児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童は悪いと分かっていて、また危険を承知で、不適切な行為を行うことがある。そのようなケースで犯罪被害に遭ったとしても、悪いのはあくまで加害者である大人であり、被害者である児童を責めることはできない。松木秀彰「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部改正と警察の対応について」警察学論集70巻11号

 sextingについては、形式的に考えると児童が正犯なのに、法律を枉げて、頼んだ方を製造犯にするという実務をやめて、児童を検挙していけばいいんじゃないでしょうか。

松木秀彰「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部改正と警察の対応について」警察学論集70巻11号
最後に私見を述べたい。
インターネットに起因した児童の性犯罪被害等については、そもそも最初から被害者を出さないようにすることの方が、被害が発生してしまった後から加害者を検挙し、被害者の救済をすることよりもずっと重要であるが、しかし同時に、それはずっと困難なことである。
こうした、いわば事後対応から事前対応へのシフトを実現するためには、関係者・関係機関のうちの特定の誰か又はどこかが努力するだけでは不十分であり、関係者全員・関係機関全てが相互に連携しつつ、互いの取組の重複を顧みず、それぞれのできることをするという考え方が必要である。
また、児童は悪いと分かっていて、また危険を承知で、不適切な行為を行うことがある。そのようなケースで犯罪被害に遭ったとしても、悪いのはあくまで加害者である大人であり、被害者である児童を責めることはできない。ただ、被害をそもそも発生させないという困難なミッションを達成するためには、潜在的被害者層である児童自身にも危険認識や防犯意識をしっかり持って適切な行動をとってもらうことが必要不可欠である。
フィルタリングは有害環境から児童を守る有効な手段の一つであり、実施を強く推奨すべきであるが、他方それのみでは、被害の発生を完全に防ぐことは難しい。そのため、児童に普及啓発することが必要であるが、それをするに当たっては、児童の発達段階に応じて具体的な事例を話してあげ、児童の印象に残るようにすることが効果的である。
また、具体的な手口を知らせることで児童のデイフェンスカを上げることも必要である。手口の公開は模倣リスクを伴う側面もあるが、他方、そういうことを言っていられないほど状況が悪化しており、被害に遭ってしまう児童は、常に児童から裸の画像を送らせることばかり考えているような加害者が一心に考え出した悪質・巧妙な手口の前に無防備のままさらされ、泣く泣く裸の画像を送らされるケースも多い。そうした状況は変えていく必要がある。
警察の力だけでは被害発生を防ぎきることは難しいが、警察にしかできないことも多い。まずはそれにしっかりと取り組んでいくべきではないかと考えている。