児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「2011.7の性交」という児童淫行罪の訴因で2018.7に起訴され、「2010.7~2012.4の多数回性交」に訴因変更して有罪とした事案(大阪地裁H31.10.15)

2018.2 捜査開始
2018.7 起訴

当初訴因 2011.7の性交

変更後訴因 2010.7~2012.4の多数回性交

 児童淫行罪は包括一罪というのは、家庭内で行われるから犯行日が特定しづらいというのを救済するためにも使われるんですよね。
「2011.7の性交」を起訴するときは、一連の淫行の最後の1回を起訴していることが多いので、それだと、公訴時効に掛かってしまいます。(「2011.7の性交」という訴因なのに、一連の淫行が審判対象になることになって、訴因制度の趣旨に反します。)
「2010.7~2012.4の多数回性交」ということになれば、全体として、最後の淫行から7年の公訴時効がカウントされることになります。免訴を逃れるための訴因変更には、問題があると思います。

https://digital.asahi.com/articles/ASMBD45SBMBDPTFC004.html
判決によると、男は2010年7月~12年4月ごろ、交際相手の娘で、当時中学生だった女性に自宅で多数回にわたり性交した。

 女性は18年2月に大阪府警に被害を相談し、大阪地検は同7月に起訴。裁判では公訴時効(7年)が争点となった。

 男は11年7月以降は両者間に性交はなかったと主張。起訴時点で時効が成立しているとして、裁判を打ち切る免訴の判決を求めていた。

 佐藤裁判長は、女性が12年夏に実父に「死にたい。助けて」と訴えて引っ越したことから「転居を決断するまで犯行は継続したと考えられる」と認定。時効は成立しないと判断した。

 大阪地検は今年2月に一定期間に多数回の行為があったとする起訴内容に変更した。時効成立の可能性を考慮したとみられる。被告側は「犯行の最終日が特定されておらず、被害者の供述の信用性に疑問がある」と主張していたが、判決では「日常的に行われていた犯行の日を、被害者が特定できないことは不自然ではない」と退けた。

性犯罪、時効の成否争点 母の交際相手から被害「救いない」 大阪地裁、15日判決【大阪】
2019.10.12 朝日新聞
 男は児童福祉法違反(淫行)の罪で起訴され、大阪地裁で公判中だ。起訴内容によると、2010年7月~12年4月ご
 ろ、大阪府内の自宅で、同居していた女性が18歳未満と知りながら多数回にわたって性交したとされる。

 女性が被害を明かしたのは公訴時効(7年)が迫った18年1月。母親に打ち明け、警察に相談した。大阪地検は同年7月、男が11年7月に性交したとして同法違反で起訴。今年2月に起訴内容を改め、日時を特定せず、一定期間に多数回の行為があったとする起訴内容に変更した。時効が成立する可能性を考慮したとみられる。
 裁判で検察側は、女性が12年夏に父親宅に転居するまで犯行は継続したと考えられると主張。犯行は長期間、恒常的に
 行われ、悪質だとして、懲役6年を求刑している。

 これに対し、弁護側は性交を認めたが、11年7月の被害を除き犯行日を特定できておらず、女性の記憶があいまいだと主張。その頃から女性はベランダで寝るなどして被告を遠ざけており、両者間に性交はなく、起訴時点で時効が成立しているとして裁判を打ち切る免訴の判決を求めている。