児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・強姦・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(強姦罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例違反)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制わいせつ罪の成立にはそのような性的意図までが必要ではなく、自己の行為が被害者に対する性的侵害になる性質の行為である胸の認識があれば十分である(神戸地裁H28.3.25)

 1刑合議体の判断(3/18)に2刑も流されよった

神戸地裁H28.3.25
なお 強制わいせつ教唆の点に関して 関係証拠上 正犯については正犯者自身の性欲を刺激あるいは満足させるという性的意図があったとは認めがたいが、強制わいせつ罪の成立にはそのような性的意図までが必要ではなく、自己の行為が被害者に対する性的侵害になる性質の行為である胸の認識があれば十分であると解されるところ 本件正犯じゃにはその旨の認識があったことは優に認められるので 正犯者に強制わいせつ罪が成立し、被告人にはその教唆が成立する
第一刑事部

神戸地裁H28.3.18
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/900/085900_hanrei.pdf
平成28年3月18日宣告 裁判所書記官
平成27年(わ)第1051号,第1177号,第1264号 児童買春,児童
ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,強制わ
いせつ,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件
【争点に対する判断】
1 弁護人は,第1の1の事実につき,被告人には性的意図がなかったから強制わいせつ罪は成立しないと主張し,被告人も性的意図はなかったと供述する。
当裁判所は,被告人に性的意図があったと認定するには合理的な疑いが残るが,強制わいせつ罪の成立について犯人が性的意図を有する必要はないから,被告人には強制わいせつ罪が成立するものと判断した。
3 しかし,強制わいせつ罪の保護法益は,被害者の性的自由と解されるところ,犯人の性的意図の有無によって,被害者の性的自由が侵害されたか否かが左右されるとは考えられない。また,犯人の性的意図が強制わいせつ罪の成立要件であると定めた規定はなく,同罪の成立にこのような特別の主観的要件を要求する実質的な根拠は存在しない。
よって,客観的にわいせつな行為がなされ,犯人がそのような行為をしていることを認識していれば,同罪が成立すると解するのが相当である。弁護人は,これと異なる最高裁判所判例を指摘するが,当裁判所は,同判例は相当でないと判断した。
本件では,被告人が被害者に対して客観的にわいせつな行為をしたこと及びその際に自分がそのような行為をしていることを認識していたことは証拠上明らかである。よって,被告人には強制わいせつ罪が成立する。
神戸地方裁判所第2刑事部