児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童が喜んで性交していたとしても監護者性交罪は成立しうる。

児童が喜んで性交していたとしても監護者性交罪は成立しうる。

今井検事「刑法の一部を改正する法律の概要」警察公論72巻12号
3 捜査上の留意点
ア「現に監讓する者」の要件について
監護者わいせつ罪岐び監護者性交等罪の主体は. 18歳未満の者を「現に監護する者」に限定されており.教師やスポーツのコーチ等の指導者などについては.個別の具体的事例ごとに判断されるべき事柄ではあるが,一般的に, その者の生活全般にわたって.依存・被依存ないし保護・被保護の関係が認められるとはいえないことから、通常は.監護者には該当しないと考えられる。
もっとも、こうした教員等による性的行為が監護昔性交等罪等の適用対象とならないとしても,強制性交等罪等や準強制'性交等罪等が成立し得るのであり.教師等の立場や影響力の有無無・程度は.強制性交等罪等の暴行・脅迫要件や準強制性交等罪等の抗拒不能の要件を判断する際の重要な要素となり得ると考えられる。
したがって. こうした事案においても,犯罪の成否について.行為者と被害者との関係具体的な影響力の内容や程度.被害者の意思決定の過程などについて十分な捜査を尽くし,適切な判断をすることに留意する必要がある。
イ「影響力があることに乗じて」の要件について
被疑者からは, 18歳未満の者が積極的に(あるいは喜んで)性的行為に応じたから.影響力があることに乗じて行ったものではなく,影響力と無関係に行われたものであるとの主張がなされることが考えられる。
しかし, 18歳未満の者がそのような行動をとる例として.例えば、幼年のころから継続的に.監護音による性的行為を受け続け, そのような行為が当然のことであると思い込んでいる場合や.監護者を喜ばせ, あるいは監護者の機嫌を損なわないようにするために、積極的に応じるような場合が考えられるところ, いずれも. 「現に監護者であることによる影響力」によって18歳未満の者がそのような行動に至っていると一般的に考えられることから, このような行動が認められたとしても。「影響力があることに乗じて」行ったものではないとはいえないことに留意する必要がある。
工13歳未満の者に対する性的行為について
本罪は, いわゆる性的虐待を対象とするものではあるが, 13歳未満の者に対して'性的行為に及べば, 「その者を現に監護する音であることによる影響力があることに乗じて」との要件を満たすか否かを問わず.強制わいせつ罪(176条後段)や強制性交等罪(177条後段)が成立するので,実際に本罪の適用対象となるのは,被害者が13歳以上18歳未満の場合であることに留意する必要がある。