児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

青少年条例違反等について、真剣交際の弁解が排斥された事例(神戸地裁h30.5.11)

 学歴とか嘘つくとだめですね
 供用物件として没収されていますが、生成物件で没収するのが判例です。控訴して指摘すれば未決多めにもらえます

①東京高裁H23.10.18
原判決は法令適用の項において 3項製造罪によって生じたsdカード2枚を没収する際の根拠条文として刑法19条1項1号 2項本文を摘示しているところ このような場合には19条1項3号 2項本文を適用すべきである
2刑 小西部長
・・・
②東京高裁H23.11.30
原判決は犯罪組成物としてsd2 マイクロsdの没収しているが、本件各カードは児童ポルノの製造という本件各犯行によって初めて作られたものであるから 犯罪行為により生じたものとして 19条1項3号 2項本文を適用して没収すべきであり 原判決の没収の法令適用には誤りがある
9部 小倉部長
・・・
③仙台高裁秋田支部H27.6.30*1
第1 法令適用の誤りの主張(控訴理由第1)について
 論旨は,要するに,本件3項製造罪に係る外付けハードディスク(秋田地方検察庁本荘支部平成27年領第2号符号4。以下「本件ハードディスク」という。)は,本件3項製造罪の犯罪行為により生じた物(産出物件)であるから,刑法19条1項3号2項本文を適用して没収するべきであるのに,これを本件3項製造罪の犯罪行為を組成した物(組成物件)として同条1項1号,2項本文を適用して没収した原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 そこで検討すると,弁護人指摘のとおり,記録によれば,本件ハードディスクは,原判示第1のとおり,本件3項製造罪の犯罪行為の不可欠な要素をなす物ではなく,その犯罪行為によって作り出された物と認められるから,刑法19条1項3号にいう「犯罪行為により生じた物」に当たるというべきである。したがって,これを本件3項製造罪の「犯罪行為を組成した物」として,同条1項1号,2項本文を適用して没収した原判決には法令適用の誤りがある。

D1-Law.com
■28262779
神戸地方裁判所
平成29年(わ)第277号/平成29年(わ)第491号/平成29年(わ)第601号/平成29年(わ)第711号/平成29年(わ)第797号/平成29年(わ)第892号
平成30年05月11日

主文
被告人を懲役4年に処する。
未決勾留日数中210日をその刑に算入する。
押収してある偽造学生証1枚(平成29年押第11号符号1)、神戸地方検察庁で保管中の携帯電話機(アイフォン)1台(平成29年領第1377号符号1-1)、iPad1台(同領号符号2-1)及び携帯電話機(アイフォン、黒色)1台(平成29年領第529号符号1-1)を没収する。

理由
(罪となるべき事実)
 被告人は、
第1 (平成29年7月21日付け起訴状の公訴事実第1)
  C(当時15歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、平成27年1月18日午後2時24分頃から同日午後2時26分頃までの間、E所在の同児童方において、同児童に、被告人に乳首及び陰部を手指で触られる姿態及び同児童が衣服の一部を着けず、乳房及び陰部を露出した姿態をとらせ、これをカメラ機能付き携帯電話機(神戸地方検察庁平成29年領第1377号符号1-1)で動画撮影し、その動画データを同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、
第2 (平成29年7月21日付け起訴状の公訴事実第2)
  C(当時15歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、平成27年3月25日午後5時50分頃から同日午後5時51分頃までの間、E所在又はF所在の同児童方において、同児童に、被告人に乳首を手指で触られる姿態及び同児童が衣服の一部を着けず、乳房及び陰部を露出した姿態をとらせ、これをカメラ機能付き携帯電話機(神戸地方検察庁平成29年領第1377号符号1-1)で動画撮影し、その動画データを同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、
第3 (平成29年7月21日付け起訴状の公訴事実第3)
  C(当時15歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、平成27年4月7日午後9時56分頃から同日午後9時57分頃までの間、F所在の同児童方において、同児童に、被告人の手指をその陰部に挿入される姿態、被告人に乳首及び肛門を手指で触られる姿態及び同児童が衣服の一部を着けず、乳房、陰部及び肛門を露出した姿態をとらせ、これをカメラ機能付き携帯電話機(神戸地方検察庁平成29年領第1377号符号1-1)で動画撮影し、その動画データを同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、
第4 (平成29年7月21日付け起訴状の公訴事実第4)
  C(当時15歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、平成27年7月26日午前11時11分頃から同日午前11時13分頃までの間、F所在の同児童方において、同児童に、同児童が被告人の陰茎を口淫する姿態及び同児童が衣服の一部を着けず、乳房が露出した姿態をとらせ、これをカメラ機能付き携帯電話機(神戸地方検察庁平成29年領第1377号符号1-1)で動画撮影し、その動画データを同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録して保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態及び衣服の全部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、
第5 (平成29年3月30日付け起訴状の公訴事実第1)
  A(当時14歳)が18歳に満たない青少年であることを知りながら、平成27年12月29日午後4時50分頃から同日午後6時31分頃までの間、N市b区cd丁目e番f号ホテルG(省略)号室において、自己の性欲を満たす目的で、同人と性交し、もって青少年に対し、みだらな性行為をし、
第6 (平成29年3月30日付け起訴状の公訴事実第2)
  A(当時14歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、前記第5記載の日時場所において、同児童に衣服の一部を着けず、乳房を露出した姿態及び被告人の手指をその陰部に挿入される姿態をとらせ、これをカメラ機能付きタブレット型情報端末(神戸地方検察庁平成29年領第1377号符号2-1)及びカメラ機能付き携帯電話機(神戸地方検察庁平成29年領第1377号符号1-1)で動画撮影し、その動画データを同端末及び同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録して保存し、もって衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、
第7 (平成29年7月6日付け起訴状の公訴事実)
  自己の身分をH大学医学部生と偽ってAと交際していたものであるが、同人を介して同人の母親であるBから学生証の呈示を求められたため、偽造の学生証を作成して行使しようと企て、平成28年4月12日頃、N市g区hi丁目j番地のk所在の被告人方において、行使の目的で、ほしいままに、パーソナルコンピュータ等を使用し、H大学の学生証様の書式の所属欄に「医学部」、氏名欄に「I」、生年月日欄に「平成J年K月L日」、証明者欄に「H大学長」などと入力し、これを用紙に印刷した上、自己の顔写真の写しとともに、ラミネートフィルムで挟み込んで、もって上記大学長作成名義の学生証1通(平成29年押第11号符号1)を偽造した上、
 1 同日午前3時59分頃、同所において、前記偽造学生証を撮影した画像データを、自己が使用する携帯電話機から、アプリケーションソフト「O」を利用し、Aが使用する携帯電話機に送信し、同日、同人に閲覧させて了知させ、
 2 同日午前4時29分頃、同所において、前記画像データを、自己が使用する携帯電話機から、Bの使用する携帯電話機にメールで送信し、同日、同人に閲覧させて了知させ、
 もって前記偽造学生証1通をあたかも真正に成立したもののように装って行使し、
第8 (平成29年5月25日付け起訴状の公訴事実第1)
  Aとの性行為中に撮影した動画データ等を所持していること等を利用して同人を脅迫し、同人に自己への面会や交際の継続をさせようと考え、平成28年7月17日頃から同月19日頃までの間、兵庫県内において、自己が使用する携帯電話機から、アプリケーションソフト「O」を利用し、A(当時15歳)の携帯電話機に、「別れる気はない。あえばすぐかわる。許すと思う?こっちはもう動画はネットにあげてる。もちろんまだ公開してないよ。そこに保存してるだけ。俺らの大切な思い出は全てPにある。a〈1〉、終わり。この世とな。それがこうなってそうなっても生きていられるか。まあa〈1〉はそういうの見られんの好きやしね、あ、もう今夜するね。」、「俺としては、a〈1〉の未来はつぶしたくない。だから、ちゃんと月2回逢おう。a〈1〉が裏切ることに関し、俺からはすべての金銭、精神的損害賠償を求めるし、学校にも通達する。進学は不能。」旨記載したメッセージを送信して、いずれもその頃、同人に閲読させ、同人が被告人との面会や交際の継続に応じなければ、前記動画データ等を流布させるなどして同人の名誉等にいかなる危害を加えかねない旨告知して脅迫し、もって同人に義務のないことを行わせようとしたが、同人が警察に相談するなどして応じなかったため、その目的を遂げず、
第9 (平成29年5月25日付け起訴状の公訴事実第2)
  Aとの性行為中に撮影した動画データ等を所持していること等を利用して同人を脅迫し、同人に自己への面会をさせるとともに、同人が警察に相談するのを阻止しようと考え、平成28年7月25日頃、兵庫県内において、自己が使用する携帯電話機から、ソーシャルネットワーキングサービス「aa」を利用し、Aの携帯電話機に、「そんな逃げ方、許すと思う?警察に相談して。ま、退学したくないから無理やろけどな。俺は会いに来てもらうことが望み。警察に話せば、変態らしい姿をみせざるをえないうちに評価は決まる。俺の持つ資料は、すべて出さないといけない。写真、動画、文章、すべて世間に出る。やめようぜ。いま、a〈1〉が警察に相談したら、俺は折れる気ないし、負けない。必ず中学に通報入る。それは曲げない。中学生なのに人生潰したくないやん?やるなら、やるけど。中学生なのに流出ごめんな。」旨記載したメッセージを送信して、いずれもその頃、同人に閲読させ、同人が被告人との面会に応じず、警察に相談に行けば、前記動画データ等を流布させるなどして同人の名誉にいかなる危害を加えかねない旨告知して脅迫し、もって同人に義務のないことを行わせようとするとともに権利の行使を妨害しようとしたが、同人が警察に相談するなどして応じなかったため、その目的を遂げず、
第10 (平成29年6月15日付け起訴状の公訴事実)
  Aとの性行為中に撮影した動画データ等を所持していること等を利用して同人の実母のBを脅迫し、Aに自己への面会をさせるとともに、同人及びBが警察に相談するのを阻止しようと考え、平成28年7月19日頃から同月28日頃までの間、兵庫県内において、自己が使用する携帯電話機から、B(当時44歳)の携帯電話機に、「法的に問題のない範囲でaaを通じて画像と僕らの婚約について送信します。」「彼女が反省して元に戻るまで手を緩めるきはありません。明日なら謝罪と反省を受け付けます。」「学校への報告をするのではなく、現在のa〈1〉さんの志望校の方とaaで繋がり、愛に満ちた問題のない画像とともに、こういう人だと伝えるということです。」「最後になるとしても、ちゃんとあって、a〈2〉さんの気持ちを聞きたいです。」「僕としては物の返還だけでなく、謝罪、あるいは話し合いを正当に要求しています。」「お互い警察には行かないことを約束してください。」「それより問題なのは、警察沙汰になった場合、そうした画像がもしa〈1〉さんが嫌だとしても、みんなが話題にし、有名になり世界中に拡散されることです。他の証拠画像についても弁護士や警察にアップする必要が出てきます。裁判ではそれらが公開されます。」「交際の事実を示す程度の画像で、怖いと言われても困ります。汚名を晴らすために確実に交際の根拠となる写真を数点流しただけです。」「警察や法律機関に相談した場合、証拠として、彼女の身元も画像も全てニュースなどからさらされることになり、こんなもんじゃすまなくなると警告しています。身元は中学生なら出ないとお思いでしょうが、今のネットワーク社会は多様です。まず特定されます。」旨記載した電子メールを送信して、いずれもその頃、Bに閲読させ、同人がAと被告人との面会をさせず、Bらが警察に行けば、前記動画データ等を流布させるなどしてAの名誉にいかなる危害を加えかねない旨告知して脅迫し、もってBに義務のないことを行わせようとするとともに権利の行使を妨害しようとしたが、同人が警察に相談するなどして応じなかったため、その目的を遂げず、
第11 (平成29年8月10日付け起訴状の公訴事実第1)
  D(当時16歳)が18歳に満たない青少年であることを知りながら、平成29年1月20日午後6時22分頃から同日午後8時2分頃までの間、N市ab区mn丁目o番p号ホテルM(省略)号室において、自己の性欲を満たす目的で、同人に自己の陰茎を口淫させ、同人の乳首及び陰部を手指で触り、もって青少年に対し、みだらな性行為及びわいせつな行為をし、
第12 (平成29年8月10日付け起訴状の公訴事実第2)
  D(当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、前記第11記載の日時場所において、同児童に、同児童が被告人の陰茎を口淫する姿態、被告人に乳首及び陰部を手指で触られる姿態及び同児童が衣服の全部又は一部を着けず、乳房及び陰部を露出した姿態をとらせ、これをカメラ機能付き携帯電話機(神戸地方検察庁平成29年領第529号符号1-1)で5回にわたり動画撮影し、その各動画データを同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録して保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、
第13 (平成29年8月10日付け起訴状の公訴事実第3)
  D(当時16歳)が18歳に満たない青少年であることを知りながら、平成29年3月13日午後8時33分頃、N市q区rs丁目t番u号ab5階af内において、自己の性欲を満たす目的で、同人の乳首及び陰部を手指で触り、もって青少年に対し、みだらなわいせつな行為をし、
第14 (平成29年8月10日付け起訴状の公訴事実第4)
  D(当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、前記第13記載の日時場所において、同児童に、被告人に乳首及び陰部を触られる姿態及び同児童が衣服の一部を着けず、乳房及び陰部を露出した姿態をとらせ、これをカメラ機能付き携帯電話機(神戸地方検察庁平成29年領第529号符号1-1)で動画撮影し、その動画データを同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、
第15 (平成29年8月10日付け起訴状の公訴事実第5)
  D(当時16歳)が18歳に満たない青少年であることを知りながら、平成29年3月16日午後8時43分頃、N市v区wx丁目y番z号ホテルQ(省略)号室において、自己の性欲を満たす目的で、同人と性交し、もって青少年に対し、みだらな性行為をし、
第16 (平成29年8月10日付け起訴状の公訴事実第6)
  D(当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、前記第15記載の日時場所において、同児童に、同児童が被告人と性交する姿態、被告人に乳首を触られる姿態及び同児童が衣服の一部を着けず、乳房及び陰部を露出した姿態をとらせ、これをカメラ機能付き携帯電話機(神戸地方検察庁平成29年領第529号符号1-1)で動画撮影し、その動画データを同携帯電話機の内蔵記憶装置に記録して保存し、もって児童を相手方とする性交に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し
たものである。
(証拠の標目)略
(事実認定の補足説明)
第1 弁護人の主張
  弁護人は、判示第9の事実について強要未遂罪が成立することは争わないが、(1)判示第5、第11、第13及び第15の各青少年愛護条例違反の事実について、被告人はA及びDといずれも真摯に交際している中で性行為を行ったのであるから青少年愛護条例21条1項にいう「みだらな性行為又はわいせつな行為」に該当しない、(2)判示第1ないし第4、第6、第12、第14及び第16の各児童ポルノ製造の事実について、真摯な交際による性行為の様子を撮影したものであるから社会的相当行為であり違法性が阻却される、(3)判示第8及び第10の各強要未遂の事実について、人を畏怖させる程度の行為ではなく、脅迫の意思も強要の目的もないから強要未遂罪は成立しない、(4)判示第7の有印公文書偽造等の事実について、被告人が作成した学生証(以下「本件偽造学生証」という。)は、作りが粗雑で一般人をして真正なものと誤信させるものではないため偽造有印公文書に当たらない旨主張し、被告人もこれに沿う供述をする。そこで、以下に検討する。
第2 青少年愛護条例違反の各事実(判示第5、第11、第13及び第15)について
 1 前提となる事実
  関係各証拠によれば、以下の事実が認められる。
  (1) Aについて
  ア 被告人は、平成27年6月頃、ネットを通じて、A(当時14歳、中学2年生)と知り合ったが、当時、Aに対して「R」なる偽名を名乗り、年齢は19歳、身分はH大学医学部生、元acであるなどと詐称しており、Aはそれを信じていた。なお、被告人は、当時、32歳で職業はアルバイトであった。
  イ そして、被告人は、その後もネットでAとのやり取りを続け、同年10月頃、Aと直接会って交際を開始し、その後間もなく、カラオケ店でAの膣に指を入れて胸を触る、さらにホテルで性交をするなどし、それ以後、Aと会うと頻繁に性的行為をするようになった。他方で、被告人は、Aの勉強の相談に乗ったり、商業施設等に遊びに行ったりするなどの交際もしていた。
  ウ 被告人は、Aとの性的行為において、Aに対して、手錠様の物を用いて手を拘束する、性的道具をAの陰部に当てる、Aに首輪を付ける、ボールを口にくわえさせるなどしたほか、被告人の尿を飲ませる、Aの陰毛を剃るなどし、被告人は、これらのAの姿態を写真や動画で撮影していた。
  (2) Dについて
  ア 被告人は、平成28年10月頃、ネットを通じてD(当時16歳、高校1年生)と知り合い、当時、Dに対して、年齢は19歳、身分はS高校3年生、ad留学の経験がある、志望校はH大学医学部、aeに自宅があり、父親は病院のお偉いさんであるなどと詐称しており、Dはそれを信じていた。なお、被告人は、当時、33歳で無職であった。
  イ そして、被告人は、1、2週間後にDと会って交際を開始し、数週間後には、Dとホテルで性交をし、それ以後、被告人は、Dと会うと頻繁に性的行為をするようになった。他方で、被告人は、Dの勉強の相談に乗ったり、商業施設等に遊びに行ったりするなどの交際もしていた。
  ウ 被告人は、Dとの性的行為において、Dの手を縛る、ボールを口にくわえさせる、テニスコートでズボンを脱がせ、お尻を触るなどしたほか、Dに対して、被告人の尿を飲んでほしいなどと要求し、これらのDの姿態を動画撮影していた。

 2 当裁判所の判断
  青少年愛護条例(昭和38年兵庫県条例第17号)21条1項は、「何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない」と規定し、相手の意思に反するか否かを問わず「みだらな性行為又はわいせつな行為」を禁止しているところ、その趣旨は、青少年は、性的行為に強い興味を抱く傾向にあるが、未成熟で判断能力が劣り、性的行為が自己に及ぼす影響を適切に判断できないことから、青少年を保護するため、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある性的行為を禁止することとしたものと解される。したがって、「みだらな性行為又はわいせつな行為」に該当するか否かについては、被害者や行為者の年齢、性的行為が行われた経緯、性的行為の態様等に鑑みて青少年の健全な育成を阻害するおそれがあるかという観点から、青少年との交際が真摯なものとはいえず、性的行為が社会的に相当とは認められないか否かを判断するのが相当である。
  これを本件についてみると、被告人とA及びDとはネットを通じて知り合って一般に見られるような男女の交際を続けていたとみられる面もあるが、被告人は、当時14歳で中学2年生のA及び当時16歳で高校1年生のDに対して、真実の年齢や職業等を隠して、Aに対しては「19歳、H大学医学部生、元ac」、Dに対しては「19歳、S高校3年生、父親は病院のお偉いさん」などと、十代半ばの被害者らにとって誘惑的な嘘をつき、知り合ってから交際中まで始終年齢や身上を詐称し続けていたのであるから、Aらが心身ともに未成熟であることに乗じた不当な手段により、Aらと男女の交際を開始して性的行為に及んだと認められる。さらに、被告人は、Aらとの性的行為において、Aらの手を拘束し、ボールを口にくわえさせる、尿を飲むように要求するなどし、Aらのその姿態を撮影するなどしているところ、このような被告人の性的行為は通常青少年が受ける性教育とかけ離れており、青少年の健全な育成に著しい悪影響を与える行為にほかならず、本件の各性的行為は、その一環としてなされたものと認められる。そして、被告人は、当時14歳ないし16歳のA及びDに対して、同様の手段を用いて交際を開始して同様の性的行為に及んでいるのみならず、後記のとおり、当時15歳のCに対しても、ほぼ同様の手段で交際を開始し、Cにわいせつな姿態をさせてその動画を撮影するなどしており、被告人のこれらの行動状況からすると、被告人は、自己の性的な趣向を満たすための対象としてA及びDに接近して性的行為に及んだと認められる。
  この点に関し、弁護人は、被告人はAらと知り合って又は初めて会ってすぐに性的行為に及んでいないこと、交際中は専ら性的行為をしていたのではなくデートやAらの相談に乗るなどの交流があったこと、被告人はAらと真剣に結婚したいと考えてその意思を伝えていたことなどの事情から、被告人とAらとの交際は真摯なものであって、本件各性的行為には社会的相当性が認められる旨主張する。
  しかしながら、弁護人が指摘するような事情があるからといって、直ちに、被告人のAらとの交際が真摯であり、Aらとの性的行為が社会的に相当なものであるとはいえず、むしろ、一般に相手の年齢や身上などは交際や性的関係を持つにあたって考慮される重要な事情であるのに、被告人は年齢や身上などについて嘘をついてAらをだまして交際を開始し、その後もAらをだまし続けて性的行為を重ねており、Aらの性的自由にかかる意思決定を誤らせていることは明らかである。また、被告人は自分の年齢や身上を偽ったままでAらとの結婚を約束しているが、そのような結婚の約束などはおよそ現実性がなく真摯なものとはいえず、Aらとの性的な関係を続けるための方便というほかない。そうすると、弁護人の主張する事情は、被告人の行為が社会的に相当でないとの判断を左右するものとはいえない。
  さらに、弁護人は、被告人とAらとの交際及び性的行為については、Aの母親であるB及びDの母親の承諾があり、このような保護者らの了解は、交際の真摯さや社会的相当性を裏付ける旨主張するが、被告人は、Bらに対しても身上等を偽っていることに加え、仮に、Bらにおいて、Aらが被告人と何らかの性的行為を行っていることを察知してこれを容認していたとしても、Aらの人格を無視した態様の性的行為を認識、了解していたとは到底いえず、被告人の行為が社会的に相当であるとする事情に当たるとはいえない。
  そうすると、本件各性的行為は、いずれも社会的に相当な行為とは認められず、「みだらな性行為又はわいせつな行為」に該当するから、A及びDに対する各青少年愛護条例違反がそれぞれ成立すると認められる。
第3 児童ポルノ製造罪の各事実(判示第1ないし第4、第6、第12、第14及び第16)について
 1 前提となる事実
  関係各証拠によれば、以下の事実が認められる。
  (1) Cについて
  ア 被告人は、平成26年夏頃、ネットを通じて、C(当時14歳、中学3年生)と連絡を取り合うようになったが、当時、Cに対して「T」なる偽名を名乗り、年齢は22歳、身分はH大学医学部生などと詐称しており、Cはこれを信じていた。なお、被告人は、当時、31歳で職業はアルバイトであった。
  イ 被告人とCは、同年9月か10月頃に直接会って交際を開始し、同年11月か12月頃、ホテルで性交をした。その後、Cは、被告人を母親に紹介し、同年12月頃から、被告人は、Cの自宅に同居するようになり、被告人とCは、Cの自宅で頻繁に性的行為をするようになった。
  ウ 被告人は、Cとの性的行為において、Cに対して、手を縛る、ボールを口にくわえさせる、性的道具を陰部に当てる、Cの陰毛を剃るなどしたほか、被告人の尿を飲んでほしいなどと要求したことがあった。
  エ そして、被告人は、Cが被告人の陰茎を口淫する姿態、被告人の手指をその陰部に挿入される姿態及び衣服の一部を着けず、乳房及び陰部を露出した姿態など、Cとの性的行為の様子を携帯電話やiPadで動画撮影した。
  (2) Aについて
  ア 交際経緯等については、前記第2・1の(1)に記載したとおりである。
  イ 被告人は、Aが衣服の一部を着けず、乳房を露出した姿態や被告人の手指をその陰部に挿入される姿態など、Aとの性的行為の様子を携帯電話やiPadで動画撮影した。
  (3) Dについて
  ア 交際経緯等については、前記第2・1の(2)に記載したとおりである。
  イ 被告人は、Dが被告人と性交する姿態、被告人の陰茎を口淫する姿態及び被告人に乳首及び陰部を手指で触られる姿態など、Dとの性的行為の様子を携帯電話で動画撮影した。
 2 当裁判所の判断
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律の趣旨は、児童に対する性的搾取等から児童を保護し、その権利を擁護することにあり(同法1条)、同法が、姿態をとらせた上での児童ポルノの製造行為を処罰の対象としているのは、かかる行為が、児童が同意していたか否かにかかわらず、それ自体、当該児童の心身に有害な影響を与える性的搾取行為であり、かつ児童ポルノが流通する危険を創出する行為と認められるためである。
  そして、本件についてみると、被告人のA、C及びDに対する本件児童ポルノ製造行為が、いずれも同人らの心身に有害な影響を与える性的搾取行為であり、かつ流通の危険を創出する行為であることは、被告人が製造した本件児童ポルノの内容自体により容易に認められる。また、本件児童ポルノに流出の危険があることは、真摯な交際を自称する被告人自身が、判示第8ないし第10のとおり、Aとの性的行為が撮影された画像を流出させかねない行為を行っていることによっても裏付けられている。
  弁護人は、被告人は、A、C及びDと真摯に交際していた上、同人らは被告人による動画撮影行為を認識し、当時これを許していたのであるから、被告人の行為は社会的相当行為として違法性が阻却される旨主張する。しかしながら、前記1に認定した事実によれば、被告人のA、C及びDとの交際はいずれも到底真摯なものとは認められない上、同人らが撮影を許していたのは、当時好意を抱いていた被告人の要求に対して、これを拒否するなどの適切な対応ができなかったという、まさに児童の未熟さゆえの結果であって、被告人はかかる未熟さに乗じて本件各撮影行為を行ったものと認められる。そうすると、弁護人が主張する事情は、何ら本件児童ポルノ製造行為が社会的に相当とはいえないとの判断を揺るがすものではない。
  よって、A、C及びDに対する各児童ポルノ製造罪が成立する。
第4 A及びBに対する強要未遂の事実(判示第8及び第10)について
  関係各証拠によれば、被告人は、Aとの性的行為を携帯電話等で撮影してその多数の動画データを保存していたこと、Aは、遅くとも平成28年7月17日までに、被告人に対して、Oで、別れたい旨のメッセージを送信したところ、被告人は、同日午前4時20分頃、Aに対して、Oで、「別れる気はない」とメッセージを送信したほか、Aに対して判示第8及び第9の、Bに対して判示第10の各メッセージを送信したことが認められる。
  判示第8のメッセージによれば、同メッセージが、Aが被告人との面会や交際の継続に応じなければ、Aとの間の性的行為を撮影した動画データを流布させる趣旨のものであること、判示第10の電子メールによれば、同メールが、警察等に相談すれば、Aとの間の性的行為を撮影した動画データを流布させる趣旨のものであることが認められる。
  そして、これらのメッセージ等を送信する被告人の行為が、Aの名誉を大きく毀損し、A及びBをして畏怖させるに足りるものであることは明らかであり、強要罪における脅迫にあたると認められ、被告人は、メッセージ等の内容を認識した上で、A及びBにそれぞれ送信しているのであるから、強要の故意が認められる。
  弁護人は、判示第8及び第10の各行為について、被告人には強要の目的がなかった旨主張するが、被告人が、Aから別れるという内容のメッセージを受信するや、判示第8のメッセージを送信し、さらに、判示第9のとおり、Aに対して面会等を強要するメッセージを送信し、その後、Aに連絡を取ることができなくなると、Bに対して判示第10のメールを送信しているという経緯からすると、被告人が、本件各メッセージ等を送信することによって、Aに対し交際の継続を強いるとともに、Bに対しAと面会させるよう求め、AやBが警察に通報することを阻止しようとしたことなどの意図があったと認められる。
  したがって、A、B両名に対する強要未遂罪が成立する。
第5 有印公文書偽造、同行使の事実(判示第7)について
 1 前提となる事実
  関係各証拠によれば、以下の事実が認められる。
  (1) 被告人は、A及びBに対して、H大学医学部生を詐称していたところ、平成28年4月11日頃、Aから、Oで、Bが学生証を見たいと言っているとのメッセージを受信した。そして、被告人は、同月12日頃、被告人方において、パーソナルコンピュータなどを使用して、本件偽造学生証を作成した。
  (2) 本件偽造学生証は、本体となる紙片1枚、被告人の顔写真の紙片1面及びラミネートフィルム1枚により構成されており、所属欄に「医学部」、氏名欄に「I」、生年月日欄に「平成J年K月L日」、証明者欄に「H大学長」などと記載されている。そして、本件偽造学生証は、本体となる紙片及び顔写真の紙片がラミネートフィルムに挟み込まれているのみで、ラミネートフィルムが本体や顔写真の紙片には貼り付けられていない。
  (3) 被告人は、同日、携帯電話で本件偽造学生証を撮影し、Aに対してはOで、Bに対しては電子メールで、それぞれ本件偽造学生証を撮影した画像を送信した。
 2 当裁判所の判断
  本件偽造学生証は、ラミネートフィルムが本体に貼付されていないなど、実物を手に取ると一見して偽造文書であると分かる程度のものであることから、有印公文書偽造罪の客体に該当するかが問題となり、弁護人もこの点を指摘するため、当裁判所の判断につき補足して説明する。
  公文書偽造罪は、公文書に対する社会的信用を保護法益とし、本件で偽造された国立大学の学生証についても、大学長等の発行権者が発行し、学生である所持者の身分を公的に証明する文書として、社会的信用の対象となっている。そして、電子コピー、デジタル写真などの文書複製手段が発達し、他者と画像等を共有するための通信手段も多様に存在する現代社会においては、文書の行使方法や認識方法は、作成された物を交付して直接目視させる以外にも様々あり得るのであるから、文書に対する社会的信頼を保護するためには、偽造文書に該当するかどうかは、交付に限らず当該文書について通常想定される行使方法によった場合に、一般的に相手が真正な文書であると誤信するに足りる程度の形状を備えているか否かという観点から判断するのが相当である。そして、文書の行使方法が多様化する中で、文書を写真撮影し、その画像を各種通信機能を通じて相手に送信し、相手が携帯電話等の画面を通して当該文書を確認するということはしばしば行われているところであり、公的な身分証明書もこの例外とはいえない。
  確かに、本件偽造学生証は、その実物を手に取って見れば、ラミネートフィルムが本体に貼付されておらず、縦横の縁も曲がっていることなどから、本物のH大学学生証でないことが容易に見て取ることができる。しかし、携帯電話で撮影した画像では、ラミネートフィルムが貼付されていないとか、縁が曲がっているなどといった状態を確認することはできず、他方で、校章、学籍番号及び「H大学長」の名義など、あたかも本物の学生証に記載されていると考えられるような事項の表示が見て取れることからすれば、本件偽造学生証は、通常想定される行使方法において、真正に成立したH大学学生証であると誤信させるに足る形状を備えているものと認められる。そして、実際にも、A及びBは、本件偽造学生証が本物であると誤信していたものである。
  したがって、本件偽造学生証は、一般人をして真正な文書と誤信させるに足りる形状を備えていると認められるから、被告人に対しては有印公文書偽造・同行使罪が成立する。
(法令の適用)
  判示第1ないし第3、第6及び第14の各所為はいずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項2号、3号に、判示第4の所為は同法律7条4項、2項、2条3項1号、3号に、判示第5、第11、第13及び第15の各所為はいずれも青少年愛護条例(昭和38年兵庫県条例第17号)30条1項2号、21条1項に、判示第7の所為のうち、有印公文書偽造の点は刑法155条1項に、A及びBに対する各偽造有印公文書行使の点はいずれも同法158条1項、155条1項に、判示第8及び第9の各所為はいずれも同法223条3項、1項に、判示第10の所為は同法223条3項、2項に、判示第12及び第16の各所為はいずれも児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項1号、2号、3号にそれぞれ該当するところ、判示第7の有印公文書偽造とA及びBに対する各偽造有印公文書行使との間にはそれぞれ手段結果の関係があるので、刑法54条1項後段、10条により結局以上を1罪として犯情の最も重いAに対する偽造有印公文書行使罪の刑で処断し、判示第1ないし第6及び第11ないし第16の各罪についていずれも懲役刑を選択し、以上は同法45条前段の併合罪であるから、同法47条本文、10条により最も重い判示第7の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役4年に処し、同法21条を適用して未決勾留日数中210日をその刑に算入し、押収してある偽造学生証1枚(平成29年押第11号符号1)は判示第7のAに対する偽造有印公文書行使の犯罪行為を組成した物で、被告人以外の者に属さないから、同法19条1項1号、2項本文を適用し、神戸地方検察庁で保管中の携帯電話機(アイフォン)1台(平成29年領第1377号符号1-1)は判示第1ないし第4及び第6の犯罪行為の用に、同庁で保管中のiPad1台(平成29年領第1377号符号2-1)は判示第6の犯罪行為の用に、同庁で保管中の携帯電話機(アイフォン、黒色)1台(平成29年領第529号符号1-1)は判示第12、第14及び第16の犯罪行為の用にそれぞれ供した物で、いずれも被告人以外の者に属さないから、いずれも同法19条1項2号、2項本文を適用して、これらをいずれも没収し、訴訟費用は、刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人に負担させないこととする。
(量刑の理由)
  被告人は、14歳ないし16歳という年少者の被害者らに対して、年齢や身上等を偽る方法によって接近し、「19歳、H大学医学部生、S高校3年生」などと同人らにとって誘惑的な嘘をついて交際を開始し、交際中も詐称を続けた上、その過程で、被害者らが被告人に好意を抱いていることを利用して、A及びDに対してその身体を弄ぶような不健全な性的行為を繰り返すばかりか、A、C及びDに対してこれらの姿を動画撮影し児童ポルノを製造しており、被告人の行為は、被害者らの精神的な未熟さにつけ込んで、被害者らを自らの性的欲求の対象として扱っている行為というほかない。加えて、被告人は、各人との交際が終わるごとに次々と別の年少者に接近して性的関係を持ち、同様の行為を繰り返しており、この種の犯罪に対する規範意識は相当に鈍麻している。
  また、被告人は、AやBに本当の身分等を話せば、Aとの交際が続けられなくなることを当初から自覚しながら、自らが作り出した嘘を貫き通す手段として有印公文書偽造、同行使の犯行に及び、その後、Aから別れたい旨告げられると、Aとの交際を維持し、警察に通報されることなどを阻止するため、自ら製造した児童ポルノ等の性的動画データを悪用して、A及びBに対して、自己の意に沿う行動をとらなければこれらの動画データを流布させる旨述べて脅迫しており、被告人の行為はまことに卑劣であって、A及びBが抱いた恐怖感は大きかったと認められる。
  さらに、被害者らが受けた精神的被害は重大であり、被害者らの健全な成長に対する悪影響も懸念されるところ、被害者らやその保護者らが厳重な処罰を求めるのも十分に理解できる。
  そして、被告人は、被害者らをだまして申し訳ないなどと、一応は反省の言葉を述べているが、被害者らとは真摯な交際をしていたなどと不合理な弁解に終始しており、自己の行為について十分に内省がなされているとはいえない。
  したがって、本件の犯情は悪質であり、被告人の刑事責任は相当に重いものがある。
  そうすると、被告人に対しては、相当期間の実刑は免れないところ、他方で、有印公文書偽造等の偽造態様が稚拙であること、被告人が外形的事実自体は概ね認めていることや、前科がないことなど、被告人に有利な事情も考慮した上、主文のとおり量刑した。
(求刑 懲役5年、偽造学生証1枚、携帯電話機(アイフォン)1台、携帯電話機(アイフォン、黒色)1台、iPad1台の各没収)
第1刑事部
 (裁判長裁判官 芦髙源 裁判官 神原浩 裁判官 池見祥加)