児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制わいせつ罪傾向犯説もH29.11.29までか?

 
判決日が公表されました。弁護人の都合を聞かずに決められたので、別件の期日を変更中です。 
 問題は、性的意図必要を前提としたわいせつの定義(いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう。(最判昭26・5・10刑集5-6-1026))が、不要説として、どう変わるかです。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017102701063&g=soc
強制わいせつ要件、来月判決=「性的意図」判例見直しか-最高裁
 強制わいせつ罪の成立に「性欲を満たす意図」が必要かどうかが争われた刑事裁判の上告審で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は27日までに、判決期日を11月29日に指定した。最高裁は1970年、成立には「性欲を刺激させたり、満足させたりする意図」が必要との判断を示したが、見直される可能性がある。

文春の記事は間違っていて、学説はS45判決までは性的意図必要説で、S45判決以後性的意図不要説になった感じです。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171027-00004690-bunshun-soci
司法担当記者が解説する。
「この問題について最高裁は約半世紀前に判例を示したきりで、刑法学者の間では社会の変化などに伴って判例を変更すべきだとの声が上がっていました。今回の裁判はこの法律問題が焦点となっていて、事件の内容にはあまりスポットが当たっていませんが、被告の犯行は実に卑劣なものでした」

 被告は甲府市に住む男(40)。2015年、13歳未満の女児にわいせつな行為をさせた上、全裸の姿をスマートフォンで撮影するなどし、知人の男に送信したとして起訴されている。このため、男は強制わいせつ罪以外に、児童ポルノ処罰法違反などにも問われている。ちなみに、強制わいせつ罪と強制性交等罪(今年6月の刑法改正で強姦罪から名称変更)との違いは、「姦淫」(性交)の有無。前者は性交を伴わないわいせつ行為に適用される。

「被害女児は、性的行為の意味すら分からない幼さでした。被告と非常に近しい関係だったため、言われるままに応じてしまったのです。今後、成長する中でトラウマになるかもしれません。可哀そうな事件です」(同前)

 そもそも「強制わいせつ罪の成立に性欲を満たす意図が必要」とした判例(1970年)の事件で、最高裁は「被告の目的は被害女性への報復で性的意図はなかった」として強制わいせつ罪の成立を否定していた。今回の事件では、被告は「知人から金を借りようとしたら、条件としてわいせつ画像を求められたので、(わいせつ行為や撮影などの)行為に及んだ。性欲を満たす意図はなかったので、判例に従えば、強制わいせつ罪は成立しない」と主張しているのだ。

 しかし最高裁は「金を借りる目的だったとしても、強制わいせつ罪が成立する」として判例を変更する見通しだ。