児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

東京都内での青少年条例違反につき過失処罰条項があるという記事

ドットコムの弁護士でもよく間違えています。
https://www.bengo4.com/internet/1078/b_174356/

東京都青少年の健全な育成に関する条例
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012150001.html
(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)
第18条の6
何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない。
・・・
第二十八条 
第九条第一項、第十条第一項、第十一条、第十三条第一項、第十三条の二第一項、第十五条第一項若しくは第二項、第十五条の二第一項若しくは第二項、第十五条の三、第十五条の四第二項又は第十六条第一項の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第二十四条の四、第二十五条又は第二十六条第一号、第二号若しくは第四号から第六号までの規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。

東京都青少年条例は、性交と性交類似行為のみを処罰しているところ、「ディープキスと胸をさわる」では、通常、性交類似行為にあたらない(「わいせつな行為」に該当します)と思いますので、東京都では処罰されません。

東京都青少年の健全な育成に関する条例の解説
「性交類似行為」とは 、実質的にみて、性交と同視し得る態様における性的な行為をいい、例えば、異性問の性交とその態様を同じくする状況下におけるあるいは性交を模して行われる手淫・口淫行為・同性愛行為などであり、児童買春・児童ポルノ法における性交類似行為の解釈と同義である。

 東京都の場合、過失処罰規定(28条)は、淫行(18条の6 24条の3)については適用されていませんので、過失で処罰されることはありません。故意犯だけが処罰されます。過失処罰に言及するのも失当です。

 念のために書き添えると、サイト上の表示や青少年の自称を信用しただけでは、過失はあると思います。

東京都青少年の健全な育成に関する条例の解説(平成23年7月)
本条でいう「過失」とは、注意すれば相手が青少年であるという事実を認識することができたのに不注意で認識しなかったことをいい、「この限りでない。」とは、過失がないと認められる場合は、消極的に本条の罰則適用を打ち消すとの意味である。
すなわち、年齢確認をした際、当該青少年が他人の身分証明書や年齢を詐称した定期券を提示した場合等で、誰が見ても見誤る可能性が十分あり、見誤ったことに過失がないと認められるような状況にあった場合は、あえて責任を負わせないとしたものである。

 この解説を前提にすると、件のタレントの場合は、年齢確認についての過失はあったと思われますが、そもそも淫行処罰規定に過失処罰規定が適用されないので、故意がなければ処罰されません。

http://myjitsu.jp/archives/18723
が逮捕されなかったのはなぜ?
盗撮とは違うが、最近の芸能界でもお笑い芸人のが、17歳の女子高生との淫行疑惑が持ち上がり、謹慎に追い込まれた。しかし、は逮捕されなかった。
『東京都青少年育成条例』では、その第28条に《当該青少年の年齢を知らないことを理由として、処罰を免れることはできない》とある。この条例をそのまま通すのであれば、は、初対面のときに言われた「22歳」という年齢を信じて疑わなかったとの弁明は通用しないはずだ。
ところが条文は《ただし、過失のないときは、この限りでない》と続いている。抜け道があるのだ。はこの条文のおかげで逮捕されずに済んだのである。
いずれにせよ、自分の住んでいる自治体の条例を把握しておいて損はないだろう。