児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

スパッツの股間部分にペットボトルなどを入れた状態で、近くにいた女子中学生2人に下半身を見せつけた行為を「卑わい行為」として逮捕した事例

 強制わいせつ罪のわいせつの定義によっては、こういう行為も強制わいせつ罪になるかもしれません。

https://www.nishinippon.co.jp/flash/f_kyushu/article/349446/
福岡県迷惑行為防止条例違反(卑わいな言動)容疑で書類送検した。
 容疑は、5月8日、福岡県久留米市の公園で、スパッツの股間部分にペットボトルなどを入れた状態で、近くにいた女子中学生2人に下半身を見せつけ、著しく羞恥させるなどして、卑わいな言動をした疑い。

 判例上、「卑わいな言動」とは,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいうとされていますので「スパッツの股間部分にペットボトルなどを入れた状態で、近くにいた女子中学生2人に下半身を見せつけ」というのは卑わい行為に該当すると思います。

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件
最高裁判所第3小法廷決定平成20年11月10日
【掲載誌】  最高裁判所刑事判例集62巻10号2853頁
       裁判所時報1471号372頁
       判例タイムズ1302号110頁
       判例時報2050号158頁
       LLI/DB 判例秘書登載
【評釈論文】 ジュリスト1433号114頁
       法曹時報63巻10号2545頁
弁護人古田渉の上告趣意のうち,憲法31条,39条違反をいう点については,公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和40年北海道条例第34号)2条の2第1項4号の「卑わいな言動」とは,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいうと解され,同条1項柱書きの「公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し,正当な理由がないのに,著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような」と相まって,日常用語としてこれを合理的に解釈することが可能であり,所論のように不明確であるということはできないから,前提を欠き,その余は,単なる法令違反,事実誤認の主張であり,被告人本人の上告趣意は,単なる法令違反,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 所論にかんがみ,職権で検討するに,原判決の認定及び記録によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。
 すなわち,被告人は,正当な理由がないのに,平成18年7月21日午後7時ころ,旭川市内のショッピングセンター1階の出入口付近から女性靴売場にかけて,女性客(当時27歳)に対し,その後を少なくとも約5分間,40m余りにわたって付けねらい,背後の約1ないし3mの距離から,右手に所持したデジタルカメラ機能付きの携帯電話を自己の腰部付近まで下げて,細身のズボンを着用した同女の臀部を同カメラでねらい,約11回これを撮影した。
 以上のような事実関係によれば,被告人の本件撮影行為は,被害者がこれに気付いておらず,また,被害者の着用したズボンの上からされたものであったとしても,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな動作であることは明らかであり,これを知ったときに被害者を著しくしゅう恥させ,被害者に不安を覚えさせるものといえるから,上記条例10条1項,2条の2第1項4号に当たるというべきである。これと同旨の原判断は相当である。

北海道警察本部「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」逐条解説(平成16年1月1日施行改正版)
(4) 「卑わいな言動」とは、いやらしく、みだらな言語、動作で、通常人の性的しゅう恥心を害し、嫌悪感を催させ、又は不安を覚えさせるに足りる言語、動作をいう。
本条第1項第1号、第2号及び第3号i立、その具体的行為の例示であるが、第4号は、これらに該当しない「卑わいな言語、動作」であり、例えば、「スカートをまくり上げる行為」「女性につきまといながら、性交や性器を意味する言葉をかけ続ける行為」等、様々な卑わいな行為の形態があるが、これらの卑わいな言動は、人に対するものであれば足り、直接であると間接であるとを関わない。

大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
(卑わいな行為の禁止)
第六条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
四 前三号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。
・・・
大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の解釈及び運用についての全部改正について
第6 卑わいな行為の禁止(第6条関係)
1 この条は、痴漢行為、のぞき見行為、隠し撮り等卑わいな行為を規制することにより、人にしゅう恥心又は不安感を抱かせる行為を防止し、個人の意思及び行動の自由を保護しようとするものである。
2 第1号関係
(1) 「人」とは、自然人をいい、性別、年齢又は国籍を問わない。
(2) 「著しく」 の程度は、具体的にどの程度と明示することは非常に困難であるが、社会通念上、容認し難い程度のものであれば足りる。
(3) 「人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような」とは、社会通念上人に著しく性的恥じらいを感知させ、又は不安を覚えさせるであろう程度のことをいい、被行為者が行われた言動を認識する必要はあるが、当該言動によって実際に性的恥じらいを感知し、又は不安を覚えたか否かは問わない。この場合において、被行為者とは、言動の直接的な対象となった人はもとより、言動の直接的な対象となった人が当該言動の内容を理解できない場合において、それを理解し得る能力があり、かつ、当該言動を認識し得る状態にある間接的な対象となった他の人も含まれる。
6 第5号関係
(1) この号は、第1号から第4号までに具体的に掲げられた行為のほか、「人を著しくしゅう恥させ又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」を規制するものである。
(2) 「卑わいな」とは、いやらしくみだらで、社会通念上、人に性的しゅう恥心を抱かせ、嫌悪感を催させ、又は不安を覚えさせるに足りることをいい、刑法上の「わいせつ」よりも広い概念である(第8条及び第9条において同じ。)。