児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

1992~2018の監禁行為のうち、2013年4月28日~18年1月21日を起訴した事例(神戸地裁H30.6.27)

 公訴時効の起算点は、「犯罪行為が終つた時から」で、監禁罪のような継続犯の場合は、最終時点=監禁を止めたときからになります。
 なので、1992~2018年の監禁行為について公訴時効は完成していないことになります。検察官の訴追裁量で、直近の5年のみを起訴したということです。
 ちょうど5年前ころに、監禁行為を中断したことがあるのかもしれませんが

刑訴法第二五三条[時効期間の起算点]
① 時効は、犯罪行為が終つた時から進行する。
②共犯の場合には、最終の行為が終つた時から、すべての共犯に対して時効の期間を起算する。

刑法第二二〇条(逮捕及び監禁)
 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
刑訴法第二五〇条[公訴時効の期間]
②時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32300090X20C18A6AC8Z00/
 一方、被告が起訴内容を認め反省していることに加え「支援が必要な人々が尊厳ある生活を送るために地域社会が役割を果たすという自覚が全体に乏しく、支援体制の整備が十分でなかった」として執行猶予を付けた。

 判決によると、被告は妻と共謀して2013年4月28日~18年1月21日、ほぼ2日に1回、母屋で食事や入浴をさせる以外は、隣接するプレハブに置かれたおりに長男を入れ、南京錠で施錠して閉じ込めた。妻は1月末に病死。13年4月以前は監禁罪の公訴時効(5年)が成立している。
裁判は19日の初公判で即日結審。検察側は1992年ごろからおりの監禁が始まったと指摘したが、判決では全体の監禁期間の認定はなかった。弁護側は「適切な福祉サービスが受けられていなかった」と主張したが、市の対応の当否についても判示しなかった。

判例コンメンタール刑法第1巻P443
d 継続犯
定の法益侵害状態が継続する問、その犯罪が継続すると予定されている犯罪を継続犯と呼ぶ。例えば、監禁罪(220) 、住居侵入罪(130) 、不法所持などである。これを包括一罪に含める考えも有力であるが(平野・総論n419 など)、最初の法益侵害行為が継続していると認められる限り、構成要件が予定している犯罪の行為は不可分の1個であり、したがって、その結果もI罪であると考えられ、単純
一罪と解する方が妥当であろう。
・・・
判例コンメンタール刑法第3巻P14
2 保護法益
本条の罪の保護法益は、個人の行動 (場所的移動)の自由であり、逮捕罪も監禁罪も、継続犯であると解されている。
・・・
条解刑事訴訟法
包括一罪の場合,最終行為の終了時点を起算点とする(判例①)。状態犯の場合は構成要件的行為終了時点が起算点となる。継続犯の場合は,法益侵害の状態が継続する限り犯罪行為は終了しない。外国人登録法による登録不申請罪の公訴時効の起算点は同罪の性質との関連で問題となるが,判例は,同罪を継続犯と解し,申請のあった時点を起算点とする(判例②)。また,競売入札妨害罪について,判例は,競売開始決定に基づき現況調査に訪れた執行官に対して虚偽の事実を申し向け,内容虚偽の契約書類を提出した行為は,刑法96の3第1項の「公の競売又は入札の公正を害すべき行為」に当たるが,その時点をもって本条1項にいう「犯罪行為が終った時」とはならず,虚偽の事実の陳述等に基づく競売手続が進行する限り, 「犯罪行為が終った時」には至らないとする(判例④)。