児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

同一児童に対する、強制わいせつ罪(176条後段)と児童ポルノ製造を起訴するときには、二重起訴にならないように注意する

3/6逮捕  1/下旬のわいせつ行為
3/26再逮捕 9/30のわいせつ行為
5/24 公判1回目 9/30のわいせつ行為
6/25 公判2回目 11/下旬のわいせつ行為
7/30 公判3回目 わいせつ行為+その際の児童ポルノ製造
9/13 公判4回目 求刑3年6月
10/8 判決 2年6月


 被害者(8)が共通なので、製造罪は包括一罪になりますよね(判例)。
 強制わいせつ罪(176条後段)と製造罪は観念的競合だというので(東京高裁 H30.1.30等)、かすがい効果で全部科刑上一罪になりますよね。
 処断刑期の上限は10年になるし、追起訴は二重起訴の違法がありますよね。

https://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/690831.html
勤務校女児にわいせつ、元小学校臨時講師に実刑 静岡地裁判決
(2019/10/8 17:42)
 勤務していた小学校の女児にわいせつな行為をしたなどとして、強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪に問われた静岡県中部の元小学校臨時講師の男(24)=懲戒免職=に対し、静岡地裁は8日、懲役2年6月(求刑懲役3年6月)の実刑判決を言い渡した。
 林田海裁判官は判決理由で「被害児童に好意を抱き、独占したいとの思いで犯行に及んだ動機は身勝手で自己中心的。厳しい非難に値する」と指摘。「信頼を寄せられる立場の被告が、立場を悪用した常習的な犯行で大変悪質。被告の反省などを考慮しても刑の執行を猶予すべきとは言えない」と説明した。
 判決によると、男は2018年9月下旬から11月下旬にかけ、勤務校の女児に対し複数回にわたりわいせつな行為をし、その際に自身のスマートフォンで動画を撮影して児童ポルノを製造した。
 同地裁は男の氏名などを被害者の特定につながる事項と判断し、裁判は匿名で行った。