児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

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青少年わいせつ罪(神奈川県青少年保護育成条例31条1項)のわいせつ行為も最判H29.11.29の影響で定義できない

 青少年わいせつ罪(神奈川県青少年保護育成条例31条1項)のわいせつ行為も最判H29.11.29の影響で定義できないと思われます。性的意図を要求する根拠がないです。
 東京高裁s39の定義が今でも残っていますが、真剣交際の大法廷s60.10.23はわいせつ行為にも適用されるのを見過ごして、そのままになっています。

東京高裁s39.4.22
当裁判所は、右「みだらな性行為」とは、健全な常識がある一般社会人からみて、結婚を前提としない欲望を満たすことのためにのみ行なう不純とされる性行為をいい、また、右「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激興奮せしめたり、その露骨な表現によって健全な常識のある一般社会人に対し、性的に羞恥嫌悪の情をおこさせる行為をいうものと解する。したがって、本条例第一〇条第一項は、所論刑法第一七四条、第一七六条ないし第一七九条の各罪と、その犯罪の構成要件を、まったく異にしている。

神奈川県青少年保護育成条例
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/t7e/cnt/f4151/p385175.html
みだらな性行為、わいせつな行為の禁止)
第31条 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
3 第1項に規定する「みだらな性行為」とは、健全な常識を有する一般社会人からみて、結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいい、同項に規定する「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激し、又は興奮させ、かつ、健全な常識を有する一般社会人に対し、性的しゆう恥けん悪の情をおこさせる行為をいう。

神奈川県青少年保護育成条例の解説S50
(淫行,わいせつ行為の禁止)
第 9条
1何人も青少年に対し淫行,わいせつ行為をしてはならない。
2 何人も青少年に対し前項の行為を教え,またはとれを見せてはならない。
〔要旨〕
本条は,青少年に対してみだらな行為やわいせつ行為をする者,あるいはそれらの行為を故意に教えたり,見せたり する者を対象として,これらの背徳行為を禁止したものである。
〔解説〕
1「何人」とは,第 4条解説の説明のとおりである。
2 「淫行」とは,健全な常識ある一般人から見て,結婚を前提としない不純在性行為をいうもので,単なる欲望を満たすための性交だけを指す「わいせつ行為」
よりも範囲が狭いものである。
3 「わいせつ行為」とは,いたづらに性欲を興奮または刺激して,常識ある一般社会人の正常な性的差恥心を害し善良な性的道義観念に反する行為をいうものである。

神奈川県青少年保護育成条例の解説S54
カ 社会情勢は著しく変化し,近年,少女売春等青少年の性に関する非行が氾濫し,大きな社会問題となってきた。このような問題は一部の好ましくない大人の身勝手な行為により,青少年の健全育成を阻害するものであり,青少年の福祉を守るうえから十分配慮しなければならない。
「青少年に対するみだらな性行為・わいせつな行為」は,
刑法売春防止法児童福祉法などいずれの法令によっても取締ることができず,条例でも訓示規定となっていることから.処罰することができ辛かったため.昭和53年10月に条例の一部改正を行い 「みだらな性行為・わいせつな行為の禁止(第 9条)については罰則規定を設け,なお,同条について「みだらな性行為・わいせつな行為」の構成要件を明確にし た。

・・・
(みだらな性行為,わいせつな行為の禁止)
第 9条
1 何人も.青少年に対しみだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も青少年に対し前項の行為を教え.又はこれを見せては辛らない。
3 第 1項に規定する「みだらな性行為」とは,健全な常識を有する一般社会人からみて.結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいう。前項に規定する「わいせつな行為」とは,いたずらに性欲を刺激し.又は興奮させ,かっ,健全な常識を有する一般社会人に対し性的し ゅう恥けん悪の情をおこさせる行為をいう。
一部改正昭和53年条例38号
〔要旨]
本条は.青少年に対してみだらな性行為若しくは,わいせつな行為をすること又はこれらの行為を教えたり.見せたりすることを禁止したものである。
〔解説〕
1 「何人」とは,第 4条の解説のと#りである。
2 本条の違反行為は,青少年の健全な肉体的.心理的.精神的ないしは,社会的苦成長のすべて若しくはその一部の成長が阻害されると認められる場合をその対象とするものであり,その認定にあたっては.行為の動機,手段及び態様並びに当該行為が青少年に与えた影響等諸般の事情を十分に考慮して.客観的,総合的に判断されるべきものである。従って,青少年に対する行為でも,例えば結婚を前提とした真に双方の合意ある男女間の性行為等は本条に該当しない。

神奈川県青少年保護育成条例の解説h10
(みだらな性行為、わいせつな行為の禁止)
第 19条
1何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せではならない。
3 第 1項に規定する「みだらな性行為」とは、健全な常識を有する一般社会人からみて、結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいい、同項に規定する「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激し、文は興奮させ、かつ、健全な常識を有する 般社会人に対し、性的しゅう恥けん悪の情をおこさせる行為をいう。
一部改正(昭和 53年条例 38号)、一部改正(平成 8年条例 31号)

〔要旨〕
本条は、青少年に対してみだらな性行為若しくは、わいせつな行為をすること又はこれらの行為を教えたり、見せたりすることを禁止したものである。
解説
本条は、青少年を対象とした性行為等のうち、健全な育成を阻害するおそれがあるものとして社会通念上非難を受けるべきものを対象としているが、その行為の認定にあたっては動機、手段及び態様並びに当該行為が青少年に与えた影響等、諸般の事情を十分に考慮して、客観的、総合的に判断されるべきものである。
第 1項関係
(1) 「何人も」 とは、条例第 5条の解説のとおりである。
(2) 「みだらな性行為」については、条文の中でも規定されているが、 「結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交」の解釈としては、 「人格的交流のない性交」 を象徴するものであり、これをさらに詳しくいうと次の場合を指すものである。
① 青少年を誘惑し、威迫し、欺商し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為
② 青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為
( 3 )本項の例としては、成人が、結婚の意思もないのに、青少年を言葉巧みに誘って、単に自己の情欲を満たすために性交じた場合や青少年の性器等を手でもてあそぶなどした場合などがこれに当たるが、結婚を前提とした真に双方の合意ある男女間の性行為は、該当しないものである。