児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「(強制わいせつ罪に性的意図は不要だが)「わいせつな行為」とは, いたずらに性欲を興奮または刺激させ,かつ,普通人の正常な性的差恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいう。」大谷各論第5版

 最判h29.11.29の後もこの定義維持できるか?


大谷各論第5版
「わいせつな行為」とは, いたずらに性欲を興奮または刺激させ,かつ,普通人の正常な性的差恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいう。
わいせつの意義は,性的風俗を保護法益とする公然わいせつ罪(174条)およびわいせつ物頒布等罪(175条)における「わいせつ」と基本的には同じであるが(今334頁, 336頁),本罪は個人の性的自由・感情を保護法益とする罪であるから, その重点を異にし,原則としてそれらの犯罪よりも広い概念となる。例えば,接吻や陰部に手を触れる行為など,単に人の正常な差恥心を害するにすぎない行為であっても, わいせつな行為となる(新潟地判昭和63.8.26判時1299・152)。
(2) わいせつの傾向本罪は,暴行・脅迫を用いてわいせつな行為を行えば完成する挙動犯である。通説は,本罪をもって,行為者自身の性的意図ないしわいせつな内心の傾向を必要とする傾向犯であるとし,性欲を興奮・刺激させるという性的意図ないし傾向がなければ本罪は成立しないと主張してきた(最判昭45. l ・29刑集24. l ・l)。
しかし,第1に,性的意図ないし傾向は,法文上構成要件の主観的要素とされていない。第2に,行為者の意図または傾向によって被害者の性的自由ないし差恥感情が左右されるとは限らない。第3に,行為者の内心の傾向は漠然としたものであり,明確性が要求される構成要件に導入するのは適当でない。かくして,最高裁判例を変更して,本罪が傾向犯であることを否定した(最判平29・11 .29裁判所ウェブサイト)。