児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「本件犯行の特性に鑑み,その更生には専門家による長期間にわたる継続的な指導が不可欠であると考えられることから,保護観察を付する」とされたんだが、事物管轄を間違えてたので、3年後に保護観察が始まった事例(札幌家裁小樽支部h18.10.2)

 審理経過をみると、
  1審は札幌家裁小樽支部h18.10.2(懲役3年執行猶予5年保護観察)
  2審は札幌高裁H19.3.8(懲役3年執行猶予5年保護観察)
  上告審は最決H21.10.21(懲役3年執行猶予5年保護観察)
だから、保護観察始まるまでの3年間、被告人は自重自戒してて、3年後から5年間の保護観察になったんだろうね。必要性薄くなるよね。
 そういうときは4号保護観察の仮解除で対応するんでしょうね。

刑法
(刑の全部の執行猶予中の保護観察)
第二十五条の二 前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することができ、同条第二項の場合においては猶予の期間中保護観察に付する。
2 前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
。。。
更正保護法
(保護観察の仮解除)
第八十一条 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による保護観察を仮に解除する処分は、地方委員会が、保護観察所の長の申出により、決定をもってするものとする。
2 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者については、第四十九条、第五十一条から第五十八条まで、第六十一条、第六十二条、第六十五条から第六十五条の四まで、第七十九条及び前条の規定は、適用しない。
3 刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者に対する第五十条及び第六十三条の規定の適用については、第五十条第一項中「以下「一般遵守事項」という」とあるのは「第二号ロ及び第三号に掲げる事項を除く」と、同項第二号中「守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受ける」とあるのは「守る」と、同項第五号中「転居又は七日以上の旅行」とあるのは「転居」と、第六十三条第二項第二号中「遵守事項」とあるのは「第八十一条第三項の規定により読み替えて適用される第五十条第一項に掲げる事項」とする。
4 第一項に規定する処分があったときは、その処分を受けた保護観察付執行猶予者について定められている特別遵守事項は、その処分と同時に取り消されたものとみなす。
1 地方委員会は、刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定により保護観察を仮に解除されている保護観察付執行猶予者について、保護観察所の長の申出があった場合において、その行状に鑑み再び保護観察を実施する必要があると認めるときは、決定をもって、これらの規定による処分を取り消さなければならない。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=38100
最高裁判例
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事件番号  平成19(あ)619
事件名  児童福祉法違反,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反被告事件
裁判年月日  平成21年10月21日
法廷名  最高裁判所第一小法廷
裁判種別  決定
結果  棄却
判例集等巻・号・頁  刑集 第63巻8号1070頁
原審裁判所名  札幌高等裁判所
原審事件番号  平成18(う)339
原審裁判年月日  平成19年3月8日
判示事項  児童福祉法34条1項6号違反の児童に淫行をさせる罪と児童買春・児童ポルノ等処罰法7条3項の児童ポルノ製造罪とが併合罪の関係にあるとされた事例
裁判要旨  被害児童に性交又は性交類似行為をさせて撮影することをもって児童ポルノを製造した場合においては,児童福祉法34条1項6号違反の児童に淫行をさせる罪と児童買春・児童ポルノ等処罰法7条3項の児童ポルノ製造罪は,観念的競合の関係にはなく,併合罪の関係にある。
参照法条  児童福祉法34条1項6号,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条3項,刑法54条1項前段,刑法45条前段,少年法(平成20年法律第71号による改正前のもの)37条