児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

自画撮禁止条例の「困惑」は限定になってない by 神戸地検

 兵庫県に開示請求しても出てこないんですが、他府県の公文書から神戸地検の見解が分かりましたので、文書を特定したら出てきました。
 「困惑」というのは無限定だというのは、青少年条例全般に使えそうです。

兵庫県少年愛護条例の解説 平成30年3月
第30条
5 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
(12)第21条の3の規定に違反して、次に掲げる方法により、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めた者
ア青少年を欺き、威迫し又は困惑させる方法
イ青少年に対し、財産上の利益を供与し、又はその供与の申込み若しくは約束をする方法

兵庫県知事井戸敏殿
神戸地方検察庁検事正
罰則の定めのある条例案に関する協議について(回答)
本年11月13日付け文第2280号をもって依頼のありました「青少年愛護条例の一部を改正する条例」について検討した結果,罰則の適用に関し,下記のとおり回答します。

第1 検討結果
1 児童ポルノ等の提供を求める行為
(1) 罰則を設けること
本条例の一部改正(以下, 「一部改正」という。)は, その必要性に基づいて,青少年に対して児童ポルノ等の提供を求める行為を禁止するものであり, これを担保すべく罰則を設けることにも合理的必要性が認められる。
ただし,
①警察が事件を認知するのは,青少年の相談を受けることによるのが通常と思われるが,青少年が行為者の求めに応じて児童ポルノ等を送信して児童ポルノの製造等に至るより前の段階で,警察が認知することは見込まれ難く, また,製造等に至っている場合に製造等のほかに法定刑の低い児童ポルノ等の提供を求める行為を併せて処罰する必要性に乏しいこと,
②現時点で他の地方公共団体には同様の罰則を設ける条例がないため,青少年が提供を求める行為を了知した時に兵庫県内にいたが(結果地),行為者が行為時に同様の条例が存在しない場所にいた事案では,行為者には,故意として,禁止場所における禁止行為であ
るとの認識,つまり,提供を求める行為が禁止されている兵庫県内で青少年が了知するとの認識が求められる可能性があることなどから,一部改正による罰則が適用される場面は,実際にはかなり限定されるものと思料される。
(2) 方法としての「困惑」
本条例の一部改正では,児童ポルノ等の提供を求める行為に関し,罰則で,その方法を,欺き,威迫,困惑,財産上の利益の供与及びその供与の申込み若しくは約束に限定して処罰している。
このうち, 困惑については,通常の青少年であれば,他人から単純に児童ポルノ等の提供を求められただけでも,提供するかしないかどうしてよいか分からずに困る,すなわち,困惑するのが通常と思われるため,提供を求める方法の限定となっているのか疑問があるので,削除すべきである。
(3) 利益供与等の相手方
財産上の利益の供与等については,第三者に利益を供与する方法で青少年に児童ポルノ等の提供を求めることも想定されるが, この場合は,条文上,利益供与等の相手方が青少年に限定されているために処罰の対象とならないので,利益供与等の相手方に「第三者」を入れることも検討すべきである。