児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

被害者が参加したか否かで量刑に差が出ているかどうかは、裁判ごとの比較が難しく、はっきりしない。~性犯罪被害者、増える裁判参加 制度開始から10年、全体の4分の1に 朝日新聞

被害者が参加したか否かで量刑に差が出ているかどうかは、裁判ごとの比較が難しく、はっきりしない。~性犯罪被害者、増える裁判参加 制度開始から10年、全体の4分の1に 朝日新聞

 性犯罪については、起訴率が大幅に下がって、量刑がちょっと上がっています。
http://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/20160918/1473998966
 起訴されて被害者参加した被害者からすれば、納得なんでしょうが、起訴されず参加できない被害者が増えていることになります。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190113-00000014-asahik-soci
性犯罪被害者、増える裁判参加 制度開始から10年、全体の4分の1に
2019.01.13 東京朝刊 26頁 2社会 写図有 (全1,614字) 
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 刑事裁判に被害者が参加できる制度が始まって、10年。かつて「蚊帳の外」に置かれていた被害者が当事者として裁判に加わり、意見を述べることが定着している。制度を利用する人数はこの数年横ばいだが、性犯罪の被害者の割合が次第に高まっている。

 ■弁護士つけやすく/出廷不要

 被害者参加制度によって法廷の光景は変わった。昨年12月、東京地裁で開かれた裁判員裁判では、検察官の後ろの席に5人の被害者側弁護士が並び、被告が公判の最後に語る内容を一斉にメモしていた。

 この事件は、芸能事務所社長の男(34)がタレント志願者ら5人の女性に性的暴行を加えたとして、強姦(ごうかん)致傷罪などに問われた。女性5人は全員、弁護士をつけて被害者参加した。被告人質問では弁護士が被害者本人に代わって「被害者に対して、どういう気持ちですか」などと質問。検察官の求刑の後には弁護士がそれぞれ、「可能な限り長期の実刑を望みます」などと量刑への意見を述べた。判決は、「性行為は同意があった」という社長側の主張を退け、懲役23年を言い渡した。

 被害者のプライバシーにも配慮がされていた。法廷では「Aさん」などと呼ばれ、裁判長は「名前を言わないように」と、被告や証人に注意。こうした制度は、被害者参加と同じく、2007年の刑事訴訟法改正で実現した。

 最高裁によると、強制わいせつや強姦(現・強制性交)罪など性犯罪の被害者参加人数は制度が始まった09年はのべ60人で、全体の11%だった。しかし、14年に2割を超え、17年と18年(10月まで)は23%と、ほぼ4分の1を占めた。人数も17年は321人と、09年の5倍以上。性犯罪の裁判の2割ほどで、被害者が参加していると推計される。

 なぜ、これほど増えているのか。レイプクライシスセンターTSUBOMI(つぼみ)代表理事の望月晶子弁護士は、制度の理解が次第に進んだとみる。「性犯罪の被害者は裁判所に行くだけでストレスだが、弁護士をつければ、自分は法廷にいなくてもよい。被害者参加することで、検察官とのコミュニケーションが密になり、公判前に争点や進行もわかりやすくなる」という。

 弁護士をつけることが容易になった点も影響しているとみられる。性犯罪被害者の多くは若く、資産も少ないが、13年には国選弁護士が認められるための資金力の条件が緩和された。最高裁によると、17年は性犯罪の被害者参加人の9割が弁護士をつけ、そのうち8割が国選弁護士だった。

 ただ、裁判に参加しても、被告が被害者の期待通りにふるまうとは限らない。「公判で、被害者に生まれるのは、怒り。それでも、自分は悪くないのだと思えたりする。これが現実なのだと知り、敗北感から立ち上がっていく感じがする」と望月さんは話す。

 ■「知りたい」思い満たされる

 被害者参加制度は、2008年12月以降に起訴された事件に適用され、実際に被害者が参加した公判が始まったのは、09年1月だった。

 最高裁の統計によると、09年から18年10月までに終わった一審(地裁・簡裁)で、参加を認められた被害者は全体でのべ1万1162人。この数年は年間約1400人となっている。どの年も、交通事件の被害者参加人が最も多く、全体の4~5割を占める。

 被害者が参加したか否かで量刑に差が出ているかどうかは、裁判ごとの比較が難しく、はっきりしない。ただ、公判に参加した被害者遺族は、参加しなかった人より、「知りたい」思いが満たされていた、という研究結果はある。

 白岩祐子東大講師(社会心理学)らが、殺人など被害者が死亡した事件の遺族173人の回答を分析した研究によると、公判に参加した遺族の方が「被害者の最期の様子」や「被害者にどんなことが起きたのか」を裁判で知ることができたと感じていた。そして、こうした遺族ほど「司法は信頼できる」と回答していた。(河原理子)

 【図】

 刑事裁判に参加を許可された被害者の人数と性犯罪被害者の割合

朝日新聞社