児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

速報番号3459号で「児童福祉法34条1項7号の児童に淫行させる行為をするおそれのある者への「引渡し」とはいえず,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律5条1項の児童買春周旋罪が成立すると判示した事例。」とされる東響高裁H24.1.30は、児童淫行の恐れがある者への引き渡しではなく、児童買春をする恐れがある者への引き渡しであった。

速報番号3459号で「児童福祉法34条1項7号の児童に淫行させる行為をするおそれのある者への「引渡し」とはいえず,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律5条1項の児童買春周旋罪が成立すると判示した事例。」とされる東響高裁H24.1.30は、児童淫行の恐れがある者への引き渡しではなく、児童買春をする恐れがある者への引き渡しであった。

児童福祉法34条1項7号「前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し、刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、情を知つて、児童を引き渡す行為」となっていて、児童淫行罪に限らないんですが、原判決の静岡地裁では、「児童買春をする恐れがある者に引き渡した」とされていて、児童淫行罪の恐れではありませんでした。
 控訴審で予備的訴因変更請求があった、児童買春周旋罪に変更されて、同じ量刑になっています。上告棄却

児童福祉法第三四条[禁止行為]
1 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 身体に障害又は形態上の異常がある児童を公衆の観覧に供する行為
二 児童にこじきをさせ、又は児童を利用してこじきをする行為
三 公衆の娯楽を目的として、満十五歳に満たない児童にかるわざ又は曲馬をさせる行為
四 満十五歳に満たない児童に戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で歌謡、遊芸その他の演技を業務としてさせる行為
四の二 児童に午後十時から午前三時までの間、戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務としてさせる行為
四の三 戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務として行う満十五歳に満たない児童を、当該業務を行うために、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第四項の接待飲食等営業、同条第六項の店舗型性風俗特殊営業及び同条第九項の店舗型電話異性紹介営業に該当する営業を営む場所に立ち入らせる行為
五 満十五歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為
六 児童に淫いん行をさせる行為
七 前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し、刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、情を知つて、児童を引き渡す行為及び当該引渡し行為のなされるおそれがあるの情を知つて、他人に児童を引き渡す行為

速報番号3459号
児童福祉法違反
(認定罪名児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反)〔平成23年(う)8 4 3号東京高等裁判所第9刑事部平成24年1月30日
原判決破棄・自判
(被告人に関する部分)
原審 静岡地方裁判所
判示事項
いわゆる「出会い喫茶」の従業員が,男性客が女性客である児童と買春することを認識しながら,男性客と,その指名する児叢である女性客とを引き合わせた事案について,両者が合意すれば男性客に外出料を支払わせて外出させるシステムになっており,外出するかどうかは女性客の意思にかかっている場合は,児童福祉法34条1項7号の児童に淫行させる行為をするおそれのある者への「引渡し」とはいえず,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律5条1項の児童買春周旋罪が成立すると判示した事例。
裁判要旨
被告人は,経営者と共に,本件出会い喫茶の運営に携わり,男性客が児童である女性客の買春をすることがあり得ることを認識しながら,トークルームで男性客と児童である女性客を引き合わせていたものであるが,男性客からの求めに応じて一緒に外出し,また買春の求めに応じるか否かは女性客の自由意思によっており,児童福祉法34条1項7号にいう「児童に淫行をさせる行為をするおそれのある者に,情を知って,児童を引き渡す行為」に当たると認めるには合理的な疑いが残る。
原判決は,出会い喫茶店員が,外出料を支払った男性客と共に児童の外出を許す行為を同号にいう「引き渡し」に該当すると判示しているが,男性客と外出するか否かは児童である女性客の意思にかかっており,そもそも店員は男性客と共に児童の外出を許すことなどできないのであり,店員である被告人がした行為は,男性客と児童の引き合わせであり,このような行為は,引渡しとはいえず,破棄は免れない。