児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

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「刑法の併合罪の規定によって、2個以上の犯罪はその数がどれだけ増えてもそれに対する処罰は150パーセント以上にはならない、と決められているから、判決を受けた事実より前の事実は、自白していなかったとしても、ふつうは後日起訴されることはない」という弁護士の回答

 併合罪加重の上限で、余罪起訴が制限されるというのは初耳でした。
 詐欺の法定刑は10年で、併合罪加重すると15年になるから、本件が懲役2~3年執行猶予だった場合は、この弁護士の見解だと、あと12年分は余罪は立件されうることになります
 こういう場合を想定して刑法50条があるので、余罪は別途起訴されることは珍しくありません。特に別の警察が来るときは躊躇ありません。
 歯止めとなり得るのは、確定した事件で余罪として考慮されていれば、二重処罰になるので、追加で起訴しにくくなるということだと思います。

条解刑法p200
第50条(余罪の処理) 併合罪のうちに既に確定裁判を経た罪とまだ確定裁判を経ていない罪とがあるときは,確定裁判を経ていない罪について更に処断する。
1 ) 本条の趣旨本条は,併合罪中のいわゆる余罪(45条後段に定める禁銅以上の刑に処する確定裁判の確定前に犯した罪で,まだ確定裁判を経ていないもの)につき,執行の調整について定める次条とともに,その取扱いを定めるものである。本条は,余罪について更に処断する場合における処断の基準については定めていない。この点,実務上,余罪については,それのみを裁判する場合と同じように量刑するのではなく,同時に全部の罪を裁判した場合における量刑を念頭に置いて刑を定めているのが通例である。

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量刑実務体系Ⅰp302
第3 刑法45条後段の確定裁判がある場合の量刑判断
これまでの検討を前提として考えるならば,有期自由刑の確定裁判がある場合に,それ以前の余罪について刑法50条により更に処断し,再び有期自由刑を宣告するときには,併合の利益を考慮して刑を定めなければならず,基本的には,両者を合わせて総合的に刑を量定しこれから確定裁判の刑期を控除して刑を定めるのが正しいということになろう。確定裁判の刑によって余罪に対する刑罰の必要性は低下しているし.犯罪の性質によっては違法評価に重複がある可能性もあり,また,確定裁判の刑と合わせて刑期が長期化することによる特別予防的効果の逓減などにも配慮する必要があるからである45)46) 47) 48)。<<>

https://www.bengo4.com/c_1009/c_1410/b_605444/?k=b7f7c&via=twitter
Q 判決確定後の余罪の起訴の可否
2017年11月16日 21時43分

中島 繁樹 弁護士
福岡 福岡市 中央区
弁護士ランキング 福岡県6位 犯罪・刑事事件に注力する弁護士

<自白していれば余罪で逮捕、起訴はないとわかったのですが>
 自白していても、その事実が起訴の対象になっていなければ、後日起訴されることは、あり得るのです。ただ、ふつうは、自白したその事実については起訴しないという判断が、なされたはずですから、後日の起訴はないはずだというだけのことです。
<釈放後に27年から詐欺行為に手を染めていた事が分かったのですが、この場合は自白しなかった余罪として再度起訴されるのでしょうか?>
 同種の手口の同じ犯罪であれば、判決を受けた事実より前の事実は、自白していなかったとしても、ふつうは後日起訴されることはないでしょう。刑法の併合罪の規定によって、2個以上の犯罪はその数がどれだけ増えてもそれに対する処罰は150パーセント以上にはならない、と決められているからです。
2017年11月16日 22時14分