児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

執行猶予中に、「懲役2年6月の判決に保護観察付きの執行猶予」(長野地裁R01.7.11 木曜日)

弁護人は懲役1年・再度の執行猶予を求めたと思われますが、どう対応すればいいですかね。

http://www.courts.go.jp/nagano/saiban/tanto/tisai_tanto/index.html

第二五条(刑の全部の執行猶予)
2前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

原田 量刑判断の実際3版 p44
前刑の執行猶予中の犯行について,再度の執行猶予を付する場合には,①宣告刑を懲役又は禁鋼1年以下にすべきこと,②前刑の執行猶予に保護観察が付されていないこと,③今回の執行猶予につき,保護観察を必ず付することの3要件のチェックが必要で、ある(刑法25条2項, 25条の2第1項後段)。
このうち,①の要件を看過して1年を超える刑を科するミスは,多くはないが,かなり恒常的に発生している。これは,再度の執行猶予の場合は,実刑も考えられる微妙なケースでもあるために,刑は求刑どおりが妥当だとつい考えがちだからである。いわば,心理的なエアポケットに陥るおそれがある。

刑法規定に反し2度目猶予判決 控訴審で検察指摘
2019.10.10 読売新聞
 執行猶予中に大麻取締法違反(所持、栽培)に問われた被告の男(31)に対し、長野地裁が7月、刑法上認められないにもかかわらず、再度、執行猶予付きの判決を言い渡していたことがわかった。検察側が控訴し、9日に東京高裁で行われた控訴審第1回公判で「1審判決は破棄されるべきだ」と指摘した。
 問題となっているのは、7月11日付の同地裁判決。
 男は2月に別の罪で懲役3月、執行猶予2年の判決を受けたが、執行猶予中の4月に大麻約195グラムを所持したなどとして起訴された。刑法は、執行猶予中に再び罪を犯した被告に対し、1年以下の懲役または禁錮を言い渡す場合に限り、特に酌むべき事情があれば執行猶予を付けることができると規定。しかし、同地裁は「更生の意欲を示している」などとして、懲役2年6月の判決に保護観察付きの執行猶予を付けていた。
 9日の公判では、検察側が「1審判決には法令違反がある」とした上で、「被告には実刑が相当だ」と主張するなどして即日結審した。判決は30日の予定。