最決H26.11.25の事案と同種の事案でこういう主張をしたことがありますが、最決の事案の方が数ヶ月先行していて、上訴中に最決が出てしまいまして、影響をもろに受けました。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84650
事件番号 平成25(あ)510
事件名 わいせつ電磁的記録等送信頒布,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管被告事件
裁判年月日 平成26年11月25日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 決定
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第68巻9号1053頁
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審事件番号 平成24(う)2197
原審裁判年月日 平成25年2月22日
判示事項 1 刑法175条1項後段にいう「頒布」の意義
2 顧客のダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能を備えた配信サイトを利用してわいせつな動画等のデータファイルを同人の記録媒体上に記録,保存させる行為と刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録の頒布
裁判要旨 1 刑法175条1項後段にいう「頒布」とは,不特定又は多数の者の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を存在するに至らしめることをいう。
2 不特定の者である顧客によるダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能を備えた配信サイトを利用した送信により,わいせつな動画等のデータファイルを同人の記録媒体上に記録,保存させることは,刑法175条1項後段にいうわいせつな電磁的記録の「頒布」に当たる。
参照法条 (1,2につき)刑法175条1項後段
全文 全文
控訴理由第1 事実誤認 頒布についての共謀(判示1)がないこと 3
1 はじめに 3
2 被告人の関与 4
3 事実関係の分析 5
4 東京高裁H25.2.22*2との区別 8
控訴理由第2 法令適用の誤り 判示1の頒布罪は国外犯であること 10
1 はじめに 10
2 国内犯 11
森山野田「よくわかる改正児童買春ポルノ法」P111 12
3 インターネットで画像を流すということの現象面 13
大橋充直「ハイテク犯罪捜査入門 基礎編」p91 13
4 文献 15
?園田寿「わいせつの電子的存在について」関大法学論集47巻4号p34 15
?山中敬一「インターネットとわいせつ罪」(インターネットと法第3版P107) 18
?西田典之『刑法各論〔第5版〕』386頁 19
?浦田啓一「インターネットを利用したわいせつ画像の提供につき、わいせつ図画公然陳列罪の成立を認めた事例」警察公論 第51巻11号P123 20
控訴理由第3 法令適用の誤り〜「頒布」に当たらない(判示1) 22
1 はじめに 22
2 インターネットで画像を流すということの現象面 23
大橋充直「ハイテク犯罪捜査入門 基礎編」p91 23
3 判例(最決H13.7.16) 24
4 刑法改正によっても解釈に変更がないこと 27
「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律」について 法曹時報64巻04号 27
5 児童ポルノのサーバー蔵置の判例 29
?大阪高裁H15.9.18*3 31
?大阪高裁H21.9.2*4(京都地裁H21.5.21*5) 31
?大阪高裁H23.3.23*6(神戸地裁H22.11.29*7) 31
?札幌高裁H21.6.16*8 33
6 わいせつデータのサーバー蔵置の判例(再掲) 34
?大阪高裁H23.3.23 34
?札幌高裁H21.6.16 34
控訴理由第4 事実誤認 頒布についての故意(判示1)がないこと 35
1 はじめに 35
2 被告人の認識 35
控訴理由第5 法令適用の誤り・訴訟手続の法令違反〜頒布についての故意(判示1)がたとえあったとされても、刑法38条3項但書による減軽をすべきである+その判断を欠いていること。 38
控訴理由第7 量刑不当 48