児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

性的意図による暴行につき、求刑罰金50万円、判決懲役6月執行猶予2年とした事例(岐阜地裁H31.2.6)

時系列
2018.07.18 A(34)への強制わいせつ罪で逮捕
2018.08.4 B(43) C(31)への強制わいせつ罪で逮捕
2018.08.17 ABへの暴行罪略式起訴、C強制わいせつ罪起訴猶予
2018.08.17 ABへの暴行罪正式裁判
2018.10.09 第1回
2018.12.14 論告「性的欲求」 求刑50万円
2019.2.6 判決 懲役6月執行猶予2年

 報道だけを見ると、性的意図の暴行という証拠があるので、簡裁(林道春裁判官 地裁所長歴任)は正式裁判にした。さらに、地裁に移送して、地裁で罰金求刑され、執行猶予付きの懲役刑。
 暴行罪で性的意図を主張・立証してしまうと、強制わいせつ(未遂)罪になって、暴行罪は不成立という関係になる。被告人は暴行罪の訴因で強制わいせつ罪の防御を迫られることになっておかしい。そこは原審の弁護人が指摘すべき点。
 原判決が暴行罪で性的意図を認定していると、訴因逸脱認定になる恐れがある。控訴するならば、そういう点で法令適用の誤りとか訴訟手続の法令違反を主張すればいいでしょう。

第四六三条[通常の審判]
1 第四百六十二条の請求があつた場合において、その事件が略式命令をすることができないものであり、又はこれをすることが相当でないものであると思料するときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。

裁判所法第三三条(裁判権
3 簡易裁判所は、前項の制限を超える刑を科するのを相当と認めるときは、訴訟法の定めるところにより事件を地方裁判所に移さなければならない。

刑訴法第三三二条[地方裁判所への移送]
 簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない

逮捕の岐阜市職員 暴行罪で正式裁判=岐阜
2018.08.18 読売新聞
 生活保護を受給する女性らにわいせつな行為をしたとして、岐阜中署に強制わいせつ容疑で逮捕された岐阜市生活福祉一課職員について、岐阜区検は17日、暴行罪で岐阜簡裁に略式起訴した。同簡裁(林道春裁判官)は同日、公判を開かずに罰金刑を科す略式命令は不相当と判断し、正式な裁判が開かれることになった。
 起訴状などによると、容疑者は昨年5月~今年4月、岐阜市役所の通路などで、同市の無職女性(当時43歳)の体に抱き付くなどしたほか、今年6月、ケースワーカーとして訪問した同市の無職女性(当時34歳)方で、女性を抱き寄せるなどしたとされる。
 一方、同市の別の無職女性(当時31歳)に対する強制わいせつ容疑について、岐阜地検は17日、不起訴とした。地検は、その理由や、暴行罪での略式起訴の理由を明らかにしていない。

 生活保護者へ暴行 罰金50万円を求刑 地裁公判で検察側
2018.12.15 中日新聞
 【岐阜県】担当する生活保護受給者の女性二人を抱き寄せるなどしたとして、暴行罪に問われた岐阜市生活福祉一課被告(45)の論告求刑が十四日、岐阜地裁であり、検察側が罰金五十万円を求刑し結審した。判決は来年一月十五日。
 検察側は論告で「立場を利用して性的欲求を満たそうとした犯行は悪質」と主張。二人に四度にわたって犯行を繰り返したとして、「被害者の肉体的、精神的苦痛は重大」と指摘した。
 弁護側は最終弁論で寛大な処分を求め、被告は最終意見陳述で「励ますつもりが結果的に被害者の意に反した行動になってしまったことを反省し、おわびしたい」と述べた。
 起訴状などによると、二〇一七年五月~今年四月ごろ、岐阜市役所内などで無職女性(45)に抱きつくなどしたほか、今年六月にも別の無職女性(35)方で女性を抱き寄せ、手を握るなどしたとされる。

 暴行岐阜市職員に有罪 地裁も厳しい判断
2019.02.07 中日新聞
 【岐阜県】担当する生活保護受給者の女性への暴行罪に問われた岐阜市職員に、岐阜地裁が求刑を上回る判決を言い渡した。検察側は略式起訴したが、岐阜簡裁が「略式不相当」と判断した異例の事案は、公開の法廷でも厳しい判断が示された。
 岐阜地裁で、検察側の求刑(罰金五十万円)を上回る懲役六月、執行猶予二年の判決を言い渡された岐阜市生活福祉一課副主査は、昨年七月と八月、女性二人に対する強制わいせつ容疑で逮捕された。岐阜区検は同月、暴行罪で略式起訴した。
 略式手続きは公開の法廷ではなく、簡裁で書面審理される。略式命令で科せる刑罰は百万円以下の罰金または科料に限られる。岐阜簡裁は「略式不相当」とし、その上で、禁錮刑以上の刑罰を科せる地裁で裁判を開くことを判断した。
 岐阜地裁によると、二〇一五~一七年に岐阜簡裁に略式起訴された五千二百四十件のうち、「略式不相当」と「略式不能」とされた事件は六件(0・1%)。一五~一七年に岐阜簡裁が地裁での審理が相当と認め、判決が出た事件はないという。この日の判決について、検察関係者は「懲役刑も十分考えられる事案だった」と話した。
 判決を受け、岐阜市は「改めて市職員がこのような重大事件を起こしたことを大変遺憾に思います」とコメントを出した。市によると、高瀬被告は約七十の生活保護世帯を担当。ケースワーカーとして受給者の生活状況の把握や、就労の指導などに当たっていた。
 ケースワーカーは年間計画に従って受給者の自宅を戸別訪問する。単身世帯や母子世帯を異性の担当者が一人で訪れると誤解を招く恐れがあるとして、市は一月、ケースワーカーに配られるマニュアルに「事情に応じて複数人での対応を適宜行うこと」とする留意点を加えた。(下條大樹)

 生活保護者に暴行 岐阜市職員認める 簡裁初公判
2018.10.10 中日新聞
 自分が担当する生活保護受給者の女性二人を抱き寄せるなどしたとして、暴行罪に問われたの初公判が九日、岐阜簡裁で開かれた。被告は「相違ございません」と起訴内容を認めた。検察側は証拠調べで「話を聞いているうちに情が湧き、女性として見るようになった。市職員の立場を超えて、性欲を満たすために触れたいと思った」などとする被告の供述内容を明らかにした。
 起訴状などによると、被告は二〇一七年五月~今年四月ごろ、岐阜市役所内や被告の自動車内などで同市の無職女性(44)に抱きつくなどしたほか、今年六月十四日には市内の別の無職女性(34)方で女性を抱き寄せ、手を握るなどの暴行をしたとされる。どちらの女性も被告がケースワーカーとして担当していた。
 岐阜区検は八月、同罪で略式起訴したが、岐阜簡裁が「略式不相当」と判断し、公開の法廷で審理された。