児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

女児を触って撮った行為のうち、触る行為を強制わいせつ罪で起訴して、撮影行為を児童ポルノ製造罪で起訴した場合には、両罪は併合罪になるという高裁判例

  結局、女児の撮影行為はわいせつ行為とは別個の行為だというのだから、わいせつ行為ではないことになります。乳房もむ行為と陰部弄ぶ行為とを別個の行為とするようなもので、どうしても科刑上一罪にしたくないようです。

 でも、脱がして撮るだけの強制わいせつ罪だと、製造罪とは観念的競合になりやすいです。その場合は、撮影行為はわいせつ行為と一個の行為になります。
 難しい問題ですが、指摘しないと裁判例が集積しません。

高裁レベルで観念的競合になることもままあります。
仙台 高裁 H21.3.3
名古屋高裁H22.3.4
高松 高裁H22.9.7
広島 高裁H23.5.26
広島 高裁H23.12.21
大阪 高裁 H25.6.21
東京 高裁H30.1.30
高松高裁h26.6.3
高松 高裁 H30.6.7

裁判年月日 令和元年 8月20日 裁判所名 仙台高裁 裁判区分 判決
事件名 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強姦未遂、強制性交等、強制わいせつ、強制性交等未遂被告事件
 2 法令適用の誤りの論旨について
 論旨は,要するに,原判決は,第3の強制わいせつ行為(平成29年4月8日,被害者Bに対するもの)と第4の児童ポルノ製造行為(同一日時場所,Bの姿態を撮影,保存したもの)との関係について,観念的競合による一罪ではなく,数罪であるとした。第5・第6,第7・第8,第9・第10,第11・第12,第13・第14,第15・第16,第17・第18,第21・第22,第23・第24,第25・第26の各関係についても同様である。強制わいせつ行為と児童ポルノ製造行為とは,それぞれ行為の全部が完全に重なっており,いずれも観念的競合の関係にあると解すべきであるから,原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 そこで検討すると,被害児の陰部等を手指で弄び,その陰部に自己の陰茎を押し当てるなどのわいせつ行為とそれらの行為等に係る被害児の姿態をスマホ等で撮影して保存する行為について,両者が同一の機会に行われ,時間と場所が重なり合うことがあったとしても,両者は通常伴う関係にあるとはいえないし,それぞれの行為の意味合いは相当異なり,社会通念上別個のものというべきであるから,両者は観念的競合の関係にはなく,併合罪の関係にあると解するのが相当である。
 本件において,上記各罪の関係について,いずれも併合罪であるとした原判決の法令の適用は正当であり,論旨は理由がない。

裁判年月日 平成30年 7月25日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平30(う)179号
事件名 強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
文献番号 2018WLJPCA07256006
第1 法令適用の誤りの主張について
 その骨子は,原判示第1の各強制わいせつと原判示第2の各児童ポルノ製造は,重なり合うものであり,社会的見解上1個の行為と評価すべきであるから,刑法54条1項前段の観念的競合の関係に立つのに,刑法45条前段の併合罪の関係にあるとした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあるというものである。
 しかし,本件のように幼児の陰部を触るなどのわいせつな行為をするとともに,その行為等を撮影して児童ポルノを製造した場合,わいせつな行為と児童ポルノを製造した行為とは,かなりの部分で重なり合っていることもあるが,通常伴う関係にあるとはいえない上,強制わいせつ罪では幼児の陰部を触るなどのわいせつな行為を行ったという側面から犯罪とされているのに対し,児童ポルノ製造罪ではそのような幼児の姿態を撮影して記録・保存する行為を行ったという側面から犯罪とされているのであって,それぞれの行為は社会的評価としても別個のものといえる。同趣旨の判断をして,原判示第1の各強制わいせつ罪とそれらの各犯行に対応する原判示第2の各児童ポルノ製造罪について,いずれも併合罪とした原判決の法令適用に誤りはない。

裁判年月日 平成30年 2月 8日 裁判所名 仙台高裁 裁判区分 判決
事件番号 平29(う)167号
事件名 強制わいせつ,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
文献番号 2018WLJPCA02086004
3 法令適用の誤りの主張について
 論旨は,要するに,①同一の被害児童に対する2ないし3回の強制わいせつ罪を併合罪とする原判決は誤っており,包括一罪と解すべきである,②同一の被害児童に対する2ないし3回の児童ポルノ製造罪を併合罪とする原判決は誤っており,包括一罪と解すべきである,③同一機会に行われた強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪を併合罪とする原判決は誤っており,観念的競合と解すべきである,したがって,原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 しかしながら,①及び②については,被害児童が同じとはいえ,犯行日は短くても20日以上,長いと10か月以上も時期が離れていて機会を完全に異にしており,異なる機会ごとに新たな犯意が形成されたとみるべきものであるから,一罪として1回の処罰によるべき事案とはいえないのであって,包括一罪として評価するのは相当ではない。なお,②について,所論が指摘する裁判例は事案を異にし本件には適切ではない。③については,同一の被害児童に対する強制わいせつ行為と児童ポルノ製造行為とは,一部重なる点はあるものの,両行為が通常伴う関係にあるとはいえないことや両行為の性質等に鑑みると,それぞれにおける行為者の動態は社会的見解上別個のものといえるから,併合罪の関係に立つと解するのが相当である(最高裁平成21年10月21日決定参照)。

裁判年月日 平成28年10月27日 裁判所名 大阪高裁 裁判区分 判決
事件名 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件
第4 法令適用の誤りをいう論旨(控訴趣意書の控訴理由第4)について
 1 論旨は,原判示第1の1の強制わいせつ罪と原判示第1の2の提供目的児童ポルノ製造罪とは観念的競合の関係にあると認められ,あるいは包括一罪として処理されるべきであるのに,両罪を併合罪とした原判決には,判決に影響を及ぼすことの明らかな法令適用の誤りがある,というものである。
 2 そこで検討するに,原判示第1の1の強制わいせつ罪及び原判示第1の2の提供目的児童ポルノ製造罪をそれぞれ構成する行為の内容は,既に説示したとおりであるから,両行為には同時性が認められる。また,本件提供目的児童ポルノ製造罪における撮影行為は,本件強制わいせつ罪の訴因に含まれていないとはいえ,強制わいせつ罪のわいせつな行為と評価され得るものであるから,その意味では両行為には一部重なり合いもみられる。
 しかしながら,強制わいせつ罪における行為者の動態(第三者の目に見えるような身体の動静)は,被害者に対して本件において行われたようなわいせつな行為を行うことであるのに対し,児童ポルノ製造罪における行為者の動態は,児童ポルノ法2条3項各号に該当する児童の姿態を撮影,記録して児童ポルノを製造することであるから,両行為は,その性質が相当異なっており,社会的事実として強い一体性があるとはいえない。また,児童ポルノの複製行為も児童ポルノ製造罪を構成し得ることからすると,児童ポルノ製造罪が時間的な広がりをもって行われて,強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪のそれぞれを構成する行為の同時性が甚だしく欠ける場合も想定される。さらに,強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪とでは,それぞれを構成する行為が必然的あるいは通常伴う関係にあるとはいえず,それぞれ別個の意思の発現によって犯される罪であるとみることができる。以上によれば,行為の同時性や一部重なり合いの存在を考慮しても,強制わいせつ罪及び児童ポルノ製造罪における行為者の動態は社会的見解上,別個のものと評価すべきであって,これを一個のものとみることはできない。
 本件強制わいせつ罪と本件提供目的児童ポルノ製造罪についても,上記のように考えるのが相当であるから,両罪は観念的競合の関係にはなく,もとより罪質上,包括して一罪と評価すべきものともいえず,結局,両罪は併合罪の関係にあると解するのが相当である。
 所論は,強制わいせつ罪のわいせつな行為には撮影行為が含まれることから,本件では行為の重なり合いがある上,被告人に性的意図はなく,金を得るという動機で一連の行為に及んだものであるから,別個の意思の発現とはいえず,行為の一体性が明らかであり,一個の犯意に包摂された一個の行為である,などと主張する。
 しかしながら,本件において,わいせつな行為の中核をなすものは,被告人が被害女児に被告人の陰茎を触らせ,口にくわえさせ,被害女児の陰部を触るなどした行為であるのに対し,児童ポルノを製造した行為の中核をなすものは,前記のような被害女児の姿態を撮影,記録した行為である。そうすると,本件強制わいせつ罪と本件提供目的児童ポルノ製造罪をそれぞれ構成する行為は,別個の行為とみるのが相当である。また,被告人が性的意図ではなく金を得るという動機で一連の行為に及んだことは,所論指摘のとおりである。しかしながら,そもそも強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪との罪数関係について,強制わいせつ罪における性的意図の有無により別異に解することは相当でない上,被告人には性的意図が認められないとはいえ,被告人は,被害女児の性的自由を客観的に侵害する行為を行う意思と,被害女児を描写した児童ポルノを製造する行為を行う意思を併存的に持ち,各意思を実現させるため,別個の意思の発現として性質が相当異なる各行為に及んだものと評価することができる。所論は採用の限りではない。

 女児を触って撮った行為のうち、触る行為を強制わいせつ罪で起訴して、撮影行為を児童ポルノ製造罪で起訴した場合には、両罪は併合罪になるという高裁判例
 結局、女児の撮影行為はわいせつ行為とは別個の行為だというのだから、わいせつ行為ではないことになります。
 でも、脱がして撮るだけの強制わいせつ罪だと、製造罪とは観念的競合になりやすいです。その場合は、撮影行為はわいせつ行為と一個の行為になります。
 難しい問題ですが、指摘しないと裁判例が集積しません。

高裁レベルで観念的競合になることもままあります。
仙台 高裁 H21.3.3
名古屋高裁H22.3.4
高松 高裁H22.9.7
広島 高裁H23.5.26
広島 高裁H23.12.21
大阪 高裁 H25.6.21
東京 高裁H30.1.30
高松高裁h26.6.3
高松 高裁 H30.6.7

裁判年月日 令和元年 8月20日 裁判所名 仙台高裁 裁判区分 判決
事件名 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強姦未遂、強制性交等、強制わいせつ、強制性交等未遂被告事件
 2 法令適用の誤りの論旨について
 論旨は,要するに,原判決は,第3の強制わいせつ行為(平成29年4月8日,被害者Bに対するもの)と第4の児童ポルノ製造行為(同一日時場所,Bの姿態を撮影,保存したもの)との関係について,観念的競合による一罪ではなく,数罪であるとした。第5・第6,第7・第8,第9・第10,第11・第12,第13・第14,第15・第16,第17・第18,第21・第22,第23・第24,第25・第26の各関係についても同様である。強制わいせつ行為と児童ポルノ製造行為とは,それぞれ行為の全部が完全に重なっており,いずれも観念的競合の関係にあると解すべきであるから,原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 そこで検討すると,被害児の陰部等を手指で弄び,その陰部に自己の陰茎を押し当てるなどのわいせつ行為とそれらの行為等に係る被害児の姿態をスマホ等で撮影して保存する行為について,両者が同一の機会に行われ,時間と場所が重なり合うことがあったとしても,両者は通常伴う関係にあるとはいえないし,それぞれの行為の意味合いは相当異なり,社会通念上別個のものというべきであるから,両者は観念的競合の関係にはなく,併合罪の関係にあると解するのが相当である。
 本件において,上記各罪の関係について,いずれも併合罪であるとした原判決の法令の適用は正当であり,論旨は理由がない。

裁判年月日 平成30年 7月25日 裁判所名 東京高裁 裁判区分 判決
事件番号 平30(う)179号
事件名 強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
文献番号 2018WLJPCA07256006
第1 法令適用の誤りの主張について
 その骨子は,原判示第1の各強制わいせつと原判示第2の各児童ポルノ製造は,重なり合うものであり,社会的見解上1個の行為と評価すべきであるから,刑法54条1項前段の観念的競合の関係に立つのに,刑法45条前段の併合罪の関係にあるとした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあるというものである。
 しかし,本件のように幼児の陰部を触るなどのわいせつな行為をするとともに,その行為等を撮影して児童ポルノを製造した場合,わいせつな行為と児童ポルノを製造した行為とは,かなりの部分で重なり合っていることもあるが,通常伴う関係にあるとはいえない上,強制わいせつ罪では幼児の陰部を触るなどのわいせつな行為を行ったという側面から犯罪とされているのに対し,児童ポルノ製造罪ではそのような幼児の姿態を撮影して記録・保存する行為を行ったという側面から犯罪とされているのであって,それぞれの行為は社会的評価としても別個のものといえる。同趣旨の判断をして,原判示第1の各強制わいせつ罪とそれらの各犯行に対応する原判示第2の各児童ポルノ製造罪について,いずれも併合罪とした原判決の法令適用に誤りはない。

裁判年月日 平成30年 2月 8日 裁判所名 仙台高裁 裁判区分 判決
事件番号 平29(う)167号
事件名 強制わいせつ,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
文献番号 2018WLJPCA02086004
3 法令適用の誤りの主張について
 論旨は,要するに,①同一の被害児童に対する2ないし3回の強制わいせつ罪を併合罪とする原判決は誤っており,包括一罪と解すべきである,②同一の被害児童に対する2ないし3回の児童ポルノ製造罪を併合罪とする原判決は誤っており,包括一罪と解すべきである,③同一機会に行われた強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪を併合罪とする原判決は誤っており,観念的競合と解すべきである,したがって,原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 しかしながら,①及び②については,被害児童が同じとはいえ,犯行日は短くても20日以上,長いと10か月以上も時期が離れていて機会を完全に異にしており,異なる機会ごとに新たな犯意が形成されたとみるべきものであるから,一罪として1回の処罰によるべき事案とはいえないのであって,包括一罪として評価するのは相当ではない。なお,②について,所論が指摘する裁判例は事案を異にし本件には適切ではない。③については,同一の被害児童に対する強制わいせつ行為と児童ポルノ製造行為とは,一部重なる点はあるものの,両行為が通常伴う関係にあるとはいえないことや両行為の性質等に鑑みると,それぞれにおける行為者の動態は社会的見解上別個のものといえるから,併合罪の関係に立つと解するのが相当である(最高裁平成21年10月21日決定参照)。

裁判年月日 平成28年10月27日 裁判所名 大阪高裁 裁判区分 判決
事件名 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件
第4 法令適用の誤りをいう論旨(控訴趣意書の控訴理由第4)について
 1 論旨は,原判示第1の1の強制わいせつ罪と原判示第1の2の提供目的児童ポルノ製造罪とは観念的競合の関係にあると認められ,あるいは包括一罪として処理されるべきであるのに,両罪を併合罪とした原判決には,判決に影響を及ぼすことの明らかな法令適用の誤りがある,というものである。
 2 そこで検討するに,原判示第1の1の強制わいせつ罪及び原判示第1の2の提供目的児童ポルノ製造罪をそれぞれ構成する行為の内容は,既に説示したとおりであるから,両行為には同時性が認められる。また,本件提供目的児童ポルノ製造罪における撮影行為は,本件強制わいせつ罪の訴因に含まれていないとはいえ,強制わいせつ罪のわいせつな行為と評価され得るものであるから,その意味では両行為には一部重なり合いもみられる。
 しかしながら,強制わいせつ罪における行為者の動態(第三者の目に見えるような身体の動静)は,被害者に対して本件において行われたようなわいせつな行為を行うことであるのに対し,児童ポルノ製造罪における行為者の動態は,児童ポルノ法2条3項各号に該当する児童の姿態を撮影,記録して児童ポルノを製造することであるから,両行為は,その性質が相当異なっており,社会的事実として強い一体性があるとはいえない。また,児童ポルノの複製行為も児童ポルノ製造罪を構成し得ることからすると,児童ポルノ製造罪が時間的な広がりをもって行われて,強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪のそれぞれを構成する行為の同時性が甚だしく欠ける場合も想定される。さらに,強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪とでは,それぞれを構成する行為が必然的あるいは通常伴う関係にあるとはいえず,それぞれ別個の意思の発現によって犯される罪であるとみることができる。以上によれば,行為の同時性や一部重なり合いの存在を考慮しても,強制わいせつ罪及び児童ポルノ製造罪における行為者の動態は社会的見解上,別個のものと評価すべきであって,これを一個のものとみることはできない。
 本件強制わいせつ罪と本件提供目的児童ポルノ製造罪についても,上記のように考えるのが相当であるから,両罪は観念的競合の関係にはなく,もとより罪質上,包括して一罪と評価すべきものともいえず,結局,両罪は併合罪の関係にあると解するのが相当である。
 所論は,強制わいせつ罪のわいせつな行為には撮影行為が含まれることから,本件では行為の重なり合いがある上,被告人に性的意図はなく,金を得るという動機で一連の行為に及んだものであるから,別個の意思の発現とはいえず,行為の一体性が明らかであり,一個の犯意に包摂された一個の行為である,などと主張する。
 しかしながら,本件において,わいせつな行為の中核をなすものは,被告人が被害女児に被告人の陰茎を触らせ,口にくわえさせ,被害女児の陰部を触るなどした行為であるのに対し,児童ポルノを製造した行為の中核をなすものは,前記のような被害女児の姿態を撮影,記録した行為である。そうすると,本件強制わいせつ罪と本件提供目的児童ポルノ製造罪をそれぞれ構成する行為は,別個の行為とみるのが相当である。また,被告人が性的意図ではなく金を得るという動機で一連の行為に及んだことは,所論指摘のとおりである。しかしながら,そもそも強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪との罪数関係について,強制わいせつ罪における性的意図の有無により別異に解することは相当でない上,被告人には性的意図が認められないとはいえ,被告人は,被害女児の性的自由を客観的に侵害する行為を行う意思と,被害女児を描写した児童ポルノを製造する行為を行う意思を併存的に持ち,各意思を実現させるため,別個の意思の発現として性質が相当異なる各行為に及んだものと評価することができる。所論は採用の限りではない。

タナーステージの基礎となったタナーの調査は、施設に収容されている192人の白人英国人女性を対象としたものであった。

 
 タナー論文の翻訳を進めています。
 これで日本人とか某国人とか人種・民族不明の年齢を証明しようというのです。

W. A. Marshall and J. M. Tanner
Variations in pattern of pubertal changes in girls
Arch Dis Child. 1969 Jun; 44(235): 291–303.
材料と手法
 被験者は、ハーペンデン成長研究に参加している192人の白人英国人少女であった。 彼女らに身体的な異常はなく、標準的なケアがあらゆる点で優れていた子どもの家の家族グループに住んでいた。彼女らは主に人口の中でも低い社会経済層から来ており、ホームに入る前に(通常3~6歳で)最適な身体的ケアを受けていない者もいた。彼女らが入所した理由は通常、両親の離婚または死亡、病気、片親の失踪などによる実家庭の崩壊である。
被験者は青年期に3か月間隔で観察された。一部は思春期全体を通して追跡されたが、別の一部は部分的であった。
二次性徴の発達は、各検査でヌード撮影された写真で研究された。各少女の写真は後日すべて一緒に調べられた。各写真を前の写真と比較することにより、乳房と陰毛の変化が容易に認識された。タナー(Tanner)(1962)によって説明されているように、各写真の乳房と陰毛は5つの発達段階に分類された。これらは図1と2に示されている。すべての評価は同じ観察者(W.A.M.)によって行われた。

Rosenbloom & Tanner.
Misuse of Tanner puberty stages to estimate chronologic age.
Pediatrics 102巻, 6号, 1494ページ, 1998年
Misuse of Tanner Puberty Stages to Estimate Chronologic Age
To the Editor..
 One of us has been involved as an expert in several US federal cases of possession of alleged child pornography, in which seized materials (videos, photographs, computer downloads) were used as evidence against individuals identified in “sting” operations, wherein government agents take over pornographic businesses. In these cases the staging of sexual maturation (Tanner stage) has been used not to stage maturation, but to estimate probable chronologic age. This is a wholly illegitimate use of Tanner staging: no equations exist estimating age from stage, and even if they did, the degree of unreliability in the staging.the independent variable. would introduce large errors into the estimation of age, the dependent variable. Furthermore, the unreliability of the stage rating is increased to an unknown degree by improperly performed staging, that is, not at a clinical examination but through nonstandardized and, thus, unsuitable photographs.
 Therefore, we wish to caution pediatricians and other physicians to refrain from providing “expert” testimony as to chronologic age based on Tanner staging, which was designed for estimating development or physiologic age for medical, educational, and sports purposes.in other words, identifying early and late maturers. The method is appropriate for this, provided chronologic age is known. It is not designed for estimating chronologic age and, therefore, not properly used for this purpose.

Arlan L. Rosenbloom, MD
Department of Pediatrics University of Florida College of Medicine Gainesville, FL 32610-0296

James M. Tanner, MD, PhD
University of London
London, England

吉井訳
吉井匠 児童ポルノ事件における児童性の認定方法に関する考察
我々はこれまで、連邦管轄下の児童ポルノ事件において、専門家として関与してきた。そこでは、押収された証拠(ビデオや写真、インターネット上からダウンロードされたもの)は、政府のエージェントが行う、ポルノの流通を制圧するおとり捜査("sting"operation)において、特定の個人に対する不利な証拠として利用された。これらの場合において、タナー法は、成熟度の段階ではなく、暦年齢の推定に用いられた。これは、タナー法の完全に非論理的(whollyillegitimate)な用いられ方である。
タナー法から年齢を推定する方程式は存在しないのである。そして、もし政府のエージェントらが年齢の推定を行うとしても、信頼性に欠ける診断(独立変数)は、年齢の推定(従属変数)において大きな誤りを生じさせるであろう。さらに、臨床検査を経ず、標準化もされていない不適切な写真によって不適切に実施された診断は、信頼性に欠けるタナー度数の決定を、想定できない程度にまで増加させるであろう。
従って我々は、小児科医やその他の医師に対して、タナー法に基づいた暦年齢に関する『専門家』としての宣誓証言を差し控えるよう注意を求めたい。タナー法は、医療や教育、スポーツといった場面において、発育や生理的な年齢の推定のために、換言すれば発育が早いか遅いかを判断するために考案されたものである。暦年齢が既に知られているならば、タナー法の利用は適切である。しかし、タナー法は暦年齢の推定のためには設計されていないので、その目的達成のためには適切に利用することはできない。」

秋田県迷惑行為防止条例における、学校教室での着替え中の裸の盗撮行為について

 福岡の鐘ケ江啓司弁護士から聞きました。

改正後第4条3項
何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣場、便所その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所(前項各号に掲げる場所を除く。)において当該状態でいる人を撮影し、又は撮影しようとして写真機その他の機器を当該状態でいる人に向け、若しくは設置してはならない。

というのですが、
 4条3項は場所が
  場所(前項各号に掲げる場所を除く。)
という限定になっていて、
  (1) 公共の場所又は公共の乗物
  (2) 事務所、教室、貸切バスその他の特定かつ多数の人が集まる場所又は利用する乗物
を除外したので、教室での、「 衣服の全部又は一部を着けない状態でいる人を撮影し、又は撮影しようとして写真機その他の機器を当該状態でいる人に向け、若しくは設置」する行為は処罰されないようです。

 4条2項で教室で「下着等(衣服等で覆われている人の下着又は身体)を撮影し、又は撮影しようとして写真機その他の機器を人に向け、若しくは設置」するのは処罰されますが、「衣服等で覆われていない」場合は処罰されないように読めます。

改正前
公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例
(卑わいな行為の禁止)
第4条
1何人も、正当な理由がないのに、公共の場所又は公共の乗物において、人の性的差恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人の身体に、衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という)の上から接触し、又は直接接触すること。
(2) 衣服等で覆われている人の下着又は身体をのぞき見し、又は撮影すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
2何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣場、便所その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所において当該状態でいる人を撮影してはならない。

改正後
秋田県迷惑行為防止条例
(旧:公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例)
令和2年4月1日施行

(卑わいな行為の禁止)
第4条 何人も、正当な理由がないのに、公共の場所又は公共の乗物において、人の性的羞恥心を著しく害し、又は人に不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならな
い。
(1) 人の身体に、衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から接触し、又は直接接触すること。
(2) 衣服等で覆われている人の下着又は身体(以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
2 何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる場所又は乗物において、下着等を撮影し、又は撮影しようとして写真機その他の機器を人に向け、若しくは設置してはならない。
(1) 公共の場所又は公共の乗物
(2) 事務所、教室、貸切バスその他の特定かつ多数の人が集まる場所又は利用する乗物
3 何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣場、便所その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所(前項各号に掲げる場所を除く。)において当該状態でいる人を撮影し、又は撮影しようとして写真機その他の機器を当該状態でいる人に向け、若しくは設置してはならない。

https://www.police.pref.akita.lg.jp/kenkei/news/p1979
秋田県迷惑行為防止条例
秋田県迷惑行為防止条例に改正!
(旧:公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例)
令和2年4月1日施行
盗撮の規制が強化されました!

規制場所の拡充
☆ 従来の規制場所であった「公共の場所・公共の乗物」に加え、「特定かつ多数の人が集まる場所又は利用する乗物」を拡充
禁止行為の追加
☆ 盗撮目的でカメラ等を人に向ける行為や設置する行為を規制対象に追加

県議会の会議録でもあまり議論されていません。


令和元年 第2回定例会《9月議会》 教育公安委員会 09月24日-02号
◆北林康司委員[分科員] 
 生活安全部長、迷惑防止条例の成案がまだ出来ていないということは、パブリックコメント等を実施していないからということで理解していいですか。

◎生活安全部長 
 条例の成案につきましては、現在、検察庁や県総務部総務課法制班と話を詰めている最中です。その後、10月中にはパブリックコメントを実施したいと思っております。

◆北林康司委員[分科員] 
 その詰めるべきところというのは、ここでは言えない話ですか。

◎生活安全部長 
 大まかなところは概ねきょう御説明したとおりですが、細かい表現等について検討しているところです。

◆北林康司委員[分科員] 
 分かりました。

◆沼谷純委員[分科員] 
 迷惑防止条例の改正のことで、何点かお伺いしたいと思います。基本的には厳罰化をする、あるいは時代に即した改正ということで、この方向でやっていただきたいと思っていますが、幾つか話を詰めていかなければならないところがあるのだろうと思っています。
 最初にお伺いしたいのは、例えば、盗撮の規制場所を拡充するとともに、「前段行為(盗撮目的でカメラを設置したり人に向けたりする行為)」も禁止の対象にしていく、あるいは、第5条の「つきまとい行為等」についても対象を広げていくとなっています。名称変更は別にして、全国的にこの3点--罰則の強化も含めて4点ですが、秋田県と同じように規制の拡充や強化をしている都道府県はどのくらいあるものですか。

◎生活安全部長 
 まず規制場所を拡充しているところですが、東北では宮城県福島県が既に拡充しております。全国では、26都道府県が規制場所を拡充しております。
 それから、「前段行為」については既に24都道府県が規制しています。

◆沼谷純委員[分科員] 
 もう一つ伺いたいのは、それぞれ都道府県によって、名称はともかくこういう条例があるわけですが、上位にある法律--上位法というのは何になるのですか。

◎生活安全部長 
 特にこの条例に関する上位の法令というのはありません。

◆沼谷純委員[分科員] 
 これは都道府県警察の所管、所掌を超えるわけですが、これから47都道府県の足並みが全て揃えばいいのですが、今のお話ですと、例えばA県に行くと学校では盗撮しても処罰の対象にならない、あるいはB県に行くと、例えばタクシーの中では処罰の対象にならないということになりますよね。その場合、同じ行為をしても都道府県によって犯罪になるところとならないところがあって--上位法がないのでそれぞれ都道府県警察の判断あるいは都道府県議会に任されている状況というのは、本来余りいい状況ではないと思うのです。
 そこで部長に伺いたいのですが、世の中がこういう流れになっていますから、1つの法律によって全国統一して規制していく、あるいはそれを国に働きかけていくというお考えはないですか。

◎生活安全部長 
 委員御指摘のとおり、都道府県によって条例の適用になったりならなかったりということはそのとおりです。ただ、全国的な流れは、今のところ承知しておりません。

◆沼谷純委員[分科員] 
 各都道府県の条例によって全部足並みがそろえばいいのですが、そろっていないのが現状でしょうし、都道府県によって同じ行為が禁止だったり、禁止ではなかったりということはいいことではないと思います。警察本部長も様々な全国規模の会議等に出席していると思いますので、そのような場で是非議題にしていただければということをお願いしておきます。
 続けてもう一つ、今回規制場所を拡充していこうという中で、会社の事務所や学校、タクシーとなっていますよね。現行の条例では、いわゆる「公共」と限定しているわけですが、これを「タクシー等」と改正すると、「等」がありますから、いろいろな解釈が出てくるのだろうと思います。伺いたいのは、条例に規制場所を全部列記して、「ここは駄目ですよ。」とは書けないと思いますので、逆に規制が難しい--例えば、個人のお宅等は難しいですよね。そういう意味で、ここはやはり拡充し切れない、というのはどういったところになりますか。

◎生活安全部長 
 一通り列挙しているつもりですが、今後の事案によってはそういうところが出てくるのかもしれません。今のところは、おおむね網羅されているのではないかと考えております。

◆沼谷純委員[分科員] 
 「タクシー等」とありますが、これは例えば自家用車に誰か第三者が乗った際に盗撮行為があった場合ですと、対象にならないことになりますか。

◎生活安全部長 
 特定かつ多数の方が利用するような状況があれば適用になるのですが、例えば親戚や家族だけであれば、通常立件には至らないものと思われます。

◆沼谷純委員[分科員] 
 なかなか線引きが難しいと思いますが、最近はデマンドタクシーや、NPOによる運送等、いろいろな運送形態があるものですから、特定か不特定か、あるいは多数か個人かの線引きが極めて難しいだろうと思っています。ですので、条例に明確に列記をするか考え方を整理するなど、なるべくそこをクリアにしてから周知していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

◎生活安全部長 
 パブリックコメントを実施する際に、もう少し具体的にお示ししたいと思いますが、単に盗撮目的だからといってすぐに立件できるかといえばそうではございません。周囲の状況、目撃者の状況、それから防犯カメラの状況などを総合的に判断して、立件していくことになろうと思います。なかなか一概には言えないところもありますので、御理解願いたいと思います。

◆沼谷純委員[分科員] 
 第5条のつきまとい行為等については、今回、SNSというような、正に今の時代背景を踏まえた行為が含まれているわけですよね。ここにも「等」が書かれているわけですが、SNS等で相手に対して拒まれているにもかかわらず、しつこくメールやメッセージを送ることも対象になるようですが、もう一方で、最近ではリベンジポルノといった、本人が望んでいないにもかかわらず、プライベートな写真をSNSに拡散されるといった行為も問題となっています。これについては、この条例の中で規制することができるのですか。

◎生活安全部長 
 リベンジポルノについては、別の法令で規制できると考えております。

◆沼谷純委員[分科員] 
 ちなみに……

◎警察本部長 
 少し補足させていただきます。いわゆるリベンジポルノにつきましては既に国のほうで法律が作られておりまして、望まれていないのにそういった性的な内容を拡散するような行為については罰則が設けられております。条文は今確認できませんが、一般的に法律ですので、条例よりも重い罰則が規定されているだろうと認識しております。

◆沼谷純委員[分科員] 
 お願いですが、この後パブリックコメントを実施したり、いろいろな御意見をいろいろな方から伺ったりする際に、この条例の改正のポイントだけの説明ですと、私が今伺ったリベンジポルノのようなものが条例で規制できるのかどうかがはっきりしないと思います。ですので、できれば今世の中で起きている様々な事例について、「こういうものは法律で規制されます。」とか、「この条例が対象にするのはこういうものですよ。」ということをはっきりお示しした上で、パブリックコメントで一般の方から御意見を伺っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

◎生活安全部長 
 委員御指摘のとおり、お手元にある資料には詳細が入っておりませんので、パブリックコメントを実施する際には、もう少し具体的なものをお示ししていきたいと考えております。

◆鶴田有司委員[分科員] 
 関連して、少し確認したいのですが、今沼谷委員からもありましたが、こういう犯罪は全国で起こり得るような内容だと思うのです。もしかしたら地域によって、傾向というのがあるのかもしれませんが、スマートフォンやSNS等は全国的に広く利用されているわけなので、これらによって起こり得る犯罪も、全国的なものになっていると思うのです。要は、県の条例よりも全国で統一された法律が制定されてもいいぐらいではないかと思うのですが、その辺どうでしょう。警察本部長、会議等でそういった話題は出ないものですか。

◎警察本部長 
 委員御指摘のとおり、条例というのは都道府県ごとに定めておりますので、全国一律ではございません。一方で、国のほうで統一した法律を作ろうという動きがあるとは聞いておりません。
 ただ、警察庁等も各県の条例がどうなっているかについて--当然我々の方から資料提供していますので、各県の比較ができるような状態にはなっていると思います。ですので、問題意識があれば、もしかすると新しい動きが何か出てくるかもしれませんが、現在のところ、国は各県の条例で対応ができているという認識であると推察されますので、大きな問題にはなっていないのが現状と認識しております。

◆鶴田有司委員[分科員] 
 東北では宮城県福島県で改正済みという話がありました。そうすると、残る3県については今のところそういう問題意識は余り起きていないということですか。

◎生活安全部長 
 他県の動きについては把握しておりません。

◆鶴田有司委員[分科員] 
 分かりました。ただ、全国どこでも起こり得るようなケースもあると思うのです。そうすると、全国的な会合などで、警察本部長の提案でそういう流れを持っていったほうがいいのではないかと思います。条例により各県個別に対応するよりも、全国統一で対応するほうが単純に考えていいのではないかなと私は思うのですが、その辺はどうですか。

◎警察本部長 
 仮に国で新しい法律が出来て、全国一律に規制されますと、法律のほうが上位なので、それと重なる条例の規定は無効となります。ですので、恐らく国も--県によって規制の内容がいろいろと違うところを一律にしてしまうと、かえって今まで厳しくしていたところが規制できなくなるといった問題もあるのだろうと考えています。我々としては、県内でどういう問題が今起きているかということをよく見て、県民からの御意見も承りながら、県内でしっかりと取り締まりができるように条例の規定を整備していきたいと考えております。

◆三浦茂人委員[分科員] 
 関連してですが、この条例の改正には、こういうことが起きたときはどのように罰するのか、ということが規定されているわけですが、一方で、こういうことが起きないように事前に対策することも大事だと思うのです。例えば、学校や公共の施設であればトイレを巡回して、この場所は常に人が目を光らせているとか、そういった抑止力になるような方策--条例とは別の分野になるかもしれませんが--そういったことを啓発していくことは県警では検討されていますか。

◎生活安全部長 
 現在のところは、そこまでは検討しておりません。いずれ条例の中では県民の責務という形で「こういったことをさせないようにしましょう。」ということを条例の前段でうたっていますので、今のところそこまで具体的には検討しておりません。

◆三浦茂人委員[分科員] 
 分かりました。いずれにしても、大人だからいいというわけではありませんが、子供ですと非常に慎重に対応しなくてはいけない場面もあると思います。特に学校はそういう安全、安心に関しては重要であり、教育の現場やそれに類するところでは、人の出入りを制限するなどの対策を講じていると思います。これは教育委員会の所管かもしれませんが、そういったことを是非県警でも研究できる時間がありましたら、抑止力という観点からも御検討いただければ幸いです。

◆児玉政明委員[分科員] 
 関連なのですが、今抑止力について話がありましたが、スマートフォンが急速に普及している中で、カメラで撮影しますとシャッター音が鳴るのですが、そのシャッター音を消すアプリがあるようです。盗撮被害防止の観点からも、シャッター音を消すアプリを規制するといったようなことはできないものでしょうか。例えばそういったアプリを開発しているところに、開発しては駄目ですよとか--そういったことについての話は特にないものですか。

◎生活安全部長 
 どういうところでそういったアプリを使うかというのは人それぞれだと思います。ですので、それを規制するということは今のところは考えておりませんし、働きかけもしておりません。

◆児玉政明委員[分科員] 
 そのとおりだと思います。そういうアプリを正しく使っている方がほとんどだと思うのですが、中にはアプリによってシャッター音を消して盗撮をしている人もいるのではないかと思いましたので、少し発言させていただきました



















令和元年 第2回定例会《9月議会》 教育公安委員会

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 令和元年9月25日(水曜日)
◆児玉政明委員[分科員] 
 済みません、1点だけお願いします。昨日の警察本部関係の審査で、迷惑防止条例の改正に関する質疑がありました。改正案では盗撮の規制場所等が学校や教室も規制の対象に拡充されるということで、罰則や取り締まりの対象になるということでした。今後教育委員会として、教職員の意識改革や意識啓発など、条例の改正に合わせてどういったことを計画しているとか、何か進めていく考えはあるかお聞かせください。

◎総務課長 
 対象範囲が拡大するという点につきましては検討していかなければならないと思いますが、まだ新聞報道等による情報しかございません。例えば、教室といっても体育館は含まれるのか、更衣室は含まれるのかなど、細かい情報が全然ありません。取りあえずは改正内容等が判明次第、それらを精査しまして、全教職員に通知した上で必要に応じて研修等についても考えていきたいと思っております。









令和元年 第3回定例会
令和元年秋田県議会第三回定例会会議録 第八号
議事日程第八号
  令和元年十一月二十六日(火曜日)
◎知事(佐竹敬久君) おはようございます。
 今議会におきましては、補正予算案及びその他の案件について御審議をお願いするものでありますが、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
「公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例案」は、特定かつ多数の人が集まる場所等における盗撮行為を禁止するとともに、つきまとい行為等に対する規制を強化しようとするものであります。
 以上、提出議案の概要について申し上げました。よろしく御審議の上、御可決賜りますようお願い申し上げます。



令和元年 第3回定例会
令和元年秋田県議会第三回定例会会議録 第十三号
議事日程第十三号
  令和元年十二月二十日(金曜日)
◆教育公安委員長(高橋武浩議員) ただいま議題となりました、
 議案第二百十四号は、公衆に著しく迷惑をかける行為の実態に鑑み、特定かつ多数の人が集まる場所または利用する乗り物における盗撮行為を禁止するとともに、つきまとい行為等に対する規制を強化しようとするものであります。
審査に当たっては、当局からそれぞれ説明を聞き、質疑を行いましたが、その主な内容について申し上げます。
 警察本部における「公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例」いわゆる「迷惑防止条例」の一部を改正する条例案についてであります。
 今回の条例改正により、規制場所等が拡充されるとのことだが、これにより、あらゆる場所を漏れなく規制対象とすることが可能となったのか。また、本県ではこれまで、条例の運用に際し、濫用してはならない等の条項を盛り込んでこなかったが、他の都道府県を見ると、約半数がそうした条項を明記している。今回の改正に当たり、濫用防止に関する条項を盛り込むことは検討しなかったか。併せて、学校等におけるのぞき見等の行為については、盗撮に類する卑劣な行為であるにもかかわらず、条例の適用としなかったことは、盗撮行為に対する罰則に比べ不均衡ではないかと感じるがどうかとただしたのに対し、条例改正により、規制場所はほぼカバーできたものと考えているが、場所だけでなく事案を総合的に勘案して、条例が適用となるかどうかを判断してまいりたい。また、当条例が制定された昭和三十年代から、濫用防止に関する条項を規定せずとも、問題なく運用してきた。警察法上に、憲法が保障する個人の権利の侵害や、自由を干渉してはならないことが規定されており、本改正案をもって、特段の問題が生じるおそれはないと考えている。条例の適用に当たっては、適正かつ慎重に対処してまいりたい。併せて、学校等におけるのぞき見行為については、軽犯罪法等の、他の法令を適用することが可能である。これまで、法令の適用等に支障は生じておらず、他の都道府県においても条例による規定はない。盗撮については、撮影された写真がインターネット上に流出するなどの二次被害も大きいことなどに鑑み、罰則を強化したところであるとの答弁がありました。
 質疑を終了し、討論なく、採決の結果、議案第二百十二号外八件は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。





追記 2020/04/26
 記事によれば秋田県警は教室も「その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所」というのですが、最近の教室というのは浴場・更衣室・便所並みに裸なんですかね。
 さらに、改正前の条例では教室を除外するという規定がなかったので教室でも適用できそうだったのに、改正後は「(前項各号に掲げる場所を除く。)」ということで明文をもって「教室」を除外してしまっています

改正前
公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例
第4条
2何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣場、便所その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所において当該状態でいる人を撮影してはならない。

秋田県公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例逐条解説2020年4月
(6)第3項
※ 「正当な理由がないのに」とは、
第3条の解説3(3)参照
本号における「正当な理由」としては、例えば、温泉広告ポスターの撮影、入浴シーンの映画撮影等が考えられる。
※ 「住居」とは、
人の起臥寝食の用に供せられている建物をいう。玄関であっても、衣服を着けないでいる場合があることから、ここにいう住居に当たる。
※ 「浴場」とは、
公衆浴場法(昭和28年法律第139号)第1条に規定する公衆浴場、旅館等の浴場、露天風呂、住居の風呂場等をいう。
※ 「更衣場」とは、
通常人が衣服の着替えを行う場所であり、洋服店の試着室等もこれに当たる。
※ 「便所」とは、
住居の便所、公衆便所、デパートなど各種施設に設置されている便所をいう。
※ 「その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所」とは、住居、浴場、便所、更衣室以外で、人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所をいい、例示したもののほか、病院の診察室、キャンプ場におけるテント、ホテルの一室、寝台列車の寝台、キャンピングカーなどがこれに当たる。
※ 「当該状態でいる人」とは、
浴場等で衣服を脱ぎつつある若しくは着つつある人又は裸体でいる人の姿態をいう。衣服を完全に脱衣した状態、用便のためスカートをまくり上げたり、下ろしている状態、これにより尻等が露出した状態等である。
※ 「撮影し」とは、
解説3(5)参照
本項の「撮影j行為は、写真機、ビデオカメラ、デジタルカメラ付き携帯電話等の機器を使用することを要件としており、直視したり、双眼鏡を使用して見る行為は該当しない。
ビデオカメラなどを使用して更衣場内を撮影したが、更衣場内に誰も居なかったり、衣服を着けている状態の人が撮影されていた場合は、本項違反には該当しないが、刑法第130条(住居侵入)や軽犯罪法第1条第23号(窃視の罪)の構成要件に該当する場合は、同法の適用を検討することとなる。
※ 「撮影しようとして」とは、
~ 解説3(5)参照
※ 「写真機その他の機器」とは、
解説3(5)参照
※ 「人に向け」行為の解釈上の既遂時期は、
解説3(5)参照
※第4条第3項に係る「向ける行為」の解釈
「撮影しようとして写真機等を当該状態でいる人に向ける行為」については、「通常衣服の全部又は-部を着けない状態でいるような場所」において、「衣服の全部又は一部を着けない状態でいる人」が存在する場合のみ違反が成立する。
映っている内容からは、衣服の全部又は一部を着けない状態でいる人を撮影したかどうか判別できない場合であっても、頭や腕の一部が撮影されているなど当該状態にある人の存在の可能性が認められる場合は、「向ける行為」を検討することとなる。
※ 「向ける行為」の具体的解釈
○更衣室に当該状態でいる人の存在有り
→条例違反
○更衣室に人が存在しない
→条例違反成立せず(「のぞき見」に該当すれば軽犯罪法違反)
○更衣室に服をきちんと着た人のみ存在
→条例違反成立せず(「のぞき見」に該当すれば軽犯罪法違反)
※ 「設置」とは、
解説3(5)参照
※ 「盗撮目的で写真機等を設置する行為」の解釈
盗撮目的で撮影可能な状態の写真機等を「設置」すれば、画像が撮影されなかった(できなかった) としても、本項違反となる(現実に、録画中でなくても自動シャッター等により、撮影可能な状態の写真機等を設置した時点で既遂となる。)。
つまり、盗撮目的で、当該状態でいる人を撮影しようとして、撮影可能な状態の写真機等を「設置」すれば、画像が撮影されなかった(できなかった) としても、本項違反となる。
軽犯罪法第1条第23号(窃視の罪)は、「場所」に対する規制であるのに対し、条例は、「人」に対する迷惑行為を規制するものである。設置時は、更衣場等に人は存
在しないが、営業中のプールの更衣室などにおいて、当該状態でいる人を撮影しようとして写真機等を設置する行為を規制するものである。
※犯行場所は、
制限はなく、自宅内において、自宅の浴場に仕掛けたカメラで、知人の裸体を撮影する行為等も本項違反に該当する。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200420-00011092-bengocom-soci
秋田県警の解釈
学校教室の着替え中の盗撮を改正条例で規制できるのか。可否について秋田県警察本部に問い合わせた。4月6日、県警本部生活安全部生活安全企画課が電話で回答した。
ーー秋田県の改正条例では学校教室など「特定かつ多数の人が集まる場所」での着替えの盗撮は規制できないのでしょうか

規制対象になります。「特定多数の人が集まる場所」においては、「事務所、教室」と例示していますが、あくまでも例示です。

改正条例では、大きく4条2項で盗撮を規定して、4条3項で衣服を脱ぐ場所での盗撮を規制しています。どの盗撮の項を適用するのかについて、その犯行が行われた場所の状態で判断するものです。ほとんどのケースにおいて規制対象になっています。

着替えとなると、世間一般的に「更衣室」の札がかかっている更衣場で着替える場合もあれば、状態的に更衣場として使っている実態のある場所もあるわけです。

学校に十分な更衣場がないとすれば、体育の授業などで、教室や会議室などを一定時間、更衣室として使う場合があると思います。そういった場合は、教室は「衣服を脱ぐ場所」とされるので、4条3項を適用し、盗撮は当然、違反となります。

犯行が行われたときの場所の使われ方の問題なので、着替えとして使っている場所が通常「教室」と呼ばれる場所であっても、捜査して行く中で、犯行時に着替えをしている場所だとわかれば、「通常人が衣服を全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所」に該当すると思う。そうすると4条3項を適用する。「いつもはプールの授業の前には教室で着替えてます」という場合です。

ーー条文の「(前項各号に掲げる場所を除く。)」という文言によって、教室での着替え中の撮影は規制できなくなるという指摘について

4条3項の「前号各号に掲げる場所を除く。」という文言が引っかかったと思います。2項で幅広くほとんどの場所が規制されています。一方、3項でも同じように盗撮を規制するため、2項で出てくるところと二重規制になってはいけません。

公衆トイレや公衆の更衣室など通常衣服を脱ぐ場所なのかどうか線引きが微妙な場所があるので、こうして条項を分けて条文を制定する場合は、一方では二重にならないように、除外を規定しないと、見るほうからわかりづらいので、こういう形になっています。具体的に何かの行為を除く表現ではありません。 規制は2項にも該当して、3項にも該当するものがないように考えたもの。ご理解してもらえればと思います。

ーー改めての確認ですが、「教室で、服を着ている人の、下着や姿を、盗撮することは、改正条例で規制できる」のでしょうか

そうです。

ーー「教室で、着替えをしている人の、盗撮は、改正条例で規制できる」のでしょうか

はい。その根拠としては「着替え中の教室」は「通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所」に該当するからです。ケースバイケースで状況を捜査する必要があります。

場所の状況といえば、たとえば学園祭開催中など不特定多数の人が出入りする状態で教室での盗撮があった場合は、4条2項第1号(「公共の場所」)を適用することになります。

ーー改正条例で盗撮を規制できない状況はありますか

今の現状では幅広く規制できます。上位の法律があって規制をかけられない部分はあると思いますが、以前よりも撮影場所が拡充されたうえに、撮影に至る前段の行為も規制対象になったという解釈です。

トイレや住居はプライベートに近い場所ですが、軽犯罪法の(規制する)場所とは違って、条例の場合は人の肢体を対象として撮影したり、向けたり、設置してはダメという規制をかけています。

●警察の回答について、鐘ヶ江弁護士の考え

残念ですが、秋田県警の回答は無理があると言わざるを得ません。

冒頭の条文を確認して欲しいのですが、条文では、(1)「衣服等で覆われている人の下着又は身体」(4条1項2号)の盗撮と、(2)「衣服の全部又は一部を着けない状態(でいる人)」(4条3項)の盗撮を区別しています。

そして、(1)については、4条2項で公共の場所と、事務所等の特定かつ多数の人が集まる場所につき規制しています。

(2)については、4条3項で「住居、浴場、更衣場、便所その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場合がある場所(前項各号に掲げる場所を除く。)」につき規制しています。

秋田県警は、学園祭開催中の教室での着替え中の人の姿態などの盗撮を4条2項でも規制できると述べていますが、4条2項で規制対象になっているのは「衣服等で覆われている人の下着又は身体」だけです。着替え中、すなわち衣服の全部又は一部を着けない状態でいる人は規制対象になっていないのです。

少し長くなりますが、条文の構造が似ている、大分県迷惑行為防止条例の同種の規定を引用します。3項に除外規定がないことが分かると思います。

第3条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次の各号に掲げる行為をしてはならない。

(1) 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接人の身体に触れること。

(2) 衣服等で覆われている人の下着若しくは身体(以下この号及び次号において「下着等」という。)をのぞき見し、若しくは撮影し、又は下着等を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を下着等に向け、若しくは設置すること(次号に規定する方法により行われる場合を除く。)。

(3) 衣服等を透かして見ることができる写真機等を使用して、下着等の映像を見、若しくは撮影し、又は下着等を撮影する目的で写真機等を人に向け、若しくは設置すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

2 何人も、集会場、事務所、教室、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物を除く。)において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、前項第2号又は第3号に掲げる行為をしてはならない。

3 何人も、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所に当該状態でいる人の姿態をのぞき見し、若しくは撮影し、又は当該状態でいる人の姿態を撮影する目的で写真機等を人に向け、若しくは設置してはならない。 

おそらく、全国各地の様々な条例を参考にして、既存の条例を改正するなかで、混乱が生じてしまったのだと思います。裁判では、秋田県警がどう考えているかではなく、条文に沿って判断がなされます。改正をしないまま運用すれば、不当逮捕等の問題が生じます。早急に手当すべきです。

そもそも、こういった問題が生じる背景は、国が性的盗撮について法律を作ろうとしないため、各都道府県が条例で対応しているからです。現状では、各地の条例の規制、運用がまちまちになっており、不公平な状況となっています。

また、法的な問題点として、住居などの私的空間における盗撮規制は、軽犯罪法1条23号の規制と抵触し違憲無効ではないかという議論もあります。性的盗撮について、地域ごとに規制に差をつける理由はありません。国が法律で定めるべきでしょう。

性犯罪の刑事損害賠償命令で350万円が認容されたが、申立人から異議申立があり、民事訴訟において結局350万円が認容された事例(山形地裁R2.3.27)

 基本は刑事記録に基づいて、損害賠償命令を出すわけですが、民事訴訟に移行して原告が追加立証を積んでも認容額は同じだったということになります。
 原告の被害内容はわかりませんが、山形地裁で11年ということで、強制わいせつ罪1件だけではないと思われます。
 刑事損害賠償命令には、児童ポルノ製造は含まれませんが、民事訴訟になると、含めることができます。

犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律
第三節 異議等
(異議の申立て等)
第三十三条 当事者は、損害賠償命令の申立てについての裁判に対し、前条第三項の規定による送達又は同条第四項の規定による告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。
2 裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。
3 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
4 適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失う。
5 適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、確定判決と同一の効力を有する。
6 民事訴訟法第三百五十八条及び第三百六十条の規定は、第一項の異議について準用する。
(訴え提起の擬制等)
第三十四条 損害賠償命令の申立てについての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地(その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の普通裁判籍の所在地)を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、第二十三条第二項の書面を訴状と、第二十四条の規定による送達を訴状の送達とみなす。
2 前項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、損害賠償命令の申立てに係る事件(以下「損害賠償命令事件」という。)に関する手続の費用は、訴訟費用の一部とする。
3 第一項の地方裁判所又は簡易裁判所は、その訴えに係る訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、決定で、これを管轄裁判所に移送しなければならない。
4 前項の規定による移送の決定及び当該移送の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
(記録の送付等)
第三十五条 前条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、第三十条第四項の規定により取り調べた当該被告事件の訴訟記録(以下「刑事関係記録」という。)中、関係者の名誉又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認めるもの、捜査又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認めるものその他前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。
2 裁判所書記官は、前条第一項の地方裁判所又は簡易裁判所裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録(前項の規定により裁判所が特定したものを除く。)を送付しなければならない。
(異議後の民事訴訟手続における書証の申出の特例)
第三十六条 第三十四条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における前条第二項の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法第二百十九条の規定にかかわらず、書証とすべきものを特定することによりすることができる。
(異議後の判決)
第三十七条 仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十四条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合において、当該訴えについてすべき判決が損害賠償命令と符合するときは、その判決において、損害賠償命令を認可しなければならない。ただし、損害賠償命令の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。
2 前項の規定により損害賠償命令を認可する場合を除き、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十四条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における当該訴えについてすべき判決においては、損害賠償命令を取り消さなければならない。
3 民事訴訟法第三百六十三条の規定は、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十四条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における訴訟費用について準用する。この場合において、同法第三百六十三条第一項中「異議を却下し、又は手形訴訟」とあるのは、「損害賠償命令」と読み替えるものとする。
第四節 民事訴訟手続への移行
第三十八条 裁判所は、最初の審理期日を開いた後、審理に日時を要するため第三十条第三項に規定するところにより審理を終結することが困難であると認めるときは、申立てにより又は職権で、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をすることができる。
2 次に掲げる場合には、裁判所は、損害賠償命令事件を終了させる旨の決定をしなければならない。
一 刑事被告事件について終局裁判の告知があるまでに、申立人から、損害賠償命令の申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があったとき。
二 損害賠償命令の申立てについての裁判の告知があるまでに、当事者から、当該申立てに係る請求についての審理及び裁判を民事訴訟手続で行うことを求める旨の申述があり、かつ、これについて相手方の同意があったとき。
3 前二項の決定及び第一項の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができない。
4 第三十四条から第三十六条までの規定は、第一項又は第二項の規定により損害賠償命令事件が終了した場合について準用する。

女児4人わいせつ 山形地裁 賠償命令制度以外の被害者側の請求棄却
2020.03.28 山形新聞
 女児への強制わいせつ事件で実刑判決を受けた30代の男性受刑者に対し、被害者側が慰謝料など566万円の支払いを求めた訴訟の判決が27日、山形地裁であった。日高真悟裁判官は、刑事裁判の手続きの中で賠償請求できる損害賠償命令制度で決まった350万円の支払いにとどまるとし、その他の請求を棄却した。
 被害女児4人のうちの1人を原告側とした訴訟で、将来にわたる女児の甚大な精神的苦痛などを主張。同制度に基づき地裁は男性受刑者に350万円の支払いを命じたが、原告側は女児が学校から1人で帰宅できなくなったことで生じた保育料なども含め、賠償額は十分でないとしていた。
 この事件で男性受刑者は、2014年6月から18年5月、当時4~9歳の女児にわいせつな行為を繰り返したとして強制わいせつ罪などに問われ、山形地裁で懲役11年の実刑判決を言い渡された。仙台高裁の控訴審後に刑が確定した。

公然わいせつ罪で執行猶予中の者につき「現在執行猶予期間中である申立人が応募に当たり,当該犯罪歴を募集企業に知られることで採用を拒否されるなど一定の不利益を受けることがあったとしても,それは社会生活上やむを得ないものとして申立人において甘受すべきである。」として名の変更を許可しなかった事例(東京家裁r01/7/26)

公然わいせつ罪で執行猶予中の者につき「現在執行猶予期間中である申立人が応募に当たり,当該犯罪歴を募集企業に知られることで採用を拒否されるなど一定の不利益を受けることがあったとしても,それは社会生活上やむを得ないものとして申立人において甘受すべきである。」として名の変更を許可しなかった事例(東京家裁r01/7/26)

東京家裁令和元年 7月26日 裁判所名  裁判区分 審判
事件番号 令元(家)4080号
事件名 名の変更許可申立事件
申立人 
A 
主文
 1 本件申立てを却下する。
 2 手続費用は申立人の負担とする。
 
 
理由

第1 申立ての趣旨
 申立人の名「B」を「C」に変更することを許可する。
第2 当裁判所の判断
 1 本件申立ては,平成30年●●●月●●●日に公然わいせつの罪により懲役4月,執行猶予3年の有罪判決を受けた申立人が,逮捕時に報道された自己の氏名及び顔写真が現在もインターネット上に拡散されているため,就職の応募先にこれを知られてしまい,就職することができない状態にあるとして,申立人の名をインターネット上で検索できる「B」から「C」に変更することを求めるというものである。
 2 しかしながら,犯罪歴は,企業にとって,企業への適応性や企業の信用の保持等企業の秩序維持の観点から重要な情報の一つであって,応募者が雇用契約に先立って申告を求められた場合には,信義則上真実を告知すべき義務を負うものであるから,現在執行猶予期間中である申立人が応募に当たり,当該犯罪歴を募集企業に知られることで採用を拒否されるなど一定の不利益を受けることがあったとしても,それは社会生活上やむを得ないものとして申立人において甘受すべきである。したがって,このような不利益を回避することを理由として名の変更をすることは許されず,戸籍法107条の2にいう「正当な事由」があるとは認められない。
 ところで,申立人は,インターネット上の記事は努力をしても全て削除するのが不可能であること,公然わいせつ罪が軽微な犯罪であること,申立人が受けた刑には執行猶予が付されており,法的な贖罪を果たしていることなどを挙げ,申立人が受けている不利益は極めて過剰であるなどと主張する。しかしながら,前記のような犯罪歴の性質に鑑みれば,インターネット上の犯罪記事が一因となって採用を拒否されることがあったとしても,その不利益は応募者において甘受すべきものであって,それにもかかわらず,インターネット上の全記事の削除が不可能であるとの理由で名の変更を認めることは,前記告知義務に違反した応募を容認することにも繋がりかねず,相当でないことは明らかである。また,公然わいせつ罪が軽微な犯罪であるといえないのは勿論,いまだ執行猶予期間中である申立人が法的な贖罪を果たしたといえないことも明らかであるから,現状において申立人が望むような就職をすることができない状態にあるとしても,これをもって名の変更を認めるべきであるとはいえない。申立人の主張は採用することができない。
 3 よって,本件申立てには理由がないから,これを却下することとし,主文のとおり審判する。
 東京家庭裁判所家事第4部
 (裁判官 中里敦)

児童ポルノ・リベンジポルノの拡散に関与した者に、慰謝料27万円を認容した事例 訴額は630万円(名古屋地裁R02.3.25)

児童ポルノ・リベンジポルノの拡散に関与した者に、慰謝料27万円を認容した事例 訴額は630万円(名古屋地裁R02.3.25)
 示談した関係者は30万円くらいは払っていると思われ、裁判での認容額が3人とその保護者でこれくらいということになると、いろいろ考えることがあるでしょう。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200325/k10012350111000.html
愛知県内に住む女性は中学生のころ、当時の交際相手に性的な動画を撮影され、平成28年の高校入学前からLINEなどで次々に拡散され、精神的苦痛を受けたと訴え、元交際相手などとは示談が成立しましたが、動画の拡散に関わった同じ高校の女子生徒3人とその保護者に賠償を求めていました。

裁判で3人は「動画が拡散したのは元交際相手に原因の一端があった」として賠償の額を減らすよう求めていました。

25日の判決で、名古屋地方裁判所鈴木尚久裁判長は「プライバシー権の侵害の程度は極めて大きく、女性は入学したばかりの高校に通学することが困難になった」と指摘しました。

そのうえで「3人は自分の判断に基づいて動画を送信していて責任を負う」として、3人とその保護者の一部に合わせて27万円の賠償を命じました。

https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20200326k0000m040015000c.html
その保護者5人に計約630万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁鈴木尚久裁判長は25日、元同級生3人と保護者2人に計27万5000円の支払いを命じた。
判決は、元同級生らについて「プライバシー権を侵害し、責任を負う」と判断。拡散を知っていた夫婦2人についても「データを削除させるなど子供を監督する義務があった」と責任を認めた。知らなかったほかの保護者には「注意する義務が生じていない」とした。

 判決によると、少女の元交際相手が2016年3月、友人にラインで問題の動画を送った。友人は少女と同じ高校生に通っており、その後次々と校内で動画が拡散。少女は拡散を苦に4カ月後、転校した。

 元交際相手も含め、拡散させた7人が児童買春などの非行内容で名古屋家裁に送致されたが、不処分となった。元交際相手を含む4人とは示談が成立。対応が不誠実だったとして示談が成立しなかった元同級生3人とその保護者を提訴した。

 少女側の代理人の多田元弁護士は「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によるいじめの深刻さ、怖さを、学校や家庭で子どもに教えるべきで、社会的にも認識されるべきだ」と話した。

衛生マスク・消毒用アルコール転売規制について、「物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合」(国民生活安定緊急措置法26条1項)か?


 「先に述べたように最近の石油危機を契機として制定されたものではあるが、本法の目的は、これに限らず、一般的に「物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処する」こととされている。」「本法での「物価の高騰」とは、卸売物価、消費者物価等を総合した一般物価水準が、過去のすう勢や目標値を大幅に上回って上昇し又は上昇するおそれがある場合をいう。」という記載を見ると、マスク・消毒薬の価格が上がっただけでは、「物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合」には当たらないと思います。

国民生活安定緊急措置法の解説s49
第一章
目的及び運用方針
本法第一条及び第二条は、この法律の目的及び運用方針を定めたいわゆる総則規定である。
(目的)
第一条
この法律は、物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処するため、国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の価格及び需給の調整等に関する緊急措置を定め、もつて国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保することを目的とする

要旨
本法制定の趣旨、目的を明らかにした規定であり、生活関連物資等の価格及び需給の調整等に関する緊急措置を定め、もって国民生活の安定と国民経済の円消な運営の確保を図らんとするものである。
解説
本法は、先に述べたように最近の石油危機を契機として制定されたものではあるが、本法の目的は、これに限らず、一般的に「物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処する」こととされている。
本条で「物価の高騰」といい、後の具体的な条項でも「物価が高騰し又は高騰するおそれがある」場合等に発動されることとなっているが、本法での「物価の高騰」とは、卸売物価、消費者物価等を総合した一般物価水準が、過去のすう勢や目標値を大幅に上回って上昇し又は上昇するおそれがある場合をいう。勿論、その水準を具体的な計数で示すことは難しく、その時々における経済情勢等を勘案して判断することになると思われる。
「異常な事態」とは、本法の各条に規定する発動要件を充足するような事態をいい、例えば、割当・配給等の規定が発動される「物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合で、生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがある」(第二十六条)ような場合だけではなく、「物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合で、生活関連物資等の価格が著しく上昇し又は上昇するおそれがある」(第三十条)ときや、更には、全国的には必ずしも「異常」とほ言えないが、「特定の地域」において、不足することにより、その地域の住民の生活の安定又は地域経済の円滑な運営が著しく阻害され又は阻害されるおそれがある」(第二十二条)ような場合も含まれる。

本法は右に述べたような事態に対処するための「国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の価格及び需給の調整等に関する緊急措置を定め」ている。

日本法の対象となる物資ほ、「国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資」である。なお、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律(いわゆる「買占め等防止法」)活との関連性が高い物資のみを対象としていたが、今次国民生活安定緊急措置法の制定に伴ない、本法と合わせて、その対象を「国民経済上重要な物資」をも含めることとされた。

これは、必ずしも生活関連物資とはいえない物資であっても、国民経済上重要な物資の価格の上昇需給の不均衡等は、国民経済の円滑な運営を阻害しひいては、国民生活の安定を害うことにもかんがみ、生活関連物資のほか、国民経済上重要な物資をも本法の対象としたものである。「国民生活との関連性が高い物資」とは生活必需物資等国民の消費生活に必要な物資その他国民生活に関連性の高い物資をいう。
「国民経済上重要な物資」とは、基礎資材等国民経済におけるウエイト、重要度等を勘案した重要な物資をいい、例えば、量的金額的には必ずしも大きくなくとも、生産活動等に不可欠な物資は、国民経済上重要な物資に含まれる。

本法は、生活関連物資等の「価格及び需給の調整等に関する緊急措置」を定めている

具体的には、第三条乃至第十三条の価格の調整に関する措置及び第十四条乃至第二十六条の需給調整に関する措置がこれである。なお、調整「等」としたのは、第二十三条乃至第二十五条の設備投資に関する指示等の規定は総需要抑制策の一環としてとられるものであって、生活関連物資等の需給調整を端的な狙いとしたものではないからである。

本法は、期限の定めのないという意味で恒久法である。しかし、本法の具体的適用は、本法各本条に規定するよな事態が生じた場合に限って政令で「物資」又は「期間」を指定した後、り、各本条に定める事態が解消すれば、右の指定を解除することとしており、内容的には限時法的性格の強いものであるといえる。
(法第二十二条の地域的な需給不均衡に関する規定は、例外的に政令による物資の指定は要件とされていない。)。
・・・・・・
(割当て又は配絵等)
第二十六条
1物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められるときは、別に法律の定めがある場合を除き、当該生活関連物資等を政令で指定し、政令で、当該生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる。
2前項の政令で定める事項は、同項に規定する事態を克服するため必要な限度を超えるものであってはならない。
(要 旨)
第二十六条においては、生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは誤受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることとなっている。
本来、物資について自由市場にゆだねることにより、その最適配分がなされるべきであるが、長期的かつ著しい物資の供給の不足が生じる事態においては、自由市場にゆだねておいては、経済的強者により物資の買占め等により、経済的弱者に対する物資供給が十分になされなくなり国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じることとなる。ここでは、経済的自由よりも公平な分配が維持されなければならない。また、そのような供給不足物資の使用は国民経済的にみて有用な使途に限定されなければならない。次に、有用な用途に用うべきものとして割当て又は配給された物資を他の者に自由に譲渡することを放置しておくことは割当て配給制度を採用した本旨に反するものとして制限又は禁止する必要が生じる。以上のような趣旨から本条は設けられたがその詳細は政令に委ねられた。
〔解説〕
1 発動要件
本条の発動要件は、
①物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、
②生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、
③その需給の均衡を回復することが相当の期問極めて困難であることにより、
④国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められるときである。
まず①の要件は本法案における他の条文の発動要件よりも加重されているが、これは必ずしも標準価格等を前置しなければ本条を発動し得ない趣旨ではない。もっとも、価格を定めない配給制度というものは目的的に考えると実際問題として機能し得ないのではないかとも考えられる。
②の要件も、生産及び輸入に関する規定の発動要件よりは加童されているが、これらの発動を前置しなければ本条が発動されない訳ではない。急速に著しい供給力低下が起った場合などは、直接本条が発動されることも考えられる。供給不足の状況については第十四条の解説を参照のこと。
③の要件により、単なる供給不足の事態ではなく、長期的な供給不足により、国民生活に重大な支障を生じるような事態でなければ本条は発動し得ない。

2政令委任の関係
本条について詳細な事項は政令にゆだねられている。まず対象物資は、生活関連物資等を政令で指定することとしている。規制に関する必要な事項は、本条の規定する事態を克服するため必要な限度を
超えない範囲内で政令で定めることとされている。
 具体的に政令で定める事項は、その時の経済情勢、物資の流通経路の具体的状況に即して定める予定であるが例として次のようなものが考えられる。
①政府としての割当て、配給等の基本的方針
②割当て、配給等の証書の交付
③特定物資のしゃし的目的等への使用制限、禁止
④一定の手続(配給証書)によらない譲渡、誤受の制限等
 なお本条に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく政令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者に対し五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処する等の規定を設け得るようになっている。(第三十七条参照)したがって、本条の場合、構成要件が政令に委ねられることとなっている。
別に法律の定めがある場合石油需給適正化法・食糧管理法等など割当配給について既に個別法がある場合ほ、この法律によらず、それらの個別法による趣旨である。
・・・・
第八章 罰則
本章は、第三十四条から第三十七条までの規定より成るが、これらの規定は、いずれも本法の実施を担保するために設けられたものである。

罰則
第三十四条
次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
ー 第二十九条の規定に違反して同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者
二 第三十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
三 第三十条第二項若しくは第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条第二項若しくは第三項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第三十五条
 第十五条第一項、第二十四条第一項又は第二十五条第一項の規定による届出をしなかった者は、二十万円以下の罰金に処する。
第三十六条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金を科する

第三十七条
第二十六条第一項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して当該違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。

要旨
帳簿記載、立入検査等に関する規定に対する違反行為に対する罰則、届出義務に対する違反行為に対する罰則、これらについての両罰規定、割当配給等に関する違反行為に対する罰則を定めている。
〔解説〕
第三十四条は、帳簿記載義務違反等、立入検査等の受忍義務違反等について、また、第三十五条は生産計画、投資の届出義務違反について、それぞれ他法令とのバランスを考慮しつつ規定を設けている。なお、標準価格等を遵守しない場合、標準価格等を表示していない場合、生産、輸入、保管、売渡し、等、設備投資の抑制等に関する指示については、指示に従わなかったときは、罰則によらず、公表という措置によることとしているが、これは、公表による社会的制裁がこのような場合には効果的、かつ、機動的手段と考えられるからである。
第三十六条は、前二条の違反行為があったときは、その行為者本人のほか、その行為者と一定の関係にある法人または人に対しても罰金刑を科する旨の規定、いわゆる両罰規定である。本法のような主として企業の事業活動を対象とする法律にあってほ、実際の行為者のみを罰するのでは、目的を十分に逹することができないので、監督責任のある法人または人にも罰金刑を課すこととしているものである。
第三十七条は、第二十六条第一項(割当て又は配給等)の規定に基づく政令において、同政令等の違反者に対し、懲役、罰金等を課しうる旨の規定および両罰規定を設けることができることを定めたものである。割当配給等に関しては、その実質的内容を多く政令に委任しているため、罰則についても、具体的に規定しえないので、その限度を示し、その限度内において罰則を政令で定めることとしている。

政令

https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200310002/20200310002-3.pdf
令和2年政令第 号
国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令
内閣は、国民生活安定緊急措置法(昭和四十八年法律第百二十一号)第二十六条第一項及び第三十七条の規定に基づき、この政令を制定する。
第一条第一項中「国民生活安定緊急措置法(以下「法第四条を第六条とし、第三条を第五条とし、第二条を第四条とする。国民生活安定緊急措置法施行令(昭和四十九年政令第四号)の一部を次のように改正する。」という。)」を「法」に改め、同条を第三条とし、同条の前に次の二条を加える。
(法第二十六条第一項の政令で指定する生活関連物資等)
第一条
国民生活安定緊急措置法(以下「法」という。)第二十六条第一項の政令で指定する生活関連物資等は、衛生マスクとする。
(衛生マスクの転売の禁止)
第二条
衛生マスクを不特定の相手方に対し売り渡す者から衛生マスクの購入をした者は、当該購入をした衛生マスクの譲渡(不特定又は多数の者に対し、当該衛生マスクの売買契約の締結の申込み又は誘引をして行うものであつて、当該衛生マスクの購入価格を超える価格によるものに限る。)をしてはならない。

本則に次の一条を加える
第七条
1 第二条の規定に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1この政令は、公布の日から起算して四日を経過した日から施行する。
(経過措置)
2改正後の第二条の規定は、同条に規定する譲渡のうちこの政令の施行の日前に締結された売買契約によるものについては、適用しない。
3 別表第一国民生活安定緊急措置法施行令(昭和四十九年政令第四号)の項中「第四条第一項」を「第六地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)の一部を次のように改正する。条第一項」に改める

青少年条例における青少年の定義

 婚姻による成年擬制とかを除いていない条例も結構あります。
 婚姻してる・してないの事実について、挙証責任は検察官にあるのか、被告人にあるのかという事件のために調べてみました。淫行犯人には、婚姻してるかどうかを調べる手段がないですよね。淫行なんだから。


都道府県   青少年の定義 成年擬制
北海道 北海道青少年健全育成条例 (定義)
第14条 この章以下(第5章を除く。)において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
青森県 青森県青少年健全育成条例 第十一条 この章以下(第五章を除く。)において「青少年」とは、十八歳未満の者(婚姻した者を除く。)をいう。  
岩手県 青少年のための環境浄化に関する条例 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 6歳以上18歳未満の者(婚姻により成年に達したとみなされる者を除く。)をいう。
 
宮城県 青少年健全育成条例 (定義)
第十四条 この章から第六章までにおいて、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 青少年 六歳以上十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう
 
秋田県 秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例 (定義)
第六条 この章以下(第五章を除く。)において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 青少年 六歳以上十八歳未満の者をいう。
×
山形県 山形県青少年健全育成条例 第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
福島県 福島県青少年健全育成条例 第十四条 この章以下において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
茨城県 茨城県青少年の健全育成等に関する条例 (定義)
第13条 この章及び第5章において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳に達するまでの者(配偶者のある女子を除く。)をいう
 
栃木県 栃木県青少年健全育成条例 第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう
 
群馬県 群馬県青少年健全育成条例 (定義)
第十二条 この章(第二十九条を除く。)、次章、第六章及び第七章において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者(婚姻した女子を除く。)をいう。
 
埼玉県 埼玉県青少年健全育成条例 定義)
第三条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  青少年 十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
千葉県 千葉県青少年健全育成条例 第六条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  青少年 小学校就学の始期から十八歳に達するまでの者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
東京都 東京都青少年の健全な育成に関する条例 第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者をいう


(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)
第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。
×
神奈川県 神奈川県青少年保護育成条例 第7条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 満18歳に達するまでの者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
新潟県 新潟県青少年健全育成条例 第14条 この章以下において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳に達するまでの者(婚姻した女子を除く。)をいう。
 
富山県 富山県青少年健全育成条例 第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳未満の者(婚姻した女子を除く。)をいう。
 
石川県 いしかわ子ども総合条例
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 子ども 18歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。

(みだらな性行為等の禁止)
第52条 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
 
福井県 福井県少年愛護条例 第五条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 小学校就学の始期から十八歳に達するまでの者(民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定により成年者と同一の行為能力を有する者を除く。)をいう。
 
山梨県 青少年の保護育成のための環境浄化に関する条例 第四条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 青少年 満十八歳に満たない者(法令の規定により成年に達したとみなされる者を除く。)をいう。
 
長野県 長野県子どもを性被害から守るための条例 第3条 この条例において「子ども」とは、18歳未満の者をいう。

(威迫等による性行為等の禁止)
第17条 何人も、子どもに対し、威迫し、欺き若しくは困惑させ、又はその困惑に乗じて、性行為又はわいせつな行為を行ってはならない。
2 何人も、子どもに対し、威迫し、欺き若しくは困惑させ、又はその困惑に乗じてわいせつな行為を行わせてはならない。
3 何人も、子どもに対し、自己の性的好奇心を満たす目的で、性行為又はわいせつな行為を見せ、又は教えてはならない。
×
  東御市青少年健全育成条例 第4条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳未満の者(婚姻によって成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
岐阜県 岐阜県青少年健全育成条例 第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者(法律によつて成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
静岡県  静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例 第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 満18歳に達するまでの者(婚姻によつて成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
愛知県 愛知県青少年保護育成条例 第四条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者をいう。

(いん行、わいせつ行為の禁止)
第十四条 何人も、青少年に対して、いん行又はわいせつ行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対して、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
×
三重県 三重県青少年健全育成条例 定義)
第三条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  青少年 十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
滋賀県 滋賀県青少年の健全育成に関する条例 (業者の自主規制)
第10条 図書等を取り扱い、または興行を主催する者その他この条例の規定の適用を受ける業者は、県の行う社会環境を浄化するための施策に協力するとともに、相互に協力して自主的な規制措置を講じることにより、青少年(6歳以上18歳未満の者をいい、婚姻した女子を除く。以下同じ。)の健全な育成を阻害することのないように努めなければならない。
 
京都府 青少年の健全な育成に関する条例 第12条 この章以下において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳未満の者(婚姻により成年に達したとみなされる者を除く。)をいう
 
大阪府 大阪府青少年健全育成条例 第三条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
兵庫県 少年愛護条例 定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳未満の者(法律により成年に達したものとみなされる者及び成年者と同一の行為能力を有する者を除く。)をいう。
 
奈良県 奈良県青少年の健全育成に関する条例 第17条 この章及び次章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定める
ところによる。
一 青少年 6歳以上18歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされた者を除く。)
をいう。
 
和歌山県 和歌山県青少年健全育成条例 第8条 この章以下において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳に達するまでの者(法律の規定により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
鳥取県 鳥取県青少年健全育成条例 定義)
第10条 1この章以下において「青少年」とは、18歳未満の者(婚姻した者を除く。)をいう。
 
島根県 島根県青少年の健全な育成に関する条例 第4条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定める
ところによる。
⑴ 青少年 18歳未満の者をいう。

第4章 青少年の福祉を阻害するおそれのある行為の禁止等
(淫らな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第21条 何人も、青少年に対し、淫らな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年にわいせつな行為をさせてはならない。
3 何人も、青少年に対し、第1項の行為を教え、又は見せてはならない。
×
岡山県 岡山県青少年健全育成条例 (定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 青少年 満十八歳に満たない者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
広島県 広島県青少年健全育成条例 第十五条 この章以下(第六章を除く。)において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者(婚姻により成人に達したとみなされる者を除く。)をいう
 
山口県 山口県青少年健全育成条例 (定義)
第四条 この条例で「青少年」とは、満十八歳に達するまでの者(小学校就学の始期に達するまでの者及び女子であつて配偶者のある者を除く。)をいう。
 
徳島県 徳島県青少年健全育成条例 第五条 この章、次章及び第六章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳に満たない者をいう

第十四条 何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え又は見せてはならない。
×
香川県 香川県青少年保護育成条例 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)  青少年 18歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
愛媛県 愛媛県青少年保護条例 (定義)
第3条 この条例において「青少年」とは、6歳以上18歳未満の者(婚姻した女子を除く。)をいう。
 
高知県 高知県青少年保護育成条例 第7条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。
 
福岡県 福岡県青少年健全育成条例 (定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八才未満の者(他の法令により成年者と同一の能力を有するとされる者を除く。)をいう。
 
佐賀県 佐賀県青少年健全育成条例 第8条 この章以下において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 18歳未満の者(婚姻により成年に達したとみなされた者を除く。)をいう。
 
長崎県 長崎県少年保護育成条例 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 少年 18歳未満の者(他の法令により成年者と同一の能力を有する者を除く。)をいう。
 
熊本県 熊本県少年保護育成条例 第4条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 少年 小学校就学の始期から18歳に達するまでの者(婚姻した女性を除く。)をいう。ただし、第18条の2、第18条の3及び第18条の4においては、18歳に満たない者をいう。
 
大分県 青少年の健全な育成に関する条例  第三条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めると
ころによる。
一 青少年 十八歳未満の者(他の法令により成年者と同一の能力を有する者を除く。)
をいう。 
 
宮崎県 宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例 第10条 この章以下において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところ
による。
(1) 青少年 18歳未満の者をいう。
×
鹿児島県 鹿児島県青少年保護育成条例 第4条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 青少年 6歳から18歳に達するまでの者(婚姻した者を除く。)をいう。
 
沖縄県 沖縄県青少年保護育成条例 第5条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)  青少年 満18歳に達するまでの者(婚姻した女子を除く。)をいう。
 

 

 

長野県の説明
第6回「子どもを性被害から守るための条例のモデル検討会」
○青木次世代サポート課長
申し訳ございません。いろいろご議論いただきましてありがとうございました。
1点、事務局から資料等を用意していなかったんですけれども、結婚擬制についてはどうするかという問題がまた残っていたかと思います。結婚、18歳未満であっても、当然、女性の場合、16歳で結婚できるということで、その場合、本案を対象にするか否かということなんですけれども。
多くの道府県では、結婚擬制を条例上規定してということで、したがって、保護対象から外すという形をとっております。6都県のみが保護対象としているという中、それからまた国の法律においては、結婚擬制はしておらず、法律の保護対象としているという状況でございますけれども。長野県の場合、いかがしたらよろしいでしょうか。
○安部座長
法律家の皆さんにお聞きしたほうがいい話なんですね、皆さん法律家ということでありますので。
民法上の婚姻擬制、結婚によって成年と同じ扱いをするというのが、それが大原則でありますけれども。条例の中で、確かに健全育成条例の中で、婚姻をした者については成年と同じ扱いをするという観点から、被害者としての類型には入れないという規定を盛った自治体が多くありますけれども。
先ほどご紹介ありましたように、6都県には東京都も入るわけですが、これは特にその趣旨で規定されているものではないので、もともと立法趣旨が違うので、擬制する必要はないと。
つまり婚姻をしたことによって、青少年という概念から外れるということはないんだというのが東京都の立場だと思うんですが、長野県ではどうしましょうかというのが事務局からの確認です。検討会ではその点について議論しておりませんけれども。
峰委員、何かご意見ございますか。
○峰委員
確かに婚姻擬制の趣旨がこの条例に妥当するかどうかということは、ちょっと微妙な問題だと、特に婚姻ということと性交渉ということは不可欠な概念だと思いますので、微妙なところはあるかと思うんですけれども。
ただ、趣旨から考えますと、あえてこの本県の条例で、婚姻擬制を導入するということは必要がないのではないかという気が、今の段階ではしております。
○安部座長
轟委員、いかがでしょうか。
○轟委員
これも結婚で性交渉が不可欠だから性理解も深まっているはずであって、そういった、子どもについては外すというのも、これも一理あるし、やはり抑制的な適用の観点から外すのも一つかなと、ちょっと素朴には考えます。
○安部座長
伊藤委員、いかがでしょうか。
○伊藤委員
私は峰委員と同じ意見です。ちょっとその趣旨からすると、青少年保護みたいなところの切り口だと、結婚したのに性交渉がちょっとというのはあったのかもしれないんですけれども、性被害から守るという趣旨で、結婚すると成人と一緒だから、性被害から守らないとかという、何かその婚姻擬制の規定を置くのが全体的に浮くかなという気もしていて、現時点では置かなくてもいいのかなという気がしています。
○安部座長
一つはみだら性という行為規範との関係があるようなんですよね、青少年健全育成条例の場合は。その淫行とか、みだらな性行為、結婚していたらもうみだらではないという、そういう価値観がまず出発点でありますので、外していく部分はあるんですよね。
ただ、ここでの議論は、そのみだら性の部分という話ではありません。子どもが受けている被害、性的な被害をいかにしてこれに一定の介入をしていくかという話になりますから、それは結婚していようといまいと、そのために、それなら結婚して別れるとか、いろいろまた状況が変わってくると思いますが、そういう婚姻関係の人であっても本条例の保護の対象ということになり得るものと思います。それはあなたは結婚しているから公的な支援はしませんというのは非常に奇妙な話ですよね。
そういう視点から見れば、当然、性被害支援条例といってもいいと思いますが、そういう観点から見た場合には、当然、除外すべきではないのではないかというのが、私の考えです。
○轟委員
国会で、大分、成人擬制や何かも18歳どうするかという議論をして、その点は何か、変わるんですよね。
○安部座長
それは18歳で、現行で女子16以上男子18以上ではありますが、統一して日本も18歳に上げるということに、要綱というのになっていましたし、民法改正という形になっていますので、そのように法制が変わってくるというところは見越せますけれども。
一応それはこの議論から外したところで、先ほど申し上げたような本条例の趣旨から考えたときには、婚姻擬制というのは必要ないのではないかということでよろしいですか。はい、それでは婚姻擬制はしないということであります。
そうしますと、委員の提案について、資料3について検討いただいたということになりますので、これで検討を終えたいと思いますが。

 

秋田県〔解説〕s53
ー第一号の青少年を、「六歳以上十八歳未満の者」と規定したのは、六歳未満の者は、有害環境の影響を受けることが比較的少なく~保護者の注意で十分監護しうると思われ、最高を十八歳未満としたのは、児童福祉法風俗営業等取締法、労働基準法を考慮して定めた基準であって、この年令以上になれば精神的にも肉体的にも安定性が増し、成人に準じてその自主的判断に委せた方がよいことを考慮にいれたものである。
ただし、高等学校在学中に十八歳に達する者がいるが、この場合においては、在学中であることを考慮し他の生徒と同様に育成されることが望ましいことはいうまでもない。、民法第七百五十六条で定める「婚姻により成人に達したものとみなされる者」を除外していないのは、児童福祉法風俗営業等取締法、労働基準法未成年者喫煙禁止法未成年者飲酒禁止法等も、青少年を保護する趣旨の規定において婚姻をしている女子を除外していないことと、民法の規定は、婚姻した未成年者の利益を図るために私法上成年者と同じ能力を与えるという趣旨に過ぎず、十六歳及び十七歳の女子で婚姻している者も、身体的、精神的にはまだ成熟に達しているとはいえないことなどから、この条例で保護することが必要である点を考慮したものである。"
東京都【解説】r01
第1号で青少年を18歳未満の者とする基準を定めたのは、児童福祉法風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風適法」という。)などで年齢が18歳未満の者を一定の保護対象としていること、青少年の精神的・身体的な発達状況等を考慮したものである。"

愛知県解説h21
2 平成17年の改正前の条例では、青少年の始期を「6歳以上」としていたが、最近、深夜に大型の複合施設において就学前の6歳に満たない子どもを同伴する保護者が見受けられたり、就学前の子どもが強制わいせつの被害に遭うなど、これまで予期しなかった低年齢の子どもの健全育成を阻害する問題が発生していることから、6歳に満たない子どもについても条例の保護の対象とする必要があるため、平成17年3月の改正で青少年の定義から下限年齢を撤廃したものである。最高を18歳未満としたのは、この年齢以上になれば、社会的にも自立性が増し、保護性が希薄となるからである。"

島根県(解説)h15
1 青少年を18歳末満としたのは、児童福祉法風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の法令で18歳末満者を保護対象としていることと、一般的な青少年の精神的、身体的な発育状態を考慮したものである。"

徳島県〔解説〕h22
1 第1号関係
(1) 「青少年」とは、18歳未満の者をいう。
なお、第2章、第3章及び第6章以外の青少年については、社会情勢の変化やその育成・支援の内容により対象となる年齢幅が異なることから明確な規定はしていない。
(2) 青少年を18歳未満の者としたのは、児童福祉法等の関係法令で18歳未満の者を保護対象としていること、及び一般的な青少年の精神的・身体的な発育状態を考慮したものである。

 
宮崎県解説h19
2 第1号について
「青少年」の定義を18歳未満の者とした理由
(1)上限を「18歳未満」としたのは、医学的心理学的にみた人間の身体的精神的な発達状況、児童福祉法風俗営業等の規制及び業務の適性化等に関する法律、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律、労働基準法等の各種法令、映倫管理委員会日本ビデオ倫理協会等の関係業界団体の自主規制の状況、県民一般の意識等を総合的に考慮した結果である。
なお、前章までにいう「青少年」とは、広義の青少年、すなわち青少年行政の対象である概ね30歳未満の者と考えて差し支えない。
(2)青少年には、乳幼児も含まれる。
近年、幼稚園や保育所への入園(所)率の増加など乳幼児が家庭外に出る機会が多くなってきており、乳幼児といえども外界の影響を受けるおそれは十分にある。ことに、人間が乳幼児期に受ける影響は、その人の将来の人格形成に大きく作用するといわれており、従って、不健全な社会環境や行為から乳幼児を保護することは、大きな意義を持つものと思われる°
(3)青少年には婚姻をしている女子も含まれる。
16歳以上の女子は婚姻をすることができる(民法第731条)が、16歳及び17歳の女子で婚姻をしている者も身体的精神的にはまだ成熟しているとはいえず、この条例で保護することが必要である。
民法第753条は、「未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。」と規定しているが、この規定は、婚姻をした未成年者の利益を図るために私法上成年者と同じ能力を与えるという趣旨に過ぎず、民法以外の法律には原則として適用がないと解されている。
児童福祉法風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律、労働基準法未成年者喫煙禁止法未成年者飲酒禁止法等も、青少年を保護する趣旨の規定において、婚姻をしている女子を適用除外とはしていない。




「後から17歳と言われた」淫行・わいせつ行為(青少年条例違反)について「犯罪にあたらない」「結局のところ知らなかったから罪にならない」という弁護士(ココナラ法律相談)

 東京都を除いて同様の規定があって、「当該行為の相手が青少年であることを知らないことを理由として~~の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。」となっているので、知らなかった場合でも過失だと処罰されちゃいますね。
 しかもどの程度の調査義務があるかというと、おおかたの県では「単に紹介者および本人の言葉や、容姿、態度、前歴等の外観的事情によってその者が満一八歳以上であると信じただけでは足らず、さらに客観的な資料として本人の戸籍謄・抄本あるいは住民票等について正確な調査をして、その者の年令を確認すべき注意義務があるのであって、右の確認措置を採らないかぎり、その者の年令を知らなかったことについて過失がなかったとはいえないものと解すべきが相当である。」という風営法判例を紹介しています。県と警察の見解ですけど、一回性の淫行に適用できるのかは疑問です。
 公開の掲示板で、誤った回答をすると、後から見た人がそれを信じて行動されることがあって、逮捕されることもあるし、弁護士全体の信用に関わります。

福島県青少年健全育成条例
34条
6 第24条から第24条の3まで又は第25条第2項の規定に違反した者は、当該行為の相手が青少年であることを知らないことを理由として第1項から第4項までの規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。
解説
第6項の「過失がないときは、この限りでない」とは、第24条、第24条の2,第24条の3及び第25条第2項の規定に違反した者が、当該行為の相手が青少年であることを知らなかったことについて過失がなかった場合は、処罰されないということである。「過失のないとき」とは、具体的事案ごとに提出された客観的資料の種類、その提出の際の状況、及びその確認方法の有無、難易等を総合的に検討して、社会通念に照らし、通常可能な調査が適切に尽くされているといえるか否かによって決せられることになる(昭和46年11月大阪高裁)。

阪高裁昭和46年11月16日
 年令に制限のある接客婦などを雇入れる場合において、その言葉や、前歴、容姿、態度あるいは紹介者の言葉だけでは人の正確な年令を知り得ないことはいうをまたないところであるうえ、接客婦として、雇傭されることを希望する者はその希望を遂げようとしてその紹介者は固より本人自身も恰も満一八歳以上であるかのように装い、その年令を偽り、雇主を欺くことの事例の多いことは証人Aの証言からも十分うかがわれるところであり、したがって、単に紹介者および本人の言葉や、容姿、態度、前歴等の外観的事情によってその者が満一八歳以上であると信じただけでは足らず、さらに客観的な資料として本人の戸籍謄・抄本あるいは住民票等について正確な調査をして、その者の年令を確認すべき注意義務があるのであって、右の確認措置を採らないかぎり、その者の年令を知らなかったことについて過失がなかったとはいえないものと解すべきが相当である。

https://legal.coconala.com/bbses/8926
弁護士からの回答タイムライン
村山 大基
村山 大基弁護士
京都府 > 京都市中京区
離婚・男女問題に注力する弁護士
もちろん断言まではできませんが、
お書き頂いた事情を読む限りは、犯罪にあたらないと思います。
なかなか公開のネット相談では詳しい事情を聴きづらいので、
心配でしたらトーク履歴を持ってお近くで相談に行かれるとよいと思います。
2020年3月12日 09:00

村山 大基弁護士
京都府 > 京都市中京区
離婚・男女問題に注力する弁護士
金銭や利益の供与がないこともあわせて多分大丈夫だと思いますが、
本件との関係では、一応念のため履歴は残しておいたほうがいいと思います。
消すのはいつでもできますので。
2020年3月12日 09:15

村山 大基弁護士
京都府 > 京都市中京区
離婚・男女問題に注力する弁護士
せっかく相談に行かれたのに言いづらいのですが、

もう一回、刑事事件に詳しい弁護士に相談に行かれることをお勧めします。
大まかに相談したい内容を伝えて、ある程度知識があるか、
聴いてみるのもいいと思います。

受け答えで少なくとも刑事事件全然やってなさそうな感じはつかめるかと思います。

お住いの地域の事で、かつ詳細な調査もしていないので感覚としてですが、
仮にその回答が正しかったとすると、

17歳11か月の人が嘘をついていた場合でも、18歳未満である以上
見破れないと処罰されることになりますが、あまりに酷なような気がします。
2020年3月13日 09:06

村山 大基弁護士
京都府 > 京都市中京区
離婚・男女問題に注力する弁護士
補足です。

相談に行かれた際の回答で、

知らなかったことや、経緯をちゃんと説明すれば無罪になる可能性がある、
というのは、結局のところ知らなかったから罪にならない、ということを
おっしゃっていた可能性があります。

知らなくてもダメ(処罰される)なのであれば、知らなかったことを説明しても
意味がないと思われるからです。
2020年3月13日 09:11

衛生マスクの転売禁止~国民生活安定緊急措置法

 法37条1項は、政令違反罪としか規定されておらず、構成要件と法定刑は政令で決めることになっていて、令和2年の国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令がその政令ということになっています。
 「衛生マスク」の定義はありません。
 当該衛生マスクの購入価格を超える価格によるものが禁止されますが、別途送料等をとる販売方法が「購入価格を超えるのか」については、不明です。

割当て又は配給等)
第二十六条 物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められるときは、別に法律の定めがある場合を除き、当該生活関連物資等を政令で指定し、政令で、当該生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる。
2 前項の政令で定める事項は、同項に規定する事態を克服するため必要な限度を超えるものであつてはならない。
第三十七条 第二十六条第一項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して当該違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。

https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200310002/20200310002-3.pdf
令和2年政令第 号
国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令
内閣は、国民生活安定緊急措置法(昭和四十八年法律第百二十一号)第二十六条第一項及び第三十七条の規定に基づき、この政令を制定する。
第一条第一項中「国民生活安定緊急措置法(以下「法第四条を第六条とし、第三条を第五条とし、第二条を第四条とする。国民生活安定緊急措置法施行令(昭和四十九年政令第四号)の一部を次のように改正する。」という。)」を「法」に改め、同条を第三条とし、同条の前に次の二条を加える。
(法第二十六条第一項の政令で指定する生活関連物資等)
第一条
国民生活安定緊急措置法(以下「法」という。)第二十六条第一項の政令で指定する生活関連物資等は、衛生マスクとする。
(衛生マスクの転売の禁止)
第二条
衛生マスクを不特定の相手方に対し売り渡す者から衛生マスクの購入をした者は、当該購入をした衛生マスクの譲渡(不特定又は多数の者に対し、当該衛生マスクの売買契約の締結の申込み又は誘引をして行うものであつて、当該衛生マスクの購入価格を超える価格によるものに限る。)をしてはならない。

本則に次の一条を加える
第七条
1 第二条の規定に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1この政令は、公布の日から起算して四日を経過した日から施行する。
(経過措置)
2改正後の第二条の規定は、同条に規定する譲渡のうちこの政令の施行の日前に締結された売買契約によるものについては、適用しない。
3 別表第一国民生活安定緊急措置法施行令(昭和四十九年政令第四号)の項中「第四条第一項」を「第六地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)の一部を次のように改正する。条第一項」に改める

昭和四十八年法律第百二十一号
国民生活安定緊急措置法
(目的)
第一条 この法律は、物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処するため、国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の価格及び需給の調整等に関する緊急措置を定め、もつて国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保することを目的とする。
(この法律の運用方針)
第二条 政府は、この法律に規定する措置を講ずるに当たつては、国民の日常生活に不可欠な物資を優先的に確保するとともに、その価格の安定を図るよう努めなければならない。
2 政府は、国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の生産、輸入、流通又は在庫の状況に関し、国民生活を安定させるため、必要な情報を国民に提供するよう努めなければならない。
(標準価格の決定等)
第三条 物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、国民生活との関連性が高い物資又は国民経済上重要な物資(以下「生活関連物資等」という。)の価格が著しく上昇し又は上昇するおそれがあるときは、政令で、当該生活関連物資等を特に価格の安定を図るべき物資として指定することができる。
2 前項に規定する事態が消滅したと認められる場合には、同項の規定による指定は、解除されるものとする。
第四条 主務大臣は、前条第一項の規定による指定があつたときは、その指定された物資(以下「指定物資」という。)のうち取引数量、商慣習その他の取引事情からみて指定物資の取引の標準となるべき品目(以下「標準品目」という。)について、遅滞なく、標準価格を定めなければならない。
2 標準価格は、標準品目の物資の生産若しくは輸入の事業を行う者、標準品目の物資の小売業を行う者又は標準品目の物資の販売の事業を行う者(小売業を行う者を除く。)の販売価格について定めるものとする。
3 標準価格は、当該標準品目に係る指定物資の価格の安定を図ることを旨とし、標準的な生産費、輸入価格又は仕入価格に標準的な販売費用及び利潤を加えて得た額、取引の態様及び地域的事情、当該標準品目に係る指定物資の需給の見通し並びに国民生活又は国民経済に及ぼす影響を総合的に勘案して定めるものとする。
4 主務大臣は、第一項の規定により標準価格を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
第五条 主務大臣は、標準品目の物資の標準的な生産費、輸入価格若しくは仕入価格又は需給状況その他の事情に著しい変動が生じた場合において、特に必要があると認めるときは、標準価格を改定するものとする。
2 標準価格は、第三条第一項の規定による指定が解除されたときは、その効力を失う。
3 前条第四項の規定は、前二項の場合に準用する。
(標準価格等の表示等)
第六条 標準価格が小売業を行う者の販売価格について定められたときは、その標準価格に係る指定物資の小売業を行う者は、主務省令で定めるところにより、その標準価格及びその指定物資の販売価格を一般消費者の見やすいように表示しなければならない。
2 主務大臣は、標準価格を小売業を行う者の販売価格について定めた場合において、その標準価格に係る指定物資の小売業を行う者がその標準価格又はその指定物資の販売価格を表示せず又は一般消費者の見やすいように表示していないと認めるときは、その者に対し、その標準価格又は販売価格を一般消費者の見やすいように表示すべきことを指示することができる。
3 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者がその指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
(標準価格に関する指示等)
第七条 主務大臣は、指定物資を販売する者のその指定物資の販売価格が次の各号に掲げる品目の区分に応じ当該各号に規定する価格を超えていると認めるときは、その者に対し、当該各号に規定する価格以下の価格でその指定物資を販売すべきことを指示することができる。
一 標準品目 標準価格(取引の態様又は地域的事情その他の事情がその標準価格を定めるに当たつて考慮した取引の態様又は地域的事情その他の事情と異なるときは、標準価格を基準とし、その取引の態様又は地域的事情その他の事情を参酌して妥当と認められる価格。次号において同じ。)
二 標準品目以外の品目 標準価格を基準とし、当該品目と標準品目との品質、寸法その他の事情の相違を参酌して妥当と認められる価格
2 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
(特定標準価格の決定等)
第八条 第四条から前条までに規定する措置を講じてもなお指定物資の価格の安定を図ることが困難であると認められる場合において、その指定物資の価格の安定を確保することが特に必要であるときは、政令で、当該指定物資を特に価格の安定を確保すべき物資として指定することができる。
2 第三条第二項の規定は、前項の規定による指定に準用する。
第九条 主務大臣は、前条第一項の規定による指定があつたときは、その指定された物資(以下「特定物資」という。)のうち取引数量、商慣習その他の取引事情からみて特定物資の価格の安定のためにその価格の安定を確保すべき品目(以下「特定品目」という。)について、遅滞なく、特定標準価格を定めなければならない。
2 特定標準価格は、全国を通じて、又は主務大臣が定める地域ごとに定めるものとし、取引の態様その他の事情に応じて定めることができる。
3 特定標準価格は、標準的な生産費、輸入価格又は仕入価格に標準的な販売費用及び適正な利潤を加えて得た額を基準とし、当該特定品目に係る特定物資の需給の見通し並びに国民生活又は国民経済に及ぼす影響を考慮して定めるものとする。この場合において、当該特定品目が標準品目であり、かつ、標準価格を特定標準価格とすることが適切と認められるときは、当該標準価格を特定標準価格として定めるものとする。
4 第四条第四項の規定は、第一項の規定により特定標準価格を定めた場合に準用する。
5 特定物資に関する第六条の規定の適用については、同条第一項及び第二項中「標準価格」とあるのは、「特定標準価格」とする。
第十条 主務大臣は、特定品目の物資の標準的な生産費、輸入価格若しくは仕入価格又は需給状況その他の事情に著しい変動が生じた場合において、特に必要があると認めるときは、特定標準価格を改定するものとする。
2 特定標準価格は、第八条第一項の規定による指定が解除されたときは、その効力を失う。
3 第四条第四項の規定は、前二項の場合に準用する。
(課徴金)
第十一条 主務大臣は、特定品目の物資の販売をした者のその販売価格が当該販売をした物資に係る特定標準価格を超えていると認められるときは、その者に対し、当該販売価格と当該特定標準価格との差額に当該販売をした物資の数量を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
2 前項の規定による命令を受けた者は、同項に定める課徴金を納付しなければならない。
3 第一項の場合において、当該販売に係る物資が同項の特定標準価格が告示された日前において生産され、輸入され、又は仕入れられた物資で、その生産費、輸入価格又は仕入価格が当該特定標準価格を定めるに当たつて基準となつた生産費、輸入価格又は仕入価格に比し著しく高いものであることが明らかである場合その他の特別の事情がある場合であつて政令で定める場合には、主務大臣は、政令で定めるところにより、同項の課徴金を減額し、又は免除することができる。
4 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による命令の手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(強制徴収)
第十二条 主務大臣は、前条の規定による課徴金をその納期限までに納付しない者があるときは、督促状により期限を指定してこれを督促しなければならない。
2 主務大臣は、前項の規定による督促をしたときは、同項の課徴金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその納付の日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。
3 主務大臣は、第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、国税滞納処分の例により、これを徴収することができる。
4 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。
(税務行政機関との相互通知)
十三条 主務大臣又はその権限の委任を受けた者は、第十一条第一項の規定による命令をしたときは、その内容を国税庁長官及び関係の地方公共団体の長に通知するものとする。
2 国税庁長官又は地方公共団体の長は、その所管する機関に所属する当該職員が国税又は地方税に関する調査の際に知つた第十一条第一項の規定に該当する販売に関する事項を主務大臣に通知するものとする。
(生産に関する指示等)
第十四条 物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が不足することにより国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営が著しく阻害され又は阻害されるおそれがあるときは、別に法律の定めがある場合を除き、政令で、当該生活関連物資等を生産を促進すべき物資として指定することができる。
2 第三条第二項の規定は、前項の規定による指定に準用する。
第十五条 前条第一項の規定により指定された物資の生産の事業を行う者(主務省令で定める要件に該当する者を除く。以下「生産業者」という。)は、主務省令で定めるところにより、当該物資の生産に関する計画(以下「生産計画」という。)を作成し、主務大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 主務大臣は、前条第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、前項の規定による届出をした生産業者に対し、その届出に係る生産計画を変更すべきことを指示することができる。
3 第一項の規定による届出をした生産業者(前項の規定による指示があつた場合において、その指示に従つて生産計画の変更をしなかつた者を除く。)は、その届出に係る生産計画(第一項後段の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)に沿つて前条第一項の規定により指定された物資の生産を行わなければならない。
4 主務大臣は、第二項の規定による指示を受けた者がその指示に従わなかつたとき、又は前項に規定する生産業者が正当な理由なくその届出に係る生産計画に沿つて前条第一項の規定により指定された物資の生産を行わなかつたと認めるときは、その旨を公表することができる。
(輸入に関する指示等)
第十六条 物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が不足することにより国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営が著しく阻害され又は阻害されるおそれがあり、かつ、当該生活関連物資等の輸入の促進によりこれに対処する必要があると認められるときは、政令で、当該生活関連物資等を輸入を促進すべき物資として指定することができる。
2 第三条第二項の規定は、前項の規定による指定に準用する。
第十七条 主務大臣は、前条第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、同項の規定により指定された物資の輸入の事業を行う者で当該物資の輸入事情を考慮して当該物資の輸入をすることができると認められるものに対し、輸入をすべき期限及び数量を定めて、当該物資の輸入をすべきことを指示することができる。
2 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
第十八条 主務大臣は、前条に規定する措置をもつてしては第十六条第一項に規定する事態を克服することが困難であると認めるときは、特別の法律により特別の設立行為をもつて設立された法人のうち政令で定めるものに対し、輸入をすべき期限及び数量を定めて、同項の規定により指定された物資の輸入をすべきことを指示することができる。
2 前項の規定による指示を受けた法人は、当該特別の法律の規定にかかわらず、その指示を受けたところに従つて当該物資の輸入に関する業務を行うことができる。
第十九条 主務大臣は、第十七条第一項又は前条第一項の規定による指示をしようとするときは、国際的取引秩序を乱すことのないよう配意しなければならない。
(保管に関する指示等)
第二十条 物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等のうちあらかじめその出荷を調整しなければ供給が不足する場合に対処することが困難なものにつきその供給が不足することにより国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営が著しく阻害されるおそれがあるときは、政令で、当該生活関連物資等を供給の安定を図るべき物資として指定することができる。
2 第三条第二項の規定は、前項の規定による指定に準用する。
第二十一条 主務大臣は、前条第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、同項の規定により指定された物資の生産、輸入又は販売の事業を行う者に対し、保管をすべき期間及び数量を定めて、当該物資の保管をすべきことを指示することができる。
2 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
(売渡し、輸送又は保管に関する指示等)
第二十二条 主務大臣は、特定の地域において生活関連物資等の供給が不足することにより当該地域の住民の生活の安定又は地域経済の円滑な運営が著しく阻害され又は阻害されるおそれがあり、当該地域における当該生活関連物資等の供給を緊急に増加する必要があると認めるときは、当該生活関連物資等の生産、輸入又は販売の事業を行う者に対し、売渡しをすべき期限及び数量、売渡先並びに売渡価格を定めて、当該生活関連物資等の売渡しをすべきことを指示することができる。
2 主務大臣は、前項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、当該生活関連物資等の輸送の事業を行う者に対し、輸送をすべき期限、数量及び区間並びに輸送条件を定めて、当該生活関連物資等の輸送をすべきことを指示することができる。
3 主務大臣は、第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、当該地域において当該生活関連物資等に係る物品の保管の事業を行う者に対し、保管をすべき期間及び数量並びに保管条件を定めて、当該生活関連物資等の保管をすべきことを指示することができる。
4 主務大臣は、前三項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
(設備投資に関する指示等)
第二十三条 物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営を確保するため設備投資に関する需要の抑制を図る必要があると認められるときは、政令で、設備投資を抑制すべき期間として六月を下らない期間を指定することができる。
第二十四条 前条の規定により指定された期間内に建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物をいい、公益上又は国民生活上必要な建築物であつて政令で定めるもの及び次条第一項の規定により届出をすべき設備投資計画に係る建築物を除く。以下同じ。)であつて、政令で定める規模以上のものの建築(移転を除く。以下同じ。)をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、工事計画を作成し、主務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 主務大臣は、前項の規定による届出があつた場合において、当該建築物の建築が国民生活上又は国民経済上の緊急性その他の事情を参酌して政令で定める基準に適合しないと認めるときは、その建築をしようとする者に対し、工事計画の全部若しくは一部の実施の延期又は当該建築物の規模の縮小を指示することができる。
3 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
第二十五条 第二十三条の規定により指定された期間のうち主務省令で定める期間内に、次の各号に該当する設備の設置をしようとする事業者(その事業の用に供する設備に対する投資を抑制することが必要であるものとして政令で定める事業を行う者をいい、主務省令で定める要件に該当する者を除く。以下同じ。)は、主務省令で定めるところにより、設備投資計画を作成し、主務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 直接その事業の用に供する機械、装置その他の設備の設置であること。
二 当該主務省令で定める期間ごとの設備の設置に要する投資総額が政令で定める金額を超えるものであること。
2 主務大臣は、前項の規定による届出があつた場合において、当該設備の設置が国民生活上又は国民経済上の緊急性その他の事情を参酌して政令で定める基準に適合しないと認めるときは、当該事業者に対し、設備投資計画の全部若しくは一部の実施の延期又は当該投資総額の減少を指示することができる。
3 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
(割当て又は配給等)
第二十六条 物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められるときは、別に法律の定めがある場合を除き、当該生活関連物資等を政令で指定し、政令で、当該生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる。
2 前項の政令で定める事項は、同項に規定する事態を克服するため必要な限度を超えるものであつてはならない。
(消費者委員会への諮問等)
第二十七条 消費者委員会は、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、生活関連物資等の割当て又は配給その他この法律の運用に関する重要事項を調査審議する。
2 消費者委員会は、前項に規定する事項に関し、内閣総理大臣又は関係各大臣に対し、意見を述べることができる。
(国会への報告)
第二十八条 政府は、おおむね六月に一回、国会に、この法律の施行の状況を報告するものとする。
(帳簿の記載)
第二十九条 指定物資を販売する者(主務省令で定める要件に該当する者を除く。)は、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、当該指定物資に係る経理に関し主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(立入検査等)
第三十条 主務大臣は、第六条、第七条及び第十一条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、指定物資を販売する者に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告させ、又はその職員に、これらの者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 主務大臣は、第十五条、第十七条、第二十一条、第二十二条、第二十四条及び第二十五条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、生活関連物資等の生産、輸入、販売若しくは輸送の事業を行う者、生活関連物資等に係る物品の保管の事業を行う者若しくは第二十四条第一項若しくは第二十五条第一項に規定する者に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告させ、又はその職員に、これらの者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3 主務大臣は、第二十六条第一項の規定に基づく政令の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、同項の規定により指定された生活関連物資等の生産、輸入若しくは販売の事業を行う者その他政令で定める関係者に対し、同項に規定する事項に関し報告させ、又はその職員に、これらの者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
4 第一項の規定により立入検査若しくは質問をする職員又は前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
5 第一項から第三項までの規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(経過措置)
第三十一条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(主務大臣及び主務省令)
第三十二条 この法律における主務大臣及び主務省令は、政令で定める。
地方公共団体が処理する事務等)
第三十三条 この法律による権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、地方公共団体の長が行うこととすることができる。
2 この法律による権限は、政令で定めるところにより、外局の長又は地方支分部局の長に委任することができる。
(罰則)
第三十四条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第二十九条の規定に違反して同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつた者
二 第三十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
三 第三十条第二項若しくは第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条第二項若しくは第三項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第三十五条 第十五条第一項、第二十四条第一項又は第二十五条第一項の規定による届出をしなかつた者は、二十万円以下の罰金に処する。
第三十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
第三十七条 第二十六条第一項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して当該違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。
附 則 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後一年以内に、この法律の規定及びその実施状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則 (昭和五八年一二月二日法律第八〇号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、総務庁設置法(昭和五十八年法律第七十九号)の施行の日から施行する。
(経過措置)
5 従前の総理府又は行政管理庁の審議会等で、次の表の上欄に掲げるもの及びその会長、委員その他の職員は、それぞれ下欄に掲げる行政機関の相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
公務員制度審議会
恩給審査会
地域改善対策協議会
青少年問題審議会
統計審議会
総務庁
国民生活安定審議会
経済企画庁
放射線審議会
科学技術庁
海外移住審議会
外務省
中央心身障害者対策協議会
厚生省
農政審議会
沿岸漁業等振興審議会
林政審議会
農林水産省
中小企業政策審議会
通商産業省
観光政策審議会
運輸省
雇用審議会
労働省
6 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定めることができる。
附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日
(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日
(別に定める経過措置)
第三十条 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附 則 (平成二一年六月五日法律第四九号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、消費者庁及び消費者委員会設置法(平成二十一年法律第四十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第九条の規定 この法律の公布の日
(処分等に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下「旧法令」という。)の規定によりされた免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下「新法令」という。)の相当規定によりされた免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2 この法律の施行の際現に旧法令の規定によりされている免許の申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定によりされた免許の申請、届出その他の行為とみなす。
3 この法律の施行前に旧法令の規定により報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行日前にその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、新法令の相当規定によりその手続がされていないものとみなして、新法令の規定を適用する。
(命令の効力に関する経過措置)
第五条 旧法令の規定により発せられた内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定に基づいて発せられた相当の内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令としての効力を有するものとする。
(罰則の適用に関する経過措置)
第八条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
政令への委任)
第九条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

裸の孫の写真の3号児童ポルノ性~長州力、“不適切表現”のSNS写真を削除されて嘆き 「ダメなのか?」

 
 全裸半裸だとすると「性欲を興奮させ又は刺激するもの」かの問題。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
2条3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

 大阪高裁h24.7.12によれば、児童ポルノということになります。

阪高裁平成24年7月12日
2 控訴趣意中,その余の法令適用の誤りの主張について
 論旨は,(1)本件各画像は,児童の裸が撮影されているが,一般人を基準とすると「性欲を興奮させ又は刺激するもの」ではないから,児童ポルノ法7条2項の製造罪(以下「2項製造罪」という。)は成立しないのに,原判決は原判示罪となるべき事実に同法7条2項,1項,2条3項3号を適用しており,また,(2)本件は,公衆浴場内での4件の2項製造罪であって,常習的に撮影,提供がされていたのであるから,それらは包括一罪となり,また,被害児童が特定されているのは1件だけであり,3件は被害児童が特定されておらず,結局被害児童は1名としか認定できないから,その意味でも包括一罪とすべきであるのに,原判決は,併合罪として処理しており,以上の各点で,原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というものである。
 そこで検討するに,(1)の点は,本件各画像が「性欲を興奮させ又は刺激するもの」といえるかどうかについては一般人を基準として判断すべきものであることはそのとおりである。しかし,その判断の基準とすべき「一般人」という概念は幅が広いものと考えられる。すなわち,「一般人」の中には,本件のような児童の画像で性的興奮や刺激を感じる人もいれば,感じない人もいるものと考えられる。本件は,公衆浴場の男湯に入浴中の女児の裸の画像が対象になっており,そこには大人の男性が多数入浴しており,その多くの男性は違和感なく共に入浴している。そのことからすると,一般人の中の比較的多くの人がそれらの画像では性的興奮や刺激を特に感じないということもできる。しかし,その一方で被告人のようにその女児の裸の画像を他の者から分からないように隠し撮りし,これを大切に保存し,これを密かに見るなどしている者もおり,その者らはこれら画像で性的興奮や刺激を感じるからこそ,これら画像を撮影し,保存するなどしているのである。そして,これらの人も一般人の中にいて,社会生活を送っているのである。ところで,児童ポルノ法が規制をしようとしているのはこれらの人々を対象にしているのであって,これらの人々が「一般人」の中にいることを前提に違法であるか否かを考える必要があると思われる。他人に提供する目的で本件のような低年齢の女児を対象とする3号ポルノを製造する場合は,提供を予定されている人は一般人の中でそれらの画像で性的興奮や刺激を感じる人達が対象として想定されているものであり,そのような人に提供する目的での3号ポルノの製造も処罰しなければ,2項製造罪の規定の意味がそのような3号ポルノの範囲では没却されるものである。したがって,比較的低年齢の女児の裸の画像では性的興奮や刺激を感じない人が一般人の中では比較的多数であるとしても,普通に社会生活を営んでいるいわゆる一般の人達の中にそれらの画像で性的興奮や刺激を感じる人がいれば,それらの画像は,一般人を基準としても,「性欲を興奮させ又は刺激するもの」であると解するのが相当である。
 したがって,原判決が原判示各事実に児童ポルノ法7条2項,1項,2条3項3号を適用したのは正当である。

横浜地裁h28.7.20は沐浴写真を児童ポルノに該当しないとしている。

保護責任者遺棄致傷,強制わいせつ,児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反,強制わいせつ(変更後の訴因わいせつ誘拐,強制わいせつ),殺人,強制わいせつ致傷被告事件
横浜地方裁判所判決平成28年7月20日
第8 児童ポルノ製造事件について
   甲228号証及び甲230号証の各画像中,一部の画像(甲228号証添付資料12の写真1ないし17,甲230号証添付資料2の写真1ないし5,同資料7の写真6ないし10,同資料10の写真1,2,同資料11の写真3,同資料15の写真1,2,8ないし13及び15)については,被害児童が衣服の全部又は一部を着けない状態にはあるものの,通常の沐浴をしている情景としか見られないなど,性欲を興奮させ又は刺激するものに該当しないと判断したため,これらの画像については児童ポルノ製造罪は成立しない。

長州力、“不適切表現”のSNS写真を削除されて嘆き 「ダメなのか?」
https://news.merumo.ne.jp/article/genre/9523043
■ファンから同情の声も
一連の流れを受け、ユーザーからは「全く気にしていなかった」「あれが不適切なら世も末」「むしろ癒される」との声が。
アップされた写真の孫は服を着ておらず、裸だったという。スタッフはそれを気にしての削除だと思われるが、「削除までしなくても…」というファンは少なくないようだ。
また、コメントのなかには「絵文字で隠せばよかった」とのアドバイスも。隠すことを覚え、かわいい孫の写真をまた投稿してほしい。

真剣交際の議論は奇妙か?~~未成年との「真剣交際」って? 大阪府青少年条例めぐる奇妙な議論(産経新聞)

 大阪府青少年健全育成条例の改正案が提案されましたが、「当該青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として性行為又はわいせつな行為を行うこと」を加え、最高裁S60.10.23でいう「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為」(第2類型)も処罰対象に含める趣旨です。
 最高裁S60.10.23のいう「淫行」には当たらないという主張を、判決中の「真摯な交際関係」という表現から、俗に「真摯な交際・真剣交際の主張」というので、「真剣交際以外禁止」という受け止め方が出てくるわけで、当然の反応ということになります。

 S60=1985の判例ですので、交際態様も変わっていると思われ
①ネット交際を真剣交際として評価するか。
②ネット上での性的行為(チャットH、sexting等)も含むのか
LGBTも許容するよね
④青少年条例におけるわいせつ行為の定義
等の点を府議会で議論すべきだと思います。「奇妙」な点はありません。

「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められない」の挙証責任は検察官にありますから、交際状況を説明するなどすれば、「単に」の立証に失敗する場面も出てくると思われます。

「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、
①青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、
②青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。(最大判S60.10.23)
・・・・
最大判S60.10.23
そこで検討するのに、本条例は、青少年の健全な育成を図るため青少年を保護することを目的として定められ(1条1項)、他の法令により成年者と同一の能力を有する者を除き、小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者を青少年と定義した(3条1項)上で、「何人も青少年に対し、淫行又はわいせつの行為をしてはならない。」(10条1項)と規定し、その違反者に対しては2年以下の懲役又は10万円以下の罰金を科し(16条1項)、違反者が青年少者であるときは、これに対して罰則を適用しない(17条)こととしている。これらの条項の規定するところを総合すると、本条例10条1項、16条1項の規定(以下、両者を併せて「本件各規定」という。)の趣旨は、一般に青少年が、その心身の未成熟や発育程度の不均衡から、精神的に未だ十分に安定していないため、性行為等によつて精神的な痛手を受け易く、また、その痛手からの回復が困難となりがちである等の事情にかんがみ、青少年の健全な育成を図るため、青少年を対象としてなされる性行為等のうち、その育成を阻害するおそれのあるものとして社会通念上非難を受けるべき性質のものを禁止することとしたものであることが明らかであつて、右のような本件各規定の趣旨及びその文理等に徴すると、本条例10条1項の規定にいう「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、
青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、
青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。
けだし、右の「淫行」を広く青少年に対する性行為一般を指すものと解するときは、「淫らな」性行為を指す「淫行」の用語自体の意義に添わないばかりでなく、例えば婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等、社会通念上およそ処罰の対象として考え難いものを含むこととなつて、その解釈は広きに失することが明らかであり、また、前記「淫行」を目にして単に反倫理的あるいは不純な性行為と解するのでは、犯罪の構成要件として不明確であるとの批判を免れないのであつて、前記の規定の文理から合理的に導き出され得る解釈の範囲内で、前叙のように限定して解するのを相当とする。このような解釈は通常の判断能力を有する一般人の理解にも適うものであり、「淫行」の意義を右のように解釈するときは、同規定につき処罰の範囲が不当に広過ぎるとも不明確であるともいえないから、本件各規定が憲法31条の規定に違反するものとはいえず、憲法11条、13条、19条、21条違反をいう所論も前提を欠くに帰し、すべて採用することができない。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/37574/00000000/gian0202.pdf
議案82 大阪府青少年健全育成条例一部改正の件 青少年に対し、当該青少年の未成熟に乗じた不当な手段を用い、又は当該青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として性行為又はわいせつな行為を行うことを禁止の対象に含める。
施行日:令和2年6月1日
大阪府条例第   号
大阪府青少年健全育成条例の一部を改正する条例
大阪府青少年健全育成条例(昭和五十九年大阪府条例第四号)の一部を次のように改正する。
次の表の改正前の欄に掲げる規定を同表の改正後の欄に掲げる規定に傍線で示すように改正する。

改正後
(淫らな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第三十九条 (略)
一 (略)
二 青少年に対し、威迫し、欺き、若しくは困惑させることその他の当該青少年の未成熟に乗じた不当な手段を用い、又は当該青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として性行為又はわいせつな行為を行うこと。
三 (略)

改正前
(淫らな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第三十九条 (略)
一 (略)
二 専ら性的欲望を満足させる目的で、青少年を威迫し、欺き、又は困惑させて、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。
三 性行為又はわいせつな行為を行うことの周旋を受け、青少年に対し当該周旋に係る性行為又はわいせつな行為を行うこと。
四 (略)

附則
(施行期日)
1 この条例は、令和二年六月一日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

宮崎礼壹「青少年保護育成条例による『いん行』処罰の合憲性ー最高裁(大法廷)昭和60年10月23日判決ー」法律のひろば淫行 第39巻1号
本判決によっても、本質的な変化を迫られることはないと考えられる(7)。
しかしながら、捜査処理のより実際的な面については、本判決の提起した課題は決して小さくない。第一に、訴因の構成ないし公訴事実の記載については、従来、本件の公訴事実のように、単に「○女が一八歳に満たない青少年であることを知りながら、同女と性交し、もって青少年に対し淫行をしたものである」とする例が多かったように思われるが(もっとも一方において、「結婚を前提とせず、単に自己の欲望を満たすために」とか「自己の欲望を満たすための一時的な対象として」といった語句を挿入するなどの工夫をしている地検も相当数存在する。)、この点は今後一考を要しよう。もとより、被告人及び相手方青少年の年齢、性交に及んだ場所等を見るだけで、本件最高裁判決の要求する基準を満たすことが明らかな場合もあると思われるから、前記のような単純な記載では訴因の特定に欠けるとまで断定はしかねるが、事案に応じ、淫行の淫行たるゆえんを簡潔に摘示する努力が必要とされよう。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200227-00000534-san-soci
未成年との「真剣交際」って? 大阪府青少年条例めぐる奇妙な議論
2/27(木) 15:50配信産経新聞
未成年との「真剣交際」って? 大阪府青少年条例めぐる奇妙な議論
SNSに起因する被害児童数
 18歳未満に対するわいせつ行為を規制する大阪府の「府青少年健全育成条例」(昭和59年施行)の改正案が、2月府議会に提案される。会員制交流サイト(SNS)を通じた現代の性被害に適用できるよう、対象が狭すぎると批判されてきた規制の網を他の都道府県と同レベルに拡大するのが改正の柱だ。だが、一部で「真剣交際以外は違反」と報道されたことで、世間の注目が「真剣交際とは何か」に集まる想定外の事態に。府は「未成年を守るという改正の趣旨が理解されない」と危機感を抱いている。

【グラフ】ネットで知り合った人について 未成年へのアンケート

 ■無知と過信を利用

 「家出中です。泊めていただける方いませんか?」

 「やさしいパパさんお待ちしてます。1時間7千円 性行為× キス×」

 SNSには小中学生や高校生のこんな投稿があふれている。見ず知らずの大人との接触を恐れない彼女たち。見え隠れするのは年齢ゆえの無知や、ネット情報に対する過信だ。その隙は下心を持った大人に簡単に利用される。

 警察庁によると、令和元年にSNSを通じて事件の被害者となった18歳未満は過去最多の2095人。スマートフォンが普及し始めた10年前の1・8倍に増加した。

 ■違法と合法の線引き?

 府の現行条例は、未成年を「脅したり嘘をついたりして」行った性的行為に限って禁じている。これは全国の同様の条例に比べ規制対象が限定的で、府外なら処罰できる事案も、府内では事件化できない現状があった。

 そこで改正案は大多数の都道府県に合わせ、「青少年の未熟さに乗じた」性的行為や「単に自分の性的欲望を満足させるため」のわいせつ行為も禁じた。

 実は、府の改正案には「真剣交際」の言葉はどこにも入っていない。では、なぜこの言葉が報じられ、ネットなどで話題になったのか。

 発端は府が昨年12月~今年1月に行った改正案へのパブリックコメント(意見募集)の説明文だ。府はこの中で、「真摯(しんし)な交際関係での性行為は規制対象ではない」と説明。これが「真剣交際以外は違反」と伝えられることになった。

 この府の説明は「淫行」の定義をめぐる昭和60年の最高裁判決を踏まえたものだ。判決は「婚約中の青少年やこれに準ずる真摯な交際関係」の性行為は処罰対象にならないと判示。実際、他の都道府県条例もこの解釈で運用されている。

 だが、インターネット上では真剣交際の定義づけが始まり、「交際中は真剣でも別れて恨みに変わった場合は?」など違法と合法の線引きが議論されるように。府は「条例に真剣交際という言葉はない」として正しい理解を求めている。
最終更新:2/27(木) 20:19
産経新聞

「メルカリでの断捨離が「古物営業法違反」になるケース 弁護士「重要なのは反復継続性」 PRESIDENT Online」という弁護士のコメント

 条文・解説はここ
https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2020/03/04/000000

 「古物を売却すること~のみを行うもの以外のもの」は、古物営業から除外されていますので(法2条2項1号)、バイトを使うとか組織的に行っても、反復しても、小売店で新品を購入している限りは古物営業に当たりません。
 業者ということですから、店員・社員という組織体も予定されていますので、バイト・店員・社員が小売店に買いに行くのを、営業者がバイト・店員から買取ったという構成は不自然で、小売店から営業者が買取ったという構成になります。
 見知らぬブローカーが出所不明のマスクを売りに来た場合には、古物の買い受けになって、古物営業になる可能性はあります。

https://president.jp/articles/-/32498?page=2
メルカリでの断捨離が「古物営業法違反」になるケース 弁護士「重要なのは反復継続性」
PRESIDENT Online
理崎 智英 弁護士
このところインターネットなどで購入価格よりも高い金額で転売し、お金を儲けている人や組織が目立ちます。こうした人たちは「転売ヤー」などと呼ばれていますが、その中には大量のアルバイトを使って商品を買いあさっているケースもあるようです。そうした場合はどうなのでしょうか。
転売目的で小売店等から自分で購入した商品を第三者に転売する行為は、古物を仕入れたわけではなく、古物営業には該当しないため、古物営業の許可を得る必要はありません。このため個人で活動しているのであれば、「転売ヤー」であっても違法性はないと考えられます。
ただし、アルバイトなどに新品の商品を買わせ、それを買い取って転売している場合、それはアルバイトから古物を買っていることになり、さらに転売目的という点で反復継続性があり「事業」に該当すると考えられますので、古物営業の許可を得る必要があります。組織的な「転売ヤー」は違法性が高いと考えられます

 この解説についていえば、「アルバイトなどに新品の商品を買わせ、それを買い取って転売している場合、それはアルバイトから古物を買っていることになり」というのは不自然な構成ですし、個人ならセーフ組織ならアウトという点は、理由がないと思われます。


追記2020/03/08
編集部の回答
転売ヤーとアルバイトとは一体に捉えていないため不正転売にあたると判断しております。確かに、転売ヤーとアルバイトを一体的にとらえることも可能なのでその場合には、ご質問者さんのような結論になると思います」

いわゆる真剣交際以外淫行禁止の条例~大阪府青少年健全育成条例の一部を改正する条例

 議案は紙で公開しているというので、府庁で見てきました。
f:id:okumuraosaka:20200305114439j:plain

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/37574/00000000/gian0202.pdf
議案82 大阪府青少年健全育成条例一部改正の件 青少年に対し、当該青少年の未成熟に乗じた不当な手段を用い、又は
当該青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として性行為又はわいせつな行為を行うことを禁止の対象に含め
る。
施行日:令和2年6月1日

大阪府条例第   号
大阪府青少年健全育成条例の一部を改正する条例
大阪府青少年健全育成条例(昭和五十九年大阪府条例第四号)の一部を次のように改正する。
次の表の改正前の欄に掲げる規定を同表の改正後の欄に掲げる規定に傍線で示すように改正する。

改正後
(淫らな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第三十九条 (略)
一 (略)
二 青少年に対し、威迫し、欺き、若しくは困惑させることその他の当該青少年の未成熟に乗じた不当な手段を用い、又は当該青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として性行為又はわいせつな行為を行うこと。
三 (略)

改正前
(淫らな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第三十九条 (略)
一 (略)
二 専ら性的欲望を満足させる目的で、青少年を威迫し、欺き、又は困惑させて、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。
三 性行為又はわいせつな行為を行うことの周旋を受け、青少年に対し当該周旋に係る性行為又はわいせつな行為を行うこと。
四 (略)

附則
(施行期日)
1 この条例は、令和二年六月一日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。