児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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アダルトゲームの巨大広告に対する東京都青少年の健全な育成に関する条例の広告規制

アダルトゲームの巨大広告に対する東京都青少年の健全な育成に関する条例の広告規制
 
施行規則でいうと

一著しく性的感情を刺激するもの次のいずれかに該当するものであること。
イ全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
でしょうか。

https://www.bengo4.com/c_23/n_10366/
これに対し、東京都や千代田区には「あんなに胸の肌が露出している内容の広告を一般の道路沿いに出してよいのか」という問い合わせやクレームが相次いだという。東京都の都民安全推進課によると、11月5日に現地を訪れて調査。店舗の会社から、広告の意図や掲示期間を確認したという。

東京都には、有害図書などの指定について定める「東京都青少年の健全な育成に関する条例」があり、第14条で広告も対象となっている(有害広告物に対する措置)。

都民安全推進課では、今回の調査について、「表現の自由もありますので、直ちに広告を外せとか変えてくれという指導はしていません。条例違反であるかという判断をするとしたら、東京都青少年健全育成審議会にかける必要があります」と話す。

東京都に対して店側は「掲示期間は未定」と回答していたが、11月8日にはすでに取り外されていた。都民安全推進課では、「ネットなどでも問題視されており、世間的にどうなのかということから、今後は会社の方でも注意されていくのでは」と話している。

東京都青少年の健全な育成に関する条例の解説 (平成23年7月)
第2条この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
三広告物
屋内または屋外で公衆に表示されるものであって、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物に掲出されまたは表示されたもの並びにこれらに類するものをいう。

(有害広告物に対する措置)
第14条 知事は、広告物の形態またはその広告の内容が、青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、またははなだしく残虐性を助長し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認めるときは、当該広告物の広告主またはこれを管理する者に対し、当該広告物の形態または広告の内容の変更その他必要な措置を講ずることができる。
(審議会への諮問)
第15条知事は、第5条の規定による推奨をし、第8条の規定による指定をし、または前条の規定による措置を命じようとするときは、東京都青少年健全育成審議会の意見を聞かなければならない。
2 知事は、前項の規定により、東京都青少年健全育成審議会の意見を聞くときは、第7章に規定する自主規制を行っている団体があるときは、必要に応じ、当該団体の意見を聞かなければならない。


解説
【要旨】
本条は、知事が、広告物の形態又はその広告の内容について東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な育成を阻害するおそれがあると認める場合に、当該広告主又はその管理人に対し、当該広告物の形態又は広告の内容の変更その他必要な措置を命ずることができる旨を定めた規定である。
【解説】
「広告」とは、随時又は継続して、ある事項を広く一般の人に知らせることをいう。通常は、商業上の目的で行われることが多いが、必ずしも商業上の目的で行われるとは限らない。
「広告主」とは、商業上その他の目的で広告をする者をいう。ここで広告をする者とは、当該広告物を公衆に表示し、又は当該広告物を掲示する物件を設置することについて意思決定をした者をいう。
「広告物を管理する者」とは、直接であると間接であるとを問わず、広告の効用を全うするよう当該広告物を維持管理する者をいう。すなわち、広告主の委託に基づき当該広告物を管理する者はもちろん、企業体などにおける内部的な事務分掌により管理業務を行う者、広告主の申出等により自己の所有し又は占有する建物、工作物等に広告物を表示することを承認した広告代理業者なども広告物を管理する者である。
「その他必要な措置」とは、当該広告物の除去、掲示場所の移転等の措置が考えられる。
平成16年の条例改正において、認定基準で定めていた指定等の基準を施行規則で定めることになり、本条が措置を命ずる基準についても施行規則で規定することとなった。
なお、知事が、これらの措置を命じようとするときは、第18条の2に定める審議会の意見を間かなければならないことになっている。また、本条に違反すると、第26条の規定により罰則の適用がある。
【参考法令】
屋外広告物法第2条第1項(〈屋外広告物〉の定義)
〈本条に違反した者〉
第26条第3号により30万円以下の罰金(直罰)

施行規則
第28条
条例第14条の東京都規則で定める基準は、次の各号に掲げる種別に応じ、当該各号に定めるものとする。
一著しく性的感情を刺激するもの次のいずれかに該当するものであること。
イ全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
ロ,性的行為を露骨に描写し、又は表現することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
ハ イ及びロに掲げるもののほか、その描写又は表現がこれらの基準に該当するものと同程度に卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想さ’せるものであること。
二 甚だしく残虐性を助長するもの次のいずれかに該当するものであること.
イ暴力を不当に賛美するように表現しているものであること。
ロ残虐な殺人、傷害、暴行、処刑等の場面又は殺傷による肉体的苦痛若しくは言語等による精神的苦痛を刺激的に描写し、又は表現しているものであること。
ハ イ及びロに掲げるもののほか、その描写又は表現がこれらの基準に該当するも!のと同程度に残虐性を助長するものであること。

【解説】
本条も施行規則第15条及び第16条と同様、平成16年の条例改正において、認定基準から施行規則での規定となったものである。
第1号のイは第15条第1項第1号のイ、同号のロは第15条第1項第1号のロ、第2号のイは第15条第1項第2号のイ、同号のロは第15条第1項第2号のロと解釈は同じである。.
また、第1号のハ及び第2号のハの適用に関する考え方は、それぞれ、第15条第1項第1号の二と第15条第1項第2号の二と同じである。
第15条第1項における図書類と同様な描写又は表現がなされている看板、立看板、はり紙及びはり札を措置の対象とする。