影し、その動画データ2点を同機の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを、それぞれ視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
児童ポルノ法7条5項

 しかし、当職が、長年集積している裁判例を見ると、就寝中わいせつの撮影は、N地裁でも姿態をとらせて製造罪で処理されていて、大阪高裁も追認していることがわかりました。 理屈をこねなくても、これだけでN地裁R04は罪名を間違っていることを説明できます。

N地裁H29.11.27
第1
b(7)に わいせつ行為しようと企て
令和4年11月16日 2358~2359までの間に
大阪市■■■■■■■■■■■■■■■■において
bが13歳未満の者と知りながら
同人が睡眠中のために抗拒不能に乗じて パンツめくり、陰部に手指を挿入し
もって、13歳未満の者にわいせつ行為をした。
刑法176条後段
第2
前記第2の日時場所において、
b(7)が児童であることを知りながら
同児童に前記2記載のわいせつ行為にかかる姿態をとらせて
これを写真撮影機能付き携帯電話で撮影して、その電磁的記録を同携帯電話内臓の記録装置に記録させて保存して
もって、他人が児童の性器等を触る行為にかかる児童の姿態であって、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により、描写した児童ポルノを製造したものである
(7条4項)
※ 大阪高裁H30.4.13は2項破棄して、破棄自判して、原判決の法令適用を追認しています。

被害児童が「13歳」と特定されている児童ポルノ提供事件

 被害児童側からの相談を受けて捜査が始まるとこうなります。
 製造犯を除けば、児童の認識が微妙なやつです。
 否認すると、「13歳なんだから、13歳にしか見えない」という追及がありますが、弁護人は「刑事さんは『13歳』って聞いてるからそういうけど、タナー法では見かけ上は『13歳』って決められないでしょう」って反論してください。

タナー法(小児科学 医学書院1977)

 販売者が検挙されるたびに「この件で購入者が検挙されるか?」という相談が来ますが、わかりません。最近は提供と単純所持はセットでやられることがよくあるので。

https://www.pref.aichi.jp/police/news/news.html
児童ポルノ禁止法違反被疑者の逮捕【少年課、中川警察署、生活安全特別捜査隊】
6月上旬から中旬までの間、アダルト動画販売サイトを利用して、児童ポルノ動画データを不特定の男性に有償で送信し、電気通信回線を通じて児童ポルノを不特定又は多数の者に提供したとして男2人(いずれも23歳)及び女(22歳)を逮捕しまし
た。
・・・
わいせつ動画販売疑い=愛知
2022.11.11 読売新聞
 発表によると、3人は6月8~16日頃、動画販売サイトを通じて、女子中学生(13)らのわいせつな姿が撮影された動画データ2点を男性3人に販売した疑い。容疑者は容疑を否認し、残る2人は認めているという。
 県警に情報提供があり、捜査を進めていた。県警によると、3人は昨年5月以降、こうした児童ポルノの動画販売などで約500万円を売り上げていたとみられる。