包括一罪が正解で、判例もいくつかあります。
口腔性交がなければ1号ポルノ製造にもならないので、強制性交と製造罪の観念的競合の主張も可能だと思います。そうすれば処断刑期も変わってきます。
強制性交等被告事件
京都地方裁判所
令和1年6月7日第1刑事部判決(罪となるべき事実)
第1 被告人は,A(当時8歳)が13歳未満であることを知りながら,Aと性交等をしようと考え,平成30年12月8日,京都市a区b町c番地のd被告人方浴室において,Aに対し,自己の陰茎を手で握らせて手淫させ,Aの口腔内に自己の陰茎を入れ,もって13歳未満の者に対し,口腔性交をした。
第2 被告人は,Aが18歳に満たない児童であることを知りながら,同日,同所において,Aに,その口腔内に被告人の陰茎を入れる姿態及び被告人の陰茎を触る姿態をとらせ,これを自己の写真撮影機能付き携帯電話機で撮影し,その画像データ5点を同携帯電話機の内蔵記録装置に記録させて保存し,もって児童を相手方とする性交又は性交類似行為に係る児童の姿態及び児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第3 被告人は,A(当時8歳)が13歳未満であることを知りながら,Aと性交等をしようと考え,同月9日,前記被告人方1階6畳居間及び浴室において,Aに対し,その口腔内に自己の陰茎を入れ,その陰部に自己の陰茎を押し当てるなどし,もって13歳未満の者に対し,口腔性交をした。
第4 被告人は,Aが18歳に満たない児童であることを知りながら,同日,前記被告人方1階6畳居間及び浴室において,Aに,その口腔内に被告人の陰茎を入れる姿態,その陰部に被告人の陰茎が押し当てられる姿態及びその臀部を突き出させる姿態をとらせ,これを自己の写真撮影機能付き携帯電話機で撮影し,その画像データ8点を同携帯電話機の内蔵記録装置に記録させて保存し,もって児童を相手方とする性交又は性交類似行為に係る児童の姿態及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものをそれぞれ視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
(法令の適用)
罰条
判示第1及び第3の各行為 いずれも刑法177条後段
判示第2の行為 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項,2項,2条3項1号,2号
判示第4の行為 同法7条4項,2項,2条3項1号,3号
刑種の選択
判示第2及び第4の各罪 いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理 刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最も重い判示第3の罪の刑に法定の加重)
未決勾留日数の算入 刑法21条
訴訟費用 刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)
(量刑の理由)
令和元年6月7日
京都地方裁判所第1刑事部
裁判長裁判官 入子光臣 裁判官 片多康 裁判官 伊藤祐貴