児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

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埼玉県青少年健全育成条例の自画撮り規制は、検察協議の結果、年齢知情条項が外れています。

 検察庁からの指摘があって、条例31条に、19条の3がありません。

埼玉県議会事務局長殿
   さいたま地方検察庁検事正
罰則の定めのある条例の制定に伴う事前協議について(回答)
平成30年7月18日付け埼議第30110号をもって協議のありました下記条例案について検討した結果,別紙のとおり回答いたします。
なお,条例公布後は,直ちに条例写しを当庁へ送付願います。

埼玉県青少年健全育成条例の一部を改正する条例
・・・
3本条例第19条の3(児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止)及び第31条について
犯罪成立要件としての主観的要件が欠如していると思われます。
(1)本条例第31条においては,本条例第19条の~3の規定に違反した者は,当該青少年の年齢を知らないことを理由として,本条例第29条の規定による処罰を免れることができない旨定めています。
しかしながら,自画撮り被害は相手を直接認識できないインターネット上のやりとりの中で行われることが想定され,やりとりの相手方が青少年と認識していない者にまで本条例第29条による罰則を適用することは過剰な規制となるおそれがあります。
本条例第19条の3は,当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うよう求めることを禁止するものであることからすれば,当該相手方が青少年であると認識できるような事実が全くない場合には罰則を適用できないと解すべきと思料します。
(2)よつて,本条例第31条において,本条例第19条の3の規定は除外するのが相当と思料します。
その他の点については,指摘すべき問題点はないと思料します。

埼玉県青少年健全育成条例
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0307/jourei/documents/301016jourei.pdf
児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止)
第十九条の三 何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第二条第三項に規定する児童ポルノ及び同項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第二十一条の四第一項及び第五項第二号において同じ。)その他の記録をいう。第二十九条第三号において同じ。)の提供を求めてはならない。
追加〔平成三十年条例三四号〕

・・・
第二十九条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
三 第十九条の三の規定に違反して、次に掲げる行為を行つた者
イ 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めること。
ロ 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の申込み若しくは約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めること。
一部改正〔平成二年条例四二号・四年一一号・八年四号・三八号・一三年七八号・一六年五五号・三十年三四号〕
・・・
第三十一条 第十一条第三項、第十二条第三項若しくは第四項、第十六条第二項、第十七条の二、第十七条の四第一項若しくは第二項(第一号又は第二号に係る部分に限る。)、第十七条の五(第三号に係る部分を除く。)、第十八条第一項、第二項若しくは第三項、第十八条の二、第十八条の三、第十九条第一項若しくは第二項、第十九条の二、第二十条、第二十一条第二項又は第二十一条の二第
一項の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第二十八条から第二十九条までの規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。