児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

13歳未満への自画撮・sexting事案について、頼んだ側が姿態をとらせて製造罪の単独正犯となって、告訴は不要である(福岡高裁H29.3.15)

福岡高裁H29.3.15
これらの事情に照らせば,原判示第2及び第3のいずれにおいても,被告人は単独で児童ポルノ製造罪の正犯となる。また,児童買春・児童ポルノ等処罰法は,買春行為や児童ポルノの製造等に当たり, 当然存在する関与者としての児童につき処罰規定を設けていない一方,被害者としての児童を保護する観点から,種々の規定を設けており,児童を処罰しないとする立法趣旨が示されている。したがって,児童ポルノの被害児童らにはこれらの罪の正犯や共同正犯は成立しないから,被害者らはいずれも児童ポルノ提供目的製造罪ないし提供罪の正犯や共同正犯にはなりえない。所論は前提を欠いており,採用することはできない。論旨は理由がない。
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論旨は,?原判示第3の事実は強制わいせつ罪を構成するから,被害者Bに乳房や陰部を露出した姿態をとらせても児童ポルノ製造罪は成立しないから同罪を適用して有罪とした原判決には判決に影響を及ぼすことの明らかな法令適用の誤りがあるとともに,?親告罪の全部について告訴がないのに起訴することは親告罪の趣旨を潜脱するもので違法であり,公訴棄却すべきところを実体判断したものであって,判決に影響を及ぼすことの明らかな訴訟手続の法令違反がある, というのである。
しかしながら,控訴理由第3で述べたとおり,原判示第3の事実に強制わいせつ罪を構成する事実が含まれているからといって,児童ポルノ製造罪の成立が否定されるわけではないから,原判決に法令適用の誤りはない。また,児童ポルノ製造罪自体は親告罪ではないから,強制わいせつ罪と全部又は一部が重なり合う部分があったとしても,児童ポルノ製造罪で起訴することが阻害されるものではないことについても,既に述べたとおりであり,訴訟手続の法令違反もない。論旨は理由がない

参考
原判決
第3
被告人は,携帯電話のアプリで知り合った被害者B(当時10歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,平成2年月日午後8時前後にかけて,4回にわたり,同児童に,同児童方で,その乳房や陰部を露出した姿態をとらせ,同児童の携帯電話機を使用し,その画像を撮影させた上,同画像データ4点を携帯電話のアプリを使用して同電話機から被告人の携帯電話機に送信させた。そして,大阪県内又はその周辺で,同画像データ4点を同電話機に受信し,その本体記録装置に記録させて保存し,もって,衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造した。