児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「アパートの階段踊り場」は、大分県迷惑行為防止条例の「公共の場所」に当たるか?→不起訴不相当→再び不起訴

 アパートの階段とか廊下って、(痴漢・盗撮目的などで)正当理由なく立ち入ると住居侵入になるおそれがあるんだから、公共の場所には当たらないと思います。

大分県迷惑行為防止条例
(卑わいな行為の禁止)
第三条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接人の身体に触れること。
二 衣服等で覆われている人の下着又は身体(次号において「下着等」という。)をのぞき見し、又は撮影すること(次号に規定する方法により行われる場合を除く。)。
三 衣服等を透かして見ることができる写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器を使用して、下着等の映像を見、又は撮影すること。
四 前三号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
2 何人も、正当な理由がないのに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所に当該状態でいる人の姿態をのぞき見し、又は撮影してはならない。

合田悦三「いわゆる迷惑防止条例について」(『小林充・佐藤文哉先生 古稀祝賀刑事裁判論集 上巻』)
禁止の場所
「公共の場所」については、「道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興行場、飲食席、遊技場その他の公共の場所」とされている。有償・無償を問わず不特定多数の者(公衆)が、自由に出入りし利用することができる場所を指すのであり(曾出・前掲331)、飲食店が閉店中であるなど公開されていないときは該当しない(安冨五六頁)。 同様に「公共の乗物」については、「汽車、電卓、乗合自動車、船舶、航空機その他公共の乗物」とされている。 有償・無償を問わず不特定多数の者(公衆)が、自由に利用することができる乗物を指す。 タクシーや貸切りのバス・列車は含まれない(會田・335頁)。

住居侵入被告事件
最高裁判所第2小法廷判決平成21年11月30日
分譲マンションの各住戸のドアポストにビラ等を投かんする目的で,同マンションの集合ポストと掲示板が設置された玄関ホールの奥にあるドアを開けるなどして7階から3階までの廊下等の共用部分に立ち入った行為は,同マンションの構造及び管理状況,そのような目的での立入りを禁じたはり紙が玄関ホールの掲示板にちょう付されていた状況などの本件事実関係(判文参照)の下では,同マンションの管理組合の意思に反するものであり,刑法130条前段の罪が成立する。
【掲載誌】  最高裁判所刑事判例集63巻9号1765頁
       裁判所時報1496号337頁
       判例タイムズ1331号79頁
       判例時報2090号149頁
       LLI/DB 判例秘書登載

盗撮容疑の男性、不起訴不当議決 検察審査会 /大分県
2018.04.28 朝日新聞
 2017年6月、大分市内のアパートで女性のスカート内を盗撮したとして、県迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで
 書類送検され、大分区検が不起訴にした男性について大分検察審査会は24日付で不起訴不当と議決した。今後、大分区検が再捜査して改めて起訴するか判断する。

 議決要旨などによると、男性は同年6月15日午後6時ごろ、大分市のアパートの階段踊り場で、携帯電話のカメラを使い、女性のスカート内を動画撮影した疑いがある。県警が同年9月に書類送検し、区検が同年11月に不起訴にしていた。
県条例では、不特定かつ多数の人の出入りがある公共の場所や乗り物での盗撮行為を規制している。区検はアパートの階段や踊り場は公共の場所に該当しないとしたが、検察審査会は該当すると判断した。
 県条例を巡って県議会は3月、特定の人しか利用しない場所や乗り物での盗撮も規制するよう条例を改正し、6月から施行する。(小林圭)

追記 再び不起訴

盗撮容疑の男性が2度目の不起訴 /大分県
2018.10.06 朝日新聞
 (大分地検) 県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで書類送検され、不起訴になった男性を検察審査会が不起訴不当と議決していた事件で、大分区検は5日、再び男性を不起訴にした。男性はアパートの階段踊り場で女性のスカート内を動画で撮影したとして昨年9月に書類送検されたが、アパートの踊り場は(条例が盗撮の規制対象とする)公共の場所に該当しないとして同11月に不起訴になっていた。
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改めて不起訴 大分区検=大分
2018.10.06 読売新聞
 県迷惑行為防止条例違反(卑わいな行為の禁止)容疑で書類送検された後に不起訴となり、大分検察審査会が「不起訴不当」と議決した男性について、大分区検は5日、改めて不起訴とした。理由は明らかにしていない。
 審査会の議決要旨などによると、男性は昨年6月、大分市のアパートの階段や踊り場で、女性のスカート内を携帯電話で盗撮したとして書類送検された。区検は、階段や踊り場は同条例が適用される「公共の場所」ではないと判断したが、審査会は「公共の場所と考えられる」と指摘していた。
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大分県/盗撮容疑の男性 再び不起訴処分 大分区検
2018.10.06 西日本新聞
 大分区検は5日、県迷惑行為防止条例違反(盗撮)容疑で逮捕され、大分検察審査会が不起訴不当と議決をした男性について、再び不起訴処分とした。

 審査会によると、男性は昨年6月、大分市内のアパートの階段前で、携帯電話の動画撮影機能を使って女性のスカート内を撮影した疑いで逮捕された。

 同条例は「公共の場所」での盗撮を禁止。区検は現場を公共の場所に当たらないとして不起訴処分にしたが、審査会は公共の場所に当たると判断し、不起訴不当と議決していた。 (長美咲)