児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

東京地方検察庁検事村上史祥「内妻の13歳未満の実子に対する強姦事件において,同人から有効な告訴を得た事例」捜査研究800号

 13未満の場合は、児童がある程度の任意性を持って犯人と「淫行した」ことが要件になるようです。

次に,児童福祉法違反罪(同法34条1項6号の「児童に淫行をさせる行為」)については,裁判例によれば, 「児童に淫行をさせる行為」に当たるというためには, 「児童に対し,事実上の影響力を及ぼして淫行するように働きかけ,その結果,児童をして淫行をするに至らせることが必要である」とされるところ,検討時点での証拠関係から認定できる事実では, 「児童に淫行をさせる行為」に当たるとの判断が困難であるという問題点があった。
しかしながら,本件の悪質性に鑑みれば,問題点を何とかして克服し,状況の打開を模索すべきではないかと考え,Aに適正妥当な刑罰を与えるという観点からは, とりわけ,強姦罪の成立に向けて打開策を講じる必要があると考えた。
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6処理状況等
以上の捜査を遂げ,本件については,強姦罪で公判請求した。
児童福祉法違反については,逮捕後に,Aに対する取調べやVに対する再度の取調べ等の捜査を尽くしたものの,本件ではAからVに対し,暴行や脅迫等による強制行為はもとより,強い要求行為によって被害者が性交に応じざるを得ないような心情に追い込まれた等の事情がうかがえず, また,本件犯行時の性交に至る具体的なやり取りも不明であり,前記の裁判例に照らし,「児童に淫行をさせる行為」に当たるというのは困難であると判断し,訴因から除外した。