児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

原判決後,被告人に窃盗症なる診断名が付、されたことがあったとしても,それは実刑を回避する理由とはなり得ないと判示して,原審の実刑判決を維持した事例(広島高裁h28.12.6 速報7号)

 参考事項として、病院とか弁護人が特定されています

参考事項
赤城高原ホスピタルの医師は,DSM-?-TRにおけるクレプトマニア(窃盗癖)診断基準を緩和し「明らかに割に合わない窃盗を繰り返している場合は基準に該当すると考えるべきである」とする見解を取っているため、窃盗常習者の弁護人の中には,実刑を回避すべく,被告人をわざわざ赤城高原ホスピタル(又は,同様の見解をとる医師のいる他の医療施設)を受診させて窃盗症の診断を得て,その治療の必要性を強調することにより執行猶予を獲得せんとするものが少なくないようである(本件の弁護人もウェブサイト上に,そのような弁護方針をとることを標榜している。)。そして,従来の控訴審段階の裁判例の中には,クレプトマニアについて顕著な改善効果のある治療法が確立しているわけではないことを認めつつも,継続的治療による一定の効果を期待できるなどの理由により,被告人を実刑に処した原判決を破棄し,執行猶予期間中の再犯について再度の執行猶予を認めた裁判例も散見されるが(東京高裁平成25年11月1日判決・判例秘書判例番号L06820952はその代表例と思われる。),本判決は,服役後でも治療は可能であるという極めて明快な理由により弁護人の主張を退けており,今後の参考になる