児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

検察官控訴・検察官上告ではないのに~~村井敏邦「刑事法のなかの憲法(10)強制わいせつ罪の成立に、わいせつ目的を必要とするか」時の法令 第2043号


 被告人控訴、被告人上告でした。検察官は趣意書出してないだろ。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87256
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=86760

強制わいせつ罪の成立についての判例変更
昨年(二○一七年)一一月二九日、最高裁判所は、大法廷判決において、上記一九七○年判例を変更しました。「被告人は、被害者が一三歳未満の女子であることを知りながら、被害者に対し、被告人の陰茎を触らせ、口にくわえさせ、被害者の陰部を触るなどのわいせつな行為をした。」という事案です。
第一審判決は、自己の性欲を刺激興奮させ、満足させる意図はなく、金銭目的であったという被告人の弁解が排斥できず、被告人に性的意図があったと認定するには合理的な疑いが残るとしたのですが、強制わいせつ罪の成立には、性的意図があったことは必要がないとして、強制わいせつ罪の成立を認めました。
検察官の控訴を受けた高等裁判所は、第一審の事実認定を認めた上で、客観的に被害者の性的自由を侵害する行為がなされ、行為者がその旨認識していれば、強制わいせつ罪が成立し、行為者の性的意図の有無は同罪の成立に影響を及ぼすものではないとして、一九七○年判例を現時点において維持するのは相当でないと説示して、強制わいせつ罪の成立を認めた第一審判決を是認しました。
検察官は、一九七○年判例に違反すると主張して上告しました。この上告に対して最高裁判所が下したのが、判例変更によって検察官の上告を棄却するという判断でした