児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

司法研修所の未決算入の公式「起訴後の算入可能な未決勾留日数-(30+10×(公判期日の回数-1))」・公判前整理手続がある場合

 未決算入を気にする被告人もいるので、弁論で目安を主張していますが、
 司法研修所ではこう教えているようです。

第68期刑事裁判事前配布資料
処断刑等はどのように決まるか
刑事裁判教官室
9未決勾留日数の算入
刑法21条によって裁判所がその裁量により本刑に算入することができる未決勾留日数は,勾留状執行の日から判決言渡しの前日までの現実に拘禁された日数であり,起訴前の勾留期間も含む。【63】
どのくらい算入するのが適切かという点については,法律上算入可能な日数を全て算入すべきであるとする全部算入説と, 当該事件の捜査・審理に通常必要な期間の勾留は被告人が罪を犯したことに起因するやむを得ないものとして被告人の負担とし,それを超える部分について算入することをもって足りるとする一部算入説とがある。現在の実務の大勢は,一部算入説で運用されている。【68】
公判前整理手続制度が始まる以前には,具体的な算入の目処として,次のような運用(『研修所方式」と呼ばれることがある。)を行っている例が多かった。
①捜査段階の日数は算入しない(捜査に必要な期間であると考える。)。
②起訴後の(算入可能な)未決勾留日数のうち,審理に必要な合理的期間を控除した日数を, 10日単位(すなわち, 10日未満の端数が出た場合,四捨五入又は切り上げ・切り下げにより端数処理を行う。)で算入する。
③控除すべき「審理に必要な合理的期間」とは,
ア起訴日から第1回公判期日まで……30日
イ第1回公判期日以降・…………各期日(判決宣告期日も含む)ごとに10日(当該公判期日の審理を行うための準備(判決宣告期日については,判決作成の準備)のため,上記各日数くらいは通常必要であると考えられるから, これは未決算入の対
象に含めないと考える。)
以上の①~③を整理すると,次の計算式となる:
起訴後の算入可能な未決勾留日数一(30+10× (公判期日の回数-1))
ただし,③のアの期間が30日よりも短かったり,イが10日よりも短かったり場合には,それぞれの現実の日数しか控除しない。
公判前整理手続等を経る事件では公判期日が連続的に行われる傾向にあるし,公判前整理手続自体に一定期間を要するから, このような考え方を直接当てはめるのは相当ではないであろう。
それぞれの裁判体で実務上工夫をしているところであるが, 当該事件の捜査・審理に通常必要な期間の勾留を超える部分について算入をするという基本的な考え方は大方維持されているように思われる。ただし,その「審理に必要な期間」には,審理を実現するための争点及び証拠の整理のために必要な期間も含まれるとして,公判前整理手続のために通常必要な期間を一定のルールにより算出し,控除するという運用の傾向があるものとみられる。