児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

準強制性交等被告事件(無罪) 岡崎支部H31.3.26

準強制性交等被告事件(無罪) 岡崎支部H31.3.26
 westlawが一番乗りか。TKCが二番手。

 僭越ながら奥村が加筆したのを公開しています。
okumuraosaka.hatenadiary.jp

 判決批判するには、「その程度が法律上抗拒不能の状態に至っていると認められるかどうかについては,なお合理的な疑いが残る」としている点を、お手持ちの経験則とか新証拠をもって論難して下さい。
 セットで前田先生の批判も出ています。

https://www.westlawjapan.com/column-law/2019/190509/
第166号刑法178条2項の「心理的抗拒不能」の意義
名古屋地裁岡崎支部平成31年3月26日判決 準強制性交等被告事件※1~
文献番号 2019WLJCC011
日本大学大学院法務研究科 教授
前田 雅英
Ⅰ 判例のポイント
 近時の性犯罪に関する実務の流れは、「被害女性の視線」を重視する方向にあったように思われる。最高裁大法廷は、強制わいせつ罪に関し、50年ぶりに判例変更を行い、行為のわいせつ性を認識していれば、必ずしも「性欲を刺激興奮させるとか満足させるという性的意図」がなくても犯罪は成立するとした(最大判平成29年11月29日刑集71-9-467・WestlawJapan文献番号2017WLJPCA11299001)。これは、現に性的羞恥心が害され、法益侵害性が明らかな事案においては、「性的意図の存否」は重要ではないという解釈論が強まってきていたことに沿うものといってよい。
 そして、性犯罪に関する裁判例には、複数の強姦や強姦未遂行為が認定された事案に関し、大阪地判平成16年10月1日(判時1882-159・WestlawJapan文献番号2004WLJPCA10010004)が、懲役12年の求刑に対し懲役14年の刑を言い渡し、東京高判平成24年6月5日(高刑速平成24年130頁・WestlawJapan文献番号2012WLJPCA06056002)は、強姦致傷等の事案について、懲役10年の求刑に対して、懲役12年に処した原審の判断を維持した。刑事手続において、求刑を上回る刑の言い渡しは、例外的であるといってよい(さらに、さいたま地判平成22年5月19日(判例集未登載・WestlawJapan文献番号2010WLJPCA05199005)参照)
※1 本判決の詳細は、名古屋地岡崎支判平成31年3月26日WestlawJapan文献番号2019WLJPCA03266001を参照。

裁判年月日 平成31年 3月26日 
裁判所名 名古屋地裁岡崎支部 裁判区分 判決
事件番号 平29(わ)549号 ・ 平29(わ)599号
事件名 準強制性交等被告事件
文献番号 2019WLJPCA03266001
主文
 被告人は無罪。 
理由
第1 公訴事実
 本件公訴事実の要旨は,
「被告人は,同居の実子であるA(当時19歳)が,かねてから被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており,抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて,Aと性交しようと考え,平成29年8月12日午前8時頃から同日午前9時5分頃までの間に,愛知県a市所在の○○会議室において,同人と性交し,もって人の抗拒不能に乗じて性交をした(平成29年11月7日付け起訴状記載の公訴事実)」というもの及び
「被告人は,同居の実子であるA(当時19歳)が,かねてから被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており,抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて,Aと性交しようと考え,平成29年9月11日午前11時3分頃から同日午後零時51分頃までの間に,愛知県b市所在のホテル△△において,同人と性交し,もって人の抗拒不能に乗じて性交をした(平成29年10月11日付け起訴状記載の公訴事実(但し,同年11月7日付け訴因変更請求書による訴因変更後のもの))」
というものである。

《書 誌》
提供 TKC
【文献番号】 25562770
【文献種別】 判決/名古屋地方裁判所岡崎支部(第一審)
【裁判年月日】 平成31年 3月26日
【事件番号】 平成29年(わ)第549号
平成29年(わ)第599号
【事件名】 準強制性交等被告事件
【事案の概要】
【上訴等】 控訴
【裁判官】 鵜飼祐充 岩崎理子 西臨太郎
【全文容量】 約23Kバイト(A4印刷:約12枚)
【文献番号】25562770

準強制性交等被告事件
名古屋地方裁判所岡崎支部平成29年(わ)第549号,平成29年(わ)第599号
平成31年3月26日刑事部判決

       判   決

被告人 X 昭和■年■月■日生


       主   文

被告人は無罪。


       理   由

第1 公訴事実
 本件公訴事実の要旨は,「被告人は,同居の実子であるA(当時19歳)が,かねてから被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており,抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて,Aと性交しようと考え,平成29年8月12日午前8時頃から同日午前9時5分頃までの間に,愛知県a市所在の■■■■会議室において,同人と性交し,もって人の抗拒不能に乗じて性交をした(平成29年11月7日付け起訴状記載の公訴事実)」というもの及び「被告人は,同居の実子であるA(当時19歳)が,かねてから被告人による暴力や性的虐待等により被告人に抵抗できない精神状態で生活しており,抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて,Aと性交しようと考え,平成29年9月11日午前11時3分頃から同日午後零時51分頃までの間に,愛知県b市所在のホテル■■■■において,同人と性交し,もって人の抗拒不能に乗じて性交をした(平成29年10月11日付け起訴状記載の公訴事実(但し,同年11月7日付け訴因変更請求書による訴因変更後のもの))」というものである。
第2 当事者の主張等

追記2019(令和元)年5月15日
という指摘がありましたので、消しました。

ご存知とは存じますが、弊社は、「Westlaw Japan」に収録されている判決書の全文を、弊社の許可無くインターネット等で公衆送信することは、原則として禁止をさせていただいております。(利用規約第17条)